キミとの出会いは偶然か必然か   作:空丘ルミィ

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どうも、空丘ルミィです。

いよいよ夏祭り回も佳境に迫ってきました。現実の夏休みも佳境に迫ってますね(遠い目)主の夏休みも佳境に迫ってます(涙目)そしていつものように連日投稿です^^

では夏祭り回後半、どうぞ


4話:Summer vacation(後編)

8月9日

 

 

相汰「(今日は大和と夏祭りに行くことになっている・・・そう、日菜さんの悪だくみが実行される日だ。昨日、久しぶりに服を買ったしやっぱり楽しみだな)」

 

麻弥「あ、おはようございます空葉くん。ところで夏祭りのことですけど、どうしましょうか?」

 

相汰「そういえば行くことは決まってたけど時間とかはまだ決めてなかったな・・・チラシをスマホで撮っておいたから見てから決めるか」

 

麻弥「はい!」

 

少年少女夏祭りの行事確認中・・・

 

麻弥「どうやら夏祭りは午後5時から始まるみたいですね。」

 

相汰「だな、ただあまり早く行き過ぎても困るし・・・午後6時に事務所に向かう駅の前でどうだ?浴衣を着付けするのも時間かかるだろうし。」

 

麻弥「そうしましょうか。ジブンの浴衣を有咲さんに着付けしてもらうので時間がかかるかもしれませんとは言っておきますね」

 

相汰「ん、わかった。それじゃあまた後でな。」

同日の午後5時50分・・・

 

相汰「少し早く着きすぎたか?結構余裕をもって来たつもりなんだが」

 

すみませーーーーん!

 

相汰「ん?」

 

声が聞こえたのでその方向を見てみると…

 

麻弥「すみません!着付けが遅れてしまって…!」

 

声の主は大和だった。薄緑色の布地に綺麗でカラフルな花の柄、緑色の帯、月下美人の花をモチーフとしたヘアピン・・・なんというか・・・

 

相汰「・・・とても似合ってるな。」

 

麻弥「フヘヘ…結構奮発しちゃいました。でもそういう空葉くんだってとても似合ってますよそのTシャツ。」

 

相汰「・・・ありがとな。ほら、そろそろ祭りに行くぞ。」

 

そう言って俺は大和に手を差し出した

 

相汰「ほら、手を繋ぐぞ。途中で逸れたりしたら探すの大変だし、こうした方が一緒に回れるし…な」

 

麻弥「フヘヘ・・・こういう時の空葉くんって本当に頼りになりますね・・・それでは失礼して・・・(ギュッ)」

 

相汰「(やっぱり落ち着かないな・・・前の無人島ロケの時もそうだったけど大和の手、温かいな・・・やっぱり俺、大和のことを昔から知ってるのか?それも子供の時から…)・・・じゃあ行くか。」

 

麻弥「はい!」

Pastel*Palettes(麻弥以外のメンバー)side

 

ナレーション:日菜

 

日菜「えへへー…尾行なんて初めてだから緊張しちゃうなー♪」

 

イヴ「はい!まさにシノビのごとく忍び寄る、です!ニンニン!」

 

彩「うぅー…なんで私もこんな目に・・・」

 

千聖「仕方ないわ。提案者は日菜ちゃんだから日菜ちゃんに従うしかないわ。それで今こんな状況になってるんだもの」

 

今の状況を説明しちゃうねー♪あたしの提案で今麻弥ちゃんと相汰くんを尾行中なんだー♪実はというとあたしたち、麻弥ちゃんとそーくんが分かれて家から出た時からつけてたんだよね。メンバー分けはあたしと彩ちゃんでそーくん、イヴちゃんと千聖ちゃんで麻弥ちゃんを尾行し始めて今に至るってわけなんだー。

 

彩「うぅー…日焼け止めも塗り忘れてきちゃったし思ったよりこの変装きつい・・・」

 

千聖「これくらいガマンしないと後々仕事に響くかもしれないからちゃんと乗り切らなきゃだめよ?」

 

彩「うぅー…千聖ちゃんの目が怖い・・・」

 

日菜「あはは!やっぱり彩ちゃんって面白ーい!」

 

イヴ「アヤさん!ここを乗り越えたら私たちもお祭りを楽しめるので頑張りましょう!」

 

彩「ううー…やっぱり乗らなきゃよかったよー…」

相汰・麻弥side

 

麻弥「見てください空葉くん!水鉄砲がありますよ!こっちには射的もあります!こっちには露店も!」

 

相汰「大和、そんなにはしゃがなくても露店とかは逃げたりしないからな?」

 

麻弥「そうはいっても楽しみだったので・・・フヘヘ。」

 

相汰「わかったわかった。とりあえずおじさん、水鉄砲2丁と焼きそば2パック、フライドポテト大盛2つをお願いしたい」

 

屋台のおじさん「はいよー!まいどありー!特別に全部半額で売っちゃうよー!」

 

相汰「え、いいんですか?こういう時に半額にしたら…」

 

屋台のおじさん「いいってことよ!ほら、持っていった持っていった!」

 

相汰「はあ…ありがとうございます。」

相汰「ほら大和、買って来たぞ。」

 

麻弥「あ、すみません…なんかいろいろ買ってきてもらって」

 

相汰「いいからいいから。ほら、そこのベンチに座って一緒に食べるか」

 

麻弥「はい!」

【神社】

麻弥「ふうー…お腹いっぱいですー…」

 

相汰「はは、いい食べっぷりだったな。大和は食レポにも向いてるんじゃないか?」

 

麻弥「フォローになってないですよ空葉くん・・・」

 

相汰「はは、悪い悪い。・・・どうしたんだ?ずっと足を抑えて」

 

麻弥「すみません…草履の鼻緒が切れてしまってですね・・・」

 

(なんてことだ、これじゃ大和はこの場から動けない。それどころか、俺は大和が履いている草履の鼻緒の替えなんて持ってるわけもなく、持っているのは水鉄砲1丁だけだった【もう一つは大和が所持】)

 

相汰「・・・まずいな、これじゃこの後にある花火を見ることができない。それに大和を置いていったらそれこそこの夏祭りに一緒に来た意味がなくなる・・・仕方ないな」

 

麻弥「あの、空葉くん・・・ジブンのことはいいので花火を見にいって大丈夫ですよ。」

 

相汰「・・・そういうわけにはいかない。ここで分かれて行動したとしても俺にとっては途中で抜け出すことと同意義だ。」

 

麻弥「でも・・・」

 

相汰「でもも桃もヘチマもない!」

 

(ガバッ!)

 

麻弥「え!?ちょっと空葉くん!?」

 

思考停止した俺は大和をおんぶして無我夢中であの場所に走った・・・

 

相汰「(はぁ・・・はぁ・・・この時間でも空いてるはずだ・・・!頼む、開いててくれ…!)」

 

そう願っていった場所は・・・

【??????】

 

相汰「はあ、はあ・・・ま、間に合った…か・・・」

 

麻弥「こ、ここって・・・」

 

相汰「ああ、羽丘学園の屋上だ。ここなら花火を見れるだろうと思ってな。」

 

麻弥「・・・どうして、ですか。どうしてジブンなんかのためにここまで・・・?」

 

相汰「・・・それは、俺をここまで変えてくれた大和のためだ。俺は大和に会ってから何度も何度も記憶を取り戻してきた。そして側にはいつも大和がいてくれた。これは俺なりの恩返しなんだ。」

 

麻弥「・・・空葉くん」

 

相汰「おかしな話だろ?俺は以前の記憶を失って親父の知り合いの娘の家に世話になって同じ学園に通って俺と友達になってくれて…同じアイドルバンドのメンバーも紹介してくれた。さらには俺を事務所に雇ってくれて…感謝してもしきれないくらいにな。」

 

麻弥「おかしくなんかないです!!」

 

相汰「っ!!」

 

麻弥「ジブンだって、アイドルになってからも普通の生活を送っていました。そんな時、ジブンの家に世話になるって人がいたんです。それがジブンの生活を変えてくれるキッカケになったんです。空葉くん・・・あなたがいてくれたからこそジブンは変わることができたんです。ジブンだって空葉くんには感謝してもしきれないんです」

 

相汰「・・・そうか、こんな俺でも誰かを変えることなんてできるんだな。俺も変わらないといけないな。・・・過去の記憶を追い求めるのはやめないけど今から起こること全てを心に刻んで向き合う・・・これが俺のこれからの人生だ」

 

麻弥「空葉くん・・・」

 

相汰「『相汰』だ。『麻弥』」

 

麻弥「え?」

 

相汰「『相汰』って呼んでくれ。これからの人生を変えるためにもまずは呼び方から変えたい。」

 

麻弥「・・・わかりました。『相汰くん』!」

 

相汰「さて…そろそろハッキリさせておくか」

 

麻弥「え?何のことですか?」

 

相汰「(麻弥、俺が麻弥と一緒に買い物しただろ?その時、水鉄砲を買ったのを覚えてるよな?)」

 

麻弥「(その水鉄砲がどうかしたんですか?)」

 

相汰「(その水鉄砲、屋台のおじさんが気を利かせて水を水鉄砲いっぱいに入れてくれたらしい。そしてこの水鉄砲は・・・モデルガンみたいに勢いよく水が発射されるっておじさんが教えてくれたんだ。で、俺は今その水鉄砲をバッグに入れてる。それは今麻弥が持ってるよな?あと、もう一丁貸してくれ)」

 

麻弥「(はい、持ってますけど・・・何に使うんですか?)」

 

相汰「(それは・・・)こう使うんだよ!」

 

そういって俺は両手で両脇の隙間から二丁の水鉄砲を出して死角から開いている扉を撃った

 

?「「きゃあ!」」

 

?「ひゃあー!」

 

?「つっめたーい!」

 

麻弥「日菜さん!?彩さんにイヴさん、それに千聖さんまで!?これはどういうことですか!?」

 

相汰「見ての通りだ、俺たちはつけられていたんだよ。」

 

日菜「いつばれたのー!?」

 

相汰「いつって、屋台で買い物してる時だったかな。祭りに参加してる人たちの声であまり聞こえなかったけど彩さんのテンパってる声がちょっと聞こえた。で・・・ちょっと振り向いてみたら見えたってわけだ」

 

イヴ「アヤさん・・・作戦失敗です!覚悟ー!」

 

彩「ひゃあ!イヴちゃん、つめたーい!」

 

千聖「あら、楽しそうね。私も混ぜてもらおうかしら。」

 

日菜「あはは!尾行は失敗しちゃったけどこれはこれでありだね!るんって来たからあたしも混ぜてー!」

 

麻弥「ジブンも混ぜてくださいよー!」

 

相汰「はは、結局いつも通りか。」

 

そうして羽丘学園の屋上で水鉄砲で撃ち合いを始めた。蛇口はないので撃ち尽くした人は他の人から撃たれまくるという当然の結果になった。で、撃ち尽くした順番(下から順番)はというと…

6位:丸山彩(開始30秒)

5位:若宮イヴ(開始35秒)

4位:氷川日菜(開始1分)

3位:白鷺千里(開始1分30秒)

2位:大和麻弥(開始2分)

1位:空葉相汰(開始3分)

となった。

そうして遊びつくした俺たちはすぐさま解散した。水鉄砲で濡れたという理由なのは言うまでもない。後、もちろん麻弥は草履の鼻緒が切れているので俺がおんぶして家に一緒に帰った

【大和麻弥宅】

 

相汰「はあー…結構疲れたな。多分今まで一番疲れたかもな」

 

麻弥「お風呂上がりましたー!」

 

相汰「麻弥、お疲れさま。ほらタオル」

 

麻弥「わっぷ!あ、ありがとうございます・・・あ、あの相汰さん」

 

相汰「ん?」

 

麻弥「今日は本当にありがとうございました・・・ジブンをあそこまで引っ張ってくれて」

 

相汰「言っただろ?『大和を置いていったらそれこそこの夏祭りに一緒に来た意味がなくなる』って。それにこの祭りが俺たちが一緒に行ける最後の夏祭りかもしれなかったんだし」

 

麻弥「それって…どういう意味ですか?」

 

相汰「これから麻弥の仕事が忙しくなって祭りどころじゃなくなるかもしれないってことだ。」

 

麻弥「・・・それもそうですね。そうなるとジブンが相汰くんに会える時間も短くなるってことですか・・・」

 

相汰「・・・ああ。」

 

麻弥「・・・」

 

相汰「・・・」

 

(しばらくの沈黙の後・・・)

 

麻弥「・・・あの相汰さん。」

 

相汰「・・・なんだ?」

 

麻弥「今日は相汰さんのお布団で一緒に寝てもいいでしょうか?多く迷惑をかけてしまったので頼める状況ではないことは承知なんですけど・・・今日は相汰さんと一緒に寝たいんです」

 

相汰「・・・別に構わないぞ」

 

麻弥「・・・えっ、いいんですか?」

 

相汰「嫌だって言っても聞かなさそうだしな・・・」

 

麻弥「あはは、やっぱりバレてますか・・・それに、ジブンも少しだけ変えてみようかと思ったんです。ジブンの見方を。『アイドルとしての大和麻弥』ではなく『世界にたった一人の女性、大和麻弥』として」

 

相汰「なるほどな・・・そういう見解もあるのか。」

 

麻弥「考え方は人それぞれです。テストの結果がみんな違うのが『相違性の違い』というやつですよ。」

 

相汰「・・・なんか頭がこんがらがってくるな。・・・もうそろそろ寝るか?」

 

麻弥「・・・そうですね、そろそろ寝ましょうか。」

 

相汰「・・・(手をそっと差し出す)」

 

麻弥「フヘヘ・・・(ぎゅっと手を握る)」

 

 

 

 

 

 

だけどこの後なかなか寝付けなったのは言うまでもない…




どうだったでしょうか?

夏祭りといえば屋台、屋台といえば焼きそばですよね!(食べさせっこなどがなかったのはすみません><)これにて夏休み編終了です。次からは2学期が始まります。

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