急募:ダンジョンアドバイザー   作:ぺんぺん草

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2ヶ月目:裏

 

「もっと楽して暴利を貪りたいところですが、少々事情が変わりました。ダンジョンが現れた時のため、訓練をしたいらしいのです。あと、スキルや魔石が欲しいそうです。現状、保護をしてくれている国に逆らうのは得策ではありません」

「じゃあ、普通のダンジョンに?」

「いえ。今の稼ぎは惜しい。今の通路は今のままにして、自衛隊や警察専用の道を作りましょう。最悪、その中で収支がプラスマイナス0になるようにするのです。あと、高コストですが復活システムは入れましょう」

 

 なんでこの人、復活システムの導入に残念そうなんだろう……。私よりダンジョン思いの人である。

 

「ダンジョンの中央を四分割し、二部屋を休憩・待機所として提供します。残りの二部屋をスライム部屋とします。広い部屋でスライム数十匹と戦えるようにするのです」

「うんうん」

「二階層はコボルト部屋とコボルトやスライムを放った迷路とします。奥の方はチームのコボルトが出るようにします。そして、ボス部屋。ここは思い切ってトロールを配置しましょう。断腸の思いですが。断腸の思いですが」

「わかった」

「ひとまず、これで様子を見ましょう。後、罠の展示も行いましょう。これは一般の人も見られるようにします」

 

 それから、佐々木さんは残念そうな顔をして、すごくすごく残念そうな顔をして、押し殺した声を出した。

 

「残念ですが、トロールが倒れた場合の宝箱の設置も必要だと思います……」

 

 だからなんでそんなに残念そうなのか。

 

「そこはポーションなり、生活魔法スキルなり、用意しておくよ。極稀に戦闘スキルを入れればいいでしょ」

「戦闘スキル……やはり1万DPの出費は……いやしかし……」

「唇から血が出るほど噛み締めなくてもいいからね? 貴方もアイテムボックス持ってるじゃない」

「私は良いのです」

「そう」

 

 佐々木さんって面白い。貴方がダンジョンマスターかって気になってくる。

 こんな佐々木さんだから、きっと私は死んでも誰も恨まず死ねる。

 

「今月のお仕事はこれで終わりかな。佐々木さん、ダンジョン弁当食べていく?」

「頂いていきます」

 

 その後、雑談をして帰った。

 佐々木さんは私の記憶がないことを我が事のように悲しみ、DPが貯れば褒美があることを知って、やる気を出していた。

 佐々木さんに会えてよかった。

 とろい私なんか、きっと初日で攻略されて殺されていた。

 

 今の私に神様の加護なんてないだろうけど。けれど、それでも。

 神様、もう少しだけ生きたいです。

 


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