変人と夢見るガールズバンド達   作:ハルカ

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なんとなく思い付きで書きました。今頃感あるかな?まあ映画あったし大丈夫でしょう!

それではどうぞ!!

ユーザーページ切ってるのはお許しを


変人は歌姫を見つけた

 思春期症候群、それはネットを中心に都市伝説として話題なってなっているもののためこの言葉を知っている人はよっぽどの物知りだろう。

 

 「誰かと人格が入れ替わっていた」「他人の声が聞こえる」など不思議な現象が起きると言われており、精神科医などには多感な思春期の心が見せる思い込みだと言われている。

 

 が、相手にする人もあまりおらず相談すればすぐにパニック症候群や集団催眠なども言われる。

 

 また聞く相手が悪ければ「それは神の声だ」など「あんたは呪われている!」など言ってさらに発症者を追い詰めているのが現実なのだ。

 

 前に一度こんなことがネットに書き込まれた。

 

 「何もしてないのに急に切り傷のようなものが最近出てくるようになりました。これは思春期症候群なのでしょうか?」

 

 某有名なサイトの質問箱だ。投稿者は本当に気にして書き込んだのだろう。

 

 だけど結果は残酷

 

「思春期症候群?あんなの信じてるやつ本当にいたんだwwww」

「てかそれってリスカじゃね?なに?病んでるアピールですか?wwww」

 

 そう、一人も真面目に答えてあげない、思春期症候群はもう完全な都市伝説となっているのだ。

 

 しかしこのような質問箱をする時点で少なからず本当である、って可能性はあるはずだ。だけどそれはもう違う、現実が、この世界が思春期症候群って言葉を信じていないのだ。

 

 

 

 

 

 

「そんな簡単に片付けられてたまるかっての」

 

 普通の一般人の部屋…と言うのだろうか、ベットと勉強机、本棚には訳のわからない本がずらーっと並んでいてぎゅうぎゅうになっていた。パッと見だがもう入る本はないのだろう。

 

「ネットは見てると憂鬱になるもんだな」

 

 携帯の画面を消し部屋のカーテンを開け太陽の日差しがその普通の部屋を照らしてる。

 

「おいおい太陽さんよ、いくら仲がいいからって俺に会えて喜びすぎだろ」

 

 少年は太陽に向かってそう言っていた。

 

 そう、このわけのわからないことを言う変人、彼がこの物語の主人公である。

 

「若宮愛世(あいせ)、俺よー日曜になんでこんな早く起きるんだー?」

 

 本人は早いと言っているが時刻は10時過ぎ、もう昼前の時間時だ。

 

 リビングに行きパンをトースターで焼きバターを塗って牛乳を片手にパンを食べる。その時はテレビをつけ昼前のアイドルバンドが出演しているバラエティー番組を見ていた。

 

「こいつ知ってんだよなー」

 

 牛乳を一気に飲み干しまたわけのわからないことを言っていた、本人は変だと思ってないのだろうか

 

「あ、そう言えば漫画の新刊が今日発売だったな……買いいくか」

 

 珍しいく外出の準備を進める愛世なのであった。

 

「携帯持った、万札1枚持った、よし」

「あれー?兄者おはよございますー今日は早いんですねー」

「俺の可愛い妹よ、あまり遅起きはしない方がいいぞ?」

「兄者の方こそいつもおそようですー」

 

 妹は寝ぼけているまま洗面所へと向かっていく、無理もない昨日も夜遅くまで撮影(・・)をしており帰ってきたのは愛世が既に夢の中にいる時だ。

 

 顔を洗いサッパリしたところで妹は兄の愛世に質問をした。

 

「兄者は今からどこへ?」

「ふっ、旅を探す旅に出るのさ」

「意味不明、です」

 

 妹はそう答え愛世にいってらっしゃいの合図であるかのように手を振ってリビングの中に入っていた。

 

「妹からのいってらっしゃい、これがあるとないとじゃ全然違うな」

 

 家から出た愛世は真っ先に本屋へと向かう。旅を探す旅とは一体なんだったのだろうか、本屋なんて歩いてすぐのところにあるのだから旅、なんて言えたもんじゃない

 

「あれ、新刊置かれてないのか」

「すみません、この漫画なんですけど…」

 

 漫画の1巻を手に取り近くにいた店員さんに新刊は入荷してないか聞いてみると

 

「あ、その作品あまり人気なくて売れないんですよーそこに残ってる在庫が売れるともうなくなりますね」

「おいおい作者さん、いや作者様可哀想だろ」

 

 漫画家なんて楽な仕事じゃない、連載漫画になると毎週締切に焦られ大変なはずだ。頑張って書いた作品を人気がないから、その一言で取り扱わない店舗はこんな小さな店舗では多くあることだ。

 

「はあー都内の大型の本屋に行くか」

 

 よろこべ愛世、これを気に旅を探す旅に出れるのだからな

 

「って人多いな」

 

 それもそのはずか、今日は日曜日つまりの所休みのため出かける人が多い

 

 久しぶりに外を出歩くがこんな小さな駅でもこの人数、都内だともっと人がいるんだろうな

 

 電車に乗るが座れることなんてない、乗った時から席は埋まっているため強制的に立たされる、まあ、乗れないよりかわましだ。

 

 そして都内につくと相変わらず人は沢山いる。周りを見渡せば人、近くを見れば人、立ち止まってる暇なのど許されずずっーと歩いて駅の出口を目指す。

 

「いて、足踏まれたし」

 

 これがこの都会では日常茶飯事だ。

 

「さて本屋本屋〜」

 

 都内の大型本屋ならば望んでいる新刊だって買えるだろう。さっきの店舗見たく人気がないから、で片付けられている可能性はかなり低いのだからな

 

「♪〜♪」

「なんだ、この歌?」

 

 街中のど真ん中から急に歌が聞こえ始めた。辺りを見渡すが誰も反応をしていない

 

「俺の空耳か?……いや違うな」

 

 その後もずっと歌は聞こえてる。俺が聞こえている、なら周りの人達も聞こえているはずだ。

 

「ちょっと通りまーす」

 

 人混みの中進行方向とは逆向きに歩きみんなの邪魔をしている愛世、だけどそれはわざとではない、歌が聞こえる方に向かっているのだ。

 

「見つけた」

 

 その人は綺麗な銀髪だった。透き通る声は俺の耳に入り体に、心に響いてくるなんの混じりっけもない純粋に綺麗な歌声

 

 なのに周りの人達は何も反応をしない、何故だ?こんなにも素晴らしい歌声なのに

 

「ねえ君」

「あ?なに?」

「歌、聞こえてるよね?」

「は?お前何言ってんの?頭大丈夫か?ガイジがよ」

「いやこの歌が聞こえないお前がガイジだ」

 

 話しかけた人が悪かった。ガラの悪い服装をしている女性なんかに聞かずあそこにいる男の子にでも話しかければよかったとな、これが後悔ってやつだ

 

「もうそんなやつほっとこうぜ?」

「チッ、ネットに書き込んでやる」

「やめとけガイジがバレるぞ」

「んだとて「もーいいって!そんなやつほっといて早くタピオカ飲みに行こうよ!」……おう」

 

 どうやらやっと消えたみたいだな、こっちから話しかけていたがあいつはガイジのようだな?

 

 少し嫌なことがあるとすぐネットに書く、いいことがあるとネットに書く、この世界はもう友達だけに報告するって概念が無くなったのか?

 

「にしてもすげー歌声だな」

 

 彼女の方を振り向くとまだ歌っていた、がどうやら終盤のようだな

 

 楽しいと思った時間はすぐに過ぎ去ってしまう。逆に嫌なことは、いや考えなくていいな

 

「………………」

 

 歌い終わった彼女はあたりを見渡し分かったかのような反応をしていた。

 

「いや凄かったよー」

「ッ!あ、あなた聞こえていたの?」

「?はい、凄い、えっとお金払えばいいのかな?」

 

 こうゆう路上ライブってのは聴き終わった後は金を払うものだろ?多分

 

「あちゃーすみません、万札しかないのでこれでいいですか?」

「……別に、お金なんていらないわよ」

「なんで?」

「私が好きで歌ったからよ」

 

 これは物好きがいたもんだなー

 

「こんな町中で?どうゆう心理なんですか?」

「一度歌いたかったのよ、もういいでしょ帰るからどいて」

「金払って「いらない」……」

 

 そう言って彼女は人混みの中へ姿を消したのであった。

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

 いやーさっきの路上ライブは凄かった、なのに誰も聞いてないなんて一体どんな頭してるんだ?

 

 と言うが愛世自身が変人である。

 

「新刊……あった、いやーよかったよかった」

 

 流石大型本屋、ちゃんと人気がなくても新刊置いてるな、もう今度から少し遠いがこちらの本屋に通うようにするか

 

 「今をときめくガールズバンド!その中でも高い技術を持つ本格バンドRoselia!そのCDが現在発売中!皆さん一度手に取ってみては!?」

 

 店内に流れる広告がそんなことを言っていたな、本屋だがCDも売っているためそのような広告が流れるのだろう。

 

「CDって音録音して声加工して上手く歌っているようにしてるだけだろ」

 

 そんなことを言うがCDショップに足を運んでしまう。

 

「だいたいいい歌声ってのは今日の彼女みたいな人を言うんだよ……ん?」

 

 横を見ると彼女達、そのRoselia?の等身大パネルが店内に置かれていた。

 

 横を見てみると先程町中で歌を歌っていた彼女にそっくりさんがそこにいる、いやそっくりじゃない彼女本人なのだろう

 

「へーあの人Roseliaって言うバンドのボーカルか、だから上手かったのか」

 

 一人で彼女の等身大パネルを見つめながらぶつくさ言っていると

 

「なあなあ!今日町中で湊友希那(・・・・)いたよな!」

「ああ!遠くから見てたけどなんか口動かしてたよな?何してたんだろう!」

 

 いや何してたって歌ってたんじゃないのか?現に俺は聞いてたし

 

「歌ってたよ」

「え!?ま、まじで!?」

「湊友希那ってこの人だろ?歌ってたよ、聴いてないのか?」

 

 等身大パネルに指を指してそう言うとRoseliaのファンの彼らは

 

「それ本当かよー!いや聴けばよかった!」

「確かにそうだが俺達にはCDもあるし音楽アプリもある!いつでも聴けるぜ!」

「それはよかったな」

 

 CDを聴く?あんな加工された声聴くより

 

「また本物の歌声聴きたいな」

 

 そうだ、妹に聞こう。あいつもガールズバンドだし?多分知ってるだろ

 

「待ってろよ、妹よー」

 

 本屋を後にして来た道を戻り家を目指す愛世だった。

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

「ただいま妹よー」

「兄者!おかえりです!」

「今日は早くご飯を作ったんですよ!」

「そうか、てか仕事は?」

 

 妹はアイドルバンドに所属しており写真のモデルとしてもかなりの有名な人

 

 若宮イヴ、それが俺の双子の妹(・・・・)だ。

 

「兄者!本日は何があるか知ってますか?」

「まさか俺の誕生日?」

「兄者の誕生日は私と同じです」

「なんだ誕生日じゃないのかー」

 

 俺は誕生日のつもりだったがイヴがそう思ってるのなら違うんだな

 

「今日は日本の歴史!戦国武将スペシャル番組がありますよ!」

「…………イヴは本当に日本が大好きなんだな」

「はい!日本万歳です!」

「うん、それ使い方違う」

 

 スペシャル番組を見るために仕事のスケジュールを調整するとか流石俺の妹、いやすげーや

 

「でもなイヴ?我が家はお前の稼ぎがないと破綻してしまうんだ」

 

 そう、この男クズでもある

 

「?兄者も働いているじゃないですか?」

「俺とイヴの収入の差はすごいんだぞー」

 

 完全に兄ちゃん顔負けだっての

 

「あ!そろそろご飯が炊けますよ!今日はカレーです!」

「そこは和食じゃないんだな」

 

 本当に日本が大好きなのか少し疑いたくなってきたかもしれないな

 

『いただきます』

「さあ兄者!食べてみてください!」

「ごちそうさまでした」

「兄者ーちゃんと食べてくださいよおー!」

「はいはい食べるって、イヴは本当に可愛いなー」

「もーう!兄者に料理作りませんよ?」

「それは困る、この家の料理担当はイヴなんだから」

 

 と言うが最近イヴは仕事が忙しく帰ってくるのが遅いからコンビニ弁当や残り物の料理とかになってしまう。

 

 俺はバイトの賄いがあるからイヴがいない時はそれで済ましている

 

「兄者も料理をするべきです、いつまで経ってもそんなんじゃ一人暮らしできませんよ?」

「俺はイヴより可愛い奥さん見つけるんだよー」

「そ、それはダメです!イヴより少し低い人を探してください!」

「そう簡単に見つからないって」

 

 イヴとはいつもこんな感じで話をして食事をする。ああ、両親はそのままフィンランドの家に居るんだ。

 

 日本に来た理由は、まあイヴがこれだしな?

 

「はっ!早くしないと番組を見逃してしまいます!善は急げ!です!」

「……そうだな」

 

 珍しく意味が当てはまったな

 

「す、凄いです!ノブナガにこんなできごとがあったなんて!」

「イヴは本当に戦国武将好きだな」

「はい!ブシドーを学ぶためにはまず戦国武将を学ばなければなりません!」

「そうか」

 

 イヴに湊友希那について色々話を聞こうとしたが無理そうだな、興奮して収まってくれる様子がないしな

 

「ふぅー凄く面白かったです!兄者!録画してるのでもう一回見ましょう!」

「明日学校だろ?夜更かししたら起きれなくなるぞー」

「ええーん、背に腹はかえられない、です…」

 

 四字熟語を使いたがるイヴなのであった。

 

「湊友希那、か…」

「俺の親友のあいつなら知ってるのかな?」

 

 愛世は一人部屋に戻りそう呟いた。

 

「あの歌なんでみんなには聞こえていなかったんだ?」

 

 その謎が頭の中にずーっと残りその日は心地よく眠ることは出来なかったのであった。

 

 

 愛世が思春期症候群の向き合っていく話の最初ヒロインである湊友希那、彼女にどんなことが起きているのか愛世は後から知るのであった。




今回は試しなんでここまでで、感想とか評価とかつけば書きます!まあなくても書くと思いますが…メインの方の話も書くから遅いと思いますが(笑)

いろんな詳しい話は今後書きます

少しでも面白いと思ったら感想と投票よろしくお願いします!

それでは次回の話でまたお会いしましょう!

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