蒼髪少女(中身青年)のプレイ記録(旧題:ワタシはワタシたりえるか?)   作:鋼色の銅鐘

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二本目です。

書き方が安定していませんが、作者の文章はだいたいこーいうものなのでご了承ください。
三人称のほうがよかったのだろうか。

それではどうぞ!(※改行が正しく行われていなかったので修正しました。ごめんなさい)


「ネカマがバレたあと」※一人称、三人称を基本とする
ケジメ前のあれこれ


 

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 こちらで覚醒してすぐに、リアルの時と同じ反射でありもしない目覚まし時計を止めるポーズになる。コレを何回繰り返しただろう。そろそろやめたいのにやめられない。

 ううん、と伸びをして身体をベッドから起こす。

 すっかりログインしてからの恒例作業となったものの、未だに慣れない。

 それもこれも、体つきの違いが原因だと思う。ワタシがこうなっているのは自業自得とはいえ。

 

 ひやりとした朝特有の冷気に当てられながら、ウィンドウから装備を切り替えてネグリジェからジャージへ着替える。

 ……下着類は出来る限り買わないようにしているけれど、押し付けられたのを使わないのももったいないんだよな。死蔵してるもの他にもあるのにコレだけ何故か使うんだけれども。

 

 そして、アイテムボックスからマットを取り出して床に敷く。その上に座ったり立ったりして、ストレッチをだいたい二十分ほどみっちりやる。

 所詮インターネット上で見ただけの付け焼き刃なやり方とはいえ、やるやらないとでは身体の慣らし方や動き方が段違いに良くなるのだ。一応。

 というわけで今日も一日頑張ろう。

 

 

 ぐぐぐ、と片脚を前に出してもう片方の脚を曲げてーー更に身体を前に倒す。

 ぐう、毎度のことながら微妙に伸びきらない。

 ……やはり胸か、趣味で絶妙な大きさにした胸がいかんのか?

 ストレッチ自体はここ一年ほどこちらでずっと続けているからかなり動きやすくなった方だと思うのに。

 胸の感触も男としては確かに普段は触れ難いものだが、さほど邪魔にはならない柔らかさだし。

 ーーと、そんなバカな思考を逸らすかのように身体は自然に動いて吐息を漏らす。

 ぐいぐいと開脚をして上体を前に出す。

 んんん、と声に出しながら十数秒待機。

 ぷはあ、と息を吐いてはまたゆっくり吸って思考を落ち着かせる。

 

 ……多分あんなことを考えていたから身体(アバター)がシグナルでも出したんだろうか。

 多少複雑な気分になりながら、そんなこんなでストレッチを終えて部屋から出る。

 

 そろそろこの宿も部屋の滞在期限切れるな……。

 一年半借りられたからいい方だとは思うんだが。

 

 一階に降りたら鍵入れの小箱へ鍵を預けて、外出の旨を伝える伝達用の紙へ記入する。

 リアルのホテルのように完全にシステムが整っているわけではないけれど、個人や家庭で営む宿はある程度形体化されてきているらしい。

 

 宿から外に出ると、早朝故か商人や店を営む人々以外にはあまり子供や観光客はいなかった。当たり前か。

 そのくせ微妙な寒さは少しずつ刺してくるので、ジャージの温さに頼りながら目的地へ向かう。

 ……道中、なにか買うかな?

 でもまだ貯蓄はあるから、しばらく道楽のものは買わなくてもいい気はする。ノセられれば別だけれど。

 

 

 日が昇り始めて、まだ寒さが微かに残る大通りを忙しなく行き交う商人たちを尻目に歩いて数十分。

 ようやく目的地へ到着した。

 その目的地とはーーアムニール闘技場。

 この都市唯一の闘技施設である。

 古代ローマのコロッセオに近しい形状だが、ところどころツタが密生していたりと植物が建物を侵食してきているのがある意味ではレジェンダリアらしいと言うべきか。

 しかしやはり相変わらずデカいな。家何戸分だ。

 <マスター>参入で決闘も活発化しているようだけれど、ランキングの入れ替えも最近は落ち着いて来たんだとか。

 そのランカーになった<マスター>たちに変態が多いらしいのはいつものことなので置いておこう。

 

 ……それはそれとして、今日は闘技場を借りに来たのだ。

 掲示板には「明日闘技場に来なさい」と書き込んだとはいえ、さすがに一日前申請でもギリギリな気はするのだけども。

 

 ともあれ、いざゆかん。

 まず受付だ。

 

 ごめんください、と古めかしい建物の内部に入ってそのままカウンターにいる係員へ声を掛ける。

 

「はい、なにかご用でしょうか」

「闘技場の使用予約申請をしておきたいんですが」

「なるほど。ちなみに、いつからご使用になりますか?」

「明日丸一日になるかと……」

「予定表は空いてますので大丈夫ですね。お代金はお持ち合わせでしょうか?」

「はい」

 

 テキパキと受け答えをしてくれるのはさすがと言うべきか。

 お代金50万リルになります、と返事を貰いながら一息つく。幸い支払いに関しては余裕があるから問題はないだろう。

 腕輪型アイテムボックスからポンと小袋を取り出してカウンターへ置く。

 

 これできちんと伝達されれば予約は完了、ということだ。

 ……明日まで時間があるから、ジョブリセット後のリビルド計画でも立てておこう。

 

 

 というわけで、アムニールで最も有名な転職用大型クリスタルの置いてある古代神殿風建物ーーそのまま<神殿>と呼ばれているーーにやってきた。

 

 今回の目的はジョブの確認とリストアップ。

 すぐにリセットするでもなく新たなジョブに就くのでもないが、クリスタルに登録されているジョブはクリスタルを通じて就けるかどうか確認出来るのだ。

 ……ただ、確認出来るのはあくまでもクリスタルひとつひとつに登録されているジョブのみであってこれが全てではない。

 <編纂部>調べによると一定の条件を満たさないと一覧にすら現れない超級職や辺境に存在するクリスタル固有のジョブもあるとのことだし。

 そういったロストジョブというものも存在しているからには、意図的に隠されたものや長い歴史の中で失われたジョブも勿論あるのだろう。

 

 まあ、今回はあくまでザッと色々探すだけだ。だけ、だから時間はかからないという訳でもないのが厄介なのだが。

 

……ここのクリスタル、首都故か登録されているジョブがやたらと多い上にソート機能が無いからなあ……。

 

 最初にジョブ選択する時も苦労したな。今となっては懐かしい話だけれど。

 

 話が逸れた、本題に戻そう。

 リビルドについてだ。

 

 まず、今のところワタシは物魔両立型の出来損ないとでも言えるタイプのジョブとなっている。

 【大魔槌士】がメインジョブとなっているなら魔法は使える……が、【魔術師】系列のジョブと【槌姫】とではまるで関連性が存在しない。

 

 その為下級ですら魔法は扱えない。

 簡単に表せば上級一枠と下級一枠の貴重なジョブ枠を食い潰していることとなっている訳だ。

 

 ……【槌姫】を取っていなかった頃ならよかったけれど、今はそうもいかないのである。

 今回のリビルド計画の根本的な理由だって、【槌姫】の取得で根本から変わった戦術の見直しに引きずられた形になっているし。

 

 一朝一夕ではレベリングが終わらないのもあって、リビルド自体も明日の諸々とその後始末が終わってからになるだろう。

 明日までの残り時間は就きたいジョブを厳選することに費やしたい。

 さて、なにがあるかな……。

 

 

 あれからウィンドウとにらめっこを続けて三時間ほどが経過した。

 さすがに目が痛くなってきたし人も増えて来たから、一旦離脱しよう。

 

 ……でもどうするかな。カフェにでも行くか。

 なにより甘味食べたいし。

 と、そういうことなら善は急げ、ささっと行ってしまおう。

 この時間だと普通なら遅めの朝食くらいだから、普通にご飯にしてもいいか。

 

 メモ書きに使っていた紙とペンをアイテムボックスに仕舞い、その場を離れる。

 <神殿>の外に出てみれば通りを行き交う人々が増えてきていて、賑やかになってきていた。

 

 いやあ、この多種族の坩堝としか形容出来ない光景こそレジェンダリアの首都と言うべきか。

 

 あちらを見れば鉱人族(ドワーフ)、こちらを見れば魚人族(マーマン)、上を向けば妖精(フェアリー)鳥人族(バードマン)

 翼やら翅やらひれやらヒゲやら、実に多彩な身体特徴を持つ亜人種が集う街としてもアムニールは存在しているのだと思い知らされる。

 

 ……ちなみにドワーフとか呼ばれている彼らは自分たちからそう名乗っているのではなく、<マスター>間の呼称が浸透してしまった例である。

 

 呼び方の響きが気に入ったからとそのまま使って名乗るティアンもいるし、伝統的な呼び方のままがいいと主張するティアンもいるのでここの辺りも多種多様といえるだろう。

 

 ーーとまあ、色々と考え込んでいたらいつの間にかカフェの前に来ていた。

 人にぶつかりもせずに来られたのはやはり《静電感知》の恩恵だろうか。

 

 普段は実感がないしそもそも限定的に過ぎる感知法だが、慣れればそれなりには使えるものだということなのか?

 エルダーアームズである 【トール】を持たずとも発動するパッシブなのは意外だけれど。

 

 ともあれ小難しいことを考えるより食事だ食事。腹が減って仕方がない。

 

 

 ごちそう様でした。満腹。

 食後のデザートまで食べたし十分だろう。腹は八分だが。

 ……さて、リビルド案を一旦纏めよう。

 まず、【槌士】【剛槌士】は確定。

 【戦士】【闘士】もまた取っておくべきだろうか。

 そして、新しく就くジョブの候補は下級がふたつと上級がひとつ。

 【壊屋】と【拳士】、そして【槌巨人】だ。

 

  これらを選んだ理由は単純にこうなっていて、

 ・単体特化でも構わないので破壊力のあるスキルが欲しかったこと

 ・武器破壊(=自己戦力の七割損失)をされた場合の素手による対応をある程度考えておきたいこと

 ・スキル特化ジョブを取ることで今よりも多彩なハンマー系スキルを使うようにしたいこと

 

 の三つだ。

 戦闘中の無駄な思考で頭の思考容量を使うのが正直辛いからさくさくとスキルの暴力で殴りたい、ということでこの構成にしたという感じになっている。

 

 だいぶSTRに寄る為今でも1500から2000だかそのくらいだったAGIが更に減ることになるというのが不安だが、そのあたりをカバーするのは難しいのでどうしようもないだろう。

 それと、残った下級枠はまだ未定となっている。

 リストの中では【死兵】という奴が面白そうだったけれど、字面だけではよくわからん……ということで保留になった。

 

 関連した話を全然聞かないこともあってか【死兵】はワタシ個人では情報があまりないジョブである。

 今度オラクルに聞いてみようか。

 

 ……頭を使ったらまた糖分が摂りたくなった。

 店員さんチョコケーキひとつください。

 

 ケーキを食べたら満足した。

 そして宿に帰ってきたぞ、と。

 

 で、今のバトルスタイルで明日のケジメ……もとい乱戦(予定)をどうするかを考えてしまおう。満腹で寝ないうちに。

 

 ……公式戦では戦闘中のジョブチェンジは認められていないし、【槌姫】か【大魔槌士】かで最初から挑む必要があるんだよな、まず。

 

 【槌姫】であれば初手から吹き飛ばせるしパワーもあるが、対応力が低くて困る。

 【大魔槌士】なら低火力の魔法でも対応力はあるし、ステータスも【槌姫】の時とほぼ同じ。

 

 どちらも良いとは思うのだけれど、ここは【大魔槌士】を選ぶべきだろう。

 相手がどのくらい来るのかわからないし、実力もわからない以上多少なりとも対応力は必要だし。

 

 明日の乱戦、ぶっちゃけリンチされる側だがそこは無理矢理にでも食い下がって戦うしかないだろう。

 ……というかなんで「一回殴り合えば歪んだ気持ちもスッキリするだろう」なんて思って掲示板に書き込んだのやら。

 厄介なストーカーとかが減るならそれが一番いいけれど。

 

 うん、まあそのあたりは少し未来の自分に任せよう。

 過去は振り返ると辛いぞ。黒歴史が。

 

 ともあれ、風呂に入って寝よう。

 そして毎度思うけれど、髪のケアをしないと髪が傷んでパサパサになるのもリアルだよな。

 

 でもその分長く風呂に入れると思えば、まあまあ苦痛ではないしいいか。

 

 ……さて、準備だ準備だ、と。




今回もここまで読んで頂きありがとうございました!

ようやくはじまったのかおわったのか。

執筆が非常にスローペースな為作者が書きたいと思っているところに到達するのはいつになるか分かりませんが、どうぞよろしくお願いします。

それではまた次回!

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