超融合!時空と世界を越えた異世界くいんてっと   作:餓鬼振り大佐

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第5話です!第4話との間がいつもより長かったッ…本命の小説のことだったり個人的?用事があったりして、前話と今回の話までに1ヶ月もかかってしまいました…。期待していた方、お待たせしてしまって申し訳ないです…。

さて、今回はとうとう懇親会が開催されます!果たして遊星達はどんな芸を見せるのでしょうか⁉︎それでは本編をどうぞ!


炸裂!こんしんかい

♢side:遊星

 

カズマとスバル、そして十代さんが遅刻したところから始まったこの日。その日は午前からいつもとは違う授業…いや、特別な時間が始まる。それは、昨日から先生方が言っていた『懇親会』である。伝えて翌日に本番とか無茶ぶりすぎるとは思うが、逆にこの世界にとっては普通なのだろうか。おっと、そろそろ始まるな。

 

「それじゃあぁあ、懇親会の出し物を始めようかぁな。ここにみんなの名前が書かれた紙があぁる。1枚ずつ引くから、名前を呼ばれた子からかくし芸を見せてたまぁえ」

 

なるほど、くじ引き形式か。これだと一体誰がどのタイミングで隠し芸を発表するのかわからないからよりプレッシャーが走るな…

 

「名前はぁ…」

 

さて、最初にロズワール先生が引いた紙に、誰の名前が書かれているんだ…?誰が来る…誰が…カズマか?アインズか?ターニャか?スバルか?それとも俺や遊戯さん達か?それとも…

 

「───レルゲン先生

「………はい?」

 

………えっ?教員参加型?レルゲン先生本人もキョトンとした顔になってるし…

 

「ロ、ロズワール先生、どうして私がかくし芸をする必要が?」

 

まぁ、当然の反応だろうな。何も伝えられずに先生まで参加だなんて理不尽にも…

 

『ソレハ』

「?」

 

ん?

 

『ロズワール先生ガ【楽シイジャアナァイカ】ト思ッタカラ』

「なら仕方ないわね」

「先生の要望だし、仕方ないね」

 

「ッ…!」

 

…遊戯さん、いつの間にコキュートスとラムと仲が良くなったのですか?何処かアテムさんの面影が出たような気が…

 

「仲良くなるのは全員だぁからね。みんなの規範となる為にも、まずは先生からどぉぞ」

 

でしたら事前に先生も隠し芸をしなければならないことを伝えてくださいよロズワール先生…あ、レルゲン先生が悔やむ顔をした。やるのか…

 

「…私は二組副担任エーリッヒ・フォン・レルゲン!それでは僭越ながら…我らが帝国国歌を斉唱します!」

「うわぁ…」

 

…あの、いや、いくらなんでも懇親会で国歌はないでしょ…ターニャも嫌な予感を察知しているし…あ、なんか、パッツアァビ…なに?なんか、どっかの言語なのか?斉唱し始めているが何言ってるのか全然わからん…

 

………………

 

…アレ?隠し芸ってこんなにも滑るものもあったか?

 

「見たかカズマ」

「はい見ましたカズマです」

「あの圧倒的に滑った様を…」

「滑ってるね」

「誰もが…人や人でない者誰もが軽蔑の目で彼を見てるぞ」

「かわいそー」

 

カズマとダクネスの今の会話を聞いて周囲を見回してみると…たしかにアインズは見てられないと言わんばかりに両手で顔を隠しているし、ターニャら魔導大隊も苦笑、遊戯さん・アテムさん・十代さんもジト目になってるな…

 

「今この瞬間、彼は種族を越えて、最も卑下された存在として晒されているぞ」

「あれ、この展開…」

 

ん?なんか寒気が…

 

「(いや、やめて…やめてくださ、い…)」←歌いながら晒されている人

 

「あぁ…私もこのような目で皆に見てもらいたい…! 「は、始まった…」 何故貴様はおめおめと生きていられるのか、と言わんばかりの目で!」

 

…何故ダクネスはあの状況をご褒美だと言っているようなことを言っているんだ…?なんか恍惚した表情を浮かべているし… 「…フッ!」 あ、今ラムが失笑した。 「ブフォwww」 アテムさんも笑わない方がいいですよ…

 

「(くっころ…!)」←歌いながら晒されている人

 

…とりあえず、後でレルゲン先生を供養しよう…

 

 

 

 

で、やっと終わった国歌斉唱。レルゲン先生は気力が抜けてネガティブな重荷を背に置かれた状態で隅っこで崩れ落ちている。よっぽどみんなの見る目が辛かったのだろうな…。そんな彼を小さな手で慰める十代さんの《ハネクリボー》、可愛い。

 

「さてお次はぁっと…おや、スバル君だぁよ」

 

お、次はスバルか。一体どんな芸を見せてくれるだろうか…

 

「ラッキー。レルゲン先生のおかげで、ハードルが凄い勢いで下がったぜ」

「そうは言っても、バルスに何かまともな芸があるとは思えないわ」

「そう言われると思ったよ姉様。でもな、俺にはとっておきの特技が一つあるんだよ」

「さすがスバル君です!」

「まだ何もやってねーよ…」

 

とっておきの特技か…これはますます興味が唆るな。どんな特技なのか…お、教壇前に上がったな。

 

「さて、ここに取り出しますは…ただの糸!」

 

そう言ってスバルが取り出したのは、一見普通の長めの赤い糸。あの糸に何か特殊な能力があるのか…?

 

「どこも切てないし、繋ぎ目もありません。でも…ここをこうして…」

 

…ん?なんかあやとりをやるように指に糸を引っ掛けたりしているが…あ、なんか形ができた。

 

「こうしてこうすると…東京タワー!

 

………………

 

それ、異世界の者達で分かる奴いるか…?

 

「───ハッ!」

 

あ、また失笑した。

 

「のぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!やっぱり地味だったかぁぁぁ…」

 

まぁ俺も東京タワーとか知らないからな…

 

「いいえ!レムは感服しました!それは何かは分かりませんが…」

 

レム…フォローするのはいいことだが、君はラムが失笑した時に苦い表情したの、どう説明すると…?

 

「はいはい次の番…おや?アテム君だぁよ」

「あぁ、わかったぜ!」

 

次はアテムさんか。このしらけた状況をどう打開すると言うんだ…?

 

「えぇ…俺のいた世界で中心となっているカードゲームでは、このデュエルディスクというものを活用したバトルが主流となっている」

 

特殊なプレートで出来た5つの面のカードテーブルが展開された装置・デュエルディスクを付けたアテムさんが教壇前に立ち、それとデュエルモンスターズのカードをピラッと見せた。ちなみに見せているのは裏面、茶色い渦のような模様となっている。

 

「で、こいつにカードをセットすると、それがビジョン…つまりは投影されて様々なモンスターが様々な仕草をしたり、いろんなエフェクトが発生したりする。その一例を、今から紹介するぜ」

 

どうやらアテムさんが見せる芸は、デュエルモンスターズのカードを用いたものらしい。そういえばアテムさんはあの伝説の三幻神も出せるんだったか…?アレは教室のスペース的にも被害が広がりそうな範囲的にもやめてもらいたいが…

 

「───《クリボー》召喚!」

『クリクリ〜』

 

アテムさんがデュエルディスクのカードプレートの一面に1枚のカードをセットした瞬間にポンッと飛び出してきたのは、全身が毛むくじゃらの、まん丸目の一頭身モンスターだった。アレがデュエルモンスターズ界のマスコットキャラクター・《クリボー》。十代さんの《ハネクリボー》のモデルにもなっている。大抵の人達も歓喜の声や『可愛い』と言った言葉を上げている程、俺達の世界では大人気のモンスターなのだ。

 

「速攻魔法、《増殖》!このカードは《クリボー》を増殖させる!」

 

『クリクリクリ〜!』

『クリクリクリ〜!』

『クリクリクリ〜!』

『クリクリクリ〜!』

 

すると《クリボー》は分身、或いは分裂して数を増やしていく。最初に登場したのとは違って白いオーラ…霊魂に見せるかのようなものを体内から湧き出している。

 

「も、ものすごい数に増えてきてる…」

「みんなすごーく可愛い!」

「まぁ可愛いと言っちゃあ可愛いけど…」

「ほほぉ、まさかこれほどの能力を持っているとは…」

「…なんかここら辺埋まりそうな程に増えてない?逆に怖いわね…」

 

みんなそれぞれ述べた意見を聞きながらよく見てみると…なんか30体ぐらい出てないか?たしかに増えすぎ。

 

…ん?なんか何体かが俺の方に寄ってきたような気が…

 

「そして速攻魔法、《機雷化》!これにより《クリボー》は強大なモンスターをも倒す機雷として誘爆する!拡散される感じだから《クリボー》は誘爆しても死なないぜ」

 

 

「ハァ⁉︎爆発するのかよ⁉︎」

『多大な被害が出るのではないかそれは…?』

「まぁビジョンによる爆発は現実にあるものに影響しないから問題ないがな。ちなみに今回は花火バージョンだZE☆」

 

いやそういう問題じゃ…というかこっちに10・20体も集まってきてるから、いくらソリッドビジョンでも爆発したら───!

 

次の瞬間、全ての《クリボー》は様々な色の花火となって爆発し…

 

それと同時に、俺の意識は飛んだ───

 

 

 

♢side:第三者

 

キボウノハナ−♪ツーナーイダーキズナーハー♪

 

「ちょ、遊星⁉︎大丈夫か⁉︎」

「あ、気を失ってるだけだ」

 

アテムの《クリボー》が全て機雷化して花火となって爆発した瞬間、そのショックで遊星の意識は飛び、前のめりに先を指さした状態で倒れ伏せた。これには遊戯と十代は慌てて彼のところに駆け寄り、アテム本人を含めた一同も呆然としていた。現実には何も影響しないはずの爆発によって1人が気絶してしまったのだから無理もない。

 

「………」

「おやおや。今のは反応にも個人差が出るものだぁから、ほどほどにした方がいいかぁもね」

「…はい」

 

披露する芸のチョイスを間違えたかもしれないと罪悪感を感じたアテム。それを指摘したロズワールの発言を素直に受け止めながら未だに浮遊しているままの《クリボー》のソリッドビジョンを引っ込めた。

 

「お、俺のよりも断然レベルが高すぎるだろ…」

「お気になさらないでください。スバル君の芸も十分良かったですから」

「(まぁ…ある意味恐ろしいものを見せられたから、心臓の良さで言えばスバルという男の芸がまだマシだろうな…)」

 

アテムの芸の良さに驚嘆しながらもさらにひどく落ち込むスバルに、そんな彼を慰めるレム。安全面を考慮して2人のうちどちらの芸が良かったのかを考察するターニャ。それぞれがアテムの芸に対して様々な考えを持つようになった。アテム、君はある意味すごい芸を見せてくれたのだからもっと胸を張るべきだ。今の君は君らしくない。

 

「さてと、そろそろ次にいこうかぁな…お!レム君だぁね」

「はい」

 

次に芸を見せることになったのはレムのようだ。そして教壇前に立った彼女はその前準備として…

 

レルゲンにスイカを丸々1個持たせた。

 

「…えっ?」

 

状況が理解出来ていないため呆けた声を上げるレルゲン。すると、レムの額から亜麻色の光の、小さな角が生えた。まさに小鬼ッ…!

 

「ハァアァア!」

「どわぁ⁉︎」

 

あ、鬼だった。レムがスイカに目掛けて6本の桃色の棘の付きの黒い鉄球を振り回して前方に投げた瞬間、そのスイカは無惨に砕け、その衝撃でレルゲンをも吹き飛ばした。そして鉄球を身に寄せてキャッチした時には、レムの額に生えていた亜麻色の角は引っ込んでいた。そしてレルゲン、放心。ホント可哀想。

 

『見事ダ。アレダケノ質量ヲブレルコトナク操リ、的ヲ射抜ク技術…』

 

蟲王(ヴァーミンロード)であるコキュートスでさえも、普通の人間では成せない(ワザ)だと考えていてか驚嘆する。

 

「当然よ、レムは優秀だもの」

「でも、姉様には到底及びません」

『コノ赤髪ノ娘ガアレヨリ精度ノ高イ戦闘技術ヲ持ッテイルノカ…』

フシュー 「うぉ、寒っ⁉︎」

 

レムよりも姉のラムが戦闘技術が高いことを知り、思わず冷却の吐息を出すコキュートス。それがスバルにかかってるがこの程度で凍ったりしませんのでご安心ください。

 

「(なるほど…)」

「みんなすごいですね…」

 

アテムとレムの能力の高さにヴィーシャが驚嘆している中、ターニャはこの懇親会の魂胆について思考を行いだした。

 

「(これは各自営相手に能力を見せつける場という事か…一番やばそうな陣営のトップや王様からノリが良さそうな男に転生した者と交流を図れたとはいえ油断は禁物だ。他の者と比べて我々の能力はそれほど高くない。下手に能力を見せつけても返って見下されかねん…)」

 

ターニャのいた世界の者達は爆撃用の武器や魔法を用いて戦闘を行っているが、それでも他の世界と比較しても可愛い程度でしかないだろうと本人は察知している。この懇親会の場では、戦場に例えるとかなり不利な立場であろうと考察したようだ。

 

あ、ちなみに彼女がそんな事を考えている間に次にロズワールが何か芸を行なっていたがあまり気にしなくていいそうです(笑)

 

「お!次はヴァイス君だぁね」

「はい!」

「(まぁヴァイスなら上手くやるだろう…)」

 

ヴァイスはターニャがすべてを言葉に表さずとも彼女の意を的確に読み取って行動出来るためにヴィーシャと共に重用されている存在らしい。ターニャ不在時には大隊長代理を務めた時もあるため、彼女は今は彼に託してみようという判断に至ることにした。

 

 

 

♢side:遊星

 

ロズワール先生が何か芸を見せた辺りから目を覚ました俺。どうやらレムが既に芸を終え、今ロズワール先生も芸を見せ終え、次はターニャの部隊に所属しているヴァイスという男の番のようだ。堅苦しそうだが、一体どんな芸を見せるんだ…?

 

「帝国二〇三大隊魔導大隊、マテウス・ヨハン・ヴァイス大尉であります。私はこれと言った芸を持ち合わせておりませんので…」

 

ん?なんかベルトに手をかけてるようだg

 

「せめて、第一ボタン、外します!」

「「…ハッ⁉︎」」

 

まずい⁉︎これにはさすがのターニャもヤバいと感じたようだが、それもそのはずだ!放っておくと生放送とかでは放送事故になりかねない!止めないと!

 

「止めろ《ジャンク・シンクロン》!」

「干渉術式!」

 

「はじょぉあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ⁉︎」

 

咄嗟に俺が召喚した《ジャンク・シンクロン》(所々へこんだオレンジの鉄帽子にオンボロの服を着ながら背にバックパクを負った可愛らしい少年モンスター)の眼鏡から出たオレンジ色のレーザーとターニャが魔法陣のようなものから発動した新緑の雷のような魔法、ふたつの攻撃が卑猥になりそうな瞬間を止めることに成功した。…《ジャンク・シンクロン》って、目からビームを出せたか…?

 

で、ヴァイスはグランツ達部下に運ばれ、何が起きたかわかっていないヴィーシャは困惑していた。まぁ、咄嗟にターニャが物理的にヴァイスを止めたのだから無理もないか。

 

「………お見苦しいものをお見せした!」

 

ターニャはみんなの前で謝罪したか。自分の部下がやらかしそうだったから、無理もないな…

「私もあのような仕打ちを受けてみたい!」

「お前はちょっと黙ってろ!」

 

『(仲良く出来る気がしたのは気のせい…かも)』

 

なんかアインズも苦い表情を見せているな。そういえばアインズはアテムさんとターニャとも仲良くなったって話をアテムさんから聞いたんだっけ…彼女の意外な一面を見て呆然としたのだろうか?

 

「次はダクネス君だぁね」

 

あ、いつの間にか次に誰が芸をするのかが決まったようだな。次はダクネスか…ん?なんかぎこちない感じを出していないか…?

 

「わ…私は…一人では、出来ないので…だ、誰か協力してはくれないか…?」

 

…?一人でやるのは難しい芸なのか?何故そんな芸をチョイスしたんだ?

 

「じゃあ俺…俺が手伝いますよ」

「なんであいつ立候補してるんだ?」

「さぁ…」

 

何故かグランツが立候補してきたのだが、困ってる奴を放ってはおけない男なのだろうか?まぁとりあえず、これでダクネスの芸が見れて…

 

…アレ?なんか、グランツがダクネスに鞭を持たされてないか?持たされた本人もキョトンとしているし…

 

「わ、私は…体が丈夫なのが取り柄で…そ、それを証明する為に…い、今からこの屈強な男に鞭で…正に鞭で思うように叩かれるのを、耐えてみせようではないかぁ!」

「え、えぇ…?」

 

…なるほど、アキもドン引きしそうなほどのドMか(直球)

 

「さぁ、軍属の男よ。その手に持った鞭で、いつもやっているように私を容赦なく打ち付けるが良い!」

「やってないですよ⁉︎…⁉︎」

 

軍属というだけでそんな受け入れ方をされるとかグランツ可哀想だな…ってアレ?なんか、みんなの彼を見る目が変わってないか?何やらあらぬ誤解が…

 

「最低ね、あの男」

『武人ノ風上ニモ置ケヌワ』

「本当に最低です」

【たしかに最低だな、軍属だというのに】

【そんな彼の仕打ちを受けようとする彼女も彼女だけど】

【男として最低すぎるにゃ〜】

「いや、いやいやいや…え?」

 

毒舌(ラム)蟲王(コキュートス)健気(レム)英雄(ネオスさん)狂気(ユベルさん)猫教師(大徳寺さん)という順番に謂れのない誤解を次々とかけられていっている…これ、俺が止めるべきか?グランツが可哀想だ…

 

「お前の真意はどうなのかは正直わからないが…」

 

あ、謂れのない罪を確信していないものの何か仕出かそうなアテムさんがグランツの前に立って何やら誤解を広めそうな気が…

 

「俺は、人の命を踏み台にする行為など認めない!」

「俺は何もやってない!ねぇ⁉︎」

 

やっぱり(汗)で、グランツは仲間のノイマンとケーリッヒにフォローを求めたが…

 

「「ぷい」」

「“ぷい”じゃないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

おいおい(汗)

 

「グランツ中尉…」

「ん?」

 

お?今度はヴィーシャが声を掛けてきたか。彼女ならさすがに…

 

「───最低ですね」

「おぉぉぉいぃ…」

 

フォローするかと思ったらそうでもなかった(汗)…後でグランツも供養するか。不潤な仕打ちを受けられるのは可哀想すぎる。すごい絶望した顔を見せてるし。そしてアテムさん、してやったりと高笑いするのはやめてください。

 

「どうした?早くやったらどうだ。も、もうひとり増えたか…もしや!二人がかりで私をどうこうしようってつもりなのか!」

「…えっ?」

「なんて酷い辱めを…いや!だが、それも受けて立とう…!」

「MA☆TTE⁉︎俺はそんなことをする気で前に出たわけじゃない!」

 

まさかのアテムさんにもあらぬ誤解を掛けてるような…

 

「ホント最低ね、あの男も」

『武人ノ風上ニモ置ケヌワ』

「でも彼はそんなイメージをされても問題ないかと思います」

「MA☆TTE!最後のはフォローになってないZE⁉︎」

 

毒舌(ラム)蟲王(コキュートス)に誤解をかけられ、健気(レム)にフォローなのかどうかわからないコメントを上げ、理不尽な仕打ちを受けるアテムさん。まぁ、可哀想なグランツを嘲笑ったのだからあの程度は受けてもらわないといけないかもな…

 

「相棒!お前も何か言ってくれ!俺は人の命を踏み台にする行為などしないって伝えてこの誤解を…!」

「───黙れ罰ゲームで死人出した癖に

「AIBOoooooooooooooooooooooooooooooo!」

 

ちょ、さすがに遊戯さんがそんなこと言ってはいけないでしょ…ん?

 

「………(すいません、うちの変態が…ホントすいません!)」

 

…カズマが顔に影を落としてる…君も色々と苦労したんだな…彼女と長い間一緒にいたものだから、無理もないな…

 

 

 

 

色々と…まぁ色々とあって落ち着いたところで次に誰が芸を披露するのかを決めることにした。ちなみにグランツやアテムさんに対する誤解は色々とあって解けたようだ。色々とあったのだから、細かいことは聞かないでくれ…えっ?色々色々としつこい?…気にしないでくれ。

 

「次は遊戯君だぁよ」

「あ、僕か」

 

次は遊戯さんか。最近アテムさん達のノリに合わせていつもとは違った素振りを見せているから、何か問題を起こさないでほしいが…

 

「さてと…僕もデュエルディスクやカードを用いた芸を見せるけど、アテムとは一風変わった方のだから楽しんでみていってね」

 

そう言って遊戯さんがデュエルディスクのカードプレートの一面に1枚のカードをセットした瞬間…

 

禍々しい闇の瘴気が溢れ出し、爆炎となって爆発した。ソリッドビジョンシステムによる映像での演出のため、被害は出ていないが。

 

黒金(くろがね)の暴竜よ!現世の狭間を閉ざす鎖錠を破り、我が敵に滅びをもたらせ!

 現れろ!《破滅竜ガンドラX(クロス)》!」

 

強靭な肉体と、禍々しい紅い瞳。全身には幾つもの光点があり、黒金(くろがね)の四肢がそれらを一層際立たせる漆黒の竜が、再び異世界の者達の目の前に顕現した…

 

と思ったらよく見るとそれは本物の暴竜ではなかった。よく見ると、様々な魔法衣を着た少女達や赤・黄色・緑・金・銀のそれぞれの歯車をつけた小さな5つの機械が、巨大な《ガンドラX(クロス)》の着ぐるみに入っているだけであった。

 

………………

 

さすがに周囲も呆然としていた。本当に暴竜が出るのかと期待していたようだから、無理もないだろう。

 

「…遊戯さん、何故本物じゃなくて様々なモンスターの協力を得てそんなことを…」

「いやぁ、ねぇ…?精霊にも風邪をひくことだってあるんだよ?本人が風邪をひいたら、それ相応の対応をしないと…」

 

遊戯さんは苦笑いしながらそう答える。当日とかで色々と問題があったのだろう、無理もない。というか、カードの中に入っている上ソリッドビジョンで出るというのにモンスターが風邪をひくことってあるのか…?

 

「なぁんかその子達が辛そうだぁから、もう次いっていいかぁな?」

「あ、はい」

 

ロズワール先生に言われるがまま、ソリッドビジョンで出たモンスター達を引っ込ませ、そそくさと席に戻っていく遊戯さん。なんか、あっという間だったな…

 

「さてと次は…アクア君だぁよ」

「えぇ〜?」

 

次は女神・アクアの番か。カズマの話によれば宴会芸技みたいなやつが得意だとか言っていたような…にしてはなんか嫌そうな感じだな…?

 

「なんだよお前。いつものように“花鳥風月!”とかやったらいいじゃねーか」

「あのね、いつも言ってるけど芸ってのは壊れてやるものじゃないの」

「う〜ん、それは困ったぁね…」

 

なるほど、いつ時でも喜んで芸を行なっているわけじゃないのか。まぁ、女神が宴会芸なんて合わない感じもするしな…

 

「…あ」

 

ん?アクアが何か閃いたみたいだな。

 

「別に魔法とかでもいいのよね?」

「まぁ…クラスのみんなが驚くような魔法があるなぁらねぇ」

「じゃあやるわ!私のとっておき!」

 

お、魔法か。それなら十分隠し芸になるし、とっておきの方なら尚更みんなが驚きそうだな…

 

「女神にしか使えない最強魔法、セイクリッドターンアンデット───」

 

おぉ、拳に淡い光が…ん?ターンアンデット…あ(察し)

 

「お前はクラスメイトを消す気か!」

バシンッ 「へぶっ!」

 

カズマ、ナイスハリセンツッコミ。危うくアインズが消滅されるところだった…

 

「だって!あの不浄な連中と一緒なんて許せないじゃない!私は女神なのよ!」

 

やっぱりそういう理由でか…善と悪の争いは絶えないのだろうか…?アインズも殺気を感じて身体中に黄色いオーラを漂わせていたしな…というか問題起こすと元の世界に帰れなくなるからやめてくれ。

 

「はーい。というこぉとで、アクア君の出し物は夫婦漫才でぇした」

「「待って(ください)!」」

 

まさかの夫婦扱い。そして2人のツッコミを冷静にスルー。ロズワール先生もある意味すごいのかもしれないな…

 

「十代君、次は君だぁよ」

「お、俺の(ターン)か!」

 

次に芸を披露するのは十代さんか。《HERO》達の力を借りるのだろうか…?

 

「よし、《ユベル》!悪いけど手伝ってくれ!」

【?ボクの力が必要かい?いいよ、君がそう言うなら喜んで手伝おうじゃないか】

 

どうやら十代さんの芸に《ユベル》さんは欠かせないらしい。《ユベル》さん本人は何をするのかを理解できていないようだが、とにかく気になるな…

 

「えぇ…《ユベル》は、『苦しみや悲しみを与え合い、それを共有する』特殊な能力を持っています。実際に痛みを受けている時に相手にもその影響を与えているのかどうか実は俺もわからないので、それを検証するために…」

 

十代さんが話を進めていると…《ハネクリボー》が何やら鍋の器を持ってきた。そしてその蓋をあけるとその中には…

 

十分なほどに煮立っているおでん。暖かい湯気を出して具を煮ており、そこから香る食材が煮立つ姿はなんとも食欲をそそる…のだが、この場でアレを出すということは、何やら嫌な予感をも察しさせてしまう。これは…アレだな。

 

「今からこのアツアツのおでんの具を、俺が《ユベル》に食べさせ、熱いという反応を俺にも与えるのかを検証したいと思います!」

【………は?】

 

やっぱりか(納得)これにはさすがの《ユベル》さんも呆けた表情を見せる。

 

「《ネオス》。大徳寺先生。《ユベル》を押さえてくれ」

【わかった】

【ちょっと色々とアレにゃんだけど、面白そうだから手伝うにゃ〜】

【え。ちょ、おまっ】 ガシッ

 

状況が理解できていない《ユベル》さんを、《ネオス》さんと大徳寺さんが両腕を掴んで動けないようにした。抵抗しそうなのを予想しての行為のようだ。

 

「さてと…《ユベル》!お前の力を見せてやれ!」

【嫌だよ⁉︎なんでダ○ウ倶○部のコントみたいなことをしなくちゃいけないのさ⁉︎後、いきなり大根とかホント嫌な予感しかしない!】

「なんだよ?俺の力になれて嬉しいんじゃないのか?後お前、SでもありMでもあるんだから問題ないだろ?」

【そういう問題じゃないから!そしてSMなのは昔の話だから!】

 

なんだこのド○フのコントみたいにも見えるやりとりは。《ユベル》さんって誰かにからかわれる(モンスター)だったのか…?あ、十代さんが箸で大根を持った手を近づけて…

 

【ちょ、ホント…いい加減にしなよ!】 ゲシッ

バシャァァァン 「アチャアァアァアァアァアァアァアァアァアァア⁉︎」

 

《ユベル》さんが蹴り上げたおでんの鍋の中の具材が全て、出汁と一緒に十代さんに直撃した。まぁ、自業自得だな。

 

「アチ、アチアチアチ!何すんだよ《ユベル》!せっかく用意したおでんが台無しじゃねぇか!」

【君がそんな芸を考えてボクを巻き添えにするのがいけないだろう⁉︎】

 

「はーい。というこぉとで、十代君の出し物はダ○ウ倶○部風漫才でぇした」

 

「えっ⁉︎これで俺の(ターン)は終わり⁉︎マジで⁉︎」

 

また発生したツッコミ&スルー。この世界ではこういった流れが主流となっているのだろうか?よくわからないな。

 

「そろそろ良い時間だぁね。みんなにやってもらいたいけど、あと二・三人にしておくかぁな。誰かやりたい(ひぃと)は挙手でぇ」

 

とうとう挙手制になったか。というかみんなにやってもらいたいなら時間を区切った方がいいと思うが…

 

って、迷いもなく手を挙げた者が出てきたか。…めぐみんか。なんか十字架の模様が描かれている眼帯を左眼に付けているようだが…

 

「既にダクネスが恥を晒して「なっ⁉︎」アクアの馬鹿面を世に晒して「はぁ⁉︎」これ以上俺を困らせるのはやめてくれめぐみん」

 

うわぁ、カズマ精神的に限界に達しそうだな…

 

「はっ!何を言っているのです。このような場で、私がおとなしくするはずないじゃないですか」

「だってお前、かくし芸って何も出来ないじゃないか」

「出来ますよ」

「出来ねーよ」

「出来やんすよ!」

 

何これ?小学生の喧嘩?

 

「何が出来るんだよ」

 

カズマがそう問いかけると、めぐみんは何やら紅い宝玉の付いた木製?の上部が歪な形をしたステッキを取り出した。アレ?何をするのかを予測出来そうな気が…

 

「最大最高にして最強の爆裂魔法があるじゃないですか!」

「いつも通りじゃねーか!」

 

…やっぱりか。なんかめぐみんは爆裂魔法しか使えないとかをカズマやアクアから聞いてはいたが、まさか懇親会でやろうとするとは…まぁ学園生活で魔法自体を活用出来るかどうかも微妙だがな。

 

「(ジィ〜)」

 

ん?なんかアテムさんに睨まれてるような気が…

 

「(ジィ〜)」

「(ジィ〜)」

 

遊戯さんに十代さんまで⁉︎えっ、まさか俺にもなんか出し物を見せろと⁉︎…あっ。そういえば俺、この日までにどんな芸をするのか試行錯誤していたんだった。それにまぐれなのか俺達の世界で出し物やってないの俺だけだし…仕方ない、後で嫌味言われると困るからやるか。

 

「すみません、めぐみんの次に俺がやってもいいですか?」

「ん?まぁ構わないけぇれど、爆裂魔法とか何かがすごい芸だったら後のプレッシャーが怖くなぁるよ」

「…覚悟の上でやります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♢side第三者

 

安全面を考慮するため、めぐみんと遊星の出し物はグラウンドで行われることとなった。グラウンドは十分広いので、広範囲の技を披露するにしても困らないだろう。

 

「さすがに教室でやられたら大変だぁからね。目標はこちらで用意しぃたよ」

 

ロズワールがそう言ってクラスの皆の前に見せた物、それは…

 

鮫の頭部を模したような顔、刃物のような鋭さの鉤爪を5本持った長い腕、スカート状に広がる下半身。虫のような薄い飛膜と胸部の剥き出しの核の悪魔の銅像であった。遊戯王OCGをやっているorやっていた経験のある者ならば多少は知っているだろう、人気のモンスターの一種・《モリンフェン》である。それを見た遊星は、何故あのモンスターがこの世界で銅像になっているのだろうと感じていた。しかも遠く離れたところに同じ形のがもうひとつ。これはおそらく遊星が芸を見せる時用のだろう。

 

「対象が銅像なのは不満ですが、一先ずは感謝するとします」

「いいのかよ先生?この頭のおかしい爆裂娘は、爆裂魔法だけは本当に凄いんだぞ?」

 

逆にそう言われると気になるから見たいと思う者もいるだろうが、カズマはそれが不安に思っているらしい。めぐみんの爆裂魔法に何か不満でもあるのだろうか。

 

『ほぉ』

「“ほぉ”?」

『それは是非とも見てみたいですな』

 

どうやらアインズも喰いついたようだ。ナザリック墳墓の支配者までもが興味を湧いてしまえば、もう披露する他ないだろう。

 

「そこのアンデット集団も、目を見開いて見るがよいです!紅魔族最強のアークウィザード・めぐみんの勇士を!」

 

自信満々に発動の宣告を告げた瞬間…めぐみんの紅い瞳が輝きを放ち、周囲に熱風と炎の渦を吹き荒らし始める。自身に宿るその魔力を、徐々に高めていっているのだ。

 

 

 

「輝きを秘めしこの力───」

 

 

 

「不可視を我が元へと導き───」

 

 

 

「混沌より接触せんとす───」

 

 

 

「今…爆裂魔法が誘う───!」

 

 

 

爆裂魔法の詠唱を行なっていくうちに、熱風と炎の渦はさらに強く吹き荒れ、杖の宝玉も爆炎の魔力を溜め込んでいく。そして、彼女の魔力が最高潮に高まった時、めぐみんは目の前の《モリンフェン》の銅像を見据え──声高らかに唱えた。

 

 

 

 

 

穿(うが)て───エクスプローション!

 

 

 

 

 

瞬間──《モリンフェン》の銅像のいる場が光り、つんざく音を立てて爆発し、灼熱の炎に包まれた。これぞ、めぐみんが唯一ひとつだけ持つ魔法にして最強魔法『爆裂魔法(エクスプロージョン)』である。その名に相応しき、巨大な爆発を起こす魔法。その威力も侮れない。

 

しばらくして爆裂魔法の爆風が収まると…銅像が置かれていた場所は、クレーターができるほどの焼け野原に変わり果てていた。銅像は欠片ひとつも残ることなく、文字通り粉微塵になった。一方、めぐみんはというと…

 

「はぁ…気持ちよかった、です」

 

とても満足そうな表情を浮かべながら、うつ伏せでその場に倒れていた。さすがは最強魔法、発動後の反動も高いようだ。

 

「言うだけのことはあって…これは本当に見事だったね。さてと、問題は…」

 

めぐみんの爆裂魔法に驚嘆しながら、ロズワールは遊星の方に視線を向けた。あれだけレベルの高い魔法を披露した後にそれ以上のことを期待されてはプレッシャーも高いだろう。が、遊星は顔色を変えていない。特に迷いなどないようだ。

 

「大丈夫だ。俺が披露するのは、あの爆裂魔法にも劣らない程に高いレベルに達しているはずだ。その前に──まずは前準備をしないとな」

「んぅ〜?」

 

遊星がそう言うと、左腕に装着しているデュエルディスクを展開し、3枚のカードをそのカードプレートにひとつずつセットした。

 

「来い、《アンノウン・シンクロン》!《ジャンク・フォアード》!《ジャンク・サーバント》!」

 

水色に透き通った次元の穴が3つ具現化し、その中から丸く小さい天辺にアンテナをつけた機械の衛星、黒ずみの見える黄色い細身の体をした機械戦士、茶色い装甲を貴重とした使用人を思わせる戦士が順番に姿を現した。

 

「何やってるんだ?さっきから小型の機械ばっかり出して…」

 

爆裂魔法を放ったことにより立ち上がれない状態になっているめぐみんを担いでいるカズマがそう問いかけると、遊星は口元を釣り上げて微笑んだ。

 

「焦るなカズマ。今からみんなに見せようと思っているんだ…一風変わった召喚術というものを」

「え?」

 

すると遊星はひとつ深い深呼吸をし…キリッとした眼差しで、自身が呼び出したモンスター達を見据える。

 

「レベル3の《ジャンク・フォアード》とレベル4の《ジャンク・サーバント》に、レベル1の《アンノウン・シンクロン》をチューニング!」

 

《アンノウン・シンクロン》が緑掛かった透明な輪になってゆく。輪の数は…1、その1つの輪に《ジャンク・フォアード》と《ジャンク・サーバント》がくぐっていく。

 

 

 

「集いし願いが───」

 

 

 

「新たに輝く星となる───」

 

 

 

「光射す道となれ───!」

 

 

 

輪をくぐった《ジャンク・フォアード》と《ジャンク・サーバント》も輪に当てられてか煌めく星となる。そして輪から1つずつ星が輪の内側に現れ、輪の中の星の数は…7。7つの星に浴びるように、一筋の光が輪の中を覆う。

 

 

 

 

 

「シンクロ召喚!」

 

 

 

 

 

「飛翔せよ───《スターダスト・ドラゴン》!

 

 

 

 

 

光の風を吹かせながら、1体の存在(モンスター)が一筋の光の中から飛来する。眩い白を発しながら降り立ったそれは細い体躯の竜であり、ところどころボロボロな、しかし刹那の美しさを見せる翼を広げるその姿は、見るものに星屑(スターダスト)を想像させた。その煌く竜…遊星のエースモンスター・《スターダスト・ドラゴン》の姿を見て、一同は思わず見惚れてしまう。

 

これが遊星がデュエルモンスターズで唯一活用・主力としているモンスターの召喚法・シンクロ召喚である。魔術で混ぜるように合成する融合とは違い、シンクロ召喚は特定のモンスター、チューナーと呼ばれるモンスターの精力を光の輪に変え、別のモンスターに注入させることによって新たな生命体を呼び出す、と言った方が例えとしては良いだろう。遊星はそれが得意としているのだ。

 

そして遊星と《スターダスト・ドラゴン》は、めぐみんが爆裂魔法で破壊したのとは別の《モリンフェン》の銅像を見据え──

 

 

 

 

 

「響け───シューティング・ソニック!

 

 

 

 

 

《スターダスト・ドラゴン》は開けられた口の中に大気を取り込み、真空波を吐き出す。空気を圧縮した無色の塊は風が逆巻き、景色を歪ませるほどの高密度な真空の奔流となる。それが、《モリンフェン》の銅像に向かって暴音を立てて迫り、直撃。そのまま爆破させた。

 

爆裂魔法程の威力ではないため、作り上げられたクレーターも小さく、被害も大きくはないが、《スターダスト・ドラゴン》を召喚するまでだけでも爆裂魔法同等の凄まじさを持っていたため、一同を圧倒せざるを得なかった。

 

「よくやったな、《スターダスト・ドラゴン》」

 

真空波を放ち終えた《スターダスト・ドラゴン》の顎を、遊星は愛犬を愛でるように優しく撫でた。それに《スターダスト・ドラゴン》は気持ち良さそうにクルルルと可愛げな声を上げる。先程輝かしく、美しく姿を見せた時と比べると、なんか可愛い。

 

「これはまた、私達が見たことない瞬間を見せられたみたいだぁね。これでフィナーレにしてもいいかぁも───」

『いやまだだ』

「おんやぁ?」

 

遊星のシンクロ召喚に圧巻されたところで懇親会を閉めようとしたロズワールだったが──それに待ったかけてきた者が。その正体はアインズ・ウール・ゴウン。絶賛苦悩中?の骸骨魔王であった。

 

『全てを焼き尽くす程の魔法に我々の見知らぬ召喚術…いや良いものを見せてもらった。代わりにと言ってはなんだが…私も一つ芸を出させて頂くとしよう』

 

どうやら、めぐみんの爆裂魔法と遊星のシンクロ召喚に心を響されて触発したのか、アインズも自分の持つ芸を自ら進めて行うことにしたらしい。

 

「ふぅ〜ん。で…何を?」

『そうだな…ふむ』

 

とはいえ衝動的に芸を披露しようと考えていたため何をするのかを思いついていなかったアインズ。どういったもので周囲を驚かせようかと考えながら、アインズは空を見上げた。

 

『(かくし芸なんてサラリーマン時代に一度しかやらなかったな…酷い営業先の忘年会で。いろんな出し物あったけど、結局店を出た後…これだったのが一番盛り上がったんだよ)』

 

転移される前の世界でまだ人間だった頃の隠し芸での思い出を思い出しながら、アインズは天空に向けて両腕を伸ばした。すると…

 

 

 

アインズの周囲に、様々な模様が描かれた魔法陣が頭上と足元に大きく広がって現像された。さらには身体の周囲に、遊星が魅せたシンクロ召喚とは全く異なる光の輪が大きく広がっていた。その魔法陣と光の輪の色は、まるで鏡のように透き通ったターコイズブルーカラーとなっており、見るだけで何かを凍て付かせてしまいそうな程に輝いていた。文字で例えるとしたら、それはまさに…『氷結』。

 

「なっ⁉︎なんですかこの魔法陣の数はぁ!?」

 

魔術を極めた魔術師でさえもあれほどの魔法陣を出すことは困難なのか、それを見ていためぐみんは自分を担いでいるカズマの首を絞めそうな程に驚愕した様子を隠せずにいた。

 

「とんでもない実力だぁね」

 

当然遊星を含めた周囲も驚嘆していた。アインズほどレベルの高い魔術をその目で見ることになるのは滅多にないのかもしれないと感じているようだ。

 

 

 

 

 

『───ハァ!

 

 

 

 

 

全ての魔法陣が全てを包み込む程の閃光が、一瞬ながらも大きく広がって発光した。周囲が一瞬閉じていた目蓋を開くと、空はいつの間にか曇りとなっていた。一体何が起きたとでもいうのだ、そう思いながら辺りを見回していると…

 

「ん?これは…」

 

ふと、アテムが空を見上げた。白い結晶がひとつずつ、ひとつずつパラパラと空から降り注いでいた。曇りの中で降り注ぐ白い結晶といえばひとつしかない。──雪。雪が煌くように降り注いでいたのだ。

 

「わぁ…!

「すごいですアインズ様!」

『コレダケノ雪ヲ…オ見事デス』

「本当に…本当に素晴らしい!」

「当然でありんす!至高である御方でありんすえ!」

「えぇ、本当に…当然ですわ」

 

「この、この冷たさが…!」

「あの、起こして下さい。誰か起こして下さい…」

「まぁ、結構やるじゃない?大したことないけど」

「コキュートスが冬将軍に見える…」

「それは言わないで思い出すから!」

 

「アインズ君やるな…」

「アババババ…」

「グランツ⁉︎グランツ中尉!」

「どうした?」

「泡を吹いて、気絶しています」

「多分、冬季戦演習場でのトラウマが…」

「フフッ…」

 

「フンッ!」

「寒いわ…」

「ヘヘッ…」

「スバル君、こういう時はあれを飲みましょう」

「学生はダメなんだぜ」

「むぅ〜」

『気持ちいいね、リア』

「そうね~フフッ」

 

「スゲェ!スッゲェ!」

【まさか天候を変える程の力が…】

【アインズって敵に回したら怖そうだね】

【縁起のないこと言わないでほしいにゃ〜】

【クリ〜】

「ったく、してやられたぜ」

【これほどの雪は滅多に見られないですね、お師匠様!】

【全くだな…】

「綺麗だね、遊星君」

「…はい、そうですね」

 

美しく、一瞬にして消えていく粉雪に、この輝く光景に周囲が歓喜の声を上げていく中…アインズはクラス全員の仲の良さが強くなっていったのを確信したのか、グラウンドの中央で佇む中で1人、満足するように小さく微笑んだ───




決まったッ!第1部完ッ!
遊星「いやまだ終わってないから。勝手に最終回にするな」
ごめんなさいm(_ _)m

さてと、第5話はいかがだったでしょうか?アテムが《クリボー》を大量発生させたり、遊戯がモンスター達にエースモンスターの着ぐるみを着させたり、十代が無理矢理《ユベル》とダ○ウ倶○部漫才をやったりしてカオスな場面が多く、今回はいつもより文字数が多かったですが、今回ばかりは遊星にも優遇を効かせてよかったと思っております!一番おいしいところはアインズに持っていかれましたけど(笑)とにかく今回も面白く出来たかなと思っております!次回も期待していてください!



次回予告

大徳寺【今日は面白い場面がたくさん見れてよかったにゃ〜。《ユベル》が十代の芸に協力しなかったのはちょっと残念だったけど、それは仕方にゃいかもにゃ〜】
次回、「決定!いいんかい」
大徳寺【にゃ?なんか嫌な予感がするにゃ〜…】

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