天蓋つきベッドで横になっている体を起こす。横には、全裸のユエが、体を縮めて俺の腕に絡み付いている。
俺達は、ヒュドラを倒したあと、オスカーの隠れ家の中に入ってベッドに倒れ込むようにして寝たのだ。
なぜ、裸なのは、知らないです。
「おーい、ユエ公~。」
「ん、うん?」
ユエは、目を擦ってから欠伸をする。ユエは、「おは」と一言いうと、どこかへ行ってしまう。
「よし、俺も着るか。」
俺は、ベッドから降りて服を探す。さっきも言ったが、無論自ら服を脱いだわけでは、無いので何処にあるのかわからない。脱がしたであろう、ユエに聞くか。
「おーい!ユエ~!」
「ん?」
首をかしげたユエが、カーテンからちょこんと顔を出す。かわいいなぁ、おい。まだ、俺はヤらんぞ(ヘタレ)。
「かわいくしてもダメだ。こっち来い。」
「ッ!?」
ユエの腕を強引に引っ張って、部屋の中に入れベッドに押し倒す。キャー、俺氏めっちゃ大胆!息子もイキリ勃って……なかった(´・ω・`)。
「士、大胆。嫌いじゃないわぁ~!」
「ヤらんぞ?」
「えっ?!」
どうやら、まんざらでもないようだ。だがしかぁし!俺は、絶対にヤらないぞ。
おっと、これがユエの作戦か。話を逸らそうとするなんて。そんな手には乗らんぞ!
「で?服を何処にやった?」
「それは……」
「怒らないないから、な? 言ってみろ。」
「ホント?……燃やした。」
燃やした、だとぅ?堪忍袋の緒は切れてしまったようだ。
「怒らないと言ったな、あれは嘘だ!」
「嘘だッッッッ!!」
アイエエエエエエ!竜宮。竜宮ナンデエエエエ!
「燃やしたって何だよ。」
「あれは、冗談。…ここに、ある。」
「ほう。」
ユエが取り出した布を見る。確かに、俺が、いつも着ていた制服だ。訓練なんてまともに出たこともないお陰で、そう言う軍服的なのを来ていたわけでは、無いのである。
「悪い冗談だな。」
「…悪いと思っている。……だが、謝らない。」
取り合えず、返してもらった服を着て、ベッドのある部屋から出る。外は、迷宮内なのにも関わらず、太陽の光が燦々とこの階層を照らしてくれている。夜になれば、月が妖しく闇夜に光る。
とんでも空間なのは、言うまでもないが、俺とユエの二人はオスカーの家の中をくまなく物色する。"スリ=俺ら"の等式が成り立っているが、ようやっとオスカーの骸のある部屋を見つけ、扉を押し開ける。
「ここか。魔方陣があるな。罠は、無しと。」
フェアスコープで罠かどうかを判断する。罠じゃないと分かっていても、こういう癖をつけないと本当の罠の時引っ掛かってしまう。罠じゃないとわかったので、魔方陣の中に立つ。
魔方陣に足を踏み入れると、光だしオスカーの映像が出てくる。案の定、オスカーの言葉など丸々カットだが、非常ーに頭が痛かった。で、ユエも魔方陣の中に入ることになった。ここは、原作と同じだ。
「ところで、士。…ヒュドラのところどうしてカットしたの?」
「仕方の無いことなのだよ。作者の語彙力は、ボドボドダッ!」
「一方的な蹂躙なんて、面白くもない。」と作者は、申しております。
「ドンマイ。」
ユエが、親指をグッと立てる。俺も哀れみを、覚えるよ。
「して、この骸骨は肥料?」
「そうだな。」
燃やして粉砕すれば、良いのかな?取り合えず、指輪は貰うとして、他に貰えるものは……無いな。
墓石は作ってやった。骨を納めたとは、言っていない。
オスカー。お前の事は、わすれないよ。