Fate/stay night イリヤルート 作:天才と秀才
真名・・・ノビタ
筋力・・・C
耐久・・・D
敏捷・・・B
魔力・・・A
幸運・・・C
宝具・・・EX
保有スキル
単独行動A+・・・魔力供給を絶たれても、10日間は現界可能。
戦闘続行B・・・自分の居た世界でバイオハザードが起きた際に取り込んだTウィルスから発生したスキル。余程の重傷を負わない限りは傷を負っていない状態と変わらない能力値で戦闘を続けられる。
射撃A+++・・・早打ち、曲打ちを含めた射撃に特化したスキル。A+++となると数百年に一人の天才。
クイックドロウA+++・・・射撃の中で早撃ちに特化した技術。相手が引き金を引く直前で抜いても間に合う程度の腕前。
道具作成EX・・・生前、科学者であった事から発生した能力。科学的な物に限り、材料と魔力を揃えれば、あらゆる物を作成できる。
魔術A・・・固有結界から派生した能力。強化に特化しているが、敏捷、耐久、敏捷のステータスを1~2ランク上げる事が出来る。あと補助的なものとして自己再生が使え、霊核の再生も可能。つまり、事実上、霊核を多少傷付けた程度では倒せない。
宝具
固有結界『
超能力EX・・・文字通り、生前扱っていた超能力を扱う能力。
西暦2004年 2月2日 冬木市
「なんだと!?」
この8体目のサーヴァントの召喚に一番驚いたのは、召喚した本人ではなく、襲撃者であるアーチャーだった。
当然だろう。
出てくる筈がないと思っていたサーヴァントが今正に出てきたのだから。
しかし、何時までも呆けている訳にもいかない。
一旦、距離を取って、態勢を整えた。
「・・・なるほど、サーヴァントに襲われている最中に召喚されたという訳か」
ガンナーと呼ばれたそのサーヴァントは、アーチャーの方をチラリと見てそう判断すると、膝の部分に装着されていたナイフを引き抜き、構える。
「さて、行くよ!」
ダッ!
ガンナーはそう言いながら、アーチャーに向けて走り出した。
◇
アーチャーはガンナーが近づいてくるのを確認し、素早く双剣を構えた。
そして、ガンナーが手始めに左手で拳を繰り出してきたので、片方の剣でそれを切り裂こうとする。
だが──
パキン!ドコォ!
拳はその剣を砕き、そのままアーチャーの鳩尾へと命中した。
「ぐおっ」
流石のアーチャーもその攻撃に呻き声を発してしまう。
だが、彼も腐っても英霊。
直ぐ様態勢を立て直そうとしたが、ガンナーの攻撃の方が早く、アーチャーが気づいた時には、ガンナーの右手の逆手で握り締められたナイフが目の前に迫っていた。
「うっ」
シュッ、ブシュ
アーチャーは頬に若干の傷を付けられながらも、なんとかかわす事に成功した。
しかし、その次の瞬間にアーチャーの目の前からガンナーが消えた。
「なっ。何処──」
ドコォ!
それに動揺するアーチャーに、
◇同時刻
ガンナーとアーチャー(と言うより、一方的な蹂躙)を行っていた頃、その戦いの場である衛宮邸に二人の人物が向かっていた。
「抜かったわ!」
その内の一人、遠坂凛は歯噛みしながら、自分の迂闊さを呪った。
数時間前。
10年間貯めた魔力の宝石を使い、士郎を治療した凛であったが、その後、宝石を置いてそのまま立ち去ってしまったのだ。
しかし、後でセイバーに指摘される形で、士郎が再びアーチャーに狙われるであろう事に気づき、こうして衛宮邸に向かっている訳だった。
「リン、落ち着いてください」
イライラしている様子の凛をセイバーは宥めに掛かる。
そして、その言葉に、凛は少しばかり冷静さを取り戻した。
「・・・ごめんね、セイバー。少し冷静じゃなかったわ」
「いえ、構いません」
セイバーはそう言って警戒しながら、衛宮邸までの道のりを進んでいく。
もう暫く歩けば衛宮邸。
そこにはおそらくアーチャーが居ることは確実であり、出くわすことになれば戦闘になることはまず間違いない。
なので、ここでマスターに冷静になって貰わなくてはセイバーとしても困るのだ。
もっとも、二人とも、士郎については既に手遅れであるとは薄々思ってはいた。
が、凛としても簡単には諦められない事情があり、セイバーの方もマスターが行くと言っている以上、それに付き合うしかない。
故に、最低限の義理は果たそうと、二人は衛宮邸を目指していた。
◇
背後からの回し蹴りを喰らい、吹き飛ばされるアーチャーであったが、再び態勢を立て直そうと試みる。
「ふっ!」
ガンナーの足止めの為に持っていた片方の剣をガンナーに向けて投げる。
更に続けて剣を投影し、再びガンナーに向かって投げ付ける。
合計で数本の矛先がガンナーに向かう。
それは人間ならばひとたまりもなく突き刺さるだろうが、サーヴァントであるガンナーであれば、持っているナイフで弾いてしまうだろう。
だが、それで良い。
元々、アーチャーの目論みはガンナーの攻撃をまず止める事だったのだから。
そして、その剣がガンナーの目前まで来た瞬間、ガンナーの姿がその場から消えた。
「ッ!?」
アーチャーは目の前の光景に驚き、目を大きく見開いた。
それはガンナーが突如として消えたからではない。
ガンナーが自分のすぐ近くに
「な、に?」
それがアーチャーの最期の言葉だった。
ザシュ
その無防備に近いアーチャーの態勢にガンナーがナイフで喉を深く切り裂いたのだ。
当然、首となると霊核が存在するので、それが破壊されればサーヴァントは現界出来なくなる。
その為、着地する頃にはその首の血を噴出させながら、光の粒子となって消えた。
こうして、アーチャーは過去の自分に復讐を果たすこともなく、呆気なく第5次聖杯戦争の舞台から脱落した。
◇
アーチャーを始末し終えたガンナーは、その血に染まったナイフを仕舞いつつ、戦いの場を覗いていた士郎に対して声を掛ける。
「もう出てきても大丈夫ですよ」
そう言うと、士郎は恐る恐るといった感じだが、ガンナーに近付いた。
「お前は一体何者なんだ?さっきの奴もそうだけど」
「ん?サーヴァントですよ。クラスはエクストラクラスであるガンナーです」
「サーヴァント?どういう意味だ?」
「えっ?知らないんですか?」
ここでガンナーはようやくマスターである士郎が困惑している理由が分かった。
(どうやったかは知らないけど、自分を呼び出したのは本当に偶然なんだろうな)
ガンナーはそう思いながら、どう説明しようかと顎をしゃくった。
聖杯戦争は小規模ながらも、秘密の舞台で行う本物の戦争だ。
そして、勝った者はかつて自分が参加した第6次聖杯戦争のように聖杯が汚染されていない限り、聖杯によって願いは叶えられる。
だからこそ、マスターもサーヴァントも相手を殺すことに躍起になるのだ。
しかし、そんな舞台に何も知らない人間を放り込んだらどうなるか?
・・・どう考えても、よくなるビジョンが浮かばない。
「はぁ。分かりました。最初から説明を──」
します、と言おうとした時、ガンナーは気づいた。
この屋敷に向かってくる2つの影を。
「・・・すいません。話は後で。マスターはここで待っていて下さい」
「あ、おい、ちょっと!」
マスターの返答を待たず、ガンナーは侵入者迎撃の為に駆け出した。
◇同時刻 衛宮邸周辺
最初にその接近に気づいたのはセイバーだった。
「!? リン、サーヴァントが接近しています!!気を付けてください!!」
「ええ、分かっ──」
凛が言い終える前に、突如として空中からガンナーは現れる。
ドン、ドン
ガンナーはセイバーに向けて先制攻撃を行う。
空気弾。
ガンナーの中で最速の攻撃技だ。
文字通り、空気を収束させた弾丸を銃(に模したモデルガン)から打ち出す技で、溜めのタイミングにもよるが、即席の攻撃でさえ、その弾丸の速度はマッハ10を越える。
そして、今回、打ち出した目標はセイバーの心臓と頭。
つまり、ガンナーはコロラド撃ちと呼ばれる攻撃技を繰り出したのだ。
並みのサーヴァントであれば、何がなんだか分からない内にやられていただろう。
しかし、セイバーは少し違った。
直感A。
殆ど未来視の次元の芸当によって、セイバーはどうにか反応できた。
しかし──
プシュ
「グッ」
頭を狙った銃弾はかわしたものの、心臓を狙った銃弾はかわしきる事は出来ず、右胸に弾が命中し、穴を開ける。
「セイバー!! なめるな!」
崩れ落ちた自らのサーヴァントを心配しながらも、凛は宝石を使ってガンナーを迎え撃とうとする。
が、ガンナーの行動の方が速かった。
シュン
「なっ!」
先程のアーチャー戦のように、ガンナーは空間転移を使い、姿を消す。
凛はそれを見て、何がどうなっているのか分からず、動揺してしまった。
そして、再び現れたガンナーは、凛の背後に居た。
「しまっ──」
「動くな!」
凛の言葉は最後まで続かない。
何故なら、ガンナーは後ろから左手で凛の口を塞ぎ、右手で凛の首にナイフを突き付けているからだ。
「リン、貴様!」
それを見たセイバーが助けようとするが、体を負傷しているのに加えて、形成的にどう考えても向こうがナイフを凛の首に突き刺す方が早いので動けない。
「さて、君は・・・どのクラスだか分からないけど、動かないでね」
「貴様、人質などと・・・英霊として恥ずかしいとは思わないのか!?」
「いや、そう言われても・・・僕だってサーヴァントだからマスターを護る義務が有るし。で、どうするの?遠坂さん。サーヴァントを自決させれば命までは取らないけど?」
「・・・お断りよ。そんな提案には乗らないわ」
「リン!」
「そっか。じゃあ、さよなら」
そう言ってガンナーはナイフを凛に突き刺そうとする。
だが、正にその時──
「待ってくれ、ガンナー!」
マスターが家から飛び出してきた。
「えっ、ちょ、家に入ってて来れと」
「こっちは状況が分からないんだ!まずは状況を説明してくれ!!」
「いや、今はそんな場合じゃ」
そう言って、ガンナーは内心で頭を抱えるが、凛はその状況を見て、圧倒的不利な状況にも関わらず、不適な笑みを浮かべる。
「さっさと離してくれない?少なくとも、マスターはそう望んでいるみたいだけど?」
「・・・」
ガンナーは一瞬だけ考え、セイバーの方をちらりと見ると、こう答えた。
「・・・分かりました。じゃあ、サーヴァントを霊体化させてください。それで離してあげましょう」
「・・・・・・残念だけど、セイバーは霊体化出来ないの。だから、その要求は飲めないわ」
「戯れ言を・・・僕が聖杯戦争に無知だと思いましたか?そんなサーヴァントが居るわけが無い」
「嘘じゃないわよ!!」
「じゃあ、令呪を使えば良いでしょう。それなら霊体化出来るでしょう」
「うっ、それは・・・」
凛は迷う。
ここでガンナーの提案を飲むべきなのは分かっている。
だが、令呪は三画しか無いのだ。
こんなところで使いたくはなかった。
しかし、この状況は如何ともしがたい。
なので──
「・・・・・・分かったわ」
結局、凛はその要求を飲むしか無かった。
◇原作との相違点
ガンナーVSアーチャー
アーチャーの早期脱落
ガンナーVSセイバー