仮面ライダーN(ナスカ) Nの記憶   作:北川デルタ

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10周年祭がいつの間にか終わってしまったけど、完結!

仮面ライダーは不滅です。


第4話:Nの行動/お前の罪を数えろ

意識不明となった子供たちは無事病院へと運ばれた。

照井の助けと判断でなんとかなったものの、彼らの気分は重苦しかった。

 

重い空気を切り分けて照井が言葉をかけた。

 

「遅れて悪かった。頼まれていた資料が中々見つからなかったのでな。」

 

翔太郎は終始無言だった。照井はそれ以上なにも言わず丸テーブルの上に資料を置いた。再び沈黙が走るが今度は眠りこけていたナオトが起きてびっくりした表情で

 

「あれ? 怪人は? 仮面ライダーは?なんで事務所?」

 

翔太郎はさっきまでのイライラ感がふっと消え呆れ笑いをして

 

「フッ・・・。とっくに終わったよ。 」

 

「左、俺はもう行かなくては・・・。所長が、、」

 

「わぁってるって。行ってこいよ“お父さん” 急に呼びだして悪かったな、後、サンキューな。」

 

照井は笑みを浮かべ事務所を後にした。

 

「さぁ、今度はお前の番だぜ、ナオト。俺に隠してる事あんだろ。」

 

「な、、何の話ですか...?」

 

翔太郎は照井の資料を手に取り、玄関近くのソファに座りなおした。机向かいのソファに手招きナオトを座らせた。

 

「お前の名前は須藤尚人。そう、園咲霧彦、旧名:須藤霧彦の弟だな。しかもたった一人の家族なんだろ?」

 

尚人はとぼけようと作り笑いをしたが翔太郎の真剣でまっすぐな瞳には嘘が言えなかった。

 

「はぁ、一人でも凄い探偵さんですね。やっぱり。どうしてそれが分かったんですか?」

 

「依頼書の紙だよ。あれ、事務所のタイプライター用の紙だろ。あの用紙は特注品でなちょっとやそっとじゃ手に入らねえ。だからあの依頼はこの事務所内を行き来できる人間、つまりお前しかいない。兄ってのがまさか霧彦だとはこの資料がなければ分からなかったがな。」

 

「・・・兄は街をこよなく愛していましたが、同時に利己的でもありました。他人は関係なく、自分の利益にさえなればいいと。兄の不審死について会社や園咲さんのお宅へ行きましたが門前払い。そして今回生きていた事に、兄は何かまずいことに巻き込まれてるんじゃないかって思って、、依頼したんです。騙したような感じで申し訳ないです。」

 

「急にかしこまるなよ。逆に調子狂うぜ。 さ、お前の兄貴を救いに行こうぜ。」

 

一方その頃、霧彦は巻田と口論を続けていた。

 

「巻田さん、私はあんな子供たちを売れと言いたいのですか?」

 

「ああ、あれは軍事用品だ。桂木くんも了承している。今回は失敗だったようだが・・・」

 

「そうではない! 子どもはお前たちのおもちゃじゃない。進化の道具にも戦争の道具にも挿せない。これでも私はこの町を愛した一市民として呪いを、メモリの呪縛を街から取り払う義務がある!」

 

そう言うとナスカメモリを挿した。

 

巻田もメモリを挿すのかと思えば、急に倒れ込むと

 

「うっ、どういう事だ・・・」

 

どういう訳か、彼の顔が急にやせ細り、肌がしわくちゃになっていった。たった数秒で老化したとでもいうのだろうか、何が起きているかわからない二人の元に桂木が

 

「そりゃ、副作用ですよ。T2とはいえ、リスクがないなんておかしい。あなたのようにメモリとの親和性が高いと特にね、メモリ自体の能力に浸食される。つまり“タイムメモリ”の副作用、つまり時間移動による高速的な老化現象だよ。」

 

桂木は倒れ込み、一気に老けこんだ巻田の力のない手からメモリを取り出し、

 

「君も善人面してないでさっさと僕の芸術作品を売ってこいよ。それとも、やるの? 最強のメモリを手にした僕と、、僕はこの巻田を実験体にして自分がより効率よく使えるように調整してある。」

 

「ナスカの未知のレベルを信じるさ!」

 

桂木は霧彦と同じガイアドライバーでタイム・ドーパントとなった。

 

ナスカは超高速を使ったが、タイム・ドーパントは時間を操作できるドーパント。いくら早いとはいえ、彼には到底及ばなかった。

 

「くそっ、手が負えないガイアメモリだ!」

 

戦っている間にいつの間にか外に繰り出していた。そこに偶然通りかかったのが翔太郎とナオトが来ていた。ナスカは抵抗するもついには変身解除まで追い込まれてしまった。だが、霧彦は立ち上がった。

 

「霧彦、何してる!? もういい!」

 

「私は、心の中の自分に問いかけてみたよ。本当に何がしたいのかってね。で、本当の私はこの町を自らの手で汚すことじゃない、守ることだってね。君みたいに、、だから一度だけ君のロストドライバーを貸してくれ。」

 

「おい、それじゃ俺はどうなるんだよ? お前もそんなことできんのか?」

 

「大丈夫だ、考えならある。君は待っていろ。」

 

翔太郎は霧彦の策を信じてロストドライバーを託した。

霧彦はそれを受け取り、腰にベルトを巻きつけ、もう一度ナスカメモリを起動した。

 

『ナスカ』

 

ドライバーに挿しこみ、決意を高め、彼は高らかにあの言葉を告げた。

 

「変身!」

 

ドライバー可動部を傾けると彼の姿は変身し、容姿は青いボディと橙のラインの戦士となっていた。戦士の名は仮面ライダーナスカ。まさに生誕の瞬間である。

 

「桂木、私はメモリによって二度もこの町を泣かせてしまった。これが私の罪だ。さあ、今度はあなたが罪を数える時だ!!」

 

「あ! それ俺のセリフ!!」

「兄さんが、仮面ライダー??」

 

「仮面ライダー、、いつも邪魔ばかりする偽善者め、『タイム』歴史ごと消し去ってやる!」

 

タイム・ドーパントは時を止めたが、ナスカの高速の能力は時間さえも超越していた。

 

「僕の時間に、入ってくるな!」

「子供を実験体にし、戦地に売ろうとした罪は重いぞ! 私が相手だ。」

 

タイム・ドーパントとナスカは脅威の時間遡行をしながらつばぜり合いをしていた。彼らの戦場は令和から平成、、多くの時代と場面の中で戦いを繰り広げた。

そして、ある時間、ある場所でナスカは一人の男を連れだして2019年へと戻ってきた。

 

翔太郎達にとっては一瞬の出来事だったが彼らにとって時間の概念など虚無に等しいだろう。

 

「仮面ライダー! 君には彼が必要だろ?」

 

と言うと鳥型のエクストリームメモリが飛びまわって翔太郎の元に来た。メモリの中からは魔少年が復元されてスッと立ちあがった。

 

「相変わらず、ハーフボイルドに首を突っ込んでるのかい? 翔太郎。」

 

「話は、後だ。再会を味わいたいとこだが今はとりあえず、半分手ぇ貸せよ。フィリップ。」

 

フィリップはうなずきメモリを取り出すと同時に翔太郎もドライバーを取り出し腰に巻くとフィリップにも同じものが現れると二人がメモリを起動する。

 

『サイクロン』『ジョーカー』

 

二人の呼吸が合わさり

 

「「変身」」

 

『エクストリーム』

 

彼らは二人で一人の仮面ライダー、W(ダブル)その結晶「サイクロンジョーカー/エクストリーム」

ナオトは気絶せずに一部始終を見ていた。その彼らの雄姿を見るなり驚き、

 

「えええ~!!?? 翔太郎さんが仮面ライダー!? 俺、聞いてないっすよ~。」

ダブルが少し懐かしむようにナオトを指さし、

 

「ミュージアムX 幹部桂木! 「さぁ、お前の罪を 数えろ!!」」

 

だが、ダブルの行く手を阻むはリバイブ・ドーパント(加頭順)だった。

 

「くそっ、お前も可哀想な奴だが、もう一度倒させてもらうぜ。」

 

「そうはいきません。私は理想のために死ねません!」

 

「翔太郎、今度こそ彼を、、」

 

「ああ! この町のためにも、あいつ自身のためにも 」

 

『プリズム』

 

「これで決まりだ! 『マキシマムドライブ』 “ビッカーチャージブレイク”!!」

 

メモリブレイクと同時に加頭の体は原型をとどめることなく消滅してしまった。後はタイム・ドーパントただ一人を倒すのみである。

 

ナスカとの戦闘は超人の域を超えていた。止められた時間の中で動いていられるのはナスカただ一人なのである。

 

桂木は

 

「お前は仮面ライダーなのか?歴史を変えてもなお、お前たちはなんで蘇るんだ?」

 

「それは、私ではなく、彼らに聞きたまえ。少なくとも私が言えることは一つ。この町を守れるのは仮面ライダーダブル、ただ一人、、いや二人か・・・。なんともややこしいんだ。」

 

「ごちゃごちゃ言うな!」

 

「こちらも決めさせてもらう! 『マキシマムドライブ』」

 

ガイアメモリを腰部分に挿し直すとタイムドーパントの動きは止まり、正常な時間が流れ、ダブルと合流した。

 

「君たちは彼に無事引導を渡せたようだね。よし、今私のマキシマムドライブで止めている間に共にとどめを!!」

 

「分かったぜ。街に同じ涙は流させねぇ。行こう!!」

 

ナスカが風を起こし、それにサイクロンの効果で高く飛び上がるナスカとダブル。

相容れなかった二人が協力し、巨大な悪を蹴散らす。

 

『エクストリーム:マキシマムドライブ』

 

「トリプル・エクストリーム!!」

 

フィリップ、翔太郎、そして霧彦の三人の想いが重なったキックは通常の何倍もの強さがあった。タイム・ドーパントはそれを一瞬で消し飛ばそうとしたがそれも出来ないほど圧倒的だった。

 

「仮面ライダー! この時を待っていた。 タイムメモリでお前たちの歴史を失くしてやる!!」

 

「そんなことしたって、俺達は何度でも同じ道を歩み続ける!」

 

「どれだけつらくても、自分が犠牲になるって分かっていたとしても!」

 

「仮面ライダーはいつでもどこでも、悪を根絶しにやってくるお節介な人たちの集まりだよ!! 本当に。」

 

メモリブレイクされた音が聞こえると二人のライダーが華麗に着地していた。

 

そして、彼も・・・

 

「霧彦、、お前。」

 

「これで君たちの街は守られた。 正しい時間の流れがやってくるそれだけの事だ。さらばだ、仮面ライダー:左翔太郎くん。」

 

霧彦は光に包まれてどこかへと消えてしまっていた。気づけばナオトもいなくなり、隣にはいつもの相棒が立っていた。

 

「そう言えば、翔太郎。 興味深い体験をしたんだ。 園咲霧彦と未来に行く夢を見たんだ。だが、あれはどうも現実としか感がられないんだ。検索しても事例が見つからないんだ。ゾクゾクしないかい?」

 

「いや、案外正夢かもな。それ。」

 

二人は何気ない会話をしながら今日も街を見守る。そして見守り続ける。

風都の空はいつもより青く澄み渡り、いい風が吹いている。




これからも彼らは街に問いかけ続ける。

「さあ、お前の罪を数えろ!」

ありがとうございました。

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