高卒底辺社畜だけど家に双子のロリ狐VTuberが来た件wwwwww   作:孤高の牛

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やっとしっかり二人出せた


久々の外出Ⅰ

268:底辺社畜

今日は月六日の貴重な休みの日です

 

269:名無しさん

乗っけから社会の闇を垣間見せてくるな

 

270:名無しさん

年間休み72日…最低ラインは105日…恐ろしいねぇ…

 

271:名無しさん

ひえっ…

 

272:底辺社畜

二人の為に服買いに一年振りのプライベート外出となります

 

273:名無しさん

デートktkr

 

274:名無しさん

それは良いがプライベート外出一年振りに闇

 

275:分析班

二人の為にもそんな会社辞めてどうぞ

 

 

 

 

 

「うっし、二人とも服買いに行くぞ」

 

 思い立ったが吉日、とは良く言ったものだ。

 月六休みの連休週ともなる今週は二人とお出かけ三昧するのだ。

 普段なら出たくもない外だが今日は随分と身体が軽い、それもこれも二人のお陰なのかもしれない。

 

「お洋服!? やったー!」

 

「お兄さんとお出かけ~♪」

 

 うん、あのまだ住み始めてから三日目なんですがね……この子達には警戒心というものは無いのか?

 というか成り行きで自然と住んでるけど全く面識の無い若い男の家にいて何にも感じないのか……とか、本来もっと早く聞いておくべきだった事もあるし……それもそうだがそもそもこの子達どこからどうやって来たのとかVTuberの話もしてみたい。

 俺にもう少し時間さえあればゆっくり話せたんだろうけど、底辺社会人の辛いとこだなこれは。

 

 クローゼットに仕舞われていたちょっとお洒落な服を身に纏い、二人の準備を待つ。

 

「おまたせー!」

 

「って言ってもそんなにする事無いんだけどね~」

 

「ちょっとロキー! そーいうのは雰囲気が大事なのよ雰囲気が!」

 

「うんうん、二人ともかわいいよ! それじゃ行こうか」

 

「やだもー! かわいいなんて~! やっぱりトップアイドルなあたしなら当然だけど言われるとまた別の嬉しみがあるのよねー!」

 

「……私もちょっと嬉しいかも。てへへ~」

 

 ……一度は憧れたよな、こういう『推し』とのデート。

 それが今目の前にあるってマジすか……いやもうさっきの難しい事今考えたら絶対罰当たるってくらい幸せ過ぎてもう語彙力が無いよね。

 にじさんじのあなたの街に来る~みたいなヤツだったり、ニコニコ超会議のバーチャルYouTuBARみたいなニコニコ動画で中継もあったそれに実際行った人間なら似た高揚感が味わえたんじゃないだろうか、きっとタイプ的にはそれだ。

 

 だが俺はそれを遥かに超えているであろう高揚感と緊張感に溢れている。

 棚から牡丹餅なこのシチュエーション……絶対失敗出来ねえじゃん……何か知らないけど今好かれてるみたいだし?

 

「? どうしたの?」

 

「あ、いや、その……緊張してましてね……ほら、話した通り俺って二人がVTuberの中で一番好きだったしさ」

 

「うんうん、ビックリしたけど嬉しかったな~」

 

「まじまじと言われたの、初めてだったしね……」

 

 結果、取り敢えずお付き合いの経験なんて無い俺は見栄なんて張れませんでした。

 

 許せ……

 

「ま、まあそんな訳だからちょっと頼りないかもしれないけどよろしくな、あはは……」

 

「ふふんっ、だったらこのあたしに――」

 

「でもルキちゃん男の人とお付き合いした事無いよね? 私もだけど~」

 

「うっ、うぐぐ……」

 

 良いなこのやり取り……ルキちゃんとロキちゃんがいるんだなって感じの、動画で見たままというかリアルでもやっぱり仲良しなんだなって分かると微笑ましいなあ……と思いつつ、今後この二人ともっと一緒に過ごしたい、そう強く思いこの時一つ大きな決断を俺はするのだった。

 

 

 

 

 

「さあて着いたぞ」

 

 バスに揺られて十数分、チンケな住宅街からちょっと賑やかな街中。

 地元で一番デカいショッピングモールにやってきた。

 まあ服なんて何が何だかさっぱりだし色んな店がある方が良いだろうみたいな安直な考えだ。

 

「久々にこっちの世界のショッピングモール来たけどやっぱり大きいわね!」

 

「走り回りたくなるよね~」

 

「ロキ? それは流石にやめなさいよ?」

 

 でも二人がはしゃいでるし、悪くない選択には……なったかもな。

 

「それより、たくさん買い物するなら先に食事しない? ちょっと早いけどさ」

 

「あ、さんせーい! 私中華食べたい!」

 

「私はお兄さんが勧めるなら何でも良いかな~」

 

「うっし、それじゃ中華にするか! 良い店知ってるから二人とも気に入るぞ~」

 

 いや、良い選択になったな。

 俺は良く出前に取る店がここに入ってる事を覚えていたのを心の底から感謝するのだった。


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