戦姫絶唱シンフォギアchao ~Seelf-sacriflcing devil~   作:瞬間接着剤

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遂にやってきましたG編
実はですね今回の話は間違って削除しちゃいましてね。
かなり心折れました(血涙)

そして………明けましておめでとうございます。今年も本作品を宜しくお願い致します。


第十二話 暴食と喪失

「ガングニールに適合、だと…!?」

 

それを見てDr.ウェルは叫びながらブリッジの階段を下がってくが途中で滑り落ちていく。

 

「こんなところで!ウワァァァ!」

 

それでもなお諦めないDr.ウェルはネフェリムと融合した左腕を振り上げ地面に叩きつける。

 

「こんなところで!終われるッ!ものかぁぁぁ!」

 

融合した左腕で、叩き付けた場所を中心に歯車のような模様が円形状に広がり穴が出現する。

それを見て響が後を追おうとするが今までの疲労なのかマリアがたおれこんでしまいそれを響が支える。

 

「ウェル博士!」

 

更にその場にフロンティア内部に侵入していた弦十郎と緒川が駆け付けるが寸でのところでDr.ウェルに逃げられてしまう。

 

「クッ!」

「響さん!そのシンフォギアは!」

「マリアさんのガングニールが私の歌に答えてくれたんです」

「響さん、マリア姉さんは私に」

 

響がセレナに優しくマリアを渡した直後大きな地響きが鳴り響く。

 

「な!?」

「これは!?」

 

その地響きはフロンティアが上昇していることを指し示していた。辺りでは重力がおかしくなり、持ち上がらないほどの大きな岩が浮き上がっていた。

 

「重力場の異常を観測!」

「フロンティア!上昇をしつつ移動を開始!」

 

それは無線を通じて響達にも伝わっていた。それを察してかマリアが響達にポツリポツリと独り言のように情報を伝えていく。

 

「今のウェルは、左腕をフロンティアへと繋げることで意のままに制御できる…」

 

Dr.ウェルはフロンティアの心臓部である炉心に通じる道を進む中常に左腕をフロンティアへと繋げていた。

 

「英雄の力を無くしても、ソロモンの杖が無くとも、僕にはまだフロンティアがある…!邪魔する奴らは、重力波にて足元からひっぺがしてやる!」

 

響達はマリアの情報を黙って聞いていた。

 

「フロンティアの動力にはネフェリムの心臓、それを停止させればウェルの暴挙も止められる、お願い戦う資格の無い私に代わって、お願い!」

「セレナちゃんや調ちゃんにも頼まれてるんだ」

 

それを聞いたマリアは目を見開く。

 

「マリアさんを助けてって、だから心配しないで!」

 

弦十郎はDr.ウェルが穴を開けた部分を殴り付け大きな亀裂を生み出す。

 

「師匠!」

「ウェル博士は追跡は俺達に任せろ!だから響君は…」

「ネフェリムの心臓を止めます!」

「行くぞ!」

「ハイッ!」

 

響の返事を聞くと弦十郎達は亀裂の中に入っていった。

 

「待ってて、ちょーと行ってくるから!」

 

そしてそこに行き違えで、ソロモンの杖を持ったカオスが入ってくる。

 

「響とは行き違えたか…まぁその方が此方の都合が良い」

「ど、どうして貴方がここに?」

 

マリアとセレナは困惑し、カオスに問いかける。

 

「ん?まぁなんだちょっとお届け物さ、世界を救おうとする歌姫様にね?」

 

カオスはセレナに近づき問いかける。

 

「なぁ、セレナ?ちょっとばかしギアを貸してくれないか?」

「ど、どうしてですか?」

「少しばかしの魔術をね?」

「?取りあえず…どうぞ」

 

セレナは多少困惑しながらもカオスにギアを渡す。

 

「よし確かに受け取った。それじゃあやりますか」

 

カオスはギアを握り、握った拳の上に綺麗で美しい陣を描き始める。

 

「キレイ…」

「だろ?これは俺の知っている魔術の中でも飛びっきりキレイな方さ…よし」

 

カオスが拳を開くとそこには()()()()()()()()()()()が握られていた。

 

「!?一体どうやって!」

「言っただろう?魔術だって、ほれっ」

 

カオスはそう言ってマリアとセレナにギアを返却する。

 

「マリア、それは一度しか使えない。俺の投影魔術は完全再現する代わりに一度しか使用することが出来ないし一度投影したものは二度と投影出来ない。だからここぞ言う時に使ってくれ用件はそれだけだ。じゃチャオ~♪」

 

カオスはそう言って響の後を追うように外に飛び出ていった。

それを見てマリアは困惑していたがすぐに笑みを浮かべていた。

 

「…凄かったわね」

「当たり前です何だって私の命の恩人で私の一番好きな人ですから!」

 

セレナは胸を張って言った。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

「翼さん!クリスちゃん!」

 

そこに少し遅れてカオスがやってくる。

 

「カオスさん!」

「立花!」

「もう遅れはとりません!だから!」

「ああ、一緒に戦うぞ!」

「ハイッ!」

 

響はクリスを見てクリスの手を握る。

 

「良かった!クリスちゃん!きっと帰ってくると信じてた!」

「あ、あったりまえだ!」

 

クリスが照れ臭そうに答えそれを翼とカオスが穏やかな顔で見ていたがそこに弦十郎からの通信が入る。

 

「本部の解析にて高質量のエネルギー反応地点を特定した!恐らくあそこがフロンティアの炉心!心臓部に違いない!装者達とカオスは本部からの支援情報に従って急行せよ!」

「行くぞ!この場に槍と弓、更に杖そして剣を携えたいるのは私達だけだ!」

 

四人は本部の情報に従ってフロンティアの炉心がある場所を目指して跳んでいったがDr.ウェルはそう易々と行かせるような男ではなかった。

 

「人ん家の庭を走り回る野良猫め!フロンティアを喰らって同化したネフェリムの力を!思い知るがいいッ!」

 

響達が跳んでいる最中先の地面が生きているようにうねりだす。

 

「何!?」

「今さら何が来たって!」

 

泥は形を大きく変えそれは流れるように一つの生命体を構築する。

それは紛れもなく()()()()()であった。

 

「グォォォォォォォォォォォォォ!」

 

ネフェリムが咆哮を上げると同時に自らの棘をミサイルのようにして響達に飛ばしてきた。

ミサイルは自らの体組織を推進材とし、響達のいた場所に着弾するが響達はそれを飛ぶことで避けるが着弾した場所は大きな爆発が起こる。

 

「あの時の!自立型完全聖遺物なのか!」

 

更にネフェリムは着地したクリス目掛けて火球を生み出し、打ち出すがクリスはそれを間一髪で避けるが当たった地面はまるでマグマのようにほとばしっておりその見た目からどれ程の熱量があったのかは簡単に想像できるような光景が広がっていた。

 

「にしては張り切りすぎだ!」

 

Dr.ウェルは炉心でネフェリムの心臓に向かって語りかけていた。

 

「喰らい尽くせ!僕の邪魔をする何もかも!暴食の二つ名で呼ばれた力を!示すんだ!ネフェリィィィィィィィィィム!!」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

その頃マリアはカオスに貰ったギアを見ていた。

 

「…やっぱり私では…」

「マリア姉さん」

「セレナ…」

「マリア姉さんがやりたいことは何?」

「…歌で、世界を救いたい月の落下がもたらす最悪からみんなを助けたい」

 

セレナはそんなマリアに近づき優しくその手を握る。

 

「生まれたままの感情を、隠さないで?」

「セレナ…」

 

セレナはマリアの手を握ったままとある歌を歌い出す。

その歌はappleと呼ばれる歌であった。

更にそれにつられるようにマリア、いや世界中の人々が歌い出す。本来なら月によって引き裂かれた統一言語でなければ伝わるはずの無い思いは、今一つの歌によってなっていた。

射出されたフロンティアの制御室においてもそれは観測されていた。

人々が一つになり生み出されたフォニックゲインは今まで観測されたどのフォニックゲインよりも美しく莫大な物であった。

 

「世界中のフォニックゲインがフロンティアを経由してここに収束しているこれだけのフォニックゲインを照射すれば、月の遺跡を再起動させ公転距離の修正も可能」

 

瓦礫から抜け出したマムはその事を伝えるためにマリア達に通信する。

 

「マリア!マリア!」

「マム!」

 

マリア達はブリッジの中心にある球体の元に向かい、マムからの通信を聞く。

 

「貴女の歌に世界が共鳴しています。これだけフォニックゲインが高まれば月の遺跡を稼動させるには十分です!月は私が責任を持って止めます!」

 

その言葉の意味を理解したマリア達は叫ぶ。

 

「「マム!」」

「もう何も貴女方姉妹を縛るものはありません。行きなさい行って私に貴女方の歌を聴かせなさい」

「マム…!Ok!マム!世界最高のステージの幕を上げましょう!」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

その頃響達は泥によって造り出されたネフェリムと激しい戦闘を繰り広げていた。

 

「ハァァァァァァァ!」

 

しかしどの攻撃もネフェリムの強靭な肉体に弾かれるばかりそれを見たクリスは自身の持つ武器をすべて展開し撃ち込む。

 

「なら、全部乗せだァァァァァァ!」

 

しかしそれも効かずネフェリムはまたも巨大な火球を生み出し、放つがカオスがそれを蹴り飛ばしネフェリムに弾き返すがネフェリムは同じ火球を放ち相殺する。

 

「クソッ!ダメか」

 

ネフェリムは自らの腕を伸ばし、カオスを押し潰そうとするがそれを紙一重で避ける。

 

「カオスさん!」

 

響がそう叫ぶがネフェリムは後ろを振り向かずにまたも腕を伸ばし、響に向けて飛ばし、響に当たりかけた時空から鎖が巻き付きネフェリムの腕を囲む形で支柱が刺さり空から大きな鎌の刃を肩のブースターで押しながら切歌がネフェリムの腕を切り飛ばし、更に調がネフェリムの横腹を切り裂く。

 

「シュルシャガナと」

「イガリマ到着デス!」

「来てくれたんだ!」

「とは言えこいつを相手にするのは結構骨が折れそうデスよ」

 

響達が見る先には既に切り飛ばされた腕を修復し威嚇するように吠えるネフェリムの姿があった。

 

「だけど歌がある!」

 

声がする方を向いた先には浮いた岩の上にセレナとマリアがこっちを見ていた。

 

「「マリア!」」

 

調と切歌がそう叫び皆がマリア達の元に駆け付ける。

 

「マリアさん!」

「覚悟は決まったような?」

「えぇ、もう迷わないマムが命懸けで月の落下を阻止してくれている」

 

しかしDr.ウェルは見て悪態をつく。

 

「でき損ないが集まったところで!此方の優位は揺るがない!焼き尽くせ!ネフェリィィィィィム!」

 

それに答えるようにネフェリムが口の中に今までよりも強大な火球を生成し、マリア達が集まる場所に向けて放つがそれは一つの歌によって防がれる。

 

Seilien coffin airget-lamh tron(望み掴んだ力と誇り咲く笑顔)

 

そこにはシンフォギアを纏うさいに発せられるエネルギーをバリアのように展開されていた。

 

(調がいる切歌がいるマムもセレナもついているみんながいるからこれくらいの奇跡…)

「安いもの!」

 

しかしそこに予想外の事態が起こる。

 

「ッ!」

 

「レディゴー!エボルティックフィニッシュ!チャオ~♪」

 

カオスが放った火球の先は()()()()()()()()()がこちらに火球を放とうとしていた。

 

「アハハハハハハ!誰が一体しか作れないと言った!ネフェリムはフロンティアを喰らったんだ!二体ぐらいならぁぁぁぁぁ!フヒッハッハッハッハッ!」

 

それを見て先程まで歌っていた響達が歌をやめてしまいそうになるがカオスがそれを制止する。

 

「歌い続けろ!お前達の歌が世界を救う歌だ!今ここで止めたらすべてが水の泡になってしまう!奴らは俺が相手する!世界を…奇跡を起こせ!シンフォギア装者!」

 

カオスはそのままネフェリム達の相手をするが勝てるわけもなく最初は有戦だったが徐々に追い詰められていく。

 

「ガッ!」

 

カオスはネフェリムの攻撃で響達の目の前まで吹き飛ばされてしまう。

 

「…覚悟を決めたんだ。俺もやらなくちゃな」

 

カオスはそう言って()()()()

 

「GatrandisbabelzigguratedenalEmustolronzen fine el baral zizzlGatrandisbabel ziggurat edenalEmustolronzen fine el zizzl」

 

その歌は本来ならシンフォギア装者しか歌えないはずの絶唱であった。

 

「俺のサードステージαはソロモン本人から造り出したボトルだ。それにかなりの年月がたっている、だったらこいつも一つの聖遺物のような物だ。シンフォギアシステムは無理だったが絶唱はなんとか行けたからな。さてネフェリムどもAre you ready?」

 

カオスは全身に様々な属性の魔力の鎧を造り出しネフェリムに突撃し二体の足を引き裂く。しかし直ぐ様再生してしまう。

カオスはそれを見て更に攻撃の速度を上げていく。

ネフェリムが火球を放つとカオスはそれの何倍もある火球を放ち相殺するどころか押し返しネフェリムを焼き尽くすがネフェリムが消えるごとに新しいネフェリムが生成される。その後ろには絶唱を歌っている響達の姿があった。

 

「何度産み出そうとも、あいつらには指一歩触れさせるものか!必ず守りきって見せる!あのときのようにただただ見ているだけではない!」

「フンッ!高々六人ぽっちの絶唱!守ったところで何ができる!」

 

Dr.ウェルがそう言って次々とネフェリムをぶつけている間響達のギアが崩壊し新たな姿に変化していく。

 

「違う…私の束ねるこの歌は…70億の絶唱ォォォォォォ!!!」

 

響がそう叫び空に空に飛び上がり響達はその身に奇跡を纏う。

それはかつてルナアタックとと呼ばれた事件のさいに発動したエクスドライブと呼ばれる姿だった。

 

「響会うみんなの歌声がくれた…」

 

「「「「「「「シンフォギアでェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!」」」」」」」

 

響達が一つになりカオスの相手にしていた複数のネフェリムをその場一帯ごと粉砕し虹色の竜巻を引き起こしそれははるか天にまで届いていた。

 

それを見ていたDr.ウェルはあまりの衝撃に膝をついて絶望する。

 

「なん、だと…」

「ウェル博士!」

 

そこに炉心にたどり着いた弦十郎達が駆け付ける。

 

「お前の手に世界は大きすぎたようだな」

 

しかしDr.ウェルは最後の抵抗にと炉心のコントロールパネルに触れようとしたその時緒川が放ったリボルバーの弾がDr.ウェルの腕の影に当たり弾丸で影縫いを行う。

 

「影縫い」

 

それにより先程触れようとしていた腕が固まったように動かなくなりそれをDr.ウェルは必死に動かそうとするがびくとも動かなくなってしまう。

 

「貴方の好きにはさせません!」

「奇跡が一生懸命の報酬なら…僕こそぉぉぉぉぉぉ!」

 

Dr.ウェルはその執念で血の涙を流しながら影縫いを解きコントロールパネルに触れる。

するとフロンティアの炉心が今までに無いほどに光り輝きそれを見て弦十郎達が警戒する。

 

「何をした!?」

「ただ一言、ネフェリムの心臓を切り離せと命じただけ…!」

「「な!?」」

 

その命令を受けたフロンティアはネフェリムの心臓を切り離し切り離されたネフェリムの心臓は赤黒く輝き始める。

 

「此方の制御から離れたネフェリムの心臓はフロンティアの船体を喰らい糧として暴走を開始する!そこから放たれるエネルギーは、一兆度だァァ!フハハハハハハハ!」

 

Dr.ウェルは自暴自棄なりながら笑い始め弦十郎はそんなにDr.ウェルに近づき、コントロールパネルを木っ端微塵に破壊する。

 

「僕が英雄に慣れない世界なんて蒸発してしまえば…ヒッ!」

 

しかしネフェリムの心臓は止まることなく脈打つような音をたてながら着々と大きくなっている。

 

「壊してどうにかなるような事では無さそうですね」

 

その情報は他の皆にも伝えられていた。

 

「分かりました。臨海に達する前に対処します」

 

翼がそう答えた時フロンティアの中心の塔から電撃が散っていた。

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

その頃Dr.ウェルを乗せて脱出したジープは二課目掛けて走っていた。

 

「確保なんて悠長なことを、僕を殺せば簡単なこと…ハッ!」

 

Dr.ウェルが見上げる先には巨大な岩が一直線に落ちてきていた。

 

「ウワァァァァァ!」

 

飛んでくる岩を弦十郎は拳ひとつで粉々に破壊する。

 

「…殺しはしない。お前を世界を滅ぼした悪魔にも理想に準じた英雄にもさせはしない。何処にでもいるただの人間として裁いてやる!」

 

それを聞いたDr.ウェルは初めは唖然としていたが子供のように癇癪を起こし始める。

 

「畜生!僕を殺せ!英雄にしてくれ!英雄にしてくれよぉぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉ!」

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

その頃響達はフロンティアの中心を見ていた。電撃が散り、紫色の光が漏れ出すフロンティアの中心は突如爆発し中から巨大な心臓が現れる。

それは二課でも観測されていた。そこには先程Dr.ウェルを捕らえ戻ってきた弦十郎の姿もあった。

 

「藤尭!出番だ!」

「忙しすぎですよ!」

「ぼやかないで!」

 

仮設二課はフロンティアから退散するために本来ならば水中から使うためのミサイルを打ち上げそれを二課の周辺に撃ち込み周りの地面を破壊し、退散する。

 

「ッ!あれを見ろ!」

 

翼が目を向ける場所にはフロンティアのすべてを喰らい付くし自らの肉体を作ろうとするネフェリムの心臓があった。

 

「あれが、指令の言っていた…」

 

ネフェリムの心臓はすべてを平らげると赤いどこまでも赤い巨大な肉体を造り出す。

 

「再生する、ネフェリムの心臓…!」

 

調はいち早くネフェリムに攻撃を仕掛けるために近づき、調の後を追い切歌も接近する。

調は自ら纏っているギアの装甲を集め一つの人が乗り込める大きさのロボを作り出す。

 

「終Ω式ディストピア」

 

切歌は自らの倍ある鎌を振り回しネフェリムを切りつける。

 

「終虐・Ne破aァ乱怒」

 

しかしネフェリムには生半可な攻撃は効かず逆にギアのフォニックゲインを吸いとられてしまう。

 

「聖遺物どころかそのエネルギーすら喰らっているのか!?」

「臨海に達したら地上は!?」

「蒸発しちゃう!」

「カオス!ソロモンの杖を貸せ!」

「…分かった」

 

カオスはクリスにソロモンの杖を投げ渡す。

 

「バビロニア!フルオープンだァァァァァァ!」

 

クリスはネフェリムの後ろにノイズ達のいるバビロニアの宝物蔵を開ける。

 

「バビロニアの宝物蔵!?」

「エクスドライブの出力でソロモンの杖を機能拡張したのか!?」

「ゲートの向こうバビロニアの宝物蔵にネフェリムを格納できれば!」

 

クリスはソロモンの杖に向かって叫ぶ。

 

「人を殺すだけじゃないってやって見せろよ!ソロモォォォォォォォン!!」

 

杖はクリスの言葉に答えるように宝物蔵の扉を開く。

 

「あれなら!」

 

しかしネフェリムもただただ見ているだけではなかった。

 

「避けろ!雪音!」

 

ネフェリムは巨大な腕をクリスにぶつけその衝撃でソロモンの杖が弾き飛ばされしまうがそれをマリアが受け止め叫ぶ。

 

「明日をォォォォォォ!!!」

 

宝物蔵は更に大きく開くがまたもネフェリムが邪魔をし、マリアに指先から放たれた触手で捕らえマリアも道連れにしようとする。

 

「「「マリア!/マリア姉さん!」」」

 

「格納後私が内部よりゲートを閉じる!ネフェリムは私が!」

「自分を犠牲にする気デスか!?」

「マリア!」

「マリア姉さん!そんなの誰も望んでない!」

 

そこにスチームブレードを持ったカオスが近づき、ネフェリムの触手を切断する。

 

「どうして!」

「一人でいかせるものか。どちらにせよ内部から閉じる他方法はない皆覚悟は決まっている」

「そうですよ一人でなんて行かせません」

 

マリアの周りに皆が集まり一緒にバビロニアの宝物蔵に侵入する。

 

「英雄でない私に世界なんて守れやしない。でも私達、私達は一人じゃないんだ…!」

 

その姿は二課にも写し出されていた。

 

「響ィィィィィィィィィ!」

「衝撃に備えて!」

 

それと同時に二課の指令室を含む部分が切り離される。

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

マムは月を元の位地に戻すために月の遺跡にフォニックゲインを照射していた。

 

「フォニックゲイン照射継続…ゴホッ!」

 

しかしマムの肉体は既に限界を迎えていた。

 

「月遺跡、バラルの呪詛管制装置の再起動を確認月起動アジャスト開始…」

 

マムが見上げる先にはフォニックゲインによって包まれた美しい地球の姿があった。

 

(星が、音楽となった…)

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

「ウオォォォォォォォォ!」

 

響達はバビロニアの宝物蔵の内部で迫り来るノイズ達を倒していた。

 

「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

響は腕の装甲を槍の先端にし、一直線にノイズ達を破壊していく。

翼は足の巨大な剣とアーマードギアの剣を合わせ大型ノイズを切り刻む。

 

「ハァァァァァァァ!」

 

クリスは浮遊ユニットに乗り全砲門からピンク色のレーザーは放ちノイズを相殺する。

調と切歌は協力し調は巨大なロボで切り刻み、切歌は鎌を振り回し嵐を引き起こし、大量に巻き込む。

 

「一振りの杖では、これだけの数を…」

「マリア姉さん…」

「マリアさんはその杖でもう一度宝物蔵を開けるか試してみてください!」

「何?」

「外から開けるなら中から開くことだってできるはずだ!」

「鍵なんだよ!そいつは!」

 

皆が戦いながら言う中カオスがマリア達の元に来る。

 

「マリア、ちょっといいか?」

 

カオスはマリアの返事も待たずに杖を持つ。

 

「な、何を!」

「これは俺達の過ちだ。本来なら巻き込むことなく終わらせるつもりだった、だが…やるしかい」

 

カオスは大きく息を吸い腹のそこから叫ぶ。

 

「聞けぇ!!俺の名はハオス・ナイフートシェエ!ソロモンの杖よ!俺の意思に答えろォォォォ!!」

 

カオスがソロモンの杖に命令し、外への扉を開く。

 

「脱出デス!」

「ネフェリムが飛び出す前に!」

 

皆が開いた扉に向けて飛んでいく。

 

「行くぞ!雪音!」

「おぉ!」

 

クリスは浮遊ユニットをパージし、ノイズ達に向かって飛ばし大きな爆発を引き起こす。

皆が集まっていくなかネフェリムも扉に向かって進んでいく。

 

「迂回路は無さそうだ」

「ならば行く道はひとつ!」

「手を繋ごう!」

 

響がそう叫び皆が手を繋ぐがカオスは手を繋ごうとはしない。

 

「カオスさん!」

「俺が手を繋いだら外に出たときすぐに扉を閉めることが出来ない。安心しろちゃんと付いていくさ」

「…分かりましたでも、ちゃんと絶対!付いてきてくださいね?」

 

そしてカオスを除く皆が手を繋いだ中マリアの胸の赤い宝石から一本の両刃の剣が出現し、マリアはそれを引き抜く。

そして再度皆と手を繋ぐ。

 

「この手、簡単には離さない!」

「「最速で最短で、真っ直ぐに!」」

 

引き抜かれた剣は光となり皆に降り注ぐ。すると響とマリアの装甲がひとりでに集まり金の腕と銀の腕を構成し、響達を囲む形で組合わさる。

 

「「一直線にィィィィィィィ!!!」」

 

ネフェリムもそれに対して触手を伸ばして抵抗するがそれを聞いたお構い無く、突っ込み続ける。

 

「「「「「「「ウォォォォォォォォォォォォォ!!」」」」」」」

 

拳はネフェリムの巨体にぶつかり止まることなく貫く。

 

「Vitalizatioo」

 

そのままいきよいのままに進み扉の先に、外に脱出する。しかしそこにはカオスの姿はなかった。

 

「カオスさん!?」

「まさか!?」

 

皆の想像道理にカオスは爆発寸前のネフェリムのいるバビロニアの宝物蔵の内部にいた。

 

「お前ら!少しの間そっちのことは頼んだぞ!それじゃあチャオ~♪」

 

カオスがそう言った最後にバビロニアの宝物蔵が閉じられた。

 

「■■ルト■ガー!」

 

最後に聞き覚えのある声を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此方エージェントXメタルビルド及びにカオスの消滅を確認…ハイ、データも収集しています。分かりました。帰投します」

 

フロンティア付近に来ていた艦艇の一つそれには小さくXの文字が入っている艦艇が来ていた。

 




殺っちゃったぜ☆

えぇ、やりましたとも今度は消し炭だぜ☆

そして次は皆さん主に作者が一番好きなGX編です!そしてGX編からXV編にかけて大きく物語が進んでいきます。
まぁ進むのは主に主人公関連ですが。
それでは皆さんチャオ~♪

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