ウルトラマンバレット
ガピア星人アベル 登場
「サァッ!!」
遠い宇宙の果て。王立惑星ロージア。赤と青、そして銀色の体色をした光の巨人『ウルトラマンスマッシュ』はもう1人の鉛色の巨人『ウルトラマンバレット』と戦っていた。
「止まれ!止まるんだバレット!」
ウルトラマンスマッシュ。彼らは別宇宙にある惑星ダブルスから『終の魔獣』と呼ばれる存在の瘴気に当てられ暴走するウルトラマンバレットを止めるべくこの星へと舞い降りたウルトラマンだ。
「ヴぁぁァァ!!」
本来ウルトラマンバレットは西部惑星バレットが終の魔獣を討つべく作り出した人造ウルトラマンだった。しかし光の戦士を再現する上であまりにも純粋に作られたが故に瘴気に耐えられず暴走し、生まれた星の惑星バレットを含めて既に5つもの星を壊滅へと追いやっている。
「サァァぁっ!!」
スマッシュは力づくでも止めようと飛び回し蹴りからかかと落としを決め、バレットを跪かせる。だがあくまで倒すつもりはないからか躊躇うように力が入り切っていなかった。
「ヴァァッゥ!!」
そんなスマッシュの想いも届かずバレットはスマッシュの脚を掴み、放り投げる。そして背中を強く打ちつけられ痛がるスマッシュに向けて腕を十字に構えてくる。
「ガトリウムゥ光線ん・・ン」
「ジュァァァァァっ!?」
十字にしている右腕を横に伸ばすと同時に放たれる細く早い光線。それはまるでマシンガンのように連続して放たれていく。避けようとするスマッシュだが数を放たれる光線の全てを避ける事は敵わなかった。
「もう、止められないのか。なら・・・」
光線を受けながらも覚悟を決めたスマッシュは腕をL字に構える。
「シューティングスマッシュ!」
スマッシュの放つ必殺光線とバレットの光線がぶつかり合う。光線の数こそバレットの方が多いが単純な威力はスマッシュの光線の方が上で、シューティングスマッシュはガトリウム光線を撃ち破りバレットへと命中する。スマッシュの一撃は本気だった。先ほどとは違い本気でバレットを倒すつもりで光線を放ったはずだった。だが終の魔獣と戦えるだけの防御力に設計されたバレットは光線一撃程度で沈黙するように作られてはいなかった。
「ヴぁぁぁぁッ!!」
バレットの暴走は止まらない。
「ウルトラマン!」
スマッシュの後ろにはまだこの星の生き残りがいて、このままバレット暴走を見過ごすわけにはいかないスマッシュは『戦う』以上の覚悟を決める。
「ハァァァァ・・・」
スマッシュは全身からエネルギーを解き放ち、光となってバレットへと特攻する。そしてバレットの懐に飛び込むとともに大爆発を起こした。
「懐かしい夢を見たな」
眠りから目を覚ました天堂は自身の持つ鉛色の銃を手に取る。
「戦いによる傷も癒えた。そろそろ私も・・・身体を動かしたい気分だな。少し遊んでみるか。ウルトラマンとツキカゲの連中とな」
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「ごめんなさいね。待ったでしょう」
廃墟の一室で1人椅子に座っている霧崎の元にやってきたのは1人の宇宙人。ガピヤ星人にも関わらず体の半分以上がサイボーグな彼は宇宙でも有名なヒットマンのアベルだ。
「なぁに。それほど待ってないさ」
「一応自己紹介ね。私は時空を又にかけるヒットマンのアベルよ。貴方が依頼者の霧崎ちゃんね」
「あぁ。随分派手にやるらしいな」
「まぁね~。兄貴に似せて作らせたこの特注ボディにかかれば、どんな相手も一コロよぉ。それに今回のターゲットは兄貴を倒したウルトラの一族というじゃない。俄然やる気が出るってもんよ」
ウルトラマンと戦えるとやる気満々のアベル。そんな彼に霧崎は更なる条件を依頼する。
「できるだけ追い込んだ上で事を運んでもらいたい」
「了解~。契約成立~、と言いたいところだけど・・・そんな薄ら顔じゃ嫌よ!あるんでしょうアナタにも。真の姿ってやつが」
「ハハハっ!流石腕の立つヒットマンだ。見透かされたのは初めてだよ」
面白そうに青い仮面を開いた霧崎はそれを顔にかざすと真の姿、ウルトラマントレギアへと姿を変える。
「えっ?アンタもウルトラマンなんじゃない!」
「昔の話さ。今はしがない悪魔とでもしておこうか」
そう言ったトレギアにアベルは「悪魔との契約なんてドキドキしちゃう」と握手を求めてくる。彼と握手をした途端ネチョリという機械油がトレギアの手にへばりつき、トレギアは嫌悪感を示してすぐさま手を放した。
「・・・・!」
トレギアはハンカチを取り出して手を拭うとアベルはさっそく依頼を果たすためターゲットを狙いに行く。
「待ってくれアベル。私からもついでに依頼をお願いしたい」
アベルを呼び止めたのは天堂。彼女に振り返ったアベルは雰囲気からトレギアの仲間だと直感し、話は聞く姿勢になる。
「ウルトラマンが憑依している人間がいる組織。ツキカゲ。その人間達もターゲットに入れてほしい」
そう言った彼女は今のツキカゲ6人の写真をアベルへと手渡す。モモと伊智香。命と楓。五恵とテレジアの6人だ。
「へぇ、ウルトラマンのいる組織ねぇ。いいわよ!ついでにやってあげようじゃない!あっ!報酬は一割マシだけでいいわよ。地球人の1人や6人増えたところで大したことないから」
「ではよろしく頼む」
「・・・取れない」
自信満々のアベルにツキカゲの暗殺も依頼する天堂。そして油を拭うトレギア。それぞれの思惑が動き出す中、ツキカゲはその刺客に狙われる。
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『ミッション完了ですね。皆さんお気をつけて帰還してください』
その夜。ツキカゲ達は怪獣の取り引きをしようとしていた宇宙人達を取り押さえて帰還しようとしていた。
「風魔。そういえば何だったっけ。あの宇宙人が取引しようとしてたあの卵」
「どんなのかは分かりませんけど、確か『バードン』とか言ってましたね」
彼女達が知るよしもないが、彼女達が確保した卵は火山怪鳥バードンの卵だ。大熊山を生息地にするバードンは卵を冷やして孵化させる習性があるのだが、そこを狙われて卵が盗まれたのだ。
「卵なんだから親元に返してはあげたいけど・・・」
「この卵の親を知る手段はない。それは諦めるしかないな」
卵を親元に還すという意見もあったが親どころか何の卵かすら分からない彼女達は最悪殺処分も視野に入れながらも帰還しようとしていると・・・
『伊智香!危ない!』
「・・・えっ?」
タイガの「危ない」発言に後ろを振り返る伊智香。すると彼女を狙って一発の銃弾が飛んできた。
「っ!!」
即座に気づいたモモはそれを刀で切り落とす。飛んできたのはレールガンのようで銃弾は残らず、刀身がバチバチと電撃を纏っていた。
「大丈夫孫市?」
「は、はい。大丈夫です」
『レールガンを使う相手は先ほどの人達の中にはいませんでした。おそらくは別の・・・精度から考えて暗殺者という可能性もあります。皆さん、後を付けられないよう帰還してください』
初芽の指示で尾行されないよう慎重に帰還していくツキカゲメンバー。それを1人は観察していた。
「へぇ、スパイって聞いたけど地球人にしてはやるみたいじゃない。いいわぁ。尚更やる気が出ちゃう!本番の明日が楽しみね」
ツキカゲを試してみたアベルは明日が本番だと1人テンションを上げていると、ツキカゲを追いかけることなくその場を去っていった。
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翌日の放課後。本日はミッションではないのだが自分達がヒットマンに狙われている可能性があるため集まり、対策会議を開いていた。
「最近の傾向から考えてみるに・・・ヒットマンは宇宙人の可能性が高いですね」
最近は異星人同士の闇取引現場を取り押さえる事が増えてきたツキカゲ。そういった理由もあり異星人に名が売れてきた可能性も少なからずあった。そのため今回はその報復として狙われている可能性が高いと判断されていた。
「どうするの?宇宙人のヒットマンなら私達の知らない不思議科学で昨日みたくバーンって撃ってくるかもしれないよ」
「初芽さんの透明になるクリームみたく透明になって襲ってくるなんてことも有り得るんじゃ・・」
それぞれが警戒している中、慌てた様子で白虎が対策会議中のツキカゲメンバーの元にやってきた。
「おいみんな!ちょっと来てくれ!上に変な客が来てるんだ」
「ごめんね白虎ちゃん。今忙しいから・・・」
五恵は今は忙しいから後にしてと追い返そうとすると、白虎は次にとんでもない発言をした。
「あれはどうみても宇宙人だ!」
『宇宙人』その言葉に敏感になっていた一同は上には行かず、監視カメラの映像でWasabi店内の様子を確認すると・・・そこにはなんと地球人に化けるわけでもないそのままの姿のアベルがカレーを食べている映像が映っていた。
『これがこの店のカレーね。私、こう見えてグルメなの』
スプーンを手に取ったアベルはその口にカレーを運んでいく。
『これは・・・!?ピリッと効くスパイスになめらかな舌触り。・・・この店、やるわね』
「え?何あれ?食レポ宇宙人?し、刺激的・・」
命は食レポをしているアベルに驚いていると、アベルはカレーをそのまま平らげる。
『ごちそうさまでした。美味しかったわよ。・・・ところで聞きたいんだけど・・』
食事を終えたアベルはカトリーナに何かを尋ねようとする。
『ツキカゲの基地ってここで間違いないわよね?』
『ツキカゲ?なんのことでしょう?』
カトリーナはとぼけてみるも、アベルは下を向く。
『あぁ、隠そうとしなくてもいいわよ。下。透視して確認済みだから』
そう発言したアベルに対してカトリーナは2丁の拳銃を取り出すと、アベルも右腕のレールガンを構える。
『止めておきなさい。貴女はターゲットじゃないの。こんな美味しいカレーを作る無関係な人を殺すのは惜しいわ』
自分1人では勝ち目はない。そう判断したカトリーナは銃を降ろすと、アベルは監視カメラの方に視線を向ける。
『ツキカゲの6人。店を滅茶苦茶にされたくなかったら出て来なさい』
脅しをかけてくるアベルだが応じるツキカゲではない。
『仕方ないわねぇ。ちょっと手荒になるわよ』
店の奥にいったアベルは地下へと続くエレベーターを撃ち貫くと、そこから地下施設へと飛び降りていく。
「シュタ!・・・いてて、脚挫いちゃったかしら?あら大丈夫」
「動かないで!」
地下のツキカゲ基地へとたどり着いたアベルは速攻でツキカゲメンバーに取り囲まれる。
「ターゲットの方から来てくれるなんて助かるわぁ。1人1人なんて面倒よ。全員まとめて相手をしてあげる」
「心も体も滾らせる!」
一同はスパイスをキメて身体能力を強化すると両サイドから攻めてきた五恵とテレジアの拳をアベルはヨガのポーズでかわす。
「あら、危ない」
「風魔!」
「了解!」
命と楓は同時にクナイと手裏剣によって仕掛けるも、アベルは自身に当たりそうなもののみをレールガンで撃ち落とした。
「狙いは悪くないけど、まだまだね」
「ハァァァ!」
「てぇぇぇい!」
モモと伊智香が同時に攻めていくと「当たらない。当たらない」と挑発しながらアベルは跳び下がってその刃を避ける。
「っ!今です!」
「えっ?何これ?ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!?」
刀を振るうモモは初芽へと合図をすると、初芽は何らかのスイッチを押す。するとアベルの立っている足元が空へと打ち上げられ、アベルは外まで飛ばされていった。
「あいたぁっ!?あぁもう頭にキタ!こうなったら踏みつぶしちゃうんだから!」
外まで飛ばされて頭から地面にぶつかったアベル。ブチぎれたアベルは巨大化し、ツキカゲ基地の上にある神社を踏みつぶそうとしてきた。
「行くよタイガ君!」
『カモン!』
外へと出た伊智香はタイガアクセサリーを手に取り、それを右手に持ち替える。
「光の勇者!タイガ!」
『ウルトラマンタイガ!』
「シュァ!!」
「あいたぁっ!?転がる!止まらない!まだ止まらない!止まったぁ!」
ウルトラマンタイガへと変身した伊智香は巨大化したアベルへとスワローキックを叩き込む。その一撃で転倒したアベルは中々止まらなかった転がりから止まり立ち上がる。
「何済んだゴラァァァ!!ってあらヤダ、ウルトラマンじゃない。ターゲットの方から来てくれるなんて、手間が省けたわ」
「本命はこっちってわけか」
「悪いけどねちっこくやってって頼まれてるのよ。恨まないでよね!!」
そう言ったアベルは右腕のレールガンから開幕早々一発を放ってきて、タイガはそれを避けつつもスワローバレットで応戦する。
「ハァっ!」
「あら危ない!」
頭を下げて光線を回避したアベルは即座に反撃のレールガンを放ってきて、タイガはそれを避けつつビルの裏に隠れる。するとアベルはそのビルごとレールガンで打ち抜こうとしてきた。
「っと!」
「あら丸見え!」
それを避けたタイガはアベルの放ってくるレールガンを避けつつ、スワローバレットで応戦しているとアベルはビルを掴みあげて投げつけてきた。
「えっ?マジ?うわっ!?」
そのビルをキャッチしたタイガはそれをゆっくり下ろそうとすると、その隙を狙われて背後から撃たれてしまう。
「っ・・・手強いな。魔獣の力を使うぞ!」
「うん!」
『カモン!』
跳び出したのは荒天終輝センコウの力を宿した指輪。それを伊智香はタイガスパークにかざす。
『センコウリング・エンゲージ』
「ハァ!」
拳を突き出した先から放たれた光線が命中したアベルは背中から転倒する。その様子をあの男は見ていた。
「そうだぁ。いいぞ。使える力は存分に使うがいい」
魔獣の指輪を使うタイガを嬉しそうに見上げる霧崎。その手にはクルミが握られていて、クルミの殻を握り砕いた霧崎はその実を頬張る。
「鍛え上げられた筋肉が銃弾にも勝る事を見せてやる!伊智香!私にウルトラチェンジだ!」
「うん!分かった!」
『カモン!』
「力の賢者!タイタス!」
『ウルトラマンタイタス!』
「あらヤダ、ゴリマッチョ!?」
伊智香はタイガから交代してウルトラマンタイタスへと変身すると、タイタスはポーズを決めながらアベルの放つ銃弾を弾きつつ距離を詰めてくる。
「何よそれ!?」
「フンっ!」
「私のレールガンが!?よくもやってくれたわね!」
タイタスの重たい拳を受けたアベルは右腕のレールガンが壊れてしまい、反撃にタイタスをドカドカと殴りつけるも、堅牢な筋肉を持つタイタスにそのような攻撃は通じなかった。
「鍛え方がなってないな。私が適切なトレーニング方法を教えてやろうか?」
「何よダッサイ星つけちゃって!」
その一言がタイタスを怒らせた。
「貴様、U40の勲章を馬鹿にすることは許さんぞ!」
右腕にエネルギーを集束させるタイタス。それに対してアベルも壊れたレールガンに自身のエネルギーを集束させる。
「ファンタスティック!アベルフィクション!」
ぶつかり合ったタイタスとアベルの拳。そのぶつかり合いは圧倒的筋肉を持つタイタスが制して、アベルは激しく吹き飛んだ。
「あら~!飛んでく飛んでくぅ!?地面、地面は何処?あっ!地面!ほぉわっち!」
何とか着地成功をしたと安心したアベルは自身の足元を見ると、そこには偶然にもモモ達がいた。
「アンタ達に出会ってからどうもケチがついてるのよ!」
「しまっ!みんな、ここから離れて!」
アベルは八つ当たり気味にツキカゲメンバーへと何処からともなく取り出した剣を振りかぶろうとすると・・・
「変われ旦那!」
『ウルトラマンフーマ!』
タイタスからウルトラマンフーマへと交代されて、高速で駆け寄ったフーマはその剣を蹴りつけ、その軌道を逸らした。
「何!?今度は細マッチョ!?」
いい加減にしてと言いたげに叫んだアベルは剣をフーマに振りかぶるも、フーマはそれを軽く受け流す。
「どうした?ヒットマンってのはそんなもんか?」
「んだとゴラァァっ!」
フーマの挑発に乗ったアベルは一瞬だけあったフーマの隙をついて一突きをすると、フーマは煙とともにPONとその場から消えてしまう。
「残像だ」
「そんなのアリか!?」
いつの間にか背後に立っていたフーマに驚き、反応の遅れたアベルはフーマに武器を取られて、自身の剣で斬りつけられる。
「今だ伊智香!」
「うん!」
『カモン!』
伊智香が呼び出したのはウルトラマンビクトリーの力を宿すビクトリーレット。それをタイガスパークにかざして力を引き出した。
『ビクトリーレット・コネクトオン』
「鋭星光波手裏剣!」
金色に輝くV字の刃を飛ばすフーマ。その光刃はアベルを縦に真っ二つに両断した。
「こ、こんなやられ方。兄貴に申し訳が・・・」
兄貴に申し訳ないやられ方をしたと最後に言い残したアベルはそのまま爆発すると、戦いを終えたフーマはその場から飛び去ろうとする。
「ミッション完了ってな」
「待てフーマ。何やら怪しい気配を感じる」
タイタスの言葉で静止したフーマ。その背後に感じ取った『闇』にフーマは振り返った。
「初めましてウルトラマンフーマ。私はバレット。ウルトラマンバレットだ」
ウルトラマンバレット。自身をそう名乗った鉛色のウルトラマンは指で銃を作るような動作をすると「バーン」と言いながらフーマを撃つような動作をする。
「なんだてめぇ?」
「トレギアさんがやたらお前達を気にかけているので、私も興味が湧いた。少し遊ばせてもらおう」
「トレギアだと?上等じゃねぇか!」
トレギア。その名前を聞いたフーマは激昂し、光波手裏剣をバレット目掛けて投げつける。するとバレットは人差指から光弾を放って光波手裏剣を射抜いた。
「変われフーマ!光線なら俺の方が得意だ!俺が行く!」
『ウルトラマンタイガ!』
フーマからタイガに交代すると、タイガはスワローバレットでバレットを攻撃する。するとバレットは腕を十字に構えて、右腕を横に伸ばした。
「ガトリウム光線」
互いに連続して放たれるスワローバレットとガトリウム光線。しかし弾数はガトリウム光線の方が多かったようでタイガは撃ち負けて背中から倒れ込み、カラータイマーが赤く点滅してしまった。
「これがウルトラマンタイガ。トライスクワッドの実力か」
一発だけ掠めていた左肘を押さえるバレットは納得したような反応をしながら闇となって消えていく。
「待て!」
タイガはトレギアの事を聞き出そうとするも、それよりも先にバレットはこの場から姿を消してしまった。
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~~~~~~~
「お疲れ様。どうだった?」
クルミを食べながら天堂のもとに歩み寄って来た霧崎は彼女に声をかける。
「中々面白い相手でしたよ。特にタイガというウルトラマン。あれは面白い」
「そうでしょう」
嬉しそうに頷いた霧崎はクルミを食べ終えるとその殻を地面に捨てて踏みつぶす。
「もっと。もっとだ。面白いものをこれからもみせてくれよ。ウルトラマンタイガ」
初芽の宇宙人ファイルpart1
ガピア星人アベル
身長 190センチ~50メートル
体重 190kg~3万トン
得意技 ファンタスティックアベルフィクション
宇宙ヒットマンであるアベルは時空を股にかける殺し屋で霧崎さんに雇われてこの地球へとやってきました。どうやらお兄さんに憧れているようで、わざわざ特注で似せたボディにしているようです。
次回「ただいま喧嘩中」