ウルトラマンタイガ焔魔炎撃   作:ふーみんフェキサチーフ

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4章 十二重の天《そら》
真相


『ありがとう、メビウス……ヒカリ……』

『タイガ……お礼はいらないよ。僕もセブン兄さんとタロウ兄さんを助けたかったからね』

『……その通りだ、タイガ。同胞を見捨てることなど出来ない。それと、ゼロ……くれぐれもウルティメイトイージスを壊すんじゃないぞ?』

 

急に呼ばれたため、ゼロは身体をびくりと振るわせながら頷いた。

 

『それじゃあ、これからの地球は任せたよ……タイガ、ゼロ』

 

メビウスがそう言うとすぐに──

 

『セアッ!!』

『デアッ!!』

 

──光の国へ帰還していった。

 

 

 

「紅緒……全てを正直に話すよ」

 

ろくろは家に帰ると紅緒に話を切りだした。

 

「……(コクリ)」

 

ろくろの口調に若干戸惑って頷いた紅緒だが、石鏡悠斗という存在が関わっている以上、紅緒にも無関係ではなかった。紅緒は耳を傾けてろくろの話を催促すると、ろくろは──

 

「まずは……ごめん!!紅緒!俺はお前の兄を止められなかった!!俺は【雛月の悲劇】の生き残りなんだ!!」

 

なんと、ろくろは両目に涙を溢れさせ、地に膝をつけて謝ったのだ。

 

「止められなかった……?」

 

紅緒はなんとなく察していたので、特に何も言うこともなく疑問に思ったこと()()を尋ねた。

 

「お前の兄とは知らなかったけど……あいつは……!悠斗は雛月寮の皆をケガレの身体にした……!だから必死になって止めた!!……でも……誰も救えなかった……ッ!!」

 

──ろくろは当時を思い出して泣きじゃくりながらも紅緒に全てを余すことなく伝える。

 

「っ!?そ、そんな……に、兄様が、そんなことを……!それじゃあ、ろくろのそれ()も【ケガレ堕ち】のせいで……!」

「……ああ、そうだよ。俺は悠斗に負けて【ケガレ堕ち】の洗礼を受けた。……でも、ケガレにならなかったのは俺だけだったんだ……。その後ケガレの力で悠斗を止めようとしたけど……悠斗は生きてた……ッ!」

 

つまり、ろくろは後悔に苛まれて──苦悩しても尚、戦い続けていたのだ。それを感じ取った紅緒は目に涙を浮かべた。初めて会った時の決して認めようとしなかった自分の態度があまりにも酷く思ってしまい、自分を恥じる。

 

「ろくろ、もういい……から……頭を、上げて……上げなさい」

 

紅緒は耐えるに耐え切れなくなって、命令形で頭を上げるようろくろに言った。

 

「それを言うなら、私も……兄様の正体に気づくことが… …出来なかった……っ!それに……君に、こんなに辛い思いをさせてしまった……!」

 

紅緒もとうとう悔しさで涙を流してしまった。

 

「……おそらくだけど、悠斗(トレギア)はまだ生きてる……!あいつがあれで死んだはずがないんだ……!!」

「ええ、そうね。今度こそ……兄様を……止めてみせる!」

 

ろくろと紅緒は決意を新たにして共に悠斗(トレギア)を討つことを決めたのだった。

 

 

 

「っ……!?ろくろ……京都府が、大変なことに……!」

 

ろくろが朝、目を覚ましてリビングへ降りてくるとそこにはニュース番組を見て驚愕している紅緒の姿があった。

 

───京都府には総覇陰陽連の本部がある。

そしてニュースによると、京都北部の街並みや人々が石化しているという報道がなされていたのだ。

 

『先日も、星火町で謎の巨大生物が出現していましたが……これも何か関係があるのでしょうか?まだこちらにも情報が集まっていないので情報提供を求めます』

 

──そして、テレビの画面がブラックアウトした。

 

 

『フッフッフ……ハッハッハッハ……!』

 

 

そこから現れたのは──画面越しに映ったウルトラマントレギアの姿。

 

『地球人諸君に告げる……石化現象を止めたければ、直ちにウルトラマンタイガとウルトラマンゼロを我々のいる場所へ連れてこい……フッフッフ……ハッハッハッハハッハッハッハッハッハッハ……!!』

 

『まさか、これは俺達をおびき寄せるために……!?』

 

タイガはトレギアに憤慨し──

 

「っ!?……トレギアァァァァァァァァァ!!」

 

ろくろはその場でただ絶叫することしか出来なかった。

 

 

 

「──というわけで、ろくろ君、紅緒君、今すぐ京都の総覇陰陽連本部へ向かってくれないかな?」

 

ニュースの後、ろくろと紅緒の家に有馬が現れて京都へ向かうよう司令が下った。

 

「実は、ここ最近……“トレギア”と名乗る存在が僕らの……総覇陰陽連を嗅ぎ回っているらしいんだ……。君達の安全のためにもちろん、数名の“十二天将”も同伴させるから……!頼む、これだけは譲れないんだ……引き受けてくれ」

 

急に真面目かつ冷静な口調に変わって有馬は頼み込んだ。

 

(きっと……これを受ければ、悠斗(トレギア)に会える……!)

 

(この先に……兄様(悠斗)は……いる!)

 

ろくろと紅緒は京都で起きた大惨事に心は痛めたものの、悠斗(トレギア)と決着をつけるために有馬の司令を引き受けたのだった。

 

 

 

「『今いくぞ……悠斗(トレギア)ッ!』」

 

 

 

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