「スカル・リーパー!?」
僕は今、森にいる
何故森なのかというと、転移させられたからだ
そこで、謎のオレンジプレイヤーとスカル・リーパーと遭遇した
「このモンスターの相手は僕がします!君は逃げてください!2人でどうこうなる相手じゃありません!」
「!?なんで私を庇うの?あいつらの仲間じゃないの?」
「貴女はオレンジプレイヤーなのは分かってます!ですが、僕からしたら生きてほしいだけです!」
僕は本心を伝えた
「…分かった」
さて…
「どう倒そうかな…」
*****
「…はぁ…はぁ…何とか倒せましたね…」
「スカル・リーパー…こんなモンスター初めて見た」
「!?逃げてなかったんですか!?」
あのモンスターは75層のフロアボスだ
あの時戦った時とステータスが同じだったらとても1人2人では勝てない
「どうして私を助けたの?あいつらの仲間じゃないの?」
「貴女を助けたのは単なる自己満足ですし、誰の事を言ってるのかさっぱり分かりません。仲間ってどういう事ですか?」
「あいつらの仲間ではないようね。でも、見えてるんでしょ?私のカーソル」
「オレンジプレイヤーですね」
「それを見て何とも思わない?なんで助けたの?」
「力になってあげたいんです」
「…私、人を殺したの」
「!?」
「…そういう事、だから私に関わらない方がいい。それじゃ、さよなら…さっきは助けれくれてありがとう」
そう言うと、女性プレイヤーは去ろうとする
「ちょっと待ってください!」
「…なに?関わらない方がいいって言ったでしょ?」
「それは分かりました。ですが、1つだけ聞きたい事があります。ここは一体どこなんですか?SAOの中、というのは間違いないでしょうけど」
「…分からない。私は1ヶ月前にここに飛ばされたんだけど、生き残るのに精一杯で殆ど探索出来ていないから」
「…《クリスタル無効エリア》ですか?」
「ここの階層は分からなくなってるけど、アイテムやメッセージは通常通り使える」
「転移結晶が無いのであれば、あげますよ。いくつか持ってますから」
「…遠慮する」
「貴女は…」
『《ホロウ・エリア》データ、アクセス制限が解除されました』
僕の言葉を遮るように、何かのアナウンスが流れた
「…何のアナウンスだろう…」
「…あんた、それ…」
「…?何ですか?」
「その手に浮かんでる紋様は…」
僕は自分の手を見ると、謎の紋様が浮かんでいた
「!?いつの間に…さっきまでは無かったんですけど…。さっき、アクセス制限が何とかとアナウンスと関係あるのですか?」
「…あんた、一体何者?」
「どういう意味ですか?それよりも、ここは一体どこで何なんですか?」
「私も…よくは知らないけど…ねぇ、その手。よく見せてくれない?」
「…いいですよ」
「…やっぱり同じ」
「何が同じなんですか?」
「これと同じく紋様がある場所を知ってる」
「そこに行けば何か分かるかもしれませんね。他に手がかりはありませんし、行ってみます。貴方がよければ、そこへ案内してくれませんか?」
「…別に構わない。でも、そんな簡単にオレンジ…いいえ、レッドを信じていいの?」
「カーソルがオレンジなのは気になりますね。でも、僕がスカル・リーパーと戦っている時や倒した後に攻撃をしなかったんです。なので、信用に値しますよ。僕はショウと言います。貴方は?」
「…フィリア」
「フィリアさんですね、よろしくお願いします」
「ふふ…」
フィリアさんが急に笑った
「?」
「あんたって、よっぽどのお人好しかよっぽどの馬鹿よね」
「…人を見る目はあると思うんですけどね…」
「それは光栄…と言うべきかしら?さ、案内するわ。行きましょう」
*****
『クリアを確認しました。承認フェイズを終了します』
僕達は《ホロウ・エリア》を進んでいた
そして、またこのアナウンスが鳴った
「…承認フェイズって何だろう…」
「また出た、このアナウンス」
「…」
「ねぇ、どうしたの?」
「あ、すいません。少し考え事してました」
「何を?」
「《ホロウ・エリア》の事です。気になる単語が出てきたので」
「ふぅん…それで、何か分かった?」
「いくつかの仮説はあるのですが、決め手に欠けていますのでもう少し情報を集めないと…」
「そう」
フィリアさんは不満そうな顔をしていた
「どうしたのですか?不満そうな顔をしてますけど…」
「だって、私がずっと調べてても分からなかったのにさ、ここに来て数時間のあんたが謎を解いちゃったら…悔しいに決まってるでしょ?」
「まだ解いてないですよ」
「あーあ、これじゃトレジャーハンターの名が廃るわ」
「トレジャーハンターなんですか?」
「まぁ、自称だけど。SAOに職業って無いし、モンスターと戦ったりクエストクリアしたりするより…ダンジョンに潜ってお宝を見つける方が私には向いてると思ってるから。それが…生き残る為に重要なアイテムである事多いしね。だから、トレジャーハンターになる事にしたの」
「…そうだったのですね。でも、危険ですよね?ソロでの戦闘はキツいですよ?トラップ対策や、探索スキルは伸ばしているのですか?」
「まぁ…ね。一応自分の身を守れるくらいには、あげてるつもり」
フィリアさんの戦闘力は高いだろう
出逢ってすぐに切りかかってきた時の攻撃は鋭かった
「さーてと。ちょっと順番が変わったけど、この先に例の転送装置があるわ。ここを抜けると例の装置よ。行きましょう」
「そうしましょうか」
そして、転送装置のようなものの前にきた
「ほら、これ」
「確かに…この紋様と同じですね…」
「ね?見間違いじゃないでしょ?ここが球体の入り口だと思う。ねぇ、試してくれる?」
「了解です…これでいいですか?」
すると、紋様が光っている
「多分…ほら、紋様が光ってる…」
「どうやら、フィリアさんの考えが当たっていたみたいですね。流石、トレジャーハンターですね」
「…私も、球体の中に何があるのか知らないんだけど…きっと…この先には《ホロウ・エリア》の秘密があると思う」
「見るからに怪しいですからね。僕もそう思います」
「ねぇ、私も…行っていい?」
「当たり前ですよ。一緒に行きましょう」
「…うん」
そして、僕とフィリアさんは転送された
「ビンゴ!やっぱりそうだった」
「ここが球体の中なんですね」
「恐らくね」
「敵の姿はないようですが…」
「!?ねぇ、ここって…《圏内》だね」
「…確かに《圏内》ですね。でも、ガーディアンが…」
「…来てない、みたい」
「どうなってるんでしょうか…やっぱり、いつものルールとは違いますね」
「でも、これなら安心して調べられる」
「そうですね、手分けして探索しましょうか」
僕とフィリアさんは手分けして探索する
「これは…」
コンソールがある
何かのリストも載っている
「…実装…エレメント…?」
ここは管理区みたいだ
「ねぇ!ちょっとこっちに来て!」
「どうしました!?」
僕は慌てて向かう
「これって、転移門…かも。ちょっと見た目が違うけど」
「間違いないですね…よかったですね、フィリアさん。ここから出れますよ」
「…出られるか…よかったね」
「どうしました?フィリアさん。余り嬉しそうに見えないですけど…」
「そう見える?」
「…フィリアさんは一緒には行かないのですか?」
「一緒には行かない…から、あんたは帰りなよ。だから…ここでさよなら。あんたと一緒で結構楽しかった」
「そうですか…分かりました。とりあえず戻ります。でも、アクティベートしたら大丈夫でしょうしすぐに戻ってきますよ」
「…」
「僕は、この《ホロウ・エリア》に興味があるので。まだ謎も多いですし、ボスクラスの強力な敵がフィールドを徘徊しているのも不思議です。それに、途中見かけたモンスターも特殊でしたから。本来であれば、どこからでも見えるはずこ迷宮区塔が見当たらないのも不思議ですね」
「そう…不思議だよね」
「それに…これだけ特殊な場所なら新しい武具や強力なスキルが見つかってもおかしくないですから、攻略も進むと思いますしね」
「ふふっ…その気持ち、何となく分かるかな。…もし来る事があったら私にメッセージを頂戴。ここに来るようにするから」
「この紋章が無くても、管理区に出入り出来るのですか?」
「へぇ…ここ、管理区?っていうんだ。試してみたけど、一度開通したら通るだけは出来るみたい」
「分かりました。来る時は連絡しますね」
「…期待しないで待ってる」
「またです。気を付けてくださいね」
そして、僕は転移した