アクセル・ワールド コモンデイズ 或るバーストリンカーの日々   作:睦月江介

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最近読んだノベルが面白かったので、自分もアクセル・ワールドのお話を描いてみようかと。
ただ、私のは割と淡々と書ければと思っております。
※10/24 公式に『セルリアン』がいたことが判明したのでカラーを『サファイア』に変更し、若干設定部分を弄りました。


聖地の大蟹

 バーストポイント……バーストリンカーの命たるこのポイントの使い方について、俺は加速世界の中でもかなり賢く使っている、という自負がある。伊達に『王』に次ぐレベル8まで上り詰めていない。

 

 最年長でも高校生のバーストリンカーの誰もが考える加速の使い道として『授業で活用して好成績を得る』というのがあるが、これは俺に言わせれば愚の骨頂だ。確かに一時的には成績を上げることはできる……が、コストパフォーマンスがあまりにも悪いのだ。

 

 どのくらい効率が悪いか説明するために、仮に、1科目につき1回加速したとしよう。平均的な学校の授業は1日5時限、または6時限。つまり先の仮定なら1日平均5ポイント。これが週5日だと25ポイント。これを賄おうと考えると、当然まずは対戦を考える。しかし、25ポイントというのは案外高い壁である。

 まず、通常対戦なら1回で10ポイントは望めるが、当然必勝はあり得ない……ステージや対戦相手との相性によってはむしろマイナスになる危険もある。よって、通常対戦で安定して稼ぐのは困難と言わざるを得ない。

 

 通常対戦で安定を得るのは難しい、となると次にポイントを得る手段としてレベル4以上のミドルランカーから突入できる無制限加速フィールドに徘徊しているエネミーを狩る、という手がある。これはある程度人数が揃っていれば、という前提条件こそあるものの対戦で稼ぐよりかなり安定する。

 しかし、この方法も非常に厳しい問題が待ち受けている。『アンリミテッド・バースト』とコールするだけで、つまり無制限フィールドに上がるだけで10ポイントのポイントを消費するうえに、エネミーというのはムチャクチャ強い。一番弱いエネミーですらレベル6や7のバーストリンカーに匹敵する戦闘力を誇り、狩りと言っても一筋縄ではいかない……そのくせ得られるポイントは雀の涙。主な狩りの対象となる『野獣(ワイルド)級』ならば5ポイント以上は硬いが1体で10ポイント得られる事は稀だ。つまり、入場分を稼ぐのすら一苦労なので25ポイント得よう、となると途方もない労力が要求される。

 結論として、授業で調子に乗ってポイントを使うと稼ぐスピードよりも消耗スピードの方が圧倒的に早くなりがちであり、いたずらにバーストリンカーとしての寿命を縮めることになるのだ。テスト前だけ使う、ならばともかく日常的に利用しようとするのは愚か者である。

 

 次に考えられる方法としてギャンブルで大金を得る、というのがあるがこれも没だ。そもそも学生の身分では元手が限られており、それを急激に大きくすると当然悪目立ちしてしまう……それは自分達の特権である『ブレイン・バースト』の存在がばれる危険性が高まるという事にほかならず、あまりにもリスクが高い。もっと言えば、寡聞にして俺は現在進行形でバーストリンカーの聖地にて楽しんでいる賭け試合よりも白熱するギャンブルを知らない。これでリアルマネーではなくバーストポイントを賭けていたら、俺はとっくの昔にポイント全損で加速世界を退場していたであろう。

 

 では、どのように使うのが賢いのか? そう問われれば俺は迷わず『勉強に使う』と答える。もっとも『学生の本文は勉強』などという綺麗事を言うつもりではない。

 まず目を付けるべきは、スポーツの学習ソフトである。デュエルアバターは、自分の体を動かすのと同じ感覚で動かすので、動かし方を知っているのといないのではかなりの差が出る……とりわけ、レスリングや柔道、空手と言った格闘技の感覚は初歩を覚えるだけでも意外と戦闘で活きるものだ。これらの資料は学校で閲覧できるものも多いのはありがたい。もっとも、より実践的にとなるとそこからは我流になりがちなのはご愛敬だろう。

 次に美味しいのは、理科だ。デュエルアバターの名前、色にはそのデュエルアバターの特徴が出るが元素の性質を学ぶことは、特に対メタルカラーとの戦いにおいて大きな武器になる。敵を知り己を知れば百戦危うからず、とはよく言ったもので相手の能力を知っていればそれだけ戦術を立てやすくなり、有利に立ち回ることができる。動物モチーフのデュエルアバターも多いので、生物の知識もなかなか役に立つことが多い……俺も生物モチーフだしな。

 長々語ったものの、簡単に言えば勉強がそのまま対戦における知識として生きるのだ。それはそのまま勝率アップにもつながるので、まさに好循環であり危機回避的に使う場合を除けば最も有効にバーストポイントを使う方法ではないかと思う。

 

 そんな素晴らしいバーストポイントの使い方をしている俺に、呼び出しがかかる……何とも久しぶりの仕事だ。それではどこのバカか知らないが叩きのめしてくるので俺の対戦には金を賭けないように。

 

 すっかり名乗るのが遅れてしまったが、俺の名はサファイア・クラブ。バーストリンカーの聖地『アキハバラBG』を守る用心棒である。




オリジナルデュエルアバター設定

サファイア・クラブ
 アキハバラBGの用心棒にしてレベル8の古参バーストリンカー。蟹を模したガチガチの接近戦タイプで、最大の特徴は《脱皮再生》(モルティング・リジェネレート)アビリティ。名前の通り、必殺技ゲージを消費して『脱皮』するのだがこの時にデュエルアバターの装甲が完全に修復される。装甲が腐食しようが穴が空こうが切り落とされようが対戦開始直後と同じ綺麗な状態になる(ただし、体力ゲージは回復しない)
 このアビリティの存在により手足を切り落とされようが即座に再生してしまい、蟹とサファイアの性質上防御力も高い。(サファイアはダイヤモンドに次ぐモース硬度9を誇り、更に靭性も高いため非常に固い宝石である)
 そのためこと切断攻撃に対して極めて高い耐性を有しており、この利点にものを言わせてレベル9になる以前の『黒の王』『青の王』に土を付けたこともある。

必殺技《アトミック・ピンチ》 腕を蟹のハサミに変化させ対象を挟む。ハサミ、と言っても切断属性はなく挟み込む力で『押し潰す』あるいは『捩じ切る』攻撃である。


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