絶望の奴隷   作:海宙時計

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はじめまして。
オリジナル作品で、下手くそな文章で投稿ペースも亀の歩みとなる予定ですが、誰かの目に止まって、なんと無しに楽しんでいただければと思います。
奴隷購入、、とのタイトルですが、まだ出てきません

何分下手くそな文ですので、感想などでアドバイス等頂けましたら改善していきたいと思います!


物は試しに奴隷購入

賑わう町の端。

昼間だというのに薄暗く見える下町の一角にその酒場はある。

いわゆる〝ならず者のはきだめ〟である。

その薄暗い店内でフードを目深にかぶった男とひげを蓄えた壮年の男が小さな丸テーブルで酒を酌み交わしている。

 

「…奴隷か…ふむ。物の試しに買ってみるか」

 

「お、いいねあんちゃん。いやぁ初めて見たときからあんたなら!!って思ってたんだ!俺の名前はダン。よろしくなあんちゃん!」

 

「で、その奴隷ってのを…あんたが扱ってるってわけかい?」

 

「まさか!俺がそんな極悪人にみえるってのか?」

 

フードを目深にかぶった男の質問に対し、髭の男、ダンはおどけるようにしてわらう。

 

「鏡を見てみろ。きっと驚くぜ」

 

「はっはっは!ひっでぇいいようだなぁ。まぁ俺も大概悪人面ではあるがよ、あんちゃんもなかなかだぞ?その顔の傷と…左腕」チラッ

 

「……さっさと本題に入ろうか」

 

フードの男はそれとなく左腕を隠しつつ、続きを話すよう促す。

男達の他に客は数えるほどしかおらず、皆一様に酒を傾けている飲んだくればかりで位置も割と離れている。

こちらの会話など誰も気にも留めないであろうことを確認し、ダンは本題に入った。

 

「へいへい…で、つまるところ、おれはそういう店、、、って言い方は少し違うが、まぁいいか。そういうのを紹介してるってわけよ。あんたみたいないわゆる…そう、買ってくれそうなやつにな」ニヤッ

 

「ほう。つまり、紹介人…ってところか」

 

「まぁそういうこった。で、ここ数日この店に通って客を見てたのさ。そんで暇人かつ明らかに表の人間じゃなさそうなやつを探ってたわけ。ほいだらドンピシャ!それがあんたってわけだ。見たところ金も持ってそうだし、な」

 

「……」

 

「あぁすまんすまん。そう睨むなって…別にバカにした訳じゃあないんだ、分かるだろ?…でも、面白そうな話ではある…そう思ってもらえたろう?」

 

顔をしかめた男を見て、ダンはなだめるような声音で語る。その伺うような顔に毒気を抜かれ、男は呆れたように続ける。

 

「……あぁ。確かにここいらじゃあまり耳にしない話だな。用件だけ手短に頼む」

 

「ふぅ…つれねぇなぁ。一度しか言わねぇからよく聞けよ?」

 

男の言葉に苦笑いを浮かべながらダンは一呼吸置くと話し出す。

 

「…この町でてすぐ西にいく。あぁ、教会があるほうの門からな。1日も歩けば大きな木がある。見りゃすぐわかるくらいのでっけぇ木だ。その木を4回、3回、6回たたけ。強くな。ほいで俺の名前を言え。そうすればあとは成り行きに従えばいい。どうだ?簡単だろう?」

 

「教会方面の門から出て西に一日、でかい木を4、3、6であんたの名前か。で、それがガセじゃない証拠はあるのか?往復で二日もかかるんだ。でかい木観光に二日も費やす気はないぞ」

 

フードの男はダンの話を要点をかいつまみ繰り返すと、少し訝しげにダンを見つめ返す。男のその様子を目にしたダンはニヤリと口の端を釣り上げ足元にある荷物の中から巾着袋のようなものを取り出す。

 

「はっはっはそりゃもっともだ。でかい木を見るために二日歩くのはバカってもんだな。まぁなんだ。証明できるもんはないが…これをもってけ」

 

「…ほう」

 

「銀貨が幾らか入ってる。あんたみてぇなのにとっちゃコイツが何より信用できるだろう?」ニヤニヤ

 

「わからないな。なぜ俺にこうまでする?そもそも俺がそこに行く確証もない。いったとしても奴隷を買うとはかぎらないだろ」

 

「いーや、あんたは買うね。そしてあんたが買えば紹介した俺には今アンタにやった金の何十、何百倍の金が回ってくる。もしあんたが買わなかったとしたら、それは俺の目が腐ってたってことさ。あんたを恨むようなことはしねぇよ。いわば、そう。ギャンブルよ!」

 

男の怪しむような瞳をダンは真っ直ぐ、そして実に愉快そうに見つめ返すと、ヘラヘラと笑いながら答える。

 

「…わからねぇ男だ。いいだろう信じよう。どうせ金も暇も持て余して腐ってたところだ。買うかはわからんがな。…ここの酒代はこれで足りるだろ、じゃあな」

 

男はさっきもらった銀貨の入った袋から銀貨1枚を取り出し机に置く。

 

「お、気前がいいねぇ!ごちになりまぁす。やっぱあんちゃんに声かけてよかった。また機会があったら今度は商売関係なく飲もうぜ」

 

「…機会があればな。」

 

「ーーーーー」

 

踵を返し歩き出す。去り際にひげの男が何かつぶやいたのが聞こえたが、気にせず店を出たのだった。

➖➖➖➖➖

 

「さて、行くか。…だいぶ長いことココにも世話になったが、これで見納めかもな…」

 

すっかり旅支度を済ませた男は家を出る。家といっても小さなぼろ小屋で、はたから見れば人が住んでいるかすら怪しいような家だった。

男の荷物は二日家を空けるだけにしてはあまりにも多く、それはこの町自体を出ていくことを物語っていた。

家を出てすぐ馬商人の元へ向かう

 

「馬と、小さめの馬車をくれ。」

 

「へぇ。旦那、旅の方ですかい?馬と馬車ってなりますとそれなりの金額になりますが…」

 

「…金ならある。いくらだ。」

 

「へえ。そうですな、若い馬なら金貨1枚、ちと歳のいったのですと銀貨15枚ってところでございます。馬車はこちらの小さいのであれば銀貨3枚でいかがでしょう?」

 

「ふむ…馬は若いのを頼む。馬車だが、その隣のもう少しでかくてしっかりしてそうなほうにしてくれ」

 

「へぇ。そうなりますと合計で金貨1枚と銀貨5枚になります」

 

「それでいい。じゃあもらってくぞ」ジャラ

 

「へぇ!ありがとうございます!こちら、鞍と鞭、旅の安全を祈願しましてこちらのお水と非常食をおもちになってくださいませ!では神のご加護があらんことを!」

 

「…あぁ」

 

商人の手のひらを返したような薄っぺらい祝福にうんざりしながら男は馬商人の元を後にし、適当な保存食と水、野宿用品、油などの物資を買い町をでたのだった。

                   

➖➖➖➖➖

                   

 

町を出るのが遅かったからか既に日は傾き始め、夜の香りが顔を覗かせる。男は馬車に揺られながらぼんやりと周りの景色を眺める。

 

(…あと数時間ってところか…もう少し進んで、適当なところで馬を休ませつつ寝よう)

 

 

すっかり日が落ちあたりが宵闇に包まれたころに手ごろな岩場を見つけ、そこで休むことにした。

町から離れたせいか空一面に星が輝いているのがよく見えた。思えば男は町にいるときに空を見上げること自体なかったことに気づき、小さくため息をついた。

妙な喪失感を拭うべく傍に置いてあった荷物袋の中から食べ物を探し、手頃なパンを見つけたので齧る。

大して美味くもないパンは口の中の水分をいたずらに奪うばかりで、枯渇感から水を飲む。

先ほどの妙な喪失感はどうやら空腹のせいではないらしいことを再確認し、男は食べかけのパンを荷物袋に乱暴に突っ込んで馬車を降りて荷台の方へまわる。

荷台から毛布を取り出し、夜空の下で眠るのも乙なものだと星空を眺めながら男はこれからのことを考えるのだった。

あれが戦う戦士座!あれが吠える狼座!で、あれが踊り子座だよ!!

お前は星が好きなんだな

うん!だいすき!!でねでね!あれが―――

 

「ん…あ……あぁくそ…」

 

星空を見ながらいつの間にか寝てしまった男は、遮られることのない朝日を一身に浴びていた。

馬車の中で寝てさえいればこんなに早く起きることもなかったろうにと他でもない自分で選んだ選択に他人事のように悪態をつく。

なにやら夢を見ていた気がするがそれが何かは思い出せなかった。

起きてしまったものは仕方ないと持ってきたコンロとポットでお湯を沸かし軽く食事をとりつつ、馬に水をやった。

その後、数時間ほど馬車に揺られると前方に大きな木が見えてきたのだった…。

 


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