アインズ・ウール・ゴウンが幻想入りしたようです。(再投稿)   作:TubuanBoy

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異変-序

 

 

魔理沙がナザリックで働きだして一週間程経った頃。ナザリックはある転機を迎えようとしていた。

 

-----玉座の間-----

 

 アインズを筆頭にナザリックに忠誠を尽くしているものが集められていた。

 

 

「すでに皆の元に届いていると思うが、これを見てくれ。」

 

アインズは何も書かれていないカードをかざした。

 

「コレはこの世界に来て私とパチュリー・ノーレッジと共に作った初のマジックアイテム。

空白の(クリア)カード』だ。

これは使用者の力の一部を封じ込めて置き、宣言により弾幕を展開するもの……」

 

 注意事項は回数制限のあるスキルをこのアイテムを使って増やす事はできないという事。

 

「これを各領域守護者及び階層守護者に渡してある。

この世界での決闘法『弾幕ごっこ』に必要なものだ。これを使い、異変を起こす。

皆、準備はできているか?

シャルティア!……」

 

アインズは準備ができているか順番に名前を呼んで確認した。

 

「はい、レミリアのカードを幾つか参考にさせてもらいましたが私の美しさを表現できる代物が出来上がりましたでありんす。」

 

「よろしい、次にコキュートス!」

「言ワレタ通リ作ッタノデスガ果タシテコレガ弾幕ト言ッテイイモノカ……」

 

「構わん…アウラ、マーレ。」

「か…完了してます。ご命令通り、エルフらしく、魔法使いらしく、そして何よりナザリックのぶくぶく茶釜様がご創造された守護者であるボク達らしい物に……」

「どんなものがいいか、魔理沙からもいいアドバイスをもらいました。

中々、役に立ってくれています。」

 

「(火力主義になってないといいが…)

次にデミウルゴス。」

「問題ありません、すべてはアインズ様のお考え通りに……そして、我が創造主ウルベルト・アレイン・オードルの名に恥じないものを……」

 

「(凶悪そうだな………)

よかろう。最後にアルベド……」

「はい、守護者統括として、ナザリックを守る最後の盾として……アインズ様の傍にいる一人の女として最高の一品をご用意しました。」

 

「……そ、そうか……期待しているぞ。

異変中は専用のルートを構築しそこに各守護者を配置する。

…………守護者は道中に領域守護者を配置する許可を与える。」

 

アインズはこれまでのことを振り返りながら宣言した。

 

「この世界に来て早数週間ほど経った。

転移した当初、掲げていた異変という目標が目の前まで迫った。

 

人の情報を集め(人里)………妖怪の情報も集めた(紅魔館)。

そして異変を戦い抜く武器(スペルカード)を揃え、解決者を本気にさせる餌(魔理沙)をも手にした。

 

すべての準備を整えた今私は宣言する。

 

諸君!異変を始めようではないか!!」

 

 

 

うおおおおおおおお!!

 

 

アインズの掛け声に応じてナザリック全モンスター達が雄叫びをあげる。

 

「スペルカードを手に少女達の遊びにナザリックの威を示せ!!

楽しい弾幕ごっこを始めようではないか。」

 

 

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

魔理沙が酷い目にあっている間も、幻想郷では何時もの平和な時間が流れていた。

 

 

-----博麗神社-----

 

 その日、博麗神社の巫女の博麗霊夢は友人のアリスを呼んで居間で最近魔法の森で渦巻いている不穏な空気について話し合っていた。

 

 

「最近魔法の森からスケルトンとかゾンビとかが湧いて人里に被害が出てるらしいわね……

アリス、貴女も魔法の森に住んでるんでしょう?なんか知らない?」

「そんな事より魔理沙でしょう!!最近こっちには来てないの!?

何かあったのよ!絶対そうよ!!」

 

 魔理沙の行方不明で軽くヒステリックを起こす魔法の森のもう一人の魔法使いアリス・マーガトロイド。

 

「心配しなくてもそのうちヒョッコラ出てくるわよ。

魔理沙が一週間ぐらいいないのなんてしょっちゅうじゃん。」

「いつの間にか家ごと無くなってたのよ!!」

「(ついに魔砲で吹き飛んだか…………)」

 

「うぅぅぅぅぅ!!マリサァァァァァ!!!」

「うるさい!」

 

あまりにもうるさいので叩いて黙らせる霊夢。そして、最近の人里事情について話た。

 

「人里に新しい魔法使いがやってきたみたいね。私はまだ会ってないけど。

なんか、魔法で商売をするらしいわよ。」

「魔理沙みたいに中途半端になるでしょ多分。」

 

 

二人が話していると横で呼んでもない面子が話している。

 

 

「…………最近……幽々子様の食欲がますます増えて………食費が家計を圧迫し始めて…………」

「妖夢も苦労してるのね………私もてゐの悪戯が度をすぎていてね…………今に始まった事じゃないけど…………」

 

白玉楼の庭師、魂魄妖夢と永遠亭の月の兎、鈴仙・優曇華院・イナバである。

お互い主人を持つもの同士気があうようだ。

 

「そこ!呼んでもないのに何を井戸端会議してるのよ!

ここは愚痴を聞くところじゃないのよ!!」

 

 

霊夢達が何時ものやり取りをしていると意外な人間が博麗神社を訪れた。

 

 

 

「あらあら、こんなにも人が集まって。

今日は何のご相談かしら?今日は永夜の異変について話を聞こうと思ってましたけどまた新しい異変でも起こるのかしら?」

 

「阿求じゃない………珍しいわねこんな所まで………」

 

彼女は稗田阿求、幻想郷縁起の著者であり転生を繰り返す稗田阿礼の子。

 

「人里に新しい案内人が出来たからおかげでここまで妖怪に襲われず楽に来れたわ。

ああ、彼らです。サトルさん、ナーベさんこっちですよ。」

 

阿求に呼ばれ縁側まで足を運ぶ二人。

 

 

 

「こちら、今代の博麗の巫女の霊夢さんです。」

サトルは手を出し握手を求めながら挨拶をする。

 

「どうも、この度人里に越してきた鈴木サトルというものです。

話は色々聞いてます、博麗の巫女さん。どうぞよろしくお願いします。」

 

これがサトルと博麗霊夢の初対面であった。

 

「(商売仇………………)」

「(うわー今、メッチャ嫌な顔をした。)」

 

最悪のスタートであったのは見ての通りだ。

 

「こちらこそよろしく。人間の魔法使いさん。」

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

幻想郷における中堅メンバーもとい自機組が集っていた頃、幻想郷の重鎮達も集まり、これから起ころうとしている異変について話していた。

 

-----白玉楼------

 

 

「なるほど…最近霊魂が騒がしいのは其の所為ね……」

「多分、近々異変に発展すると思うけど其のために私も準備がようやく目処がついたわ…これだけ働いたのは久しぶりよ…」

 

「お疲れ様…

貴女の話を聞く限り幻想郷のどの勢力よりも強いんでしょう?

私も妖夢と一緒に出ようかしら。」

 

「其の事なんだけど幽々子…………

今回の異変、貴女だけは絶対にでちゃいけないから………」

「何で?人手と戦力が欲しいのでしょう?」

 

「貴女と相手の能力の関係よ…………」

 

 アインズは死霊系の魔導士として最高位に位置する存在、幽々子は「死を操る程度の能力」を持つ、ともに死に関する力を持つもの同士である。

 一見、お互いアンデッドなら死なないからお互いの能力が相殺されるだけで何の効果も無いように見えるがそれは違う。

 

 お互いアンデッドであるが其の成り立ちが大いに違うのであった。

 幽々子は亡霊であり、其の力も肉体も能力も生物の(たましい)に異存する。

 逆にアインズはゾンビやスケルトンなどを作り即死系の魔法も肉体に異存するものが多く(たましい)ではなく(たましい)に異存する。

 

(たましい)(たましい)

 

 幽々子とアインズ、(たましい)(たましい)の力がぶつかった場合、起こる事象は相殺ではなく相乗、溢れ出した死の力により生者と死者の境界が乱れ幻想郷そのものにも被害が出る。

 

 通常のゾンビなどの下位アンデッドではでは幽々子の力が強すぎて相乗仕切れずここまでの事態には発展しない。

 しかし、アインズ程のアンデッドであれば其の相手としては十分すぎる。

 つまり二人は最も相性の悪い存在同士である。

 

「でも、所詮はゲームの設定で手にした力よね?

紫が恐れてるほどの事態にはならないと思うけど?」

「念の為よ、念の為。

流石に出会うだけでそうなるとは思えないけど戦うのはやめて欲しいの………

だから今回幽々子は不参加ね。」

 

「そう……残念。

紫が気にしてる坊やがどんなのか見てみたかったけど…………」

 

二人が話していると誰かがドタバタと廊下を歩いてくる音が聞こえた。

 

 

「紫ー!紫ー!いるんでしょう!!出ていらっしゃい!!」

 

永遠亭のお姫様、蓬莱山輝夜と其の従者八意永琳だ。

 

 

「人の家にズカズカと………蓬莱人(不老不死)のお姫様が冥界(死者の集う地)に何の用かしら!」

「貴女には用は無いわよ。ここに紫が来てるって聞いたから来ただけ。

こんな所一秒だっていたく無いわよ。」

 

 二人も中々、仲が悪そうだ。

 

「それより!!紫!これはどういう事よ!!」

 

 輝夜が声をあげ、コンソールを片手に紫に怒鳴りつける。

 

 

「ああ、そう言えば貴女もこのゲームやってたわね。

今度、幻想入りしてきた勢力、そのゲームの住人だから………」

 

 紫の適当な流しっぷりに怒りがこみ上げる。

 

「ふざけんじゃ無いわよ!こんなのゲームだから許されるようなチートの塊じゃない!

そんな奴ら呼んでどうしよっていうのよ。」

 

 

 

 

「そうだ、今度の異変。貴女も出たら?

ゲームの知識があればある程度の対策もできるし………」

「無視……………かい!?」

 

軽くあしらわれる姫に変わり永琳が紫に問いただした。

 

「冗談はともかく、紫。

貴女、何を企んでるの?………事と次第によってはただじゃすまないわよ?」

 

二人の視線が合う。

 

「…………大丈夫よ、少なくとも今回は『月』とは無関係よ。」

「本当でしょうね…」

「勿論よ…」

 

 

 

 二人の間に緊張が走る。

 

 

 

「わかったわ。とりあえず貴女の言葉を信じましょう。

姫様も珍しくやる気があるみたいだし………私も一枚噛むことにするわ。」

 

「きっと楽しいわよ。」

 

 

 これにより敵味方込みの永夜異変のメンバーによる大人数参加の異変解決が確定した。

 


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