アインズ・ウール・ゴウンが幻想入りしたようです。(再投稿)   作:TubuanBoy

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『異変』編は当時から気合を入れて書いたところだから細かいところ意外はほんとに以前のままになりそうですね。


異変-1

 始まりは妖怪達が活発に動き回る深夜。

 

 場所は魔法の森に新く出来た沼地……その中心に構える墳墓。

 

 そこに住まう死の魔法使いが不死の軍勢を生み出す大魔法の実験を取り行っていた。

 

 しかし、不死の軍勢を呼び出す大魔法は暴走し墳墓から大量の屍人が溢れ出した

 

 屍人は本能のまま生者を求め、幻想中へと侵攻していくことになる。

 

 ゆっくりと……でも確実に侵攻していく屍人達は幻想郷各地に広がっていた。

 

 深夜に発動した異変も朝方には幻想郷全域に広がり幻想郷の住人たちを震撼させていた。

 

 

------魔法の森-----

 

「何よこれーーー!!!」

 

 魔法の森に住む妖精、光の三妖精の一人サニー・ミルクは住処の大木の窓(?)から外の様子を見ると驚く。

 

「サニーうるさい!奴らに気づかれたらどうするの!」

「………ここにいる限りは大丈夫だと思うけど……」

 

 同じく光の三妖精のルナ・チャイルドとスター・サファイアが続く。

 

「異変……よね?」

「異変も異変、大異変よ。これじゃおちおち外にも出れないわ。」

「サニーとルナの能力を使えば出られなくはないけど解決するまでは大人しくしていましょう。」

 

 大抵の妖怪は早々に食われるか隠れ家に身を隠しているしか術がなかった。

 

-----太陽の畑------

 

 見渡す限りの向日葵の畑。

 今は夜から朝方にかけての時間であるため向日葵は下を向いているが、これだけ向日葵が立ち並ぶのは壮観である。

 

 そこでは向日葵の世話人である風見幽香が一人で畑を守っていた。

 

「花符『幻想郷の開花』………」

 

 幽香のスペルカードにより花が咲き乱れ弾幕となりゾンビを襲う。

 

 何体も薙ぎ払うことが出来たが、まだ残っているゾンビがいた。

 

 幽香は今度は茨の植物でそのゾンビを突き刺した。

 

「薄汚い屍人め………そのまま私の花達の肥料になりなさい。」

 

 彼女は幻想郷でも最強クラスの妖怪だ。

 たとえ一人でも問題ないだろう。

 

 

 

-----霧の湖-----

 

 

 霧の湖付近に住む妖精チルノもゾンビ達と遭遇していた。

 

「くらえ!あたいの最強スペカ!

氷符『アイシクルフォール』!!」

 

氷の礫が派手に突き刺さる。

しかし、すでに死んでいるゾンビは動くのをやめなかった。

 

「しぶといヤツ………」

「最強じゃなかったのかー?」

 

チルノと共にゾンビに応戦するのは宵闇の妖怪ルーミアだ。

 

氷に閉じ込めたりして完全に動きを止めることも出来るが一体一体にそんな事をしていたらキリがない。

 

「ちょっと調子が悪いだけよ!

ほら!アレならいくらでも食べていいわよ!いつもみたいにやっちゃって!」

「あれ………美味しくなさそう……」

 

 チルノの氷もルーミアの闇もゾンビに相対するのは相性が悪い様だ。

 

 

 

 少々やばい状況の二人に助け舟が出される。

 

(みんな)、思う存分食べていいよ。………」

 

ゾワゾワゾワゾワゾワゾワ

 

 どこからともなく大量の蟲が現れ、ゾンビ達を食い尽くしていく。

 

グチャグチャ!

 

 嫌な音を立てながら蟲達はゾンビを食い荒らしていく。

 

「手伝いに来たよ。」

「間に合ってよかった〜」

「チルノちゃ〜ん!」

 

それはチルノ達の心強い友達であった。

 

「リグル!」

「ミスチーに大ちゃんも!」

 

妖蟲の妖怪リグル・ナイトバグと夜雀の妖怪ミスティア・ローレライ、最後に大妖精の大ちゃんだ。

先ほどのはリグルの能力で操った蟲達の様だ。

いくら食人妖怪のルーミアでも腐った死体は食べれない、でも蟲なら問題なく食いつくせる。

 

「大ちゃんにチルノが大変そうだから手伝いに来てって言われてね。

私も一人じゃ辛かったから一緒にこの異変を乗り越えよ。」

 

リグル達の参戦にチルノはニコッと笑う。

 

「さあ、皆!最強のあたいについてこーい!」

「「「「おー!!!」」」」

 

 

 異変が起きることに慣れている幻想郷の住人はこの前代未聞の大異変に最初は戸惑いながらも力を合わせ、乗り越えようとしていた。

 

 

-----人里-----

 

 

 

「里の中央にみんな集まるんだ!

大丈夫だ、結界を張ってるから奴らは一気に攻めてくることは無い。」

 

 人里を護る半人半獣の妖怪、上白沢慧音もいち早くこの異変に対応した一人であった。

上白沢慧音は結界を張り里のもの達を集めて回っていた。

 

「「先生……」」

 

 指揮をとる慧音に不安がる子供がすがりよってくる。

 

「お前達か……」

 

「怖いよ……」

「私も……」

 

 奴らをこの目で見てしまったのだろう怯えて慧音の服を握りしめる。

 

「大丈夫……先生達がついてる。」

 

 慧音は子供達を慰め、安全な所に避難させた。

 

 

 

 

 慧音の張る結界は自身の能力、『歴史を食べる程度の能力』によって作られたもので一時的に人里を歴史から隠すことにより妖怪達から見つからない様にした認識阻害系の結界である。

 

 物理的な結界では無いため完全ではなく、偶然紛れ込んだ屍人は別の遊撃隊が処理していた。

 

 

「ちゃんと成仏できる様に火葬してやる。

死ねる体の奴は屍人になんてならずに大人しく死んで置く事をオススメするよ。

『火焔竹筒』!!!」

 

 妹紅は自分ごと屍人を炎の筒で巻き込み、消し炭にした。

 

「後、どんだけいるんだか……」

 

 そこで妹紅に魔法による通信が入る。

 

《「下等生物(クマムシ)……そこから北に600メートル先に新たな反応が三体だ。わかったら早く行け。」》

 

《「わかったよ!言われなくても急ぐよ!

……あと、今の悪口は不死身の私に対するチョイスか?」》

《「……………」》

 

人間嫌いのナーベラルの悪口にも慣れたご様子だ。

 

 魔法による通信の先には高い所に立ち、兎の耳を生やしたナーベラルが立っていた。

 

兎の耳(ラビッツイヤー)

 遠くの音を聞き分けることができる魔法だ。

 他にも幾つかの探索魔法を併用して周囲を探索しながら妹紅達に命令をしているのだ。

 

《「でも意外だよな……

いくら通信範囲とは言えお前がサトルの単独行動を許すなんて……

てっきり意地でもついていくと思った。」》

 

効率を考えれば当然だ。

一人が探索に専念し指令を出した方が効率がいい。

 

《「知った様な口を聞くな。

これもサトルさんの命令だ。

 

…それに、簡単にはやられませんよ。

あのお方は。」》

 

 

《「??………まあ、その意見には同感だ。」》

 

 

 

 なんとも言葉に違和感を感じる妹紅であった。

 

 

 

《「ナーベ、余計な事を喋るな。」》

《「申し訳ありません。」》

 

 同じく通信をつなげているサトルにお叱りを受けた。

 

 そして新たに反応が確認された。

 

《「サトルさん、そこから西に200。」》

《「了解。」》

 

 

 

 サトルは人里を〈飛行(フライ)〉の魔法でかける。

 

 

「(ナザリックから溢れ出したゾンビは生者を喰らいゾンビを増やす。

相手が妖怪でも肉体があるものならアンデッド化するのは実験済み………

これは人間、妖怪どちらに取っても脅威的な異変となりえるでしょう………

 

しかも後々の事を考え、人里の被害を抑える為、私を動員する思慮深さ。

 

事前にこの危機を察知できる様に上白沢女史を誘導し、結界を張らせる。

紛れ込んだゾンビは我々が処理をする。

情報操作と人里の戦力計算を考慮した見事な作戦。

 

オマケにこの異変でこの姿(サトル)の私が活躍すれば人里の人間の評価も格段に上がるというもの。

 

全ては計算尽く……

流石は私の創造主モモンガ様!……いえ、アインズ様!!!

 

そのアインズ様に任されたのだ。

この仕事、完璧にこなしてみせますよ!)」

 

 このサトルの姿をしている男の正体はパンドラズアクター。

 人に姿を変えれるドッペルゲンガーでありナザリックの宝物殿を守護する領域守護者にしてアルベドやデミウルゴスと同等の知力を持つアインズ自ら作ったNPCである。

 

 今回、アインズもといサトルの影武者をさせる為に派遣したのだ。

 

 パンドラズ・アクター…いや、サトルがほぼ自作自演の英雄行動をしていると通信が入る。

 

《「すまない!こちらで問題が発生した。

一度こちらに戻ってきてくれ!」》

 

 上白沢女史からの通信だ。

 サトルは慧音の元に急いだ。

 

 人里の皆が集まる場所に到着すると慧音に抱っこされている一人の少女がいた。

 その周りにはその子の両親であろうか男性と女性が寄り添っていた。

 

少女の息は荒く徐々に青ざめて行っている。

 

「逃げ遅れて奴らの攻撃を受けたんだ。

体温もどんどん下がって行っている……

このままじゃまさか……」

 

 そう、このままでは少女もゾンビと化して周りの人間を襲うだろう。

 人里の被害を最小限に抑える作戦だが、こうなる可能性は当然あった。

 

 必死で呼びかける両親の声も虚しく、少女の命は風前の灯火だ。

 

「諦めんじゃねぇ!私がこの子を永遠亭まで連れて行く!永琳ならなんとかしてくれる!」

 

 妹紅が最後の希望をかけて少女を永遠亭まで連れて行こうとする。

 

 しかし、彼女は知らない。永琳はとある事情によりこの時、永遠亭を離れていること。

 

「ダメですよ。あなたにはここを守ってもらわないといけないんですから。」

「じゃあ、この子を見殺しにしろってのか!」

 

 早まろうとする妹紅をサトルが止める。

 

「被害を最小限にするには今すぐここで殺すしか無いですね。」

「テメェ!!」

 

ナーベラルの言葉にマジギレの妹紅はナーベラルの胸ぐらをつかむ。

 

「落ち着いてください。」

「落ち着いていられるか!!」

 

「もう一度言います。落ち着いてください。

この子は………僕がなんとかします。」

 

 

「…………何!?」

 

 

するとサトルは黒い靄に手を入れあるものを取り出す。

アイテムボックス、そこからとあるマジックアイテムを取り出したのだ。

魔法の薬、魔法薬だ。

 

「娘を助けてください。」

 その子の両親はその薬が希望だと知りサトルにすがりつく。

 

 また一つ、また一つ。

 サトルは人里で栄光をつかんでいく。

 全て彼の計算のうちである事に誰も気づかず。

 

 

※※※※※※※※※※※※※

 

------妖怪の山-----

 

 そこは天狗と河童が統治する地、ここにもゾンビは侵攻してきていたが、麓の方で見張りをしている天狗達によって止められていた。

 

「切っても切ってもキリが無いですね。」

 

 妖怪の山の白狼天狗 犬走椛もそんな妖怪の山を護る天狗の一人だ。

 そんな椛が上を見上げると黒い翼を広げカメラを持って山を下りていく上司の姿が見えた。

 

「…こんな忙しい時にどこに行く気なんですかねあの人は……」

 

 

上空をものすごい速さで飛ぶのは新聞屋の烏天狗、射命丸文である。

 

「ゴメンねー椛。

でも、ジャーナリストとしてこんな異変を逃すわけにはいかないのーってね。

 

取り敢えず要注意人物の動向をチェックしますか。

まずは異変解決のスペシャリスト博麗霊夢さんの所ですね。」

 

 目標を決めた文は幻想郷最速のスピードで空をかけた。

 


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