アインズ・ウール・ゴウンが幻想入りしたようです。(再投稿)   作:TubuanBoy

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プロローグ(後編)

プロローグ2

-----第六階層-----

 

 

「初めまして【オーバーロード】……

いろいろ話しておきたいことがたくさんあるけどまずは…

《ようこそ幻想郷へ、幻想郷は全てを受け入れる。》と言って置こうかしら。」

 

 

モモンガはその言葉、その声に早くも驚いた。

それは転移直後頭に過ぎった声であった。

 

「話しをする前にちょっと確認したいことがあるのよ…」

 

女性は傘を閉じ畳み終わるとそれを槍にの様にしてモモンガに襲いかかった。

 

そして、それを阻止しようと守護者全員が女性の命を絶ちにきた。

 

女性の攻撃はモモンガの首元で止まった。

 

「全て急所、迷いなく私の命を絶ちに来たわね」

 

守護者の攻撃は全て女性が出したと思わしき異空間で無効化されていた。

 

「その辺の設定(・・)もちゃんと機能しているようね」

 

聞き慣れた単語、モモンガは彼女が自分と同じ立場の存在なのではと考えた。

 

「皆、武器を下ろせ

心配しなくとも今の攻撃で私が傷つかない事はお前たちも知っているだろうが」

 

モモンガにはデータ量の少ない武器での攻撃を無効化するパッシブスキルがある。

 

彼女がモモンガの前に現れる前にその手の道具であると調べがついていた。

彼女も方も普段使っている傘ではなく、姿形がそっくりなただの傘に変えて来ていた。

 

「ありがとう、じゃあ始めるわね」

 

女性はこの世界について語り出した。

ここは幻想郷と言う地であり、外の世界で存在が否定された者たちが集う地であると。

それを可能にしているのが博麗大結界であり、自分はそれを管理する者で八雲紫という者で気づいてると思うがただの人間ではなく妖怪である。

 

「…幻想郷、幻想?、ここはゲームの世界なのか?」

「いいえ、ここは現実よ。」

 

「……では、外の世界と言うのはもしかして……」

「そう、あなたが一番よく知っている世界よ。」

 

 

「(この女の言葉を信じるなら、異世界に転移したというよりはユグドラシルの姿のまま、元の世界に戻ってしまった…というところか)」

 

サービス終了とともに存在が否定されたユグドラシルの一部がこの幻想郷に引きずり込まれた。

…ということになる。

 

 

他にも紫からこの世界の事を幾つか聞いていたが、聞けば聞くほど疑問が増えていった。

一通り話し終わると今度はモモンガが紫に問いかけた。

 

「更に追加で2、3質問しても構わないか?」

「どうぞ」

 

「我々の他にもユグドラシルから移動した者はいるか?」

 

仮に他にもユグドラシルから転移した者がいるならこの世界に自分たちに脅威となる存在が増えることになるだろう。

 

「さぁ…絶対にないとは言えないけど私が認識しているのはあなた達だけよ。」

 

「では我々だけだと仮定して、何故我々だけなのだ?それについて考えを聞きたい。」

 

「そうね…幻想郷にはかつて人々に怖れられ、もしくは崇められた妖怪や神と言った存在が流れ着くわ。

時代も方法も違うけどあなた達が前の世界でやっていた事は妖怪たちのそれと同じじゃなくて?」

 

アインズ・ウール・ゴウンはPKをメインとした悪評で有名なギルドであり多くのプレイヤーに怖れられていた。

その上、行動理念が基本【悪】であり。ナザリックの守りは鉄壁かつ凶悪。

彼らはそこに君臨したユグドラシルの魔王と言って差支えないだろう。

更にはメンバー全員が異形種であり凶悪な姿をしていた事も拍車をかけている。

 

まさに全プレイヤーの恐怖の対象であった彼らは現代の妖怪と言っていい存在であった。

 

「では、次の質問だ。

今、貴様が言った事を証明する方法はあるのか?」

 

 

見ず知らずの怪しい女性の言葉をただ信じるほどモモンガは甘くない。

 

「信じないのであれば他の人にも聞いて回るといいわ。

少し飛べば人里もあるし、知性のある妖怪なら大抵は知ってることだしね。

でも結界をブチ破って外の世界を確認するのだけはやめてね。こっちも迷惑だし今の姿のままではあなたも無事では済まされないから。」

 

信用するにも疑うにも情報が足りなさすぎる。モモンガはまた少し考え、最後の質問をぶつけた。

 

「では最後に…何のためにここに来た?

ゲームのチュートリアルじゃないんだ、わざわざ説明だけをしに来たのではないのだろう?」

 

 

 

「チュートリアルね…あながち間違いじゃないわね。

私があなた達の前に現れたのはさっきも少し話したけどこの幻想郷にもルールが存在してね、それを守ってもらうために来たのよ。」

 

幻想郷の妖怪達の間には暗黙のルールがある。

その一つが人里には手を出さないことだ。

幻想郷において人間の勢力は最も小さく弱い、幻想郷にある他の勢力ならば、たやすく壊滅できるほどだ。

しかし、人里は幻想郷において最も重要なファクターである。

妖怪は人々から恐れられなければ存在できない、神は人々から崇められなければ存在できない。

そのためにも人間には弱い存在でありながらも決して滅んではいけない存在なのだ。

人里に必要以上の危害を加える者は最終的に自分の首を絞めるだけではなく周りの者も巻き込んでしまうため知性のある妖怪はこのルールを守っている。

 

「もし、そのルールを守らなかったらどうなるのかな?」

 

軽く脅すような口調で言ったモモンガに対し紫は余裕で面妖な表情を一変させ逆に脅し返した。

 

「そのときは幻想郷の総力で貴方を潰すわよ。」

 

幻想郷に点在する各勢力は基本協力しない。

しかし、こと幻想郷の存続に関わる問題ならば話は別であろう。

 

 

 

ルールの代表的な幾つかを教えた紫は更に詳しく記述された書物を幾つかを取り出しすぐ横にいるセバスに渡した。

 

「ちゃんと読んでおく事をオススメするわ。

ゲームのルールを覚えるのは得意でしょ?」

 

「(…さっきから俺を知っているような口ぶりだな…)」

 

紫は語りながらモモンガとの距離を詰め出した。

 

「何はともあれ幻想郷は特殊な経緯をもつ貴方達を受け入れたわ……私としてもルールさえ守ってくれれば何も文句を言わないわ。貴方達がもたらす変化を見届けてみたいし。」

 

不用意に近づいてくる紫を静止させようと動こうとする守護者に対し「問題ない」と言うかのようにアイコンタクトを送るモモンガ。

 

紫は更に近づき、モモンガの耳元で周りには聞こえない程度の声で囁いた。

 

「それでも帰りたいっていうのであれば私が送るわ……勿論、元の姿でね」

 

そのリスクを紫はモモンガだけに小声で話した。

 

でもそのときはこの子達(NPC)たちも同時に消えちゃうけどね。(ボソッ」

 

「!!」

 

 

 

仲間たちと作り上げた愛すべきNPCたちが今度こそ消えてしまう。

そう思うとモモンガは悲しみでいっぱいになる。

 

紫は振り返り、立ち去ろうとする。

 

 

「そろそろ帰らせてもらうわ。

あまり遅いと心配して式神が殴り込んでくるかもしれないし、送って頂戴。」

 

「セバス、また案内してやれ。」

「かしこまりました。」

 

 

 

1分近く沈黙の空間が守護者とモモンガの間に広がる。

 

「モモンガ様、このまま帰してよろしいのでしょうか?」

デミウルゴスがモモンガからの紫の抹殺命令を待ち望む。

 

主人に対する失礼の数々、その上彼女の力を見て将来このナザリックの脅威になると可能性があり生かして返すにはあまりにも危険とデミウルゴスは考えている。

 

 

「何もしない…………下手に手を出すとこの地の者を丸ごと敵に回すことになる。」

 

紫がいなくなったのを確認したモモンガは守護者各員に命じた。

 

「ナザリックの警戒レベルを最大まで引き上げろ!特に第一から第六階層は特に気をつけるように。

それからアルベド、デミウルゴス!」

「「は!」」

「二人でより強力な情報共有システムを構築しろ。」

「「かしこまりました。」」

 

「私は部屋に戻ってやることがある。」

モモンガは指輪の能力で自室に転移した。

 

 

 

 

※※※※※※※

 

 

 

 

モモンガが去った後、闘技場に残された守護者たちは思いを口走った。

 

「ほんと頭にくる!あの女。

モモンガ様に上から目線で失礼な物言いしちゃってさ!」

 

アウラが腰に手を当て頬を膨らませる。

アウラは紫の自分がモモンガと同等かそれ以上の立場だと言わんばかりの挑発的な態度に怒りを燃やす。

 

それは他の守護者も思うところがある。

 

「マッタクダ!モモンガ様モアンナ脅シヲ無視シテアノ女ヲ捕縛シテシマエバヨカッタノニ」

 

自分達が最強であると信じきっている彼らからしたらあの女は確かに強いが我々には届かないと。

たとえ彼女率いる軍勢が攻めてこようが負けない自信があった。

 

 

「モモンガ様は慈悲深いお方、この世界の先達の顔を立てたのでしょう。」

 

執事のセバスが付け足す。

 

「君達、あの女性を軽んじるのはいささか早計ですよ。」

 

「どういうことでありんすか?デミウルゴス

確かに一対一ならともかく私達全員を相手取って打ち負かされるとでも?」

 

ナザリックの知将デミウルゴスの言葉に皆が疑問に思う。

 

「そこまでは言わないが……

君達、あの女とモモンガ様の会話、ちゃんと理解出来た者はいるか?」

 

「え〜〜と、この世界のルールについてだと思ったけど違うんですか?」

マーレがちょっと引き気味に答えた。

 

「ええ、概要はそれであってますがモモンガ様からもあの女からも聞きなれない単語が幾つか飛び出していた。」

 

モモンガは今回、PC(プレイヤー)としての観点で紫と会話した。

これは与えられた知識しか持たないNPCには理解できなくて当然だ。

それはナザリック1の頭脳をもつデミウルゴスにもあてはまる。

どんなに頭が良くても知らない言語を理解することはできない。

 

 

あの時の会話は至高の方々同士の会話にも似たものを感じた。

デミウルゴスはそこで推測を立てた。

 

「さっき、アウラが上から目線と言ったが彼女はもしかしたら至高の御方々と同じ立場の存在(PC)かもしれない。」

「なるほど…………それならモモンガ様の対応にも納得がいくでありんす。」

 

幻想郷で唯一外の世界と行き来出来る存在である。

ゆえに外の世界の人間の観点で話ができるのである。

 

他にも色々な仮説・予想を議論し合うが結論から言うと彼らの気持ちは主人(至高の41人)を信じ命令に従うことに帰結する。

 

「何にせよ、見知らぬ地に飛ばされたこの異常事態、モモンガ様は我々を信じて幾つかの仕事を任せてくれました。その思いにお応えするためにも慎重かつ確実に任務を遂行する必要があるのです、心するように。」

「承知シタ。」

「わかったでありんす。」

「ボ……ボクも解りました。」

「わかってるわよ。」

 

デミウルゴスは他の守護者達にその旨を伝えると一向に話に加わってこないアルベドを気にした。

 

「ところでどうしたんですか?アルベド

珍しく黙りこんで、そろそろ指示をして欲しいのですが?」

 

アルベドは思いつめたように考えこんでいたようで戸惑うようにデミウルゴスに返事をした。

 

「え?…あぁ、そうね。では…」

 

アルベドは気を取り戻すように守護者統括としての仕事に戻った。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

-----第9階層モモンガ様の自室-----

 

転移で自室に戻ったモモンガは肩をなでおろしていた。

 

「疲れた………………」

 

現在、モモンガはアンデッドと化しているため『疲れ』というバッドステータスは発動しないのだが未だに残る鈴木悟の部分が引っ張られているのであろう。

 

守護者の手前、創造主として相応しい態度で接してみたが元々がただのサラリーマンであるモモンガとしては苦行でしかない。

 

おまけに八雲紫というわけのわからない存在が乗り込んできたのだ無理はない。

 

「しかし、元の世界に戻る方法…意外にも早く見つかったな…」

 

八雲紫を呼び出し外に連れてってもらう。

それだけで済む話だ。

 

しかし、それには大きな代償を払うことになる。

 

このナザリックの消滅、創造主が消えればここのもの達は存在が否定され消滅する。

 

この幻想郷での消滅は完全なる否定、文字通り「なかった事に」されるらしい。

 

普通なら元々存在しないもの(ゲーム)の存在なのだから気にすることでもないのだろう。

 

しかし、モモンガは目の当たりにしてしまった。自分達が作り上げたNPC達が意志を持ち動いている有様を、NPCそれぞれが思考し自分の命に応えようとしている姿を。

 

まるでアインズ・ウール・ゴウンが最も栄えていた時のような高揚感を得ていた。

 

コンコンコン!

 

モモンガが考え事をしていると戸を叩く音が響く。

誰かが尋ねてきたのだ。

 

「アルベドでございます。」

「入れ。」

 

 

「何の用だ?アルベド」

「…………はい、デミウルゴスと共に新しい情報伝達網を構築しましたのでその報告に…………」

 

アルベドは書類をモモンガに渡した。

モモンガはその内容に目を通す。

 

 

「仕事が早いな…ふむ、問題なさそうだ

直ぐに配備してくれ」

 

書類を返されたアルベド。

しかし、直ぐに行動しようとはしなかった。

 

 

「どうしたアルベド、まだ何かあるのか?」

 

アルベドの顔には不安がにじみ出ていた。

 

「モモンガ様……モモンガ様も他の至高の御方々同様に【外の世界】という場所に行ってしまうのでしょうか?」

 

「!………………」

 

アルベドはモモンガと紫との会話の最中、【外の世界】と言う言葉にモモンガが動揺した事に気がついていた。

 

そしてその直後に感じた寂しい表情を読み取り、そしてその後に会話を元にアルベドは推測を立てたのだ。

今のモモンガの反応からあながち間違いではなさそうだ。

 

モモンガがアルベドの言葉に応えようと口を開いた瞬間、アルベドは倒れこむように頭を垂れる。

 

「そうだ」と言われてしまえば自分の中で何かが壊れてしまうそんな恐怖に心を震わせモモンガの元で両手を地につけ頭をさげる。

その瞳には涙が溢れる。

 

「モモンガ様……最後まで残られた慈悲深き君。どうか、この地をさらないでください!」

 

アルベドに組み込まれている設定に「モモンガを愛している」と言うものがある。

これは転移直前にアルベドの「実はビッチである」と言う設定を見たモモンガが最後だからと冗談半分で書き加えてしまったのだ。

しかし、再度変更が不可能になってしまった現状ではモモンガの悩みの種にもなっている。

 

しかし、今アルベドが涙を流し引きとめようとしているのはモモンガが意中の相手だからだけではない。

廃れてしまったこのナザリックに残されたNPC達にとってモモンガは最後の希望の光なのだ、そんな存在を失うわけにはいかない。

たとえ、自分の命を失おうとも。

 

モモンガは自分の不甲斐なさで部下を不安にさせてしまった事を反省する。

そして、迷いを振りはらい覚悟を決めた。

 

 

「泣くなアルベド。」

 

モモンガはアルベドの瞳から流れる涙を拭った。

 

寂しかっただろうに…アルベドに限った話ではない。

生みの親に会えなくなってからしばらく、彼女も他のNPC達も至高の41人の帰還を信じナザリックを守ってくれた。

意識はなくとも記憶には刻まれている。

 

そんな彼らを置いて去れる訳がない。

 

「(そうだよ……何も変わらないじゃないか、今までも……これからも…………)」

 

親も既に亡く、友好関係に乏しいモモンガにとってユグドラシルこそ現実であった。

 

その現実が本当の現実になっただけで何を迷うことがあるのだろう。

 

「では……」

「ああ、安心しろ。私はどこにもいかない……」

 

子供を見捨てる親がどこにいる。

現実では家族も子供いないモモンガにとってはナザリックこそ宝であり、NPC達は子供のような存在であった。

 

モモンガはアルベドを優しく起こし、アルベドに新たに用意した部屋に送る事にした。

 

 

「私共の言葉を聞いてくださりまして、感謝で胸がいっぱいです。」

「お前達が私達(至高の41人)の事をどう思っているか真意を聞けた気がしたよ。」

 

アルベドだけじゃない、さっきの言葉はナザリックのNPC皆の気持ちでもあるとモモンガは認識したのだった。

 

「お前のおかげで腹が決まった。

気持ちが落ち着いたらまた、皆を集めてくれないか。

今度は守護者だけではない、皆だ。」

「かしこまりました…………それではしつれいします。」

 

アルベドを部屋に入れ、扉を閉めようとすると再びアルベドが声をかけてきた。

 

「モモンガ様…………」

「ん?…………」

 

「愛しております。この世の誰よりも……」

「そうか…………」

 

言葉はいつもと同じ。しかし、その表情には狂気や性的な曇りが一切ない純粋な喜びからくる笑みを浮かべていた。

 

その純粋な笑みを見れてモモンガはここに残ると言って、残ると決意して良かったと心の底から感じるのであった。

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※

 

-----玉座の間-----

 

あれから時間が小一時間程すぎた玉座の間、そこにはNPCの全員が集められていた。

その光景は圧巻でありその多種多様な姿は百鬼夜行といったところだ。

 

皆の前に立ったモモンガは声を大にして皆の前で宣言した。

 

「皆にも伝わっていると思うが、このナザリックは幻想郷と呼ばれる地にたどり着いた。

そこで私から至急、この場の者、そしてナザリック地下大墳墓の者に伝えるべきことがある。------〈上級道具破壊〉(グレーター・ブレイクアイテム)

 

モモンガは天井から垂れ下がる大きな旗を破壊した。

その旗のサインは「モモンガ」を意味するもの。

 

「私は名を変えた。

これより私の名を呼ぶときはアインズ・ウール・ゴウンと呼ぶがいい!

異論あるものは立ってそれを示せ」

 

モモンガ……いや、アインズの言葉に対して何かを言うものはいない。

アルベドが満面の笑みで声を上げる。

 

「御尊名伺いました。アインズ・ウール・ゴウン様、いと尊きお方、アインズ・ウール・ゴウン様、ナザリック地下大墳墓すべてのものより絶対の忠誠を!」

 

「アインズ・ウール・ゴウン様万歳!」

「アインズ・ウール・ゴウン様万歳!」

「アインズ・ウール・ゴウン様万歳!」

「アインズ・ウール・ゴウン様万歳!」

 

NPCたちが、シモベたちが唱和し、万歳の連呼が玉座の間に広がる。

 

「これよりお前たちの指標となる方針を厳命する…………

 

(何故この世界に導かれたかはわからない……

だが、なにかの意志によるものならばその思いに応えてやろうではないか。)

 

アインズ・ウール・ゴウンを不変の伝説とせよ!

 

(人々に恐怖を植え付けることが存在理由ならば喜んで悪を演じよう…………)

 

全ての人間が名前を聞くだけで恐怖で震え上がる程に!

知らないものが誰一人としてないほどの領域まで!

 

(いずれこの世界に来るかもしれない仲間達のためにもナザリックの繁栄と栄光をこの名に誓う。)

 

かつて至高の41人が統べ、ナザリックが最も栄えたあの栄光を……いや!それ以上の栄光を…再び!

 

(他にどんな化け物がこの地に居ようが関係ない…ナザリックの…アインズ・ウール・ゴウンの恐ろしさを幻想郷中に轟かせる!

そのためには……まずは…………)

 

さあ、我々の手で幻想郷に誰もが恐れる天変地異を…【異変】を起こそうではないか!」

 

 

※※※※※※※※※※※※※※

 

 

-----隙間空間------

 

ナザリックから戻った紫は隙間空間に漂っていた。

 

「…さぁ、見せて頂戴…

貴方が幻想郷にどんな変化をもたらすのか…

私はずっと貴方を見ている…今までも…これからも…」

 

 

 

------白玉楼-----

 

冥界の管理人、亡霊お嬢様こと西行寺幽々子が魂達の騒めきのような異変を感じる。

 

「魂達の動きに異変が生じてる…………

動き出した魄を司る者に惹かれているのね…

紫の言うとおりね……」

 

すると庭師の魂魄妖夢が心配し駆け寄る。

 

「如何なさいましたか?幽々子様。」

 

しかし、幽々子はふざけた感じでその場を濁した。

 

「ようむ〜お腹がすいた〜何か作って〜。」

「またですか!?さっき食べたばかりじゃないですか!?」

 

 

-----永遠亭-----

 

迷いの竹林の最深部、月から逃げてきたかぐや姫こと蓬莱山輝夜と月の頭脳と言われるほどの薬師、八意永琳の統べる屋敷。

 

「姫様、良い加減起きてください!」

「んあ〜後、一時間〜」

 

「起きる気がないのはよくわかりました。腹が立ちますね。

ほら、変な眼鏡外して顔を洗ってくださいな。」

「変な眼鏡じゃないわよ〜コンソールよ〜

これがないとDMMOが出来ないのよ〜」

 

「また、【あーるぴーじー】とかいうやつですか?」

「ん…今は違うやつ…

そっちは最近やってない…あれ?そう言えばサービス終了いつだったっけ?…」

 

 

-----紅魔館------

 

湖のほとりに聳える赤い洋館、吸血鬼が統べるその屋敷の名は紅魔館

 

紫からの使者、式神の藍からの情報を聞いた館の主人レミリア・スカーレットは他の勢力とは違い早速動き出そうとしていた。

 

「運命が大きく動き出したわ。

破滅か繁栄か…

さあ、私たちはどちらに向かうのかしら

咲夜!」

 

レミリアが一声かけるとメイド長の十六夜咲夜がどこからともなく現れる。

 

「はい!お嬢様」

「彼等をここに呼びなさい。

そうね。お茶会のご招待とでも銘打つかしらね。」

 

「かしこまりました。」

 

 

 

「さあ、楽しいお茶会を始めましょう」

 


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