アインズ・ウール・ゴウンが幻想入りしたようです。(再投稿)   作:TubuanBoy

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人里-2

-----人里・寺子屋-----

 

「私はこの寺子屋で教師をしている上白沢慧音というものだ!」

 

 青白い長髪を下げ、青いワンピースタイプの服、変わった帽子をかぶった女性はこの寺子屋で教師をしている上白沢慧音であった。

 

「あなたが慧音先生ですか。

私はある人の紹介であなたに会いに来たものです。」

 

「ほう!私に会いに来たのか。

ならば立ち話もなんだ、中でお茶でも出そう!」

 

 さすがは学校の先生、ハッキリハキハキと喋っている。

 しゃべり方はどこか中性的である。

 

 二人は慧音に連れられ中に入っていった。

 

 

 

-----寺子屋-----

 

 

 

「ほう、お二人は外の世界からやってきた旅人なのか!」

 

「はい、いろいろな所を転々としていたら、この地に流れ着いたというわけです。

たどり着いたのも何かの縁と思いましてしばらくこの地に留まろうと……」

 

「それは正しい判断だ!この地を出入りするのは容易では無いからな!」

 

「(あっ、やっぱりそうなんだ。)」

 

 一度幻想入りしたものはそう簡単には外に戻れない。

 例外としては八雲紫の能力ぐらいだ。

 

「どこか職を見つけてゆっくりと暮らしてみたいと思っているのですが、何分初めての地で人脈もありません。差し出がましいのですがこの里で顔の広い慧音先生のお力添えをお願いしたいのですよ。」

「顔が広いなんてことはありませんよ!」

 

 長らく教師をしている慧音はこの里ではかなりの顔役であり、若い衆はみんな慧音の教え子と言っても過言ではない。

 

「それにしても仕事か……

少し難しいな。仲介ぐらいは出来るが、すぐいきなりとなると…

何か特技なんかはあるか?

技能や実績があればその道の者を紹介することぐらいは出来るのだが…」

 

それはそうだろう。

あっていきなりの人間に任せられる仕事なんてほとんど無い。

 

「(早めにここでの生活の基盤を作っていきたいからな、早めに話しておくか。)

そうですね。私も連れの彼女も魔法が使えます。

それで何か出来ませんかね?」

 

サトルは自分が魔法を使えることを早々に明かした。

本当は隠した方が良いのかもしれないが、早めに自分の有用性を里に理解してもらうにはこれが一番だ。

 

 

「魔法?…失礼ですがお二人は人間ですよね?」

「はい、魔法を使える人間です。」

 

 この世界では魔法使いは妖怪の一種とされている。

 しかし、人間のままでは魔法が使えないわけでは無い。

 

 

「成る程、魔理沙のような感じだな…(ボソッ」

「ん?何か?」

「いえ、知り合いにも魔法が使える人間がいるので、ああ、もしかして旅というのは魔法の研究の旅ですかな?」

「…ええ、そんなところです。」

 

慧音はそれを聞いてある事を思いついた。

 

「それならちょうど良い仕事がある!」

「本当ですか!?」

 

「はい!旅の魔法使いの方でしたら妖怪への対処も心得ていると……

私の友人に妖怪退治や妖怪からの護衛をする仕事を副業にしている者が居て、彼女の仕事を手伝う形で仕事を始めてはどうだろうか?」

 

「成る程、それは良いですね。」

「なら、決まりだな。」

 

 

こうしてサトルとナーベは無事、里での仕事を見つけることが出来た。

 

「丁度、今日。その友人に会いに行くつもりだったんだ。紹介する、ついてくると良い。」

「はい。」

 

 三人は慧音の友人の家に向かう事にした。

 

「ところで連れの彼女は何も言わないが、二人だけでとんとん拍子に話を進めて良かったのか?」

 

 慧音の言葉にはずっと黙っていたナーベラルが口を開く。

 

「すべてはサトルさんの意思に委ねているので問題ありません。」

 

「信頼されているのですなあ〜サトル殿は

付かぬ事を聞くが二人は恋人同士か何かで良かったかな?」

「「違います!」」

 

「はあ?………そうか。

いや、そうかなと思っただけだ。」

 

「私なんかより、サトルさんにはもっとふさわしい人が(アルベド様とか……」

 

「(ナザリックのみんなは友人の子の様な存在だからな。そういう風に見たくないんだよ…)」

 

三人は歩き、人里を離れ竹林へと入っていく。

 

-----迷いの竹林-----

 

 見渡す限りの竹林、少し道を外れるだけで道に迷いそうだ。

 

「随分辺鄙な所に住んでいるのですね。」

「ああ、ちょっと人付き合いが苦手なやつでな偶に私が様子を見に行ってるんだよ。

もう少しだ」

 

 獣道と言っても良い歪んだ道を抜けると少し開けた場所があった。

そこにはボロ屋と言って良い家が建っていた。

 しかし、生活痕らしき物がある所、誰かが住んでいるのは間違いなさそうだ。

 

 我々に気がついたのか、家から誰かが出てきた。

 

「やあ、妹紅。元気にやっているか?」

「何だ、慧音か。」

 

 銀髪……いや白髪でロング、リボンで後ろを縛っている、白シャツにしたは赤いモンペの様なズボン彼方此方に護符を貼り付けている。

 

「そっちの連中は何?」

「ああ、紹介するよ。

今度、人里に越してくるサトル殿とナーベラル殿だ。」

 

 紹介されたので手を出して握手を求めるサトルであったが…

 

「よろしく…………」

「ん………」

 

「(確かに人付き合いが苦手そうな人間だ…

人の事言えないけど)」

 

現実世界での悟はユグドラシル以外の人付き合いを制限していた。

妹紅はそれとは違うタイプであるが何か近い物を感じた。

 

「で?何でこいつらを連れて来たんだ?慧音」

「ああ、そうそう。

二人は仕事を探していてな、お前の仕事を手伝ってもらおうと思ってな。」

「竹炭?…………」

「違う、もう一つの方だ。彼ら魔法が使えるんだ。」

「あ〜………」

 

妹紅はそこまで聞くとこちらに目を向ける。

 

「大丈夫かぁ?こんなんで

この辺の妖怪たちはヤバい奴らが多いからな。」

 

「(それは身をもって知ってるよ。)」

レミリア達のことを考えているが、彼女クラスはそうそういない。

 

「なんか弱そうだし…

足手まといだけは勘弁だからなぁ。」

 

妹紅はこちらを品定めする様にジロジロ見る。

 

「このウジ虫が………さっきからサトル様に失礼を…………(ブツブツ」

 

(なんかこんなのも慣れてきたな…)

 

 

 

「最初から上手くいくとは思っていないさ。

だが、彼ら自身やる気はあるし、妖怪たちを相手にした経験もある様だ。

それにお前もそろそろ人を育てる大切さと言うものを学んだ方が良い。」

「うぇ〜慧音なんか先生見たい…………」

「先生だがな…………」

 

 大きくため息をついた妹紅は二人にきつい言葉を吐いた。

 

「慧音の頼みだから仕方なく引き受けてやるよ。

でも私は人にものを教えれるタイプじゃないからその辺は自分で何とかしろよ!

それで良いってんなら明日から私の仕事の手伝いをしろ。」

 

そう言うと妹紅は振り向き、家に入って行こうとする。

 

「ありがとうございます!!………ほら、ナーベも。」

「…………ありがとうございます(ボソ」

 

 もし、二人が慧音や妹紅の助けもなしに開業していても信用がまるでないから客なんて寄り付かないだろう。

 しかし、慧音の推薦で妹紅の仕事の手伝いをする事で多少の信用は得られるだろう。

 

 それだけではない、この地の専門家の元で働くことでよりここの妖怪たちの情報が早く、正確に得られる様になるだろう。

 

 だから妹紅からOKを出されて安心するサトルであった。

 

 

「今日はもう、遅いから泊まっていけ、夜の竹林は危ないからな!!」

 

-----妹紅宅-----

 

この夜、妹紅の家に泊まることになった一行は妹紅の家でゆっくりしていた。

一人を除いて。

 

「また、こんなにも散らかして!」

「別にいいだろ。誰かに迷惑をかけてる訳じゃないんだから」

「私の気がすまんのだ!どけ、私が片づける!」

 

当の本人がのんびりしているのに忙しなく世話をする慧音。

 

「こんな事では他も心配だな。

睡眠は取れているのか?体に負担をかける様な生活はしていないだろうな?

少し痩せたか?食事はきちんと食べてないんじゃないか?」

「お前は私の母親か!?」

「私が妹紅の心配をして何が悪い。」

 

「(通い妻?……口煩い母親?……それとも教育指導の先生かな?……)」

 

 

 

「ん?妹紅、なんか焦げ臭いぞ。」

慧音は妹紅の服の匂いが気になった。

 

「ああ、さっき竹を燃やしてたからそのせいだろう。」

「そうか、なら風呂を沸かしてやるから直ぐに入ってこい。」

「えぇ……後でいいよ………」

 

「駄目だぞ!今日は殿方もいらっしゃるんだから

「んだよ……しょうがねえな。」

 

 

「(………そうじゃん!

ここで泊まるってことは同じ部屋寝るって事じゃん!!)」

 

 妹紅の家は然程大きい訳ではないため、寝泊まりできる部屋が2個も3個もある訳ではない、つまり寝る部屋はみんな同じこの部屋である。

 

 美人の女の人に囲まれて寝れるなんて男としては名誉なことかもしれないが気になってしょうがないのも確かだ。

 

「サトル殿、心配することはないぞ。

間違いが起きない様今日は私も泊まらせてもらう。」

「(………状況悪化!!!!……)」

 

「変に意識してんじゃねぇよ。

言っておくけど慧音に手を出したらただじゃおかねぇからな。」

「(怖い!!………)」

 

《「安心してください、サトル様。

私は寝る必要がありませんから寝てるふりをしながら監視します。

サトル様の身は私が守ります。」》

 


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