仮面ライダーウォード   作:時間巡査

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なんやこれ…一人称視点と三人称視点が混ざっとるし、感嘆符が被りまくっとる。皆様の文才が素晴らしいというのがよくわかりますね。

ごめんなさい。プロローグのオリジナルライダーの名前を「ダスクウォード」にしました。


EP1 レッキングダム2018

それは日常からズレた事を明確にした瞬間であった。下校中、放課後の部活のジョギング中の友人に「王になる」という夢をからかわれた後、友人の背中を見送り自分の自転車に視線を戻すと見知らぬ「何か」がサドルに乗っているではないか。「何か」を見つけた青年はそれに手を伸ばす。

 

「なんだこれ」

 

彼は戸惑いながらもその場のアスファルトの上にその「何か」を置いてその場を後にした。青年の名は常磐ソウゴ。普通の高校生だ。幼くして両親とは死別しているがおじの常磐順一郎と時計屋の「クジゴジ堂」で暮らしている。

さて、彼には夢がある。それは『王様になる』という夢である。高校3年生の受験を控えた立場にいる彼がそんな夢を語るのだから周りからは奇異の目で見られていた、が本人はそれを全く気にせず生きてきた。何故なら王になるという根拠が彼にはあるからであった。だが彼はそれをまだ誰にも話した事は無かった。聞かれもしなかった。

 

ある日、外出したソウゴはここらでは見かけない服を着た長身の男に道を阻まれた。マフラーのような長い布を頭に被り顔は影で見えない。なんだこの人...と思う間もなく長身の男はソウゴに語り掛けた。

 

「おめでとう。」

 

「はぁ?」

 

祝われた。男曰く今日はソウゴにとって良い日らしい。ソウゴの困惑を他所に長身の男は話を続けていた。

 

「赤いロボットには気を付けた方がいい。」

 

そう言い残し、消えた。

なんだったのか今のは、幻覚か。と自分の中で戸惑いに決着をつけたソウゴはその直後、背後の気配に気付き振り返ると赤いロボットがいた。

 

《タァイムマジーン》

 

「え、なに...ロボ?」

 

面食らい腰を抜かすソウゴを赤いロボットのコックピット内でモニター越しに見ていた男は、画面上のソウゴをタッチし、一応本人確認をしてから操縦桿に手を伸ばす。

 

「見つけたぞ。オーマジオウ。」

 

自転車と空を飛ぶ赤いロボットという中々見ない組み合わせの鬼ごっこの始まりである。暫くすると商店街がみえた。ソウゴは占めたと思った。ロボットは大きい。アーケード街に入ってしまえばロボットはきっと入れない。ソウゴの思惑通りロボットは入ってこれずにいた。

 

「YES!見たか!」

 

誇らしげにソウゴはガッツポーズをとる。が

 

ロボットはアーケード街真上に浮遊し、硝子の天井越しに勝ち誇っているソウゴに言った。

 

「逃げ切ったつもりか。」

 

そう男の声がして、硝子の天井が壊される

 

「そうはさせません!」

 

...ことは無かった。突然、ロボットの左側面に黒塗りの列車が激突してロボットを吹っ飛ばしアーケードの出入口に停車した。客車から一人の男が現れた。切羽詰まった顔をしている。

 

「乗って下さい!早く!死にたくないでしょう!?」

 

勿論だ。だがソウゴは乗るのを一瞬躊躇った。目の前の男が敵なのか味方なのか分からないというのもあるが、それよりもあまりにも列車が不気味過ぎる。先頭車両がドクロの汽車とか死にたくない時に乗るような外見ではない。地獄に誘いそうな外見である。

 

「なんか...逝ける気がする...」

 

「よし!行きますよ!」

 

ソウゴが乗った事を男が確認すると列車は動き出し、空に穴が空いた。そしてロボットを撒いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着きましたか。」

 

「うん、大体はね。」

 

ソウゴはまだ少し早い鼓動を刻みながら辺りを見回すボロボロの客車だ。大分年季が入っている。窓から見える景色は...なんかこの世のものでは無い。暗い中に仄かな光はあるがなんか青白い。そんなおどろおどろしい窓の景色から助けてくれた相手に視線を向ける。外の事を聞こうと思ったけどやめようそうしよう。ソウゴは思った。改めて男を見る。若い。自分と同じくらいだ。ただ身長が高い。さっき遭った「祝ってきた男」くらいにはあるのではないだろうか。それよりも少し高いか。服装もあの祝ってきた男よりは普通だ。状況は異常だが。かなり男を注視していたので男はハッとして

 

「ご、ごめんなさい!そういえば自己紹介がまだでしたね!僕の名前はダスクと申します。よろしくお願いします。」

 

「いや、大丈夫だから全然!俺はソウゴ。常磐ソウゴだよ、こちらこそよろしく!で早速なんだけどさ、アレ何?あのロボット。」

 

ソウゴはダスクに問う。ダスクはソウゴに説明した。なんでも未来には「オーマジオウ」なる者がいて、そいつは最低最悪の魔王で未来がかなり危機的状況にあるとの事。その「オーマジオウ」は他でもない「常磐ソウゴ」であり、2068年ではオーマジオウに全くレジスタンスの歯が立たないので王に目覚める50年前の「若き常磐ソウゴ」を倒しオーマジオウを消す事が赤いロボットの搭乗者の未来人「明光院ゲイツ」の目的らしい。

 

「俺が最低最悪の魔王?...」

 

「えぇ、少なからず未来の貴方はそう言われてますね。」

 

ソウゴはショックだった。まさか未来の自分が最高最善の逆を往くなんて...いや、今は俯いている場合では無い。この汽車はどこを走りどこに向かっているのだろう。ソウゴは正面に顔を上げまた質問をした。

 

「あのさ、これどこに向かってんの?」

 

「あ、大丈夫ですよ。ソウゴさんの元の時代に向かっていますので。」

 

「そっか、良かったァ。」

 

ホッと一安心し、客車の椅子に腰をかける。がソウゴは気付いた。

 

「アレ?その明光院ゲイツは追ってくるんじゃないの?」

 

ソウゴが疑問を口にすると

 

「安心しろ。この列車は死者の時間を伝って行き来する。死者はこの路線に介入出来ても生者は私達が認めた者しか入れん。つまり明光院ゲイツは追って来れない。」

 

「えぇ!?死者って、いや、そんな!...ホント?」

 

客車の一番後ろの席から声がした。ソウゴは声がした方に視線を向けると声の主の女はこちらに歩み寄ってきていた。片手には厚い本を持って鋭い双眸をこちらに向けてくる。ボロボロの客車の内装に似合わない美しさだった。そして通路を挟んだソウゴの隣の腰を下ろした。

 

「盗み聞きしてすまなかった。私はクロム、この列車の乗客だ。」

 

「常磐ソウゴです。よろしくお願いします!」

 

「なんか僕の時よりハキハキしてません?そんなことより、まぁ、そうですね。確かにクロムさ...んの言う通りです。この路線は死者と選ばれし生者しか...ん?どうしたんですかソウゴさん、え?赤いロボット?窓を見ろ?いるわけないじゃないですか〜そんなホラーあるあるされたって...第一、こっちの列車の方が余っ程ホラーで...」

 

いた。

 

「なんでよ!来れないって言ったじゃん!」

 

ソウゴが叫んだ。

 

パリン

 

「追いついたぞ。オーマジオウ、今の貴様には悪いが鬼ごっこはここで終わりだ。」

 

客車の窓を割って明光院ゲイツは侵入してきた。ソウゴに強い敵意を向けながらゲイツは見た事もない機械を取り出し、腹部にその機械を当てると

 

《ジクウドライバー》

 

と音声が発せられ、その機械「ジクウドライバー」はソウゴから見て右からベルトが伸び腰に巻き着いた。戸惑うソウゴを後目にゲイツは自身の左手に着けているホルダーから赤い「ゲイツライドウォッチ」を手に取り、起動させる。

 

《ゲイツ》

 

「え!今ここで変身!?逃げましょう!皆さん走って!」

 

ダスクが逃走の号令をかける。クロムもソウゴも全速力で走る。だがゲイツの変身は無情にも進行していく。途端に文字が飛んできた。

 

《カメンライダーゲイツ》

 

「なんか飛んできたァ!?」

 

「伏せてください!」

 

飛んできた黄色い「ライダー」の文字をなんとか回避し、姿勢を建て直して迫り来るゲイツから逃げようとしたがもう一番後ろの車両に来てしまった。

 

「どうすんの!?ヤバいじゃん!」

 

「これも未来を変える為だ...」

 

そうゲイツは告げ、ソウゴに手が届...かなかった。

 

「何?」

 

「ぇええええええぇええ!?なにやってんの!二人ともぉぉぉぉ!」

 

なんとダスクとクロムがソウゴを掴んで落ちたのだ。ソウゴは突然の落下の感覚に耐えられず悲鳴をあげてそのまま下へ落ちるソウゴをみて

 

「逃がしたか...」

 

と下をただ見るだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

常磐ソウゴはおちていた。社会的信頼を失ったとか恋にとかではない。そもそも彼は受験なんてする気はさらさらない。物理的に落ちていた。そんなソウゴとは対照的にダスクとクロムは冷静に会話していた。

 

「うわぁぁぁぁぁ!」

 

「ダスク...すまない。明光院ゲイツがゴーストライドウォッチを所持していた事を忘れていた...」

 

「仕方がないですね。僕も把握してなかったですし。しっかしピンポイントで死者の時間に間接的に介入出来るライダーのウォッチ持ってきましたかー、やられてしまいましたね。取り敢えずソウゴさんを元の時代に返さないと...」

 

悲鳴を上げるソウゴを他所にダスクは懐から黒と水色のライドウォッチを起動した。

 

《ダークドライブ》

 

すると空間に穴が空いた。ただ死者の時間への入り口とはまた違う雰囲気だった。そして穴と共に現れたブルーのラインが入った黒塗りの車に「え、何!?」と驚くソウゴを詰め込み、クロムも乗りこんで、ダスクがハンドルを手に取るとフルスロットルでその穴に飛び込んだ。

 

「タイムロード開通!いざ2018年!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぅ?ん、おじさん?」

 

「あ、ソウゴくん、起きた?さ、晩御飯の時間だよ!食べよ!」

 

見慣れたテーブルに伏していたソウゴは背筋を伸ばし、欠伸をした。

 

「夢?いやでも...」

 

ふとズボンのポケットに違和感を覚える。ポケットの中を探るといつかみた「何か」こと「ブランクライドウォッチ」が入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明光院さんどっかにまた飛んだんですかね。これで回収出来ますよぉ...ふぅ。」

 

そう言ってダスクは霊園近くに停めた列車を幽汽ハイジャックフォームライドウォッチに収納するとクロムに語り掛けた。

 

「まぁ、またこの時代に現れるだろう。彼の目的は2018年の常磐ソウゴだからな。にしても露骨じゃないか。ブランクライドウォッチを傍に置くって。」

 

「ウォズさんだってやってるし大丈夫ですよ。それよかまさかこんなに常磐ソウゴ本人に干渉するなんて...こっちの方が問題では?」

 

「む、確かに。だが私は一応『乗客』でしかないからな!」

 

「あ、ズリぃ!なんでこういつも『王様』に怒られるの僕なんですか...いずれにせよ常磐ソウゴ...いえジオウ、早く目覚めて下さい。そうしないと僕の力も目覚めないのです...」

 

そう言ったダスクは視線を自分の右手に落とした。そこにはしっかり「ブランクライドウォッチ」が握られていた。

 

 




アナザーライダーはどこ...ここ?

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