海に映る2つの月   作:空丘ルミィ

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ペルソナ5ザ・ロイヤルホントウニタノチィ(脳死)あ、とりあえず昨日エンディング迎えました。

ええ、そのおかげで昨日の投稿を忘れていましたとも。すみませんでした(ダイナミック土下座)

それでは本編へどうぞ


10話:Aquarium

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メイがイギリスに帰ってから日が経った。メイが日本から旅立ってからは俺の家から従妹がいなくなった寂しさはすぐには消えず、何日かは少し落ち込んでいた。それは千聖さんや花音さんも同じだった。でも俺にとっては妹がいなくなったのと同義だったので花音さんたちに比べたら心の傷は深かった。そんな時、花音さんが俺の家に来て俺を慰めたりしてくれた。男の俺が女の子の花音さんに慰められるのは少し情けないって思ったけど花音さんが近くにいたからか不思議と落ち着いた時もあった。そんな時・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月7日

 

宥凪「…なんでこうなったんでしょうね?」

 

千聖「うちの生徒会長は気分で動くことが多いからそれに宥凪くんは巻き込まれたって感じね…」

 

花音「ふぇぇ…宥凪くん頑張って…」

 

 

 

 

俺は花咲川に今年転入したためそこまで学校の行事などを把握していたわけじゃないのでどうしようもなかった。それで今俺はどこにいるのかというと、生徒会室である。

 

宥凪「それで、生徒会長とあろう人が俺たちに何の用なんです?」

 

燐子「はい・・・どうして私たちなんでしょうか・・・?」

 

会長「白金さんはご存知かもしれませんが、この時期は何があると思いますか?」

 

宥凪「この時期…ですか?文化祭とか修学旅行とかでしょうか。前の学校では生徒会長選挙がありましたが」

 

会長「そうです。この時期の花咲川では新しい生徒会長を決める時期でもあるんです。お二人はテストの成績もいいですし、学園でも人気があります。今日はお二人のどちらかに生徒会長になってほしいんです」

 

宥凪「俺と燐子さんで・・・ですか?こういうのは千聖さんや紗夜さんとかの方が向いていると思いますが」

 

会長「お二人にも声をおかけしたんですが、あっさりと断られてしまいまして(テヘペロ」

 

宥凪「いやテヘペロじゃないですって。それで俺たちに頼むって完全に俺たちにとってはとばっちりですよ…というか元は女子高だったとはいえ俺が生徒会長になるのってなんか違和感しかないのでこういうのは燐子さんが適任ですよ」

 

燐子「私が・・・ですか?でも私、生徒会っていってもなにをすればいいのかわかりませんし・・・」

 

宥凪「去年までいた学校では俺は一応生徒会役員だったので少しだけなら教えれますよ。」

 

燐子「そう…だったんですね。」

 

会長「それでは、来週の月曜日から白金さんは朝の集会でお願いしますね。今日はありがとうございました」

 

宥凪「失礼しました」

 

そう言って俺たちは生徒会室を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【廊下】

 

宥凪「なんかすみません燐子さん、生徒会長を押し付ける形になってしまって」

 

燐子「いえ・・・私も何か新しいことにチャレンジしてみようと思ったので・・・」

 

宥凪「そうだったんですね。俺もこれを期に新しいことにチャレンジしてみましょうか…」

 

燐子「そういえば…白鷺さんに聞きましたけど松原さんとお付き合いを始めたそうですね…」

 

宥凪「ええ、まあ。何度か花音さんを連れてショッピングモールに行ったことはあったんですがそこまで遠出ができてないので今度の休みにでも遠出でもしようかと思ってるんですがどこに行こうか悩んでるんですよ」

 

燐子「あの…それだったら私…水族館のチケットを持っているんですが・・・」

 

宥凪「え、いいんですか?そういうのはRoseliaのみんなと行ってきては・・・?」

 

燐子「いえ・・・海月くんには助けられることもありますし、私たちはライブの練習がほとんどなのでこういう所にはいきませんし・・・それに、2枚しかないので・・・」

 

宥凪「そういう事ならありがたくもらっておきますね。ところで、期限はいつまでなんですか?」

 

燐子「明後日までだったかと・・・」

 

宥凪「明後日まで、ですか。ちょうど日曜までですしいい機会かもしれませんね。ありがとうございます燐子さん。」

 

燐子「いえ・・・楽しんできてください・・・」

 

燐子さんはそう言って俺に水族館のチケットをくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【放課後:2ーA】

 

宥凪「さて…と、今日はどうするか。」

 

花音「あ、宥凪くん。今日はバイトのシフトがなかったよね?」

 

宥凪「あ、花音さん。確かそうですね、明後日も俺たち二人はシフトがなかったですね」

 

花音「それなら、ちょっとついてきてほしいところがあるんだけどいいかな?」

 

宥凪「どこですか?」

 

花音「先週オープンした服屋さんなんだけど…いつもは同じ服で出かけてるから今後のために新しい服を買おうかなって思って…」

 

宥凪「なるほど、たしかに付き合い始めてからというものの服を買いに行ったことはありませんでしたね。一緒に買いに行きましょうか」

 

花音「うん!」

 

そう言って俺たちは教室を後にした。千聖さんはどうやら仕事があるらしく帰りの挨拶が終わったすぐに教室を出て行った後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【服屋:Rainbow】

 

宥凪「外から見ても大きかったように中も広いですね…これは探すのに苦労しそうです。あ、花音さんちょっといいですか?」

 

花音「宥凪くん?何かな?」

 

宥凪「実は今日の昼休みに燐子さんから水族館のチケットをもらったんです。それで、期限は明後日までなのでよければ一緒にどうです?」

 

花音「あ、ここは私も気になってたんだ。場所は知ってたけど行ったことがなくて…」

 

宥凪「花音さんなら迷うを通り越して遠出になりそうですね…それで、明後日はここに行きませんか?」

 

花音「うん、行くよ!」

 

宥凪「よかったです。それじゃあ服選びを始めますか。ただ俺も花音さんも始めてくるところなので十中八九迷うでしょうし」

 

花音「そ、そうだね…それじゃあ一緒に見て回ろうか」

 

俺たちは夕方までフルに時間を使いこれからのお出かけの服を選んだ。バイト代から相当お金を出したので今月はバイト代をどこに使うか悩んだ方がいいかもな…服を買った後は花音さんの家に送り届けてその日は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月9日

 

今日は花音さんと初めての水族館でのデートの日だ。一昨日買った服を選んでいたらそこそこ時間をかけてしまったため待ち合わせ時間から少し遅れかけた・・・まあ花音さんが迷ったら困るので待ち合わせ場所というよりは迎えに行く時間といった方が正しいだろうな…

 

花音「ごめんね宥凪くん、服選びに時間かけちゃって…」

 

宥凪「大丈夫ですよ、俺だって今日来ていく服に悩んだらこんな時間になっちゃいましたし…」

 

花音「そ、それじゃあいこっか。」

 

俺たちは花音さんの家を後にし、目的地の水族館に一番近い駅まで最寄りの駅から電車で向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前11時:水族館『Clear Marine』】

 

宥凪「水族館だけあって外観が大きいですね…」

 

花音「宥凪くん、水族館とかには行ったことないの?」

 

宥凪「恥ずかしい話、俺はアウトドア派かインドア派って聞かれたらインドア派って答えるほど家の中にいましたし・・・行ってゲーセンとかがほとんどでしたし。まあこれを機に花音さんと一緒にどこかに出かけるのもいいかなって思いましたよ」

 

花音「これから時間があうときは一緒に出掛けれるから…」

 

宥凪「そうですね。それじゃあ中に入りましょうか。」

 

俺たちは水族館の中に入っていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

花音「宥凪くん、ほらペンギンが泳いでるよ!」

 

宥凪「テレビでしか見たことがなかったけど実際に見ると可愛いな、こっちにはアシカがいるし」

 

花音「あ、ペンギンが餌食べてるよ!可愛いなぁ…」

 

宥凪「でも俺にとって一番可愛いのは花音さんの笑顔ですけどね。ペンギンが餌を食べるところも可愛いですけど」

 

花音「ふぇっ!?い、いきなり言われると恥ずかしいっていうか・・・ほ、ほら宥凪くん、次はこっちに行こうよ!」

 

宥凪「あ、花音さん…!そんなに手を強く握らなくても大丈夫ですから…!」

 

俺は花音さんに手を引かれその場を後にした…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから昼になり、昼ご飯を食べてから俺たちは再び水族館内を見て回った。花音さんが途中で何かを思い出したようなそぶりを見せた時はまた手を引かれて水族館内を連れ回わされた。そして花音さんに連れてこられた場所は…

 

 

【水族館:ステージ 客席】

 

花音さんに手を引かれて連れていかれたのは水族館のステージの客席だった。

 

宥凪「花音さん、ここに連れてきてくれたのは嬉しいんですけど今からここで何かあるんですか?」

 

花音「今日はイルカさんのショーを見れるんだって。時間があったらイルカさんに乗れるみたい」

 

宥凪「なるほど、ステージにある水槽も結構大きいですしイルカも大きいのかもしれませんね。」

 

花音「イルカさんのショーってどんなのだろう…?」

 

宥凪「あ、イルカとイルカのトレーナーが出てきましたね。これから始まるみたいですよ。イルカも本当に大きいですね、二人は乗れそうな感じです」

 

花音「それじゃあ静かにしよっか」

 

ちなみに俺たちが座った席は前から3番目の中央あたりに位置している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレーナー「お待たせしました!これよりイルカのショーを始めまーす!まずはわっかくぐりからです!」

 

(ヒュッ、バッシャーン!)

 

花音「ひゃあ!ちょっとだけ水かかっちゃった…」

 

宥凪「体が大きいからそれだけ水しぶきが結構飛びますね…傘を持ってきていたんですが範囲が広かったので俺も少しだけ濡れちゃいました」

 

トレーナー「それじゃあ次は…」

 

それから少しの時間、イルカのショーを堪能した。その後・・・

 

トレーナー「それじゃあ、このままお別れするのも寂しいしお客さんの中から二人イルカさんの背中の上に乗ってもらって一緒にわっかくぐりをしてみようか!乗りたい人はいるかなー?」

 

花音「(シュッ)」

 

宥凪「(えっちょっ!?花音さんあげるの早すぎですよ…!しかも俺の手を握ってあげてますし…!)」

 

トレーナー「じゃあそこのお似合いな二人に出てきてもらおうかな。スタッフさんがステージに案内してくれるから一緒に来てね!」

 

トレーナーさんがそう言うと俺たちはスタッフさんに連れられてステージの上に立った。

 

トレーナー「それじゃあ名前を聞こうかな。二人の名前はなんていうのかな?」

 

花音「わ、私は松原花音っていいます!」

 

宥凪「俺は海月宥凪っていいます。」

 

トレーナー「海月くんと松原さんだね。二人は友達?」

 

宥凪「はい、俺たちは一緒の高校に通っています。」

 

花音「あ、後・・・私たちは恋人同士…です」

 

トレーナー「これは驚きましたー!二人はまさかのカップルさんでした!それじゃあさっそくイルカさんに乗ってみようか。海月くんが前で松原さんは後ろでいいかな?」

 

宥凪「はい、それで大丈夫です」

 

トレーナー「それじゃあ海月くんはこっちで…松原さんは振り落とされないように海月くんに抱き着いていてね!」

 

花音「わ、わかりました!」

 

だきっ

 

宥凪「(うわっ…!やっぱり恋人同士とはいえこういう状況で抱き着かれるのは慣れないな…!)」

 

トレーナー「それじゃあ行きまーす!1、2、3!」

 

(バッシャーン!)

 

花音「きゃあ!」

 

宥凪「うわっ!」

 

トレーナー「はい!無事にわっかくぐり成功です!どうでしたか?」

 

花音「最初はどうなるかって思ってましたけど、すっごく楽しかったです!」

 

宥凪「俺もつい手を放してしまうかと思ってましたけど、イルカが俺の状況を分かっていたかのように飛ぶ勢いを弱めてくれたのが分かったのでまた一つ知識が増えたような気がします」

 

トレーナー「2人ともありがとうございます!それではイルカショーはお開きになります!見に来てくれたお客さんもありがとうございました!」

 

そうして俺たちはステージを後にしてまだ見てなかった水槽を見に行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【???の水槽前】

 

 

花音「あ、宥凪くん。これが私の見せたかったものだよ」

 

宥凪「これは…クラゲ、ですか。花音さん、クラゲが好きなんですか?」

 

花音「うん。私、クラゲを見るのが好きなんだ。」

 

宥凪「意外ですね、花音さんは猫とかハムスターとかの可愛い動物の類が好きかと思ったんですけど」

 

花音「猫とかも好きだけど、クラゲってふわふわしてるから私と似てるかなって…」

 

宥凪「あー…確かに似てますね。ふわふわした雰囲気がクラゲにそっくりです。でもそういうところも花音さんの魅力ですよ。」

 

花音「ふぇぇ!?」

 

宥凪「普段はどこかオドオドしてるけど、いつも一番近くで守ってあげたくなるんです。なんでしょう、従妹のメイとは違って本当の妹みたいな感じ…っていうんでしょうか」

 

花音「い、妹かぁ…そんなふうに思われたことはなかったかも…宥凪くん、一ついいかな?」

 

宥凪「花音さん?何ですか?」

 

花音「あ、あの…今この時だけ『お兄ちゃん』って呼んでも・・・いいかな?」

 

宥凪「・・・えっ?ほ、本気…ですか?」

 

花音「…(コクリ)」

 

宥凪「・・・今日だけですよ。」

 

花音「…ありがとう、お兄ちゃん」

 

花音さんはそう言うと俺に抱き着いてきた。まるで妹のように甘えてくる花音さんは今この時だけ本当の妹のように思えてきた。その思いにこたえるために俺は一度花音さんを離し、花音さんの唇にキスをする。花音さんの告白を受けた時はほんの一瞬だったが、今回は5秒ほどのキスだった。この時俺は思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もし花音さんと本当の家族になれたのなら、俺は今よりも花音さんのことを幸せにしてみせる』と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

花音ちゃんといえばクラゲが好き・・・ということで今回は水族館でのデート回にしてみました。ああ、もちろんイルカの背中に乗る時は防水スーツは着用していましたよ。だって濡れたら風邪ひいちゃいますもんね(キリッ)書いてて思いましたが、花音ちゃんから『お兄ちゃん』呼びされる破壊力がたまりませんな…

それではここまで読んでいただきありがとうございました

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