それでは本編へどうぞ
ハロハピの無茶苦茶な提案の日から1週間が経ち、終業式が終わり夏休みに入った。2年生といえど、夏休みの宿題の量はとても多く、1日で5%程片づければ休みが多くなるので早めに進ませて後々のんびり過ごす人や最初はのんびりして後で勢いよく片付けるタイプの人などたくさんいる。白鷺さんはパスパレの仕事が忙しい時などありそうなので中間択、といったところだろう。松原さんはおそらく前者だと思われる。俺?ああ、夏休み前から課題に手を出していたからもう8割程片づけてるから後は夏休みにどんなことを過ごしていたのかという記録みたいなものだけだ。
7月23日
【午後1時:2ーA】
宥凪「花咲川に入って初めての夏休みか…さて、明日の予定は埋まってるから後々の予定はどうするかな。メイとお出かけするのもありだし、新しいことを始めたのでそっちも進めたいですし」
千聖「海月くん、昼休みとかに宿題を済ませていたみたいね。どれくらい終わったのかしら?」
宥凪「もう後は夏休みの記録みたいなものだけですよ。まあこれは長々と書くつもりなのですぐ終わることはないでしょうね」
花音「ふぇぇー・・・海月くん早いよぉ…」
宥凪「早く済ませておくに越したことはありませんからね。」
千聖「そうね、私も仕事がない時は宿題を終わらせることに徹底しようかしら。『宿題が片付いてないから仕事に来れない』なんてことになったら困るもの」
花音「私も明日の用事が終わったら宿題を早めに片付けようかな・・・色んな所に出かけたいし、バイトもあるから・・・」
宥凪「俺も明日の用事が終わったらバイトがない日は暇なんで誘っていただければ遊べるんで。メイはどうだ?」
メイ「私も早く宿題を終わらせて皆さんと遊びたいのでまずは宿題を片付けます!」
宥凪「OK、みんなは宿題を早めに終わらせるんだな。それじゃあ今度みんなの時間があったときにでも宿題の消化をしますか」
千聖「ええ、その時はお願いするわ。ところでみんな、今日はこの後時間あるかしら?」
宥凪「まあ、ちょっとだけなら。花咲川にいる人と羽丘にいるとある人と約束してるのでそこまで長くは付き合えないかもですけど…」
花音「だったらそっちを優先してくれて構わないよ。千聖ちゃんもメイちゃんもそれでいいかな?」
千聖「ええ、他に用事があるならそっちを先に済ませてくれて構わないわ。ちょっとこれから暑くなるし日焼け止めとかを買いに行こうと思ってたのだけれど」
メイ「私は宿題を早めに片付けたいので今日はやめておきます!」
千聖「花音はどう?」
花音「ごめんね、千聖ちゃん。これからハロハピのみんなと明日のことで話し合いがあるから・・・」
千聖「なら今日は解散しましょうか。お疲れさま。」
宥凪「お疲れ様です」
俺たちは解散した
【ライブハウス:Galaxy】
宥凪「さて、待ち合わせ場所はここであってるはずだ・・・あ、いた。」
??「宥凪くんおっそーい!私たちは10分も待ってたのに!」
??「海月くんは結構忙しいからこれくらいは大目に見てあげましょう?」
??「なーくんは人気者ですからね!。しょうがないですよ!」
宥凪「これでも急いできたんだけどな。璃奈(りな)、唯乃(ゆの)、冬珂(ふゆか)。それじゃあ始めるか」
【オリキャラ紹介:俺が待ち合わせ場所に来て早々注意してきた女の子は鳳璃奈(おおとりるな)。羽丘学園の2年生でバイト先の先輩。時間にルーズで少しの遅れも注意してくるほど生真面目。甘いものに目がなく、帰りによくコンビニスイーツをたくさん買っている。
瑠奈の隣にいるの女の子は白華唯乃(しらはなゆの)。羽丘学園の2年生で瑠奈とは幼馴染。ちょっと友人やクラスメイトには甘い性格で、少しのミスも大目に見るほどの心の広さの持ち主。瑠奈とは一度もクラスが別になったことがないのだとか。バイト先の同期。
唯乃の左隣の席に座ってる騒がしい雰囲気の女の子は雪原冬珂(ゆきはらふゆか)。花咲川学園の1年生で美咲と同じクラス。誰にでも気さくに話しかけ、すぐに打ち解ける。バイト先の後輩でもある。】
宥凪「じゃあ早く入って音合わせでもするか。今日はどれくらい取ってあるんだ?」
冬珂「んーと、確か2時間くらいだったかなー。私がバイトに行くまでの時間って感じですけど」
瑠奈「早く入って音合わせしようよ!時間は有限なんだよ!」
唯乃「瑠奈ちゃん、どうどう・・・ごめんね海月くん。」
宥凪「まあ、これが俺たちにとっての普通の日常だしな。早く入ろう」
実を言うと俺たちは期間限定のバンドを組んでいる。バンド名は『Delight』、バイト先のメンバーで組んだバンドだ。先月俺はベースを買い、ただひたすら練習に励んだ。白鷺さんの仕事がない日などは練習に付き合ってもらっていた。歌う曲はカバーが基本で、唯乃が歌詞を作ってきたときはそれを歌ったりする。担当パートは俺がベース、瑠奈がドラム、唯乃がギターボーカルで冬珂がキーボードだ。リーダーは俺で、みんなの時間があうときはGalaxyで練習するようになっている。期間限定っていっても『1度みんなでライブしてみたーい』と唯乃が言ったため、1度ライブで演奏したら解散する感じだ。
【Galaxy:練習室】
宥凪「さて、と・・・今日はどの曲を演奏する?」
唯乃「うーん、今日は『天体観測』なんてどう?」
冬珂「おー!夏だしぴったりな曲ですね!」
瑠奈「それじゃあ早く始めましょうか、1・2・3!」
【午後4時】
宥凪「初めてこの曲を合わせたけどこんなものか。いつもだな」
瑠奈「そうだね、初めてにしてはこんなものだよ。」
冬珂「そうですね!あ、そろそろバイトの時間なので冬珂はこれで失礼します!」
唯乃「私も冬ちゃんと同じシフトだから今日はここまでだねー」
宥凪「まあそろそろ練習時間も終わりだし今日は解散ってことにするか。」
瑠奈「宥凪、これから時間ある?」
宥凪「ああ、大丈夫だぞ。といってもここで話すことじゃないだろうしいったん外に出ろうか」
瑠奈「うん、そうしようか。冬珂も唯乃もまたね」
冬珂「バイバーイ!」
唯乃「またねー」
俺と瑠奈と一緒に、冬珂は唯乃と一緒に練習場を出た。
【Galaxy前】
宥凪「それで、話って何だ?」
瑠奈「宥凪、そろそろバンドを組んで1ヶ月にもなるんだしライブをしてみない?」
宥凪「それって、主催ライブを開くってことなのか?俺はライブのことをよくしらないんだけど」
瑠奈「ライブをするにはいくつか必要な点があるわ。1つ目は歌う曲のリスト、これは当然ね。2つ目は照明のパターン。3つ目はMCね、これはメンバー紹介する時間ってことね。」
宥凪「なるほどな。瑠奈ってこういう時は頼もしいよな」
瑠奈「私だって何度かライブの手伝いをしたことがあるんだしこれくらいは知ってるから」
宥凪「それじゃあ今度どこかのライブに混ざる形になるか。今度知り合いがいるバンドのライブに混ざれないか聞いてみるよ。日程と時間をその時に聞いておくからグループチャットは見逃さないようにしてくれ」
瑠奈「わかった、それじゃあライブの日程は宥凪に任せるね。それと明日は時間ある?」
宥凪「あー、悪い。明日は俺の用事が埋まってるんだ。夕方から何だけど、パーティーをするから体調を崩すわけにもいかないし明日は家から動かないつもりだ」
瑠奈「わかったよ、それじゃあライブの件は忘れないでね。」
宥凪「わかってるよ。それじゃあまたな」
瑠奈「またね、宥凪」
そう言って俺たちは別れた
【帰り道】
宥凪「さて…どのバンドが主催するライブに参加するか悩むな。沙夜さんたちもバンドを組んでるとはいえ本格的なバンドだし参加させてくれるか悩ましい。他のバンドは結構気楽な感じだし他の所が主催するライブに参加した方がいいんだろうけど…パスパレのライブに混ざることは至難だろうしさすがにパスパレはきつそうだな…ん?あそこにいるのって…リサさん?」
リサ「あれ、宥凪くん?どうしたのこんなところで」
宥凪「さっきまでちょっとライブの計画でもたてようかって思ったんですけど、どのバンドの主催ライブに参加しようかって話してたんです。みんなの予定と重ならないようにしないといけませんし、何より参加する側なので主催する側に許可もとらないといけませんからね…」
リサ「あー、なるほどね。アタシたちは今度主催ライブをするんだけどあと一組だけ枠空いてるからどうかなーってアタシ達も友希那たちと話しててさ。もし宥凪くん達さえよければ参加してみる?」
宥凪「いいんですか?」
リサ「いいのいいの!先輩のアタシ達を頼っていいんだよ?」
宥凪「そうはいっても俺たちは1度ライブをしたら解散するので・・・」
リサ「あはは、そんなの関係ないって。友希那も知ってるんだし」
宥凪「ゑ?」
リサ「この間唯乃が話してるところを偶然聞いちゃってさ、友希那にこのことを話したら『別に構わないわよ』って言ってたし」
宥凪「それならお言葉に甘えちゃっていいですかね」
リサ「それはあ宥凪くん達が最後の一組に入るって友希那に伝えておくね♪」
宥凪「助かります。」
リサ「オッケー☆それじゃあそういう事で話は進めておくね。時間と日程は後でケータイに連絡しておくから」
宥凪「わかりました。それじゃあ今度またゆっくりみんなで話し合いましょう」
リサ「了解♪それじゃあまたね!」
宥凪「はい、ありがとうございました。」
そういって俺とリサさんは別れた
【午後9時:海月家リビング】
宥凪「ということがあってだな。一応メイにも伝えておこうかなって」
メイ「兄さんの初めてのライブですか?見に行きます!」
宥凪「あー、そういう事じゃないんだ。メイがこの間来た時言ったよな?『ギターを向こうで習ったので弾けます!』って。一度きりのライブだし、メイもメンバーに誘おうかなって思ってるんだよ」
メイ「私が兄さんのバンドに?」
宥凪「ああ。どうだ?リードギターをやってみる気はないか?」
メイ「なるほど。確かに私はこっちにギターを持ってきてますし、冬珂ちゃんとも何度かお話したので私でよければぜひ!」
宥凪「決まりだな。それじゃあ瑠奈達に連絡をまわしてみるぞ」
ちなみにだが、メイは度々俺たちの練習に顔を出していたので一応面識はある。
《Rain》
宥凪「なあみんな、ちょっといいか?」
瑠奈「なんですか?『やっぱりなしー』とかは無しですからね」
宥凪「そんなんじゃないよ。ほら、俺たちは4人でバンドやってるだろ?それで今度のライブのことはリサさんから来た連絡も送ってその日に演奏することは決まってるだろ?でも日にちが9月9日だから結構時間があるんだよ。だから、メイをリードギターとしてメンバーに加えてもらえないかなってみんなに聞いておきたくて」
唯乃「なるほどねー。それで、メイちゃんのギターの腕前はー?」
宥凪「向こうでホームステイしてた際にギターを教えてもらってたから演奏はできるんだと。」
冬珂「メイさんと一緒に演奏できるんですか!?瑠南さん、一緒にやりましょう!」
瑠奈「この事はメイちゃんには言ってあるの?」
宥凪「もちろんだ。というかさっき話は終わったんだけどな。メイも一緒にやりたいって言ってた」
瑠奈「それじゃあメイも私たちのバンドに加入ってことで決定ね。メイちゃんによろしく言っておいて」
宥凪「わかった、ありがとなみんな。それじゃあお休み」
《Rain終了》
メイ「どうでしたか?」
宥凪「無事に俺たちのバンドに加入できたよ。短い間かもしれないけど、一緒に一度きりのライブ、成功させような」
メイ「はい!まだまだ道半ばかもしれませんがよろしくお願いします!」
こうして、メイを新しいバンドメンバーに加え、『Delight』改め『Star Light』を結成した。一度きりのライブだけど、できる限りのことをやって成功させたい。このライブに参加させてくれた湊さんたちのために。そして、俺自身のためにも。そのためには・・・
宥凪「(明日のハチャメチャなハロハピのパーティ、無事に五体満足で帰ってこれるかどうかだな…)」
いかがだったでしょうか?
ある意味初めてのオリジナルバンドを結成させてみました。後輩一人+同い年3人+宥凪くんの5人構成に何とかねじ込めました。え?宥凪くんがハーレム状態じゃないかって?そんなの・・・考えてらんなかったっす(脳死)
それではここまで読んでいただきありがとうございました