ハイスクールD×D〜黒の天龍〜   作:終焉を司る者 ZERO

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第一話 全ての始まり

紅い液体が目の前で吹き出した。人が倒れる音がした。羽の羽ばたきが聞こえる。

 

 

 

おかしな夢を見た。夢なのに妙にリアルで同時に不吉な予感が頭の中を駆け巡っている。

「ったく、朝からヘヴィーな感じだ。」

タイムトラベルするデロリアンの映画の主人公のような事を呟くと、

ベットからゆっくりとした動作で抜けだし、顔を洗い、制服に着替え冷蔵庫に入っていたリンゴを2つかじりながらオンボロアパートを出て学校に向かう。少し歩くと後ろから声をかけられる。

「よっ、ゼロ。」

俺は顔だけ後ろに振り向く。

「よぉ、イッセー。なんか上機嫌じゃねーK・・・?!?!」

同じクラスで仲の良い親友の兵藤一誠。彼は主人公気質なところがあり中々憎めない奴。ただ一点だけを除けば。実は彼、極度のオッパイ好きのだ。なので女子からの評価は最低最悪の部類だ。そのせいか良くつるんでいる俺の評価も少し下がっている。そんな性の権化たるイッセーの隣にめちゃんこ可愛い美少女が、黒髪長髪(巨乳)の超絶美少女がいた。

俺が呆気に取られているとイッセーがドヤ顔で美少女を紹介する。

「彼女は天野夕麻ちゃん。俺の彼女だ。」

その瞬間、思考が停止し、腹の底から叫んでいた。ちなみにその際、バタフライエフェクトが発生し逃走中のひったくり犯が逮捕されたのは知る由もない。

「か・・・彼女ォォォ??!!」

そう叫ぶと二人は顔を少し赤らめてた。正気に戻るとすぐさま自己紹介をする。

「ど・・どうもはじめまして天野夕麻さん。イッセー君のクラスメイトで友達のゼロ・ナンバーと申しますですであります。」

目の前に美少女がいるからか、有り得ない事態が起こったせいなのか口調がおかしくなってしまった。自己紹介を受けた天野夕麻さんは微笑みながら口を開き

「そんなに硬くならなくても大丈夫ですよ。それと天野と気軽に呼んでくださいね。ナンバー・・・さん?」

「ゼロで大丈夫だ。なにぶん変わった苗字でな。よろしくな天野。」

互いに言葉を交わし握手をする。

「はい。よろしくお願いします。ゼロさん。」

天野からの言葉に満面の笑みで返すと間にイッセーが入ってきた。

「おいゼロいつまで握手してるんだよ。早く離せよ。」

「なんだ?まさか取られると思ってんのか?イッセーくぅん?」

少し悪戯っぽく笑い軽く煽ると

「いや、そうじゃなくてグハァ!?」

イッセーが反論しよとした瞬間後ろから誰がイッセーに攻撃を加えた。

攻撃を受けたイッセーはそのまま前に吹っ飛んだ。天野は吹っ飛んだイッセーに駆け寄った。腰を摩りながら立ち上がり自分を蹴り飛ばした犯人を睨みながら叫ぶ

「なにしやがんだ!カイ、ジェイ!!」

赤い少しボサボサした髪に燃え盛る火のような赤い瞳のカイ・フレーバル。少し薄い黄色のストレートヘアーでつり目、髪と同じ色の瞳は獲物を見つけた地に飢えた獣のような雰囲気を出している紫藤ジェイ。

二人ともイッセーや俺の親友でクラスメイトだ。カイはイッセーの制服のワイシャツの胸元を掴み上げ怒気を含みながら問う。

「やいイッセー。テメー彼女出来たってのは本当か?つかどうやったらテメーにこんな美人でグラマラスな彼女が出来んだ。教えやがれ!」

「分かった、分かったから話すからとりあえず離してくれカイ。つか何でジェイまで蹴ったの?彼女とか興味ないって言ってたよねぇ!」

「あぁ、確かに俺様は女なんぞに興味なんてない。つか、目の前にイッセーがいたら殴るか蹴るか切るかの三択だろ。」

「え?俺サンドバッグなの?てか最後の切るってなに?!」

ちなみにジェイは非常に光線的でヤンキー排出高校に乗り込んで生徒全員病院送りにしたという逸話がある。とりあえずカイがイッセーを解放すると何処からかチャイムの鳴る音がした。慌てて時計を見るとホームルームが始まる時間だった。

「やっべ遅刻だ!てめーら急げ!」

結局、どうしてイッセーに彼女が出来たのか分からないままだった。

 

 

 

 

時間が経ち放課後。俺は趣味の機械いじりの為の部品を買った帰りに夢に見た光景を見てしまった。夕暮れ時の公園にある噴水でイッセーと天野を見つけた。放課後には初デートだって張り切っていたのを思い出した。少し冷やかしに行こうと思った直後、イッセーが鮮血を吹き出しながらうつ伏せに倒れた。そして、天野に黒い羽が背中から生えた。いや生えていたという表現の方が正しいだろう。すると天野の着ていた清楚なワンピースが黒色のボンテージ風の服に変わった。宙に浮きイッセーを見下ろしている。まるで汚らしい獣畜生やゴミを見ているような目で。その時全てを理解した。アイツは人ではない。超常の存在でイッセーを殺した。理由はイッセーに宿っている何かだ。俺が何故そう思うのか。自分自身超常の世界に片足を突っ込んでいるからだ。そんな事は今はどうでもいい。親友のイッセーを殺され見下すような目で見られている。その事実が俺の中の何かを目覚めさせた。瞬間、俺の右腕から指先にかけてからどす黒い瘴気が吹き出し右腕から指先にかけて鋭い鉤爪をもったどす黒い腕に変質する。それが、超常の世界に片足を突っ込んでいる理由の1つ。神器「瘴気の呪腕」俺の身体に宿ったセイクリットギアを発動させ、叫びながら本性を現した天野に突っ込む。


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