仮想学園 この世界の果てを目ざして   作:鮍野郎

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プロローグ

世界で最も人気なVRMMORPG、【エターナルファンタジーオンライン】、通称【EFO】。

 

その日本サーバーのとある洞窟内に広場に、彼が目的とするモンスターがいた。。

圧倒的とまではいかないものの、存在感を放つそのゴーレムはこのフロアの中ボスクラス。そんなゴーレムに、たった1人で戦う愚か者がいた。

 

彼の名は高宮彰(たかみやあきら)。使える物はなんでも使い、スリンガーを利用し、3次元空間をフルに活用したトリッキーな戦法を得意とするソロのトッププレイヤーだ。

 

本来ボス戦ではいくつかのパーティーを組み、複数人で攻略するもの。単独撃破はできなくはないが、それでも難易度はかなり高い。

 

だがそれでも、彼はノーダメージでゲージの半分まで削りきっていた。ここまでにかかった時間は約2時間半。使えるアイテムはほぼ使い切った。残すは右手に持つ片手剣のみ。

 

ゴーレムの目が赤く光り、攻撃を仕掛けてくる。

まずは大きく飛び上がってからの両手を叩きつける範囲攻撃。手に当たらなくても、5m内にいれば衝撃波によるダメージを受けてしまう。 

 

「ま、この距離ならそうくるよな」

 

それを彼は左手に装備していたスリンガーから強靭なワイヤーを壁に向かって射出し、壁に飛び移ることによって攻撃を回避。

 

ワイヤーを駆使し、壁を飛び回り錯乱。ゴーレムの背後を取り、ワイヤーをゴーレムの首あたりに射出。右手に片手剣を持ち、壁を蹴ってワイヤーの勢いと重力を加えた一撃をお見舞する。

 

入ったダメージはゲージの1ミリ程度。元々、ゴーレムに対して剣は相性が悪い。

 

「残りを剣だけで押すのは無理があるな〜」

 

攻撃に備えつつ、ふと天井を見やる。天井には特に何もなく、ダメージを与えられそうなギミックは存在しない。

 

ゴーレムからの攻撃をワイヤーを駆使して躱しながら、次の一手を考える。

するとゴーレムの目から赤い光が漏れ始める。これまでに見た事の無いモーション。直感的に危機感を覚える。

 

「まずい!」

 

反射的にワイヤーでその場から離れる。その直後、ゴーレムから赤い光線が放たれ、先程彼がいた場所が爆発する。

爆発により壁が崩れ落ち、破片が彼に直撃。ほんの少しだが、HPバーが減少する。

 

「っぶねー。直撃したらやばかったな」

 

軽量かつ紙耐久装備の彼に直撃すればひとたまりもないだろう。下手すれば、一撃でやられるかもしれない。

だがここで、とあることに気づく。

 

彼は先程の光線には直撃していない。しかし、ほんの少しだがダメージを受けている。それも、衝撃波によるダメージでは無い。

 

「なるほどな…これなら行けるか」

 

成功すれば大ダメージを狙える作戦を思いつき、散らばった石ころをスリンガーでゴーレムに向かって打つ。ダメージは微々たるもの。しかし、この攻撃はダメージを与えるためではない。

 

ワイヤーアクションで壁に張り付き、壁の出っ張りに捕まりながらスリンガーを使える状態にする。

そしてポーチから爆裂の種という着弾すれば爆発を引き起こすアイテムをスリンガーに装填。

 

そして、()()()()()()()3発打ち出した。

大地は揺れ、轟音が鳴り響く。そして天井から無数の瓦礫がゴーレムに向かって落下してくる。

 

ギミックが無ければ無理やり作ればいい。それに、壁は崩れた時に飛んできた、破片にも攻撃判定は存在した。つまり、この瓦礫にも攻撃判定は存在する。

 

押し潰されるゴーレム。頭上のHPゲージはみるみるうちに減少していき、やがて、何も無くなった。

 

すると瓦礫の隙間から光が漏れ、粒子となって天に昇っていく。崩れ落ちた壁や天井も、ボスが消えたことにより元通りになった。

 

「ふぅ …何とかなったな」

 

壁から降り、表示される経験値やアイテムを見ながら地に座る。

中ボスは1度倒したらしばらく沸かない。その間、この場はモンスターが沸かない安全地帯となる。

 

「あったあった、メタライトインゴット。これが欲しかったんだよな〜」

 

目的のアイテムを獲得したことを確認し、アイテム欄から指定した場所へと転移できる【転移の羽】を取り出し、使用。

 

彼が拠点とする街、【ゲノンレート】へと転移する。

 

 

 

ゲノンレートは商人プレイヤーが多く、プレイヤー同士による取引が盛んな街。そのためか、このEFOの中で最も大きな街として知られている。

 

その街のやや外れにある一軒の家に彰は向かう。一見普通の家に見えるが実はそうでは無い。ここはEFOの中で最も優れた鍛冶師がいる武具店なのだ。

 

しかし、鍛冶師の姿、レベル、ステータスなど、ほとんど知られていない。その上、選ばれた人にしか武器や防具を作らないというちょっと変わった鍛冶師なのだ。

 

選別方法は不明。少なくとも、トッププレイヤーかそうでないかではないことは明らか。

考えれば考える程謎は深まるばかり。

 

唯一分かるのは、その鍛冶師の名前が【レイン】ということだけ。

 

「ちわーす。さっきメールしたアキラっす。武器の更新に来ました〜」

 

中には誰もいない。いや、正確にはNPC1人だけがいるのだが、プレイヤーが存在しない。

 

これがレインという謎の鍛冶師について何も知られてない理由の一つ。その人は人前に決して姿を現さないのだ。

 

「いらっしゃいませ。本日はどうなさいますか?」

 

「えっと、とりあえずこの剣をインゴットに戻してください」

 

「かしこまりました」

 

そう言ってNPCは彰から愛剣を受け取り、奥の部屋へと入っていく。

 

インゴットへ戻すのは比較的早い。適当に店内の商品を眺めているとすぐに戻ってきた。

 

「お待たせ致しました」

 

NPCから渡されたのは先程まで彼の愛剣だった青く輝く塊【スカイブルーインゴット】。

そして早速彼が持つスキル【錬金術】を発動。スカイブルーインゴットをベースとし、手に入れたばかりのメタライトインゴットを合成。

 

成功率は約78%だったが、彼は難なく成功させた。

そしてできたのが青く半透明な【メタルブルーライトインゴット】。

 

「すみません。武器の作成をお願いします」

 

今度はこのインゴットと各種アイテム、通貨を渡し、武器の作成を依頼。

 

彰の強いこだわりは武器の【魂】を次の武器へと受け継がせること。

 

このメタルブルーライトインゴットには、彼がゲーム当初から装備していた初期装備、スモルソードやこれまでの戦闘で獲得した剣の魂が宿っている。

 

素材持って奥へと移動するNPC。しばらくすれば、奥から金属を叩く音が聞こえてくる。

恐らく、レインが武器を作成している最中だろう。

 

本音を言えば見てみたい。しかし、奥の部屋はプライベートゾーンになっている為に指定された人しか入れない。

 

「さてさて、何ができるのやら」

 

戦闘も好きだが、この武器ができる時間を待つのもMMORPGの醍醐味の1つ。

新たな相棒となる武器が今誕生しようとしているのだ。

 

しばらくすると音も聞こえなくなり、NPCが剣と手紙を持って出てくる。

 

青く半透明な刀身のロングソード。素人でも分かる。これは間違いなく業物の片手剣だ。

 

「お待たせ致しました。こちら、ブルースエルフィンです」

 

「ありがとう」

 

愛剣を鞘に入れつつ、店を出ようとする。今日やるべき事はもう終わり。ここでやることなどもうないのだ。

 

「さてと……受験勉強するかな」

 

彰は今年受験を控えてる中学3年生。元々普通の高校に進学する予定だった彼だが、今目標としているのはゲーマーにとって夢のような学園、夢園学園。

 

授業内容こそ変わらないが、この仮想世界に学校とファンタジーのような世界を作り、異世界の学園ライフを満喫できるのだ。

 

ゲームと勉強の両立、ゲーマーだからという理由によるクラス内での孤立を防ぐために作られたゲーマーのための学園。

 

ここから始まるのであった。高宮彰の夢のようなゲーム三昧学園生活が。




活動報告でキャラ募集をしている鮍です。

ぶっちゃけ、ここまでキャラが足らない……というよりキャラを思いつけないとは思いませんでした。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=226824&uid=288841

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