長くなりましたが、いよいよ転生です。
CE78、長い戦争が終わり五年……【メサイア戦役】と呼ばれる最後の戦争の舞台だった場所には丁寧に整えられた小さな広場があり、そこに一握りの剣が突き刺さっていた。
その剣の名は「アロンダイト」……"デスティニー"の唯一残された武装でこの広場のシンボルとして置かれている。
そしてそこには一般よりも豪華な墓が立てられておりこう刻まれている。
【戦争を終わらせた、ザフトの誇り高き英雄。シン・アスカとレイ・ザ・バレル。此処に眠る】
そう、此処はシンとレイの墓。
【メサイア戦役】で帰らぬ人となった二人を忘れぬ為に建てられた墓。
そして今、墓の前に一人の女性が立っていた。
「此処にくるのも久しぶりね……」
赤毛の髪を揺らす彼女は【ルナマリア・ホーク】"ミネルバ"部隊の1人でシンとレイの同期……あれから五年たった今、彼女も立派な女性として成長していた。
「あの戦争が終わって五年……平和は続いているわ。全く、後始末を私達に任せて……正直、立ち直るのに苦労したのよ」
妹のメイリンも"エターナル"の爆発によって死亡した。妹を失い、シンやレイを失ったルナマリアの精神は崩壊しかけたが。
『ルナマリア…………俺とレイが繋げた未来は……お前達が守ってくれ』
それでも、託されたのだ。命をかけて繋げてくれた未来を……たがら折れる訳にはいかなかった。
「だから安心して。アンタ達が守った未来は私達が守り次に託していくから」
そう伝えるとルナマリアは静かにこの場を去っていった。
――意識が甦る。
「……ここは?」
何もない暗闇の中をシンは漂っていた。
ラクス・クラインを倒す為、"デスティニー"の共に自分は死んだはずだ。
「……此処が地獄って場合か?」
死後、罪を犯した魂は地獄と呼ばれる場所に行く。
故郷であるオーブでそんな話を子供の時に聞いたことを思い出した。
随分味気のない場所だと……苦笑しながら目を瞑った――そんな時であった。
『違うよ……シン』
背後から少女の声が響く。
その声はシンにとっては懐かしく、もう聞くことができない初恋の少女のモノ。思わず振り返るとそこにはピンク色の地球軍の軍服を着込んだ金髪の少女。
【ステラ・ルーシェ】がいた。
「スっ、ステラっ!?」
『シン。また、会ったね』
シンの驚きを無視して、マイペースにステラは微笑む。二度と見ることができないと思っていた彼女の笑みが見れて嬉しさが込み上げてくるが…疑問も出てくる。
「それでステラ、此処はいったい?」
『正直、ステラもわかんない!!』
「わかんないのかよ!?」
まさかの回答にシンが思わずツッコミを入れてしまうがエヘヘと笑うステラを見て何も言えなくなってしまった。
『でも、何ができるかはわかる』
「できる?」
『うん………シンは戦い続けてきた。シンのお陰であの世界は平和への道を歩み始めている。 だけどその為にシンは死んだ……あまりにも救われない』
ステラの顔に苦悶の表情が浮かぶ。
「ステラ……」
『だからね。ご褒美があってもいいと思うの』
「ご褒美?」
『うん、ご褒美。幸せになるご褒美』
しかし、シンは悲しい笑みを浮かべ……
「いいんだ、ステラ。俺は多くの人を殺めてきた。それは仕方ないで済ませていいものではないんだ」
例え世界を救う為でも多くの人を殺めた罪は消えない。そう語るシンだが、ステラは首を横にふる。
『シン……これはステラだけじゃない。この世界の意識でもあるの』
「世界の意識?」
ステラが何か壮大な言葉を出した途端、自分の身体が光に包まれていく。
「これは、いったい!?ステラ!」
『此処からシンは別の世界に行く』
「別の世界!?どういう事なんだ!?」
『その世界がどんな世界なのかはわからない。もしかしたら此処より危険な世界かもしれない……だけど、今のシンには力がある。大切な人を守る力が』
その時だ、シンを包み込む光が形を変えていく。
それは大きな人型で頭部には血の涙を流すような紅いラインと紅い翼を持つ……運命の名をもつシンの相棒。
「デスティニー……」
『シン……』
ステラの声が聞こえた直後、意識が遠のく。
『頑張ってね!』
最後に見えたのはステラの微笑みだった。
「よいしょっと!」
深い雪山の奥に立つ小さな一軒家。その近くにある小屋の前に大きな籠を背負った少年がいた。
「炭治郎」
ふと、己の名を言う母の声に振り向けば家から出てきた母が手拭いを持って此方に近付いてくる。
「顔が真っ黒じゃない……こっちにおいで」
少年……炭治郎の背負った籠には一杯の炭が詰まっており、その時に顔が汚れたのだろう。そんな炭治郎の顔を吹きながら母は心配そうに言ってくる。
「雪が降って危ないから今日は行かなくてもいいのよ?」
「正月になったら皆に腹一杯食べさせてやりたいし、少しでも炭を売ってくるよ」
炭治郎の一家は炭焼きを営み、麓の町へと炭を売りに降り生計をたてている。
そう言う炭治郎に母…葵枝は優しい笑みを浮かべ…
「ありがとう」
その時、此方に向かって坊主頭の少年の黒髪の短髪の少女が此方に走ってくる。
「兄ちゃん、今日も町に行くの?」
「私も行く!」
それは炭治の弟達で炭治郎は六人兄弟の長兄なのだ。
「駄目よ。炭治郎みたいに速く歩けないでしょう」
葵枝にそう言われるが三男:茂は反対する。
「母ちゃん!」
「今日は荷車を引いていけないから乗せてもらって休んだりできないのよ」
「む~兄ちゃん!」
母の正論に何も言えず茂は炭治郎に抱きつく。
「ついて行きたい!ちゃんとお手伝いするよ!」
次女:花子もそう言って炭治郎に頼むが……
「今日はお留守番だ」
「えー!?」
「茂も今日はお留守番だ。その代わり美味いもん一杯買ってきてやるから」
「本当!」
「あぁ」
「花子も帰ったら本を読んでやるから」
「うん!」
どうやら二人は納得してくれた様だ。
「良い子だ」
「ありがとうね炭治郎」
「うん、じゃあ行ってくる」
最後に後ろで羨ましそうに此方を見ている次男:竹雄に頼み事をする。
「竹雄、できる限りでいいから木を切っといてくれ」
「そりゃあやるけどさ………一緒にやると思ったのに」
少し不機嫌そうにそっぽ向く竹雄に炭治郎は近付きその頭を撫でる。
「頼んだぞ」
「な、何すんだよ!?」
「あー!竹兄照れてる!!」
「う、うるせぇ!」
そうして家族に見送られながら炭治郎は山を降りる。
「お兄ちゃん」
「禰豆子」
その前に長女:禰豆子と出会う。その背中には四男:六太が静かに眠っている。
「六太を寝かしつけてたんだ。大騒ぎするだろうから……お父さんが死んじゃって寂しいだね」
そう、炭治郎達の父はこの前、他界してしまった。静かに六太を撫でる炭治郎にも寂しさが出ている。
「皆、お兄ちゃんにくっついて行くようになって……」
そう言う禰豆子も寂しそうだったので……
「お前も無理をするなよ」
「………うん。いってらっしゃい!!」
静かに撫でると笑顔になって見送ってくれた。
此処はCEとは別の世界……技術力で言えば宇宙まで発展したCEとは比べる事すら烏滸がましい技術力しかないこの世界。
しかし、もしCEの英雄をよく知る者が炭治郎を見れば驚くだろう。
確かに炭治郎は髪は赤が混ざっており、左額に大きく目立つ赤い痣を持っているが間違いなく美形であり珍しいがそれで驚きはしないだろう。
彼等が驚くのは炭治郎の瞳だ。兄弟達の瞳は赤が混ざったモノだが炭治郎は違う。
その瞳は
END
追句
少し飛ばして過ぎた気がするので変えました。
感想など随時募集しています。
これからによろしくお願いします。
デスティニーの力はどうすればいいか?
-
スタンドの様にオラオラさせる
-
超サイヤ人の様に変身
-
聖闘士星矢見たいにデスティニーを纏う
-
デスティニーの武器を召還して戦う
-
身体能力強化だけでいい