運命の刃   作:DestinyImpulse

6 / 19
アンケートに参加して頂きありがとうございます


一話・運命の目覚め

 

「まぁ、炭治郎ちゃん。こんな日に山を下りて来たのかい?よく働くね、風邪引くよ」

 

「これくらい平気だ。炭はどうだ、足りてるか?」

 

「おーい炭治郎!炭を売ってくれ!」

「こっちもお願い!」

 

「まいど!」

 

 町へと下りて来た炭治郎。この冬の寒さだ、炭は多い方が良いだろう。やっぱり今日来たのは正解だった、自然と炭治郎は笑顔になった。

 

 そうして炭を売って気づけば日が沈む頃だった。遅くなってしまったが炭は全部売れた事に嬉しさを感じながら山を上ろうとすると……

 

「こら、炭治郎。おめぇ山に帰るつもりか危ねぇから止めろ」

 

 そう言って炭治郎を止めたのは町外れに住む三郎爺さんだった。

 

「心配すんな、三郎爺さん。俺は鼻がきく」

「駄目だ。うちに泊めてやる………【鬼】が出るぞ」

 

 

 

 その言葉を聞いた炭治郎は少し硬直する。

 

 【鬼】

 

 亡き、父や祖母から聞いたことがある。日の光を嫌い夜になると動き出す、人喰いの化け物。そんな鬼を退治する【鬼狩り】と呼ばれる存在が居ることを…… 

 

 

 有無を言わせぬ彼の言葉に炭治郎は従おうとしたその時……

 

 

 

 

 

急げ、間に合わなくなるぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

 その時、炭治郎は背筋が凍るかの様な寒さを感じた。心臓が締め付けられる、とても嫌な気持ちになる、自分はこれを知っている……父が亡くなった時……いや、"それ以前"から知っている。

 

 

 これは……自分の大切な人が居なくなってしまう前兆だ。

 

 

「ッ!」

 

 それを感じた炭治郎の行動は早かった。背負っていた籠を投げ捨て全速力で雪山を登り家へと急ぐ。

 

「おい、炭治郎!?」

「わりぃ!そうも言ってらんねぇ!!」

 

 自分を呼び止める三郎爺さんの言葉を無視して全速力でかけ上がる。

 

 

 

(頼む………間に合ってくれ!)

 

 

 

 必死に真夜中の山をかけ上がると我が家が見えてきた、まだ幸せを消し去る"血の臭い"はしない。

 

 

 しかし、夜中に関わらず玄関は開いており、この辺りで見たことのない男が家の前に立っていた。

 

 

(コイツ……人間じゃあない!!)

 

 

 常人を遥かに超えた嗅覚を持つ炭治郎は一瞬で理解した。この男の臭いは人間の臭いじゃあない。

 

 

「何やってんだお前!!」

 

 

 そんな男が家の前に……家族の前に居るのだ。炭治郎はあらん限りの声を捻りだし、男へと怒鳴りつけた。

 

「………………ほう」

 

 男は静かに此方へと振り返り炭治郎を見る。

 

 体が震えた……恐怖が心に染み渡る感覚がする。

 

 しかし、自分には家族が居る。母と禰豆子は気を失っており、六太や茂と花子の泣き声が聞こえ、竹雄は涙を貯めながら此方を見ている。

 

「兄ちゃん!!」

 

「…………ウチに何かご用ですか?」

 

 警戒心を保ちながら少しずつ近づき目的を探る。すると男は丁寧な様子で語りかけてくる。

 

「あぁ、君達にお願いがあって来たんだ」

 

 

 男は炭治郎に手を伸ばし……

 

 

「私の為に死んでくれ」

 

 

 其処から赤黒い棘のようなモノが飛び出し炭治郎を貫こうと伸びていく。

 

 男……鬼舞辻無惨は竈門家の者を全員この手で殺す為にこの雪山にやってきた。女一人に子供が五人、確認して殺そうとした時……もう一人ノコノコ殺されにやって来た事に嬉しさを感じていた。

 

 

 炭治郎がそれを避けるまでは……

 

 

「何!?」

 

 

 無惨は子供とはいえ慢心なく確実に殺せる攻撃を放ったのだ。

 それを避けられた。何故だ、【あの耳飾り】を着けているとはいえ、鬼狩りでもないただの小僧に……

 

 一瞬、思考を巡らせていたが炭治郎が視界に居ないことに気づき視線を横に向けたときには……

 

「家族に近寄るな!!」

 

 炭治郎の拳が無惨の顔面に突き刺さり地面を何回もバウンドしながら吹き飛ばされる。

 

「兄ちゃん!!」

 

 竹雄の叫びに視線を向ける。母と禰豆子は気を失っているだけ、他の三人も何処も異常はない。

 

「竹雄……茂達を連れて山を下りて三郎爺さんの所に行け」

「俺だけじゃあ無理だよ!それに兄ちゃんは!?」

 

 確かに竹雄だけでは気を失った母達を運ぶのは無理だ。

 

「母さん達は後で俺が連れて行く………ぐずぐずするな、行け!!」

 

 初めて聞く何時も優しい兄の怒鳴り声に反射的に竹雄は三人を連れて家を出て走る。

 

 それを横目で見守りながら炭治郎は無惨を睨み付ける。殴られた無惨は起き上がり、顔に触れる。鼻の辺りから液体に触れた感触があり、見ると……

 

「血だと……!」

 

 それは鼻から出た血だった。

 

 あり得ない、鬼して限りなく完璧に近い存在たる自分に傷をつけた、下等な人間がだ……それに先程だってそうだ。思考していたとはいえ見失う筈がない。

 

 

 その時、無惨は気づく。炭治郎の呼吸の仕方が独特だと言う事に……

 

(これは、鬼狩りどもの呼吸!?)

 

 それは【鬼狩り】が生物として格上である鬼と戦うために使用する特殊な技術であり、 呼吸器官や血流器官を活性化させ、瞬間的に身体能力を強化する特殊な呼吸法。

 

 

 

 一方で炭治郎は懐から一つの短刀を取り出す。これは亡き父が自分に与えてくれた物だった。

 

 

 そして脳裏に過る、父の言葉。

 

 

『なぁ、炭治郎』

 

『なに、父さん?』

 

 まだ父である炭十郎が生きていた頃、自分に聞いてきた事がある。

 

『どうしてお前は暇があれば自分を鍛えているんだい?』

 

 そう、炭治郎は暇さえあれば己を鍛え上げていた。そんな我が子に炭十郎が何故そんな事をするのか疑問を持つのは当然だった。

 

『………自分でもよくわからないんだけど……失いたくないから、かな』

 

『失いたくない?』

 

『うん、父さんや母さん。禰豆子達が居る幸せを失いたく………"奪われたく"ないから。俺は備えているのかな……』

 

 そう語る炭治郎は本当に自分でもわからないのだろう……困惑した様子が見れた。

 

 

 しかし、その瞳は迷いのない真っ直ぐなモノだった。

 

『………炭治郎、これを』

 

 それを見て何かを感じた炭十郎は自分の耳につけた耳飾りを炭治郎へと手渡した。

 不思議そうに耳飾りを見つめる炭治郎に炭十郎は語りかける。

 

『竈門家の家督を継ぐ者は先祖から伝わるこの耳飾りと【神楽】を伝えていく役割を担っているんだよ』

 

『神楽って年の始めに父さんが踊るあの神楽舞?』

 

 竈門家は炭焼きの家系だが、年の始めには独自の衣装と神楽舞を「ヒノカミ様」なる神的存在に捧げ、怪我や災いが起こらないよう祈る風変わりな慣習があった。

 

『俺も父さんみたいにずっと踊れるかな?』

 

 

 新年の始まりに、雪の舞い散る山頂において一晩中奉納することで、一年間の無病息災を祈る。

 気の遠くなる苦行に炭治郎は冷や汗を流すが、炭十郎は優しい笑みを浮かべて頭を撫でる。

 

『【呼吸】を極めるんだ。そうすればお前もずっと踊れるさ』

 

 あの時はまだ、呼吸の意味を理解していなかった為、困惑していたが……

 

 

『まだ、早いと思うけどお前に継承しようと思う。だけど心に刻んでくれ、この神楽と耳飾りだけは途切れさせず継承していってくれ……"約束"なんだ』

 

 父の真剣な眼差しとその言葉だけは心に刻んだ。

 

 

 

 

 

 それから父は教えてくれた「ヒノカミ様」に捧げる神楽……生半可で修得できるモノではなく父の様に一晩中踊れはしなかったが、一時間くらいは踊れる様になった。

 

(父さん……力を貸してくれ!)

 

 

 炭治郎は短刀を構え無惨に駆け出す。

 

 一方で無惨はそんな炭治郎をある男と重ねていた。

 

(あの耳飾り…!)

 

 遥か昔、己に敗北と死の恐怖を与えた忌まわしき男。

 惨めだった自分はあの男には勝てないと認めるしかなく必死に逃げた。

 

「ふざけるな!」

 

 その苛立ちを吹き飛ばす様に血の棘を多数放つ。速度も数も先程より段違い……しかし、獣並みの鋭い嗅覚をもう炭治郎は【隙の糸】なる必殺の間合いを感じとり短刀を構え……

 

 

「ヒノカミ神楽……円舞!!」

 

 

 それは本来、祭具を両手で握り、円を描くように振るう舞い。祭具を短刀と持ち換えて振るう事で無惨の放った棘を次々と弾く。

 

「できれば傷つけたくない………だが、アンタが家族を殺すなら。俺はアンタを討つ!!」

 

 

 炭治郎は本来とても心優しく、生真面目で快活。麓の町人たちに慕われていた少年だ。

 しかし、目の前の無惨は家族を殺そうとしている…そんな奴を野放しにはできない。

 まだ、少年の炭治郎……しかし何故か【殺す覚悟】があった。

 

 そのまま炭治郎は飛び上がり短刀を両手で握り威力を高め無惨に叩きつける。

 

(これで!)

 

 終わりだと確信した炭治郎の顔は次の瞬間、驚愕にそまる。振り下ろした短刀は無惨の片腕に受け止められている。よく見れば受け止めた無惨の腕は刃物の様に変化しており切り裂くどころか短刀が欠けてしまいヒビも入ってしまった。

 

「なっ!?」

 

「調子に乗るなよ小僧……私を誰だと思っている!!」

 

 

 無惨に弾き飛ばされた炭治郎は上手く着地したが寒気を感じとりすぐに横に飛ぶ。

 先程まで炭治郎がいた場所には刃状に変わった無惨の腕が鞭のように伸び叩きつけられていた。

 

 そして直ぐ様、攻撃がくる。咄嗟に短刀で防御するが刃は更に欠けて炭治郎も大きく吹き飛ばされ近くの木に叩きつけられてしまった。

 

「私は忙しいんだ手間をとらせるな」

「ぐっ…!」

 

 立ち上がろうとしたがいつの間にか目の前に無惨が立っており炭治郎の腹を踏みつける。

 

「忌々しい見飾りだ。それにさっきの動きも"あの男"を思い出すようで不愉快だ」

 

 そう言って踏みつける力を強める。痛みが強くなる中、炭治郎の脳裏にある光景が過る。

 

 

 何故か見覚えのある服の袖口から、小さな手が覗いているが、"それだけ"だ……【妹】の体に続く筈の腕は途中でたちきられ………妹?

 

 花子は逃げ、禰豆子は気を失っているだけ……妹は無事だ。

 

(なんだ?)

 

 

「しかし、正直ホッとしているよ、君を此処で殺せて」

 

 

 無惨の言葉は聞こえるがそれどころではない。

 

 

 次は今の様に雪が降るなか泉に金髪の少女を埋葬した光景だ。

 

(誰だ……ス、テラ?)

 

 見たことも会った事も無い筈なのにどうして心が痛むのだろう。 

 

 

「君を殺した後は君の家族を一人残らず殺す。怨むなら己の先祖を恨むがいい」

 

 

 無惨は己だけじゃなく家族全員を殺すつもりだ。

 阻止しなくては……守らなければ!

 もう、失う訳には………奪われる訳にはいかない!!

 

 その時、聞こえてきたのはステラの声だった。

 

『その世界がどんな世界なのかはわからない。もしかしたら此処より危険な世界かもしれない……だけど、今のシンには力がある。大切な人を守る力が』

 

 

 そう、自分にはあるはずだ。守れる力が!!

 

 

「そう言う訳で死んでくれ」

 

 そう言って刃状に変えた腕を降るう無惨がスローで見える炭治郎には他のモノが見えた。

 

 

 それは長い金髪の美形の少年……初めて会う筈なのに微塵も初めての気がしない。

 

 彼は………レイは笑って言う。

 

 

 

 

 

 

「飛べ!!シン・アスカ!!!」

 

 

 

 

 

 

 そして血飛沫が飛び雪を染める。

 

 しかしそれは炭治郎の血ではなく無惨の血だ。

 

「馬鹿な……!?」

 

 無惨は地面に落ちた己の片腕を唖然と見つめる。

 

 炭治郎は刺し殺される瞬間、変化していない肩部分を切り片腕を切り飛ばしたのだ。

 

 

 咄嗟に距離を取る無惨。しかし、驚くべきことに次の瞬間、その腕が再生したのだ。

 

 しかし、無惨は余裕を持てず困惑していた。

 

 どういう事だ、楽な作業だった筈だ。ただの一家を殺すだけの……しかし、現実はどうだ。自分の腕はその少年に見事に切り裂かれた。

 

 いや、切り裂かれたことはどうでもいい。どうせ再生するし、たとえ首を切られても死ぬことはない。正に限りなく完璧に近い存在。

 

 

 だからこそわからなかった。

 

 

 何故、そんな自分が"殺される恐怖"を感じているのかが……

 

 

「なんなのだ………なんなのだ貴様は!?」

 

 

 無惨はそんな苛立ちを込めて立ち上がった炭治郎に叫ぶ。

 

 

「先に手を出しといて何騒いでんだ」

 

 

 そう言って炭治郎は……【シンアスカ】は短刀を向ける。ようやく思い出せた。自分は死んだ後、ステラによってこの世界に運ばれ転生した。

 

 そして竈門炭治郎として幸せに暮らしてした。

 

「アンタが何者か知らないけどな……俺の家族を殺そうとして無事で済むと思うなよ」

 

 

 そう言って炭治郎は無惨を睨み付ける。無惨は背筋に氷水を流し込まれたような怖気を感じた。

 

 更に重なる。炭治郎が【あの男】と……

 

 

「貴様は…!……いつまで……死してなお私を追い詰めるのか!!」

 

 

 無惨は恐怖を消し飛ばす様に刃状と貸した両腕を鞭の様に振るう。

 

 一方で炭治郎は焦ることなく胸に片手をおき、問いかける、あの時(フリーダムと戦った時)の様に……

 

 

「なぁ、デスティニー……戦える(飛べる)か?」

 

 

 

 その時、不思議な事が起こった。

 

 炭治郎の両目に血の涙の様な赤い痣が刻まれたのだ。

 

 

 炭治郎にはそれは見えない。

 

 

 だけど……デスティニーは自分と一つになって力を貸してくれている。

 

 そう確信を持てた。

 

 

 

「…………いくぞ!デスティニー!!」

 

 

 

 そして、この世界に転生して初めて炭治郎の頭の中で【紅い種】がはじけ飛んだ。

 

 

「えぇ、いきましょうマスター」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 刃と貸した無惨の腕は鞭の様に伸縮し炭治郎を切り裂いた…………かと思われたがその炭治郎は幻の様に消える。

 そして本当の炭治郎は短刀を構えて此方に向かってきている。

 

「残像だと…!?」

 

 無惨は次々と両腕を振るい炭治郎を切り裂こうとするが当たらない。

 

 

 炭治郎が行ったのは【ヒノカミ神楽・幻日虹(げんにちこう)

 

 

 高速の捻りと回転による舞いで戦闘に用いれば、回避行動に特化した足運びとなる。速度だけでなく残像によるかく乱効果があり【SEED】を発動させた炭治郎が使えばその動きがあまりに無駄なく、最小限である為に攻撃が当たっているように見えるのだが、悉く炭治郎を突き抜けてしまっている。

 

 

 そうして迫りくる炭治郎に恐怖を感じながら無惨は我武者羅に両腕を振る。

 

 しかし、炭治郎には当たらない。【シンアスカ】として覚醒した事によって前世の戦闘経験もフルに使い悉くを避けていく。

 

 確かに無惨の攻撃は速い。しかし、(ビーム)の飛び交うCE(コズミックイラ)で戦ってきたシンアスカ(炭治郎)にとっては避けるのは苦痛ではない。

 

 

「―ッッッ!!!」

 

 

 恐怖を感じながら、炭治郎を睨みつけるが光のない真紅の瞳に睨み返される。

 

 その姿が完全に重なる【あの男】と!

 

 

「鳴女!!」

 

 

 声を振り絞り、命令する。

 

 すると…べん、とどこかで琵琶がなり、後方に襖が出現した。

 

 屈辱だ。完璧に近い自分が子供相手に撤退………いや違う!これは撤退ではない。自分は臆していない!!

 

 

 この屈辱は…いずれ殺す事で晴らしてやる。

 

 

 しかし、そんな無惨をあざ笑うかのように、炭治郎が無惨の懐に踏み込んだ。

 

 

「逃がすかよ!」

 

 

 短刀を両手で構え自分の首に狙いをつけている。

 

 

(くるな!くるなくるな…………縁壱!!)

 

 

 無惨の脳内に警鐘がけたたましく鳴り響く。しかし、そんな無惨など知るかと言わんばかりに炭治郎は短刀を振るう。

 

 

 

「ヒノカミ神楽!!」

 

 

 

 炭治郎の気迫からか、ヒノカミ神楽を高めたから、もしくはその両方か……炭治郎の握る短刀から燃え盛る炎が溢れ出す。

 

 所詮それは幻……本当に燃えた訳ではない。

 

 しかし、幻と言えどその炎は雄々しく美しく燃え盛っていた。

 

 

 

 

 

碧羅の天(へきらのてん)!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは、上から下へと放つ回転斬り。幻の炎は日輪を描き短刀は無惨の首をとらえ食い込む。

 

 驚愕と恐怖に染まった無惨を睨み付け短刀を握る両手に最大限の力を籠める。

 

 

「(俺は今度こそ……家族を守ってみせる!!)うおおおおおおおおおォォォオ!!!!」

 

 

 雄叫びと共に無惨の首が切り飛ばされる。それと共に短刀が折れるが……それでも折れた短刀を突き刺そうとするが……

 

 首から上がなくなった体が切り飛ばされた頭部を掴み後ろの襖に飛び込んだ。

 

(頭を切り飛ばしても生きてるのか!?)

 

 余りにも現実場馴れした光景に流石の炭治郎も数秒硬直してしまい襖は消えてしまった。

 

 

「逃がしたか……」

 

 

 炭治郎は襖があった場所を見つめたがヒノカミ神楽の疲労で背中越しに倒れこむ。そして、夜が開け日の光が差し込む空に折れた短刀を掲げる。

 

 

 

「父さん……俺は守れたかな?」

 

 

 届く筈の無い言葉かもしれない。

 

 

 しかし……

 

 

 

 

「あぁ、よく頑張ったな…炭治郎」

 

 

 

 

 優しい父の声が聞こえた。

 

 

END

 





 炭治郎(シン・アスカ)

 このssの主人公。シンアスカがステラやCEの意識により別世界に転生した。

 今まで目覚める事はなかったが無惨襲撃によりシンアスカとしての記憶が覚醒する。

 シンアスカのステータスが汎用され緑壱ほどではないが原作より高いステータスで産まれた。

 前世で多くの者を失ったのが大きく魂に刻まれたせいか暇さえあれば体を鍛え備えていた。

 それに何かを感じた炭十郎が早い段階で耳障りとヒノカミ神楽を継承し……完全では無いにしろ使いこなす事ができた。

 強さは行冥と互角からそれ以上。


 愛機であるデスティニーは炭治郎と一つになっておりデスティニーの力を使うときには両目に血の涙の様な赤い痣が現れる。

 前世と同じように【SEED】も使える。




 次回予告

 無惨を退けた炭治郎。しかし、その後に現れた若者の言葉が炭治郎を更なる運命へと誘う。失ったモノ……しかしそれはまだ取り戻せるモノ

 次回・運命の刃
【取り戻す為に】

 新たな運命に抗え炭治郎!!

デスティニーの力はどうすればいいか?

  • スタンドの様にオラオラさせる
  • 超サイヤ人の様に変身
  • 聖闘士星矢見たいにデスティニーを纏う
  • デスティニーの武器を召還して戦う
  • 身体能力強化だけでいい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。