ガラル地方の病恋事情   作:ジュピター

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はい、今回はやぁぁっとサイトウちゃんの話となります。

タイトル詐欺もいい加減終わりにします(トレーナーsideを書かないとは言ってない)


爆ぜた寂しさ

サイトウ side

 

…………1ヶ月、1ヶ月だ。

 

私はもう……お兄さんと1ヶ月も会ってない。

 

私から会いに行こうとしても、見えない力が阻んでいるかのようにお兄さんと出会えない。

 

………お兄さんも、なんで私に会ってくれないんですか?

 

なんでほかの女の子と一緒に居るんですか?

 

………もう、私といるのは飽きたんですか?

 

お兄さん………寂しいです………。

 

……………好キナノニ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナナシ side

 

「ナナシさん!いい加減リーダーと会ってくださいよォッ!」

 

「リーダーを慰められるのはあんただけなんですよッ!」

 

「…………」

 

何時もの育て屋でブリーダーの仕事をしていると、サイトウちゃんとこの男ジムトレーナー二人が俺に鬼気迫る表情で迫っていた。

 

しかも包帯があちこちに巻かれてちょっと痛々しい、まさかサイトウちゃんがやったの……?

 

「えっとごめん………大丈夫?」

 

「大丈夫な訳ないでしょ!?あんたが来なくなってからリーダーは機械のようにサンドバッグを破れる程の力で殴り続けるし!それが無くなったら手近にいるジムトレーナー達がボコボコにされるんですよッ!」

 

「しかも何故か俺達ばっか!他の奴らもわざと俺達に誘導するからこの有様なんですよォ!」

 

「そ、そうなんだ……」

 

まさかそこまで荒れているとは思わなかった……仕方なかったこととは言え、この2人には申し訳ないことをした。

 

「ていうか……ナナシさん結構な頻度でリーダーと会ってたのに、なんでいきなり来なくなったんですか?」

 

「いやぁそれがね、俺じゃどうしようも無いことのせいで会えなかったんだよ……」

 

「ナナシさんでもどうしようも無いこと?なんすかそれ」

 

「強いて言うなら、アイツが悪い……とだけ言っておく」

 

「「???」」

 

「まぁ深く考えないで、こっちにも事情があるからさ」

 

とりあえず、今回は会えそうだし……仕事を一通り纏めたら行くとしよう。

 

「今日会いに行くよ、ちょっと待ってて」

 

………作り置きしてたケーキも持っていこうかな。

 

 

 

 

数時間後……

 

 

 

「………さてと」

 

ラテラルタウンのジムスタジアム中に入り、スタジアムの通路の入り口に立ち止まる。

 

訳あって1ヶ月も放置してしまったが、大事な妹分をこれ以上暴走させるわけにも行かない。

 

「んじゃ、あとはよろしくお願いしますナナシさん」

 

「うん、とりあえずケーキでもゆっくり食べてて」

 

俺の所に来た2人組も俺を信じるように見送る、一度深呼吸をしてスタジアムへ歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイトウ side

 

────────ドスッ ドスッ ドスッ

 

広いスタジアムの中心で、1人でサンドバッグを殴り続ける。

 

何度も、何度も、何度も、何度も。

 

紛らわすように、ただひたすら殴る。

 

「……………………(お兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さんお兄さん…………)」

 

心の中で連呼する、会えない寂しさのせいで拳に力が篭る。

 

探したのに、電話も掛けたのに。

 

なんで、なんでなの。

 

「………なんで」

 

────────ドスッ

 

今まで以上の力が入り、拳がサンドバッグを貫いてしまった。

 

引き抜き中身が地面に落ちてゆく様をぼーっと見つめる、これも何回目だろうか。

 

「…………はぁ」

 

………虚しい、ただ会えないだけでこんなにも心に穴が空くなんて。

 

あの日、お兄さんと出会って……初めて心から誰かに憧れを持ち、いつの間にか恋へと変わった。

 

それからというものお兄さんの事を考えない日は無く、会いたい時は直ぐに会って、私の心を満たしていた。

 

ストイックだった私は、あの人のおかげで少しは感情的になれた。

 

………だからこそ、この一ヶ月で私はまた以前のような状態になってしまった。

 

…………あぁ

 

「………お兄さん…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………えっと、サイトウちゃん?」

 

1人だった筈のスタジアムに声が響く。

 

 

 

 

 

 

 

「──────え?」

 

聞き覚えのある声……いや、よく知ってる声だった。

 

ゆっくりと振り向き、声がした方向を見る。

 

…………そこには、申し訳なさそうなお兄さんが立っていた。

 

「あー、サイトウちゃん……久しぶり、元気だった?」

 

「……お兄、さん?」

 

「うんそうだよ、ごめんね、色々あって会えなかったんだ」

 

苦笑いを浮かべながら私の元に歩いてくる、私は震えてそのまま立ち尽くしていた。

 

「……あ、そうだ。ケーキあるんだけどさ、よかったら食べない?」

 

お兄さんは思い出したように箱を差し出しだす。

 

………やっと、やっと………でも………

 

「……なんで、なんで会いに来てくれなかったんですか?」

 

「……サイトウちゃん」

 

「1ヶ月ですよ?寂しかったんですよ?連絡も来なくて、こっちから会いに行こうとしても見つからないし!ずっとずっと待ってたんですよ!?なんでっ!!なんで………ずっと………会いたかったのに……」

 

「………ごめんね」

 

近づいてきて頭を撫でられる………あぁ。

 

「………お久しぶりです、お兄さん」

 

「……うん」

 

そのまま抱きつく、あぁお兄さんの匂いだ…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、他の女の匂いもする。

 

…………まさか。

 

 

 

 

「お兄さん」

 

「ん?」

 

「1ヶ月の間、どれだけ女の人と関わったんですか?」

 

「……え、なんの話?」

 

「言ってくださいよ、早く」

 

無意識のうちに抱き締める力を強める。

 

「………えっと、ソニアと、ユイと、ルリナ………あ、前ポプラさんの所にクッキー持っていったっけ?後マリィさんとユウリさんも………」

 

「……………………」

 

「……あの、サイトウちゃん……痛いんだけど………」

 

「お兄さん」

 

「は、はい?」

 

「私というものがありながら他の女性と逢引してたんですか?」

 

「逢引!?なんでそうなるの!?」

 

「そもそもおかしいんですよ、あんなにも連絡したり探したりしたのに姿すら見つけられなくて、お兄さんが隠れて逢引した以外考えられないんですよ」

 

「待って?とりあえず待って?まず俺にそういう人は居ないよ?」

 

「じゃあ、理由が他にあるんですか?」

 

「………えっと、その」

 

「……………」

 

「…………大人の事情」

 

 

 

大人の事情…………つまり二人きりで…………お兄さんが別の女性と(自主規制)をしたという…………。

 

 

 

 

「お兄さん」

 

「……はい」

 

「私にもしてください」

 

「え、何を?」

 

「(自主規制)です」

 

「はっ!?」

 

「今二人きりだし、誰も入ってきませんよ……さぁ早く、逃がしませんよ……」

 

「待て待て待て待て!色々言いたいけど、色々間違ってるからー!!」

 

お兄さん………絶対に許しませんよ、私以外の女性と居るなんて………貴方の隣にいるのは、私だけで良いんですから……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナナシ side

 

「はぁ…………」

 

サイトウちゃんとの再会から1時間弱、突然生まれた誤解を解き……何時もの場所で一緒にケーキを食べていた。

 

「…美味しいです、お兄さんが作ったケーキ」

 

「そう、ありがとうね」

 

サイトウちゃんも落ち着きを取り戻し、ここ一週間は彼女と離れられなくなるという話になってしまったが……まぁ、これくらいは良いか。

 

彼女は大事な妹分だ、お兄さんと言われて慕われている以上やることやっとかなきゃな。

 

まぁ、向こうはそれ以上を望んでいるわけだけどさ………。

 

「(………シンバ君の事、笑えなくなるな)」

 

苦笑いを浮かべながらそんなことを考える。

 

…………彼も今頃、彼女らに振り回されてるのかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンバー♪一緒にデートしようよー!」

 

「あんた昨日も誘ってたやん!今日は私がするんや!」

 

「嫌だねー、って………何処に行くの?」

 

「(ビクッ)……い、いや……流石に今日は1人にさせてくんないか?連日お前らに付き合わされたら身体が壊れる」

 

「……それならしゃあないか、じゃあ私が……その、膝枕してあげてもええよ?」

 

「あの、話聞いてました?」

 

「じゃあ私は添い寝してあげる!」

 

「とりあえず俺の話を聞け!今日ぐらい1人にさせろよ!」

 

「「だって目を離してたらまた他の子が擦りついてくるじゃん!(やんか!)」」

 

「えぇ………」

 

「さぁ選んでよ!私かマリィか!」

 

「どっちがええの!?」

 

「(……ホップ、ビート、ナナシさん……助けてくれ………)」




今回はギャグになってしまったが、問題なし(白目)

オニオンちゃんはあり?

  • あり
  • なし
  • 君、ダルォ!?

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