真・鬼の混血が行く鬼滅の刃(休止中   作:凍鳥

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どうも、凍鳥です。
誤字脱字等あれば報告お願いいたします。




「…」

 

誰かに肩を揺らされている。

姉さんかな。

もうちょっとだけ、そう答え手を振り払って布団にくるまる。

 

「わかった、ちょっとだけな」

 

姉さんの声じゃない気がしたけど意識することなく浅い眠りにつく。

 

 

 

 

「そろそろ、起きてもらおうか」

 

その声で起こされる。

いつもなら眠くないけど今日は異様に眠い。

 

「もうちょっと」

 

「わかった。ってだめだ」

 

あれおかしい、この声は…

 

「二回目はだめだ。仕方ないなぁ」

 

カナタだ。

驚いて目を開ける。

カナタに持ち上げられていた。

 

「あ、起きたのか。まぁいいや」

 

「よくないわよ!」

 

反射的にそう言ってしまった。

 

「え!?」

 

「服着替えるくらいはしたいんだけど!?」

 

「あ、なるほど。じゃあ俺は先に行ってる」

 

私を下ろして、納得した様子で部屋から出て行った。

 

「…、何だったのあいつ」

 

そう呟く。

姉さんに頼まれて私を起こしに来たのか。

ほんとに何だったんだ。

さっさと服を着替えて髪をくくる。

そそくさと部屋を出て姉さんたちがいるであろう居間へと足を進める。

襖を開けて中に入るとそこでは

 

「秀さん、痛いですって!」

 

「うん、知ってるー」

 

「えぇ!?やめてください!」

 

秀さんがカナタに全身間接締め技をきめていた。

そしてそれを笑顔で見守る姉さん。

 

「この手首ひねったらどうなると思う?」

 

「かっ、関節が全部外れると思いますっ」

 

「ご名答、じゃあひねってみようか」

 

「やめてください!いくら治るといっても痛いですからっ!」

 

「うーん、わかったやめておくよ~」

 

「よかった…。あ、しのぶ来たか」

 

「うん、どういう状況!?」

 

「いやちょっと色々あって」

 

「色々あって締め技するって…秀さん…」

 

「あはは~」

 

笑い事じゃないと思う。

私は姉さんの方へ行く。

 

「しのぶ、おはよう」

 

「おはよう」

 

姉さんの横に座り戯れている秀さんとカナタを見る。

 

「ねぇ、しのぶ氷雪さんのこと覚えてる?」

 

「うん、覚えてるよ」

 

氷雪さん、その人は私たちが鬼に襲われていた時に悲鳴嶼さんと助けてくれた元柱、そして現育手。

 

「氷雪さんが昨日来ててカナタ君を預かりたいって言ってたのよ」

 

「え、そうなの?混血のことを知った上で?」

 

「うん、私はいいと思うのだけれどカナタ君がどうなのかなのよね…」

 

「今聞きなよ姉さん」

 

「そうね、そうする」

 

姉さんが立ち上がって、姿が消えたと思うとカナタから秀さんを引きはがしていた。

やっぱり速い。私も全集中の呼吸を使えるようになればああなれるだろうか。

姉さんはやり方を教えてくれるが教えたが下手すぎて全然できない。

自分なりに解釈してみているがよくわからない。

氷雪さんが来た時にこっそり聞いておこう。

そんなことを考えているとカナタとの話が終わったようで戻ってきた。

 

「どうだった?」

 

「もちろん行きます!って言ってた」

 

カナタの方を見ると秀さんと喜んでいる。

まるで秀さんは子供みたいだ。

 

「鎹鴉。氷雪さんのところにカナタ君行かせますって伝えてくれる?」

 

「ワカッタ、カァ、カァ」

 

姉さんが鎹鴉にそう呼びかけると飛んで行った。

 

「しのぶ、今日は任務がないから遊びに行こう?」

 

「いいけど、どこに行くの?」

 

「…、浅草あたり?」

 

「じゃあ、早く支度して行こう、姉さん」

 

「そうね、カナタ君秀君出かけるけど一緒に来る?」

 

「俺はいきたいです。カナタ君も来る~?」

 

「えっ、いいんですか。じゃあ、行きたいです」

 

カナタは目をキラキラさせてそう言った。

 

「カナタ君はそうね…その服で行くわけにもいかないから秀君貸してあげれる?」

 

「わかった~。じゃあカナタ君、着替えに行くぞ」

 

「あ、はいっ」

 

カナタ達が出ていき私と姉さんも動き始める。

そういえば朝ごはん食べてない。

あっちで何か食べればいいや。

私は別に着替えなくてもいいので一人居間で座っている。

これと言ってやることもないのでぼーっと外を見つめていると、

 

「しのぶ、お前何も食べてないだろ。ほら」

 

目の前におにぎりを持った手が入ってきて驚いて少し仰け反る。

手の差し出された方を見るとカナタがいた。

カナタはもう着替えてきたようだ。

病人の服ではなくて黒の着物に白の花と蝶が刺繡されている。

雰囲気ががらりと変わって少し大人びていた。

そんなカナタをに見惚れているとカナタが不思議そうに首を傾けた。

 

「ん、俺の顔に何かついてるのか?」

 

「い、いや、何でもない。…ありがとう」

 

カナタの手からおにぎりをとって少し食べる。

塩加減もちょうどよくて食べやすい。誰が作ってくれたんだろうか。

 

「カナタ、このおにぎり誰が作ったの?」

 

「それは俺が作った。カナエさんに残ってたご飯貰って握った」

 

「…料理うまいのね」

 

「まあな、母さんがいないときとか俺が全部作ってたから自然にね」

 

「そう…」

 

私は黙っておにぎりを食べきり、黙ってカナタと共に姉さんと秀さんを待つ。

喋ることなくただ静かだった。

その静けさを破ったのは、

 

「じゃじゃーん!どうかしら?」

 

飛び出してきた姉さんだった。

姉さんは薄い桃色の着物の上にいつもの蝶の羽織を着ている。

 

「姉さんは何を着ても似合うね」

 

「そう?ありがとうしのぶ!カナタ君は?」

 

「すごい似合ってると思います。こんなに似合ってる人を見るのは初めてです」

 

「そんなに言われると照れるじゃない!」

 

「いっ」

 

姉さんが照れ隠しか何かでカナタをバシバシ叩く。

痛そう、止めるのも何か今日は面倒くさかったので二人を見守っていると、

 

「呼ばれてないけど参上~」

 

姉さんが出てきた襖から秀さんが飛び出してきた。

秀さんはいつもの黒子のような衣装ではなく、深い藍色の着物を着ていていつもの子供のような雰囲気ではなかった。

服を変えるだけでこんなにも人は変わるのか。

 

「さ、行きましょうか」

 

「はーい」

 

「カナタ、ちゃんとついてきてね」

 

「うん、わかった」

 

縁側から出ていく姉さんを追いかけて私も出ていく。

そして道を走り抜けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さすが姉さんと秀さんだ。

ギリギリ追いつけている状態だ。

秀さんは隠だが異常に身体能力が高いのだ。

全集中の呼吸も使っていないのに姉さんに遅れを取っていない。

見失うかもしれない、その焦りから呼吸が乱れる。

肩に手が置かれる。

 

「呼吸が乱れてる、深呼吸」

 

深呼吸を行い息を整える。

 

「ちょっと離れすぎたかもしれない、少しの間我慢してて」

 

「えっ、ちょ」

  

私を軽々持ち上げると点となって私の視界に見える姉さんと秀さんの方に向かってカナタは走り始める。

 

「しっかりつかまって」

 

「え、うん」

 

カナタの袖をしっかりと持つ。    

視界が傾いたと思うとカナタは木を足場にして空を舞っていた。

 

「わっ、きゃあぁぁ!」

 

「うわっ!っと、びっくりするから叫ばないでくれよ」

 

「飛ぶならそう言ってよ!」

 

「うん、それはごめん。じゃあ、もうちょっと飛ばすから」

 

「わかった」

 

さらにスピードが上がって風が吹き付けてくる。

でもその風の大半はカナタが私をかばうように受けているので私に風はあまり来ない。

後でお礼言っておこうなんて思っているとカナタが止まり足から降ろされる。

ついたようだ。カナタの方にお礼を言おうとした時に私は気づいた。

姉さんと秀さんがニコニコ見守っていることに。

それにカナタも気づいたようで頭を抱えている。

 

「カナタ、無視していこう」

 

「う、うん。そうしよう」

 

カナタが何かを振り切ったように笑顔になっていた。

気にしたら負けだそう思いながら姉さんたちの方に駆け足で行った。

 

「じゃあ、いきましょうか」

 

「ほーい」

 

暢気に歩いていく二人追いかけて私たちも歩み始める。

やっぱり人が多くてここら辺は苦手だ。

そう思いながら歩いていると、袖が掴まれた。

 

「しのぶ、俺はぐれるの嫌だから掴んどいていい?」

 

「え…、ふふふっ…いいよでも袖じゃあ頼りないから手にしよう」

 

「うん」

 

さっきまでのカッコよさはどこへ行ったのだろうか。

手をしっかり握って姉さんたちを追いかけて早足で進む。

 

「絶対離さないでくれよ」

 

「わかってる。離さないから」

 

さっきより一層強く握りしめ進んでいく。

そして大きい道に出た、と思ったら全く違う路地裏だった。

私は悪寒がして戻ろうとしたが。

時すでに遅し。

 

「お、嬢ちゃんこんなところでなにしてるんだ?家出か?なら俺と一緒に遊ぼうぜ」

 

目の前の暗闇から男が現れ私の方へ歩み寄ってくる。

声を出そうとしても怖くて声が思うように出ない。

そして男の手が私のほうへ伸びて私に触れる、ことはなかった。

 

「触れようとするな屑が」

 

カナタが私の前に出て手を払いのけていた。

 

「なんだぁ?餓鬼は引っ込んでろ」

 

「お前が引っ込んでろ」

 

カナタがそう言った瞬間男が宙を舞った。

 

「なっ!?」

 

カナタが飛び宙を舞っている男に蹴りを入れる。

男を路地裏の奥の方へと飛ばされて見えなくなった。

 

「やっちゃた、反射的に手が出てしまった。男がまた来るかもしれないから急いでここを離れよう」

 

「え、あ、うん!」

 

カナタに手を引かれその場から離れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ…。ここまでくれば大丈夫かな」

 

「そ、そうね…。ここら辺で一休みしよう」

 

もう日が暮れてあたりは街頭に照らされている。

大通りを抜け人通りが少ない道をふらふらと二人で歩いているとうどん屋を見つけた。

すこし休もうとうどん屋の店主に声を掛けようとしたときに、後ろから肩を叩かれた。

前にカナタがいるからカナタじゃない。

誰だ。

恐る恐る後ろを振り返るとそこには鬼がいた。

 

「なっ」

 

「どうした!?」

 

「おい待て、俺はお前らに危害を加えるようなことはしない」

 

私は体を強張らせる。

 

「俺はあの方に言われてお前らを迎えに来たんだ」

 

「あのお方って誰だ?」

 

「いいから来い。とにかくお前らの味方だからな」

 

「はぁ…」

 

カナタが困惑しているが手を引くと黙ってついてきてくれたのでそのまま鬼の男の子についていく。

5分ほど歩いただろうか、いきなり目の前に大きな屋敷が出てきて変な声が出てきそうになった。

 

「こっちだ」

 

男の子に導かれて屋敷に入り中を進んでいくと話声が聞こえた。

その声はとても聞き覚えがあって嫌な予感がした。

 

「珠代様、連れてきました」

 

襖を開け中に入ってみるとそこでは、姉さんと秀さんと女の人が楽しそうに談笑していた。

女の人からは鬼の気配がする。

 

「ありがとう兪史郎。あなたがカナタさんとしのぶさんですね」

 

こちらを視認した鬼の女の人は私たちのことを知っているようだ

 

「そうですけど。何か俺たちに御用ですか?」

 

「はい、あなたたちに鬼舞辻無惨を倒すのを手伝ってほしいのです」

 

あれ、鬼には鬼舞辻の呪いがあるはず。

確か鬼舞辻の名前を言うとその鬼は死ぬんじゃ。

 

「き、きぶつじむざん?」

 

カナタがその言葉を放った瞬間女の人と姉さん秀さんの顔から血の気が引いていくのが分かった。

しかしどれだけ経ってもカナタは倒れなかった。

 

「もしかしてカナタさん。あなたは呪いにかかっていない?」

 

「ちょ、ちょっと待ってください。鬼舞辻って誰ですか」

 

「はい?」

 

女の人が口を開けたまま固まった。

姉さんと秀さんも同様に固まっている。

 

「え、しのぶ鬼舞辻って誰なの?」

 

「鬼の始祖って呼ばれている鬼。その鬼は血を与えることで与えられた人を鬼にできるの。つまりは元凶ね」

 

「ふーん、でさ呪いは?」

 

「鬼は鬼舞辻の名前を言葉にすると死ぬの」

 

「そうなんだ。ってえぇ!?俺、二回も言葉にしてるんだけど!?」

 

「か、カナタさん落ち着いてください」

 

「は、はい…」

 

女の人がそう言うとカナタが落ち着き私の横で正座する。

 

「普通の鬼ならとっくに死んでいるのですがあなたは死んでいない。つまり呪いにかかっていないんです」

 

「そうなんですね…。それは置いておいて、何を手伝えばいいんですか?」

 

「カナエさんたちにはもうお伝えしたのですが、鬼舞辻の血が濃い鬼…、つまりは十二鬼月の鬼の血をとってきてほしいんです」

 

カナタがまた質問しようとしたので袖を引っ張り耳打ちする。

 

十二鬼月っていうのは鬼の課でも強い奴らのことを指すの

 

なるほど、ありがと

 

私に聞こえる声でお礼を言うとカナタはニッと笑うと、

 

「いいですよ。でも多分俺としのぶには別に頼まれることがありそうですね」

 

そう言った。

別に頼まれること?なんだそれは。

 

「よくわかりましたね。カナタさんに頼むのは血を定期的に検査さしてほしいということです」

 

「そんなことなら全然いいですよ。えっと…」

 

「自己紹介が遅れてしまいましたね。私は珠代、鬼でもあり医者でもあります」

 

「珠代さん、しのぶには何を頼むんですか?」

 

「頼むというわけではないんですが。しのぶさんは藤の毒を調合しているんですよね」

 

「え、はい。そうですけど」

 

「その調合を手伝おうかなと思いまして、いいですか?」

 

「…。もちろんです!」

 

少し食い気味だったかもしれないと思い顔が赤くなる。

珠代さんはそれを気にせずにこちらに向かってほほ笑むと、

 

「では茶々丸をあなた方に連れて行かせますね」

 

にゃあ、という鳴き声が聞こえたと思うと私の横に猫が現れた。

身体が反射的に動きカナタの後ろに行って隠れる。

 

「どうしたんだ。もしかして猫、無理なのか」

 

「うん…」

 

「今のうちに慣れといたほうがいいよ。鬼の血を採ったときは茶々丸に預けないといけないんだから。ほら」

 

「え、ちょ。だめだって」

 

カナタが猫を抱き上げて私の方に近づけてくる。

 

「大丈夫だって」

 

「う~」

 

渋々猫を受け取る。

撫でてみたりする。

全然噛みついてきたりしない。

 

「案外大丈夫かも…」

 

「よかったです。これで無理ならしのぶさんはこちらと一緒に行動することになったでしょうから」

 

「よかった、しのぶが猫大丈夫になって。しのぶと離れ離れなんて姉さん嫌だからね!」

 

姉さんが抱き着いてくる。

 

「わかった、わかったから。離れて姉さん!」

 

「いーや」

 

「はいはい屋敷に帰ってからしてくださいね」

 

カナタが止めに入り、姉さんが離れる。

 

「はーい…」

 

かなり悲しそうな顔をしている。

屋敷に帰ったらかまってあげようかな。

 

「じゃあ、帰りましょうか」

 

「愈史郎帰りもお願いしていい?」

 

「珠代様の願いなら喜んでします!じゃあおまえら行くぞ」

 

なんなんだこの愈史郎という男は。

私たちへの扱いがとてもひどいのに対して珠代さんへの扱いの差がすごい。

まぁ会うことはあまりなさそうだからいいのだが。

茶々丸は私を気に入ったようで私の横をぴったりとついてきている。

愈史郎の後ろを追いかけていると外に出ていた。

外に出た瞬間茶々丸がにゃあと鳴き姿を消した。

珠代さんの術なのか愈史郎の術なのかどちらなのだろうか。

多分だけど愈史郎の術だろう。

 

「ここまでだ。俺は珠代様のところに戻るから」

 

そういうと風のように消えていった。

 

「なんだったのよあれは…」

 

「珠代さんのことが好きだからじゃないかな」

 

「それはあるかもね」

 

カナタとそんなことを言っていると姉さんと秀さんが目の前に現れて、

 

「帰りましょうか、あんまり楽しめなかったけど」

 

「仕方ないよ、またくればいいからね~」

 

そう言って姉さんは私の手を引き、秀さんはカナタの手を引いた。

 

「ちょっと急いで帰るからしっかり握っててね」

 

「わかったわ」

 

姉さんにそう言われて手をしっかり握る。

姉さんに手を引かれ私たちは屋敷へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無我夢中に走っているといつの間にか屋敷の前についていた。

 

「ついた…」

 

「疲れたねー」

 

そう言ってけらけら笑う秀さんは全く疲れていない様子だ。

カナタもなぜかケロッとしている。

鬼だからなのかただただ体力馬鹿なのかわからない。

姉さんも全然息切れしていない。

このなかで疲れてるのって私だけなのか。

ほんとに全集中の呼吸を覚えないといけない。

氷雪さんはいつ来るんだろうか早く来てほしいな、そう思っていると

 

「しのぶの嬢ちゃん呼んだかい?なんてね」

 

声のした方へ目を向けるとそこには私たちの命の恩人、氷雪さんが立っていた。

 

「久しぶり、しのぶ。二、三年ぶりってところかな」

 

「お久しぶりです、氷雪さん。そうだ、あとで全集中の呼吸教えてくれますか

 

…あぁ、なるほど。わかった後でね

 

何かを納得したようで承諾してくれた。

 

「氷雪さん一日ぶりですね!今日はカナタ君を預かりに?」

 

「うん、まぁそんなところかな」

 

「カナタ君、この人が朝言ってたあなたの師匠になる方です!」

 

「え、えぇ!?もう来たんですね!どうも、胡蝶カナタです!よろしくお願いします!」

 

「うん、よろしくね。カナエ、今日の夜にはカナタを預かって帰るよ」

 

「わかりました、しのぶ今日は腕によりをかけて作るわよ!」

 

「あ、うん!」

 

「カナエさん、俺も手伝います!腕には自信があるので!」

 

「あ、じゃあ俺も~」

 

「おれ、もかしてみんな手伝う感じか。じゃあ俺もお手伝いするよ」

 

「いえ、氷雪さんは休んでいてください」

 

「えぇ…」

 

「拒否権は無しです」

 

「嘘だ…」

 

姉さんが強制的に氷雪さんを休ませることにした。

こうゆうときの姉さんには逆らわない方がいい。

痛い目に合うから。秀さんがその実体験者だ。

氷雪さんもそこらへんはわかっているようで黙って休んでいる。

姉さんが頑張ると意気込んでいるので私も頑張らなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食べ終わって後片づけが終わったところで氷雪さんが私に向かって、

 

「積もる話が結構あるんだけどその前に、全集中の呼吸だね」

 

そう言った。

姉さんのように下手じゃないと思うのですぐに習得できそうだ。

今日までずっと肺を鍛えてきたんだから。

 

「簡単に説明するとね、一回の呼吸で大量の酸素を取り込んでその酸素を体全体にいきわたらせるんだ。そしたら体中の血の巡りと心臓の鼓動が速くなるんだ」

 

「なるほど…」

 

「一回やってみな」

 

「はい」

 

大きく息を吸う、ヒュウゥゥゥという呼吸音が響き渡る。

大量に取り込んだ酸素を体全体にいきわたらせる。

すると、身体が熱くなって心臓の鼓動が速くなる。

 

「はっ、はっ…。できた…!」

 

「おぉ!よくできた!」

 

そう言って頭をガシガシ撫でてくる。

 

「全集中の呼吸…」

 

「お、カナタもやるか。ここで習得できたら修業が進みやすいんだが。できなくても大丈夫だ」

 

ヒュウゥゥゥ

 

鋭い呼吸音が響き渡る。

 

「…できたかもしれない」

 

「今のは完璧にできていたよ。もしかしてカナタ肺を今まで鍛えてきたか?」

 

「はい、毎日家の周りの森を走っていました」

 

「へぇ、それは何歳ぐらいから?」

 

「えーっと、今が十一だから…。五、六歳のころからですかね」

 

「「嘘だ(よ)」

 

氷雪さんと声が重なった。

カナタに軽々追いつかれたのは悔しいけど五、六歳から森を走る奴なんていない。

 

「嘘じゃないですって!確かに証拠はないですけど!」

 

「まぁ、信じよう」

 

「氷雪さんがそう言うなら…」

 

信じがたい話だが、カナタは混血なのだからそれくらいはできるだろうと私はそう自分に思い込ませた。

 

「そろそろ、行かないといけないなぁ」

 

「もうちょっといてくれてもいいのに」

 

「居たいのはやまやまなんだけど暗くなりすぎるとカナタ君がついてこられるか心配だからね」

 

「なんか、スミマセン」

 

「大丈夫だよ。じゃあ、行こうか。カナエ、俺はそろそろ行くよ!」

 

「え、もう!?また来てくれるよね?」

 

「そりゃあもちろん。そうだ、カナタ。これから一年二年は会えなくなるだろうからちゃんとあいさつしとけよ。カナエには一か月後に会うだろうけど」

 

「わかりました!」

 

カナタがこっちに駆け寄ってきて、笑顔で

 

「俺が帰ってくる頃にはしのぶも強くなって最終選別一緒に行こうな!」

 

「もちろん、カナタに負けないぐらい強くなるわ」

 

「お互い頑張ろう!」

 

「えぇ」

 

カナタは姉さんと秀さんの方に行って何か少し話してから氷雪さんの方に戻っていく。

見送るために立ち上がって縁側から外に出る。姉さんと秀さんも出てきている。

 

「じゃあ、行ってきます!」

 

カナタが私たちに向かってそう言って氷雪さんと共に暗闇に姿を消した。

会ってまだ一日なのにいなくなっただけでどうしてこんなに寂しさを感じるのだろうか、でも一、二年の辛抱だ。

カナタに負けないように明日から頑張るんだ。

そう私は心に決めた。




いかがだったでしょうか。
しょうもないことでもいいので感想書いてくれると嬉しいです。

次回は来週あたりに投稿するかもしれないし再来週あたりかもしれない。
不定期なんだ、ごめんなさい。

好きな柱を教えてくれ!(男性に限る

  • 煉獄杏寿郎
  • 不死川実弥
  • 宇随天元
  • 冨岡義勇
  • 悲鳴嶼行冥

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