機械仕掛けの双翼   作:ノーザ

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第3話 天使降臨(いや、まじで)

「なぁ!一体どうしたって言うんだルシファー!」

 

 

モンスターの大群を蹴散らした後、オーブを発見したと聞き、そこへ向かおうと彼女に声を掛けようとした途端一直線にその場所へ向かった。気になって後をついて行っているの

だが………。

 

 

「………少し気になったことがあってな………。」

 

 

「気になったこと?」

 

 

その答えに首を傾げているととてつもない轟音が響いた。その音でルシファーも更に速度を上げる。

轟音の発生源に到達すると、そこにはまるで隕石が墜落したのではないかと言う程の巨大なクレーターが出来上がっていた。さらにその周りにはオーブの護衛を任せていた天使達が倒れていた。嫌な予感がし、保管されていたオーブの方へ向かった。

オーブの保管場所に着くとそこに二つの人影が映った。ルシファー共々戦闘態勢に入って飛び出す。

 

 

「動くなっ!!」

 

 

ウリエルの凛々しい声が洞窟内に響く。二つの影はこちらに気付いたのかゆっくり振り返った。その者達の容姿が視界に捉えた途端疑問に渦巻いた。

一体は背中に機械のような羽が生えて巨大な銃と赤い盾を持ち、もう一体は紫色の異質な形状の羽に、先程の者よりも一回り小さい銃と紫の大きな盾を持っていた。

しかも両方とも似たような顔で、基本的に白基調で片方はトリコロールカラー、もう片方は白と紫色のロボットだった。まず明らかに天使ではないことがわかる。かと言って堕天使側の者でも無さそうだ。

するとトリコロールの方が銃から手を離し、地面に落とした。

 

 

「そうだ、そのまま両腕を上げろ!」

 

 

しかしロボットは逆にこちらに近付いて来たのだ。ルシファーもいつでも攻撃出来るように身構える。

自身も警戒を怠らないように剣を突き付ける。そしてロボットはそのままゆっくり近づくと、突き付けているのにも関わらず右手を優しく包まれた。

 

 

「…………………………………は?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ふわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?ウリエルだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

え、ちょ、ウッソ!こんな女の子のおててって柔らかいのぉ!?すっげぇ柔らかい!!!今自分の手マニュピュレーターだけど凄いぐらい感触が伝わって来る!!もう生で触れてるのと変わりない!!

え、ちょっとこのまま触り続けたい………。

 

 

翼がそう思うと更にキュッと包む力が加わる。ウリエルは我に返って顔を赤らめた。

 

 

「っ!?////////わ、私に触れるなっ!!/////////」

 

 

包んでいた手をばっと払い除けられ彼の額に剣が突き立てられた。

 

 

「うわ〜流石にそれは無いぞお前………。いくら推しが目の前にいるからって。今のお前キモオタと同レベルだぞ?」

 

 

「ばっ!?こ、これは違う!!ホラ、目の前に可愛い犬とか猫を愛撫でるというようなニュアンスで………!」

 

 

「いや、スゲェ気持ち悪い。あ、元からキモいかお前。」

 

 

「てめぇこのっ!!」

 

 

剣を突き立てられているのにも関わらず睦月と揉める二人を尻目にウリエルは怪訝する。

 

 

「な、何なんのこいつ等………。」

 

 

「成る程………つまりあのトリコロールの奴はウリエルに惚れたということじゃないか?」

 

 

「なっ!?ルシファーお前何言って!?」

 

 

「だってさっきのは明らかに昔話によくある王子が姫に愛を誓うような構図にしか見えなかったが?」

 

 

「か、からかうなっ!!//////」

 

 

悪戯っ子のように笑うルシファーに照れ隠しのように荒げるウリエル。

翼の所為で本題がずれてしまったが、ウリエルは思い出して翼を睨みつけた。

 

 

「そうだ!よくも私達の部下を!!」

 

 

「へ?部下?」

 

 

「兵士を蹴散らしてそこのオーブを奪取するつもりだろう!だがそうはさせるか!!部下の仇!今ここで取ってやる!!」

 

 

「ゑゑゑゑ!?(パラガス並感)おま、ちょっとま………。」

 

 

「問答無用!!」

 

 

「お、お待ち下さーい!!」

 

 

剣を構えて翼に駆け出そうとしたその時、誰の声が割って入って来た。

振り返ると槍を杖のように立ててヨロヨロとこちらに向かって来る一人の天使がいた。

 

 

「お、お前は!?死んだのでは?」

 

 

「い、いえ!自分は情けなく気絶していただけでして………そ、そこにいる方が劣勢になっていた我らを助けてくれたんです!!」

 

 

「…………え?」

 

 

「はい!それは魔物達に押されていた時でした………上空に二体のロボットが現れたと思ったら片方のロボットが光を放つと一瞬にして魔物達は消したんだのです!我々はその余波に吹き飛んで失神してしまって………兎も角その方達は命の恩人なのです!!」

 

 

よく見ると他の天使達もやって来て翼達に喝采を送っていた。

状況がいまいち掴めない二人は小声で「ど、どうも………。」と返した。

身構えていたウリエルにルシファーが肩を叩く。

 

 

「どうやら王子様は悪い奴じゃなさそうだな。」

 

 

「ま、まぁそうみたいだけど………。」

 

 

「ならそれでいいじゃないか。少しは肩の力を抜け。」

 

 

そう言われてしばし翼を見ると剣を収めて彼に近付いた。

 

 

「え、えっと………。」

 

 

「………さっきのはすまなかった。何も知らずに斬りかかろうとして………。」

 

 

「い、いえ!顔を上げて下さい!!俺だって何も言わないでゲロビブッパしたので。」

 

 

「で、でも!」

 

 

「あ、無理。可愛いすぎてチンパンになっちゃう。」

 

 

「かわっ!?///////」

 

 

「元からだろ。」

 

 

「この猿ぅ!!」

 

 

「やれやれ………。」

 

 

再び揉め出す翼と睦月に、顔を覆って赤らめるウリエルにルシファーは嘆息をつくのであった。

 




誠に申し訳ないのですが機械仕掛けの双翼はしばらく休載させていただきます。楽しみに待っていた方々、本当に申し訳ございません。

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