終わりと始まり   作:空丘ルミィ

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どうも、空丘ルミィです。

やっとこさ新作に手を出すことができますよ・・・といってもマジな不定期更新になると思うので温かい目で見てくれると嬉しいです

それではどうぞ


0話:消失

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はただ、逃げていた。目の前で起こった惨劇を信じることができず、ただただ走っていた。目的もなく、ただただ走った。それまで信じていた人を信じることができなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前…

 

【午前11時:緋翠の部屋】

 

10月7日

 

緋翠「…やばい、完全に遅刻だ」

 

この日、僕は学校に遅刻確定の時間に起きてしまった。昨日までずっと動いていた目覚まし時計が完全に止まっていたのが原因だった。いつもは朝6時に起きて軽くランニングをしてから学校に向かっていたが、この日に限って遅刻をしていた。これまで何年も学校に通っていたが遅刻はもちろん授業をサボったことはなかった。

 

緋翠「何はともあれ、早く学校に行かないと…学校側からも期待されているからこういうのは印象が大事だろうから・・・」

 

僕は制服に着替えて学校への道のりを走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午前11時15分:通学路】

 

緋翠「(おかしい…)」

 

僕はずっと違和感を感じていた。僕の通っている学校は他の学校とは違い1時限の時間が少し長い。授業が終わったら10分の休憩の後にまた授業といった具合だった。だけど…

 

緋翠「(授業と休憩時間の合間にチャイムが鳴らなかったことは一度もなかった。それなのに…この匂いは何だ?火薬、硫黄、酸性…僕にとっては嗅いだことがない匂いばかりだ。何だ?何が起こっているんだ…?)」

 

そう考えていると、いつも通っている中学校が見えるところまで来た。僕の目の前に映ったのは…とんでもない光景だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緋翠「なんだよ・・・これ・・・これが学校…なのか?」

 

僕の目に映ったのは、よくアニメやゲームで見る『廃墟』というものだ。学校の壁は崩れ、鉄骨などが無残にそこら中に転がっていた

 

緋翠「一体…何が・・・っ!そこにいるのは・・・誰ですか?」

 

謎の男「おや、これでも気配を消したつもりでしたが・・・バレてしまうものなのですね」

 

緋翠「これは…あんたがやったのか?」

 

謎の男「私だけではありませんよ。」

 

謎の女「ふふ、やはり驚いていますね。無理もないでしょう、昨日まで通っていた学校が無残な廃墟になっているのですから」

 

緋翠「一体…何のためにこんなことをしたんだ。誰かのためか?自分たちのためか?それともただの自己満足か?」

 

謎の女「そうですね、その中から選ぶとなると…誰か…いえ、あなたのためですよ『緋翠』」

 

緋翠「っ!?なぜ…僕の名前を」

 

謎の男「なぜかって?答えは簡単ですよ。さて、私たちの正体が気になるような顔をしていますし明かしてあげましょう」

 

そういって僕の目の前に現れた男女はローブを脱ぎ捨てた

 

緋翠「まさか…父さんと母さんなのか?答えてくれ!どうしてこんなことをしたんだ!」

 

緋翠父「簡単なことだよ。この学校は緋翠にふさわしくないから消したまでだ」

 

緋翠「僕に・・・相応しくない?そんなわけない!父さんも母さんも僕をこの学校に笑顔で送り出してくれたじゃないか!」

 

緋翠母「そうね、あの『作り笑顔』で送ったわね」

 

緋翠「つくり…笑顔…?」

 

緋翠母「私たちが何の考えもなしにこんな高校に送りだしたりしないわよ。すべては私たちの名声のためにこんなところを受験させてあげただけだから」

 

緋翠「名声…?」

 

緋翠父「例えば、こんな話はどうだろうね?『何の変哲もない学生が急に県内最高の学校に通った時、その親はどんな目で見られるだろうか』って」

 

緋翠「それは…ほぼほぼ『親の教育がいい』って噂が飛び交うだろうけど…」

 

緋翠母「ええ、その通りよ。私たちは常に頂点に立たなければいけないのよ。たとえどれだけの人や物、施設を失ってもね」

 

緋翠「…ふざけるな!そんな理屈が通るわけがない!これを父さんたち・・・いや、『お前たち』がやったことは決して許されることじゃない!」

 

緋翠父「そうか、ならお前は用済みだ」

 

緋翠「っ!!」

 

そう言うと父さん…いや、目の前の男は銃を取り出した。この銃は昔見せてもらったことがある…血は流れたりしないが、傷を負うほどの激しい衝撃が走る散弾ショック銃だ。その男は、僕に銃口を向けた

 

緋翠母「これほどの銃で痛みを何度も受けたら運動部で鍛えた体といっても無事じゃ済まないでしょうねぇ?」

 

緋翠「っ!!」

 

僕はただその場から逃げた。あいつらは僕のことはもちろん、学校ですらただの道具だと言った。その言葉と今のアイツらの表情は完全に一致し、『早くあいつらの目の前からいなくならなければならない』という気持ちが僕の中でこみあげていた。

 

(パンッ!!)

 

緋翠「(ぐっ!)」

 

背中に衝撃が走る。制服の上からでも感じる衝撃は紛れもない本物だった。

 

緋翠「(が・・・ぁ…っ!)」

 

それから僕は何度も何度も背中に衝撃が走りながらただただ走った。僕は親のことを学校の誰よりも信頼していた。それはただの一言で壊れ、僕は誰を信じればいいのかわからなくなっていた。

 

緋翠「(あそこだ・・・あいつらも知らないあそこまで撒ければ…)」

 

(パンッ!)

 

緋翠「(っ!!ま…ずい…意識…が・・・飛び・・・そ…)」

 

それからのことは覚えていない。僕は誰かに助けられたのか、あいつらに殺されたのか…ただこれだけはわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『僕には何も必要ない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…後

 

【時刻不明:???】

 

緋翠「…(ここは?)」

 

(ガチャ・・・)

 

警察「よかった、目を覚ましたみたいですね。今、話せますか?」

 

緋翠「(・・・誰だこの人は?…でもあいつらとは違って話だけは聞いてくれそうだけど今は喋りたくないから手話で伝えるか)『言葉に出したくないので何か書くものはありませんか?』」

 

警察「では、このメモ帳にあなたの言いたいことを書いてください。それを通じであなたが眠っていた時に何があったのかお話しましょう」

 

緋翠『何があったんですか』

 

警察「まず、あなたのご両親ですがあなたが倒れていた近くの方から通報があり何とか取り押さえることができました。そして後日すぐ裁判にかけられ、死刑判決が下りました。あなたはこの病院で検査を受け、背中に大きな傷跡が残ってしまいましたが・・・」

 

緋翠『そうですか、あいつらが・・・』

 

警察「それで、あなたはどうしますか?こちらであなたの身元を変え、あなたは自由になれますが・・・学校などはどうしますか?」

 

緋翠『学校には行きたくありません。こちらに残っても僕は居場所がないでしょうしどこか遠くに行きたいです』

 

警察「そうですか。ではこちらで手続きはしておきますのであなたがここを出るときに連絡をください。」

 

緋翠『わかりました。』

 

俺がそうメモ帳に書くと警察は部屋を出て行った。その日の夜…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緋翠「(…よし、誰もいないな。警察の世話になるなんてまっぴらごめんだ。)」

 

僕は体に不自由がないことを確かめると自分がいた部屋を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから僕はただ夜道を歩いていった。疲れや痛みなど知らず…

 

途中コンビニや画材店に寄って食料やスケッチブックなどを購入したりした。周りの家の明かりが消えたことを確認した時は合鍵で家に戻り、あいつらの財布からお金を抜き取り、旅費にした。それから僕は県外に歩いていった。タクシーやバスを使うと利用記録が残るだろうという考えは容易に考えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数年後…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【時刻不明:???】

 

 

 

僕はこの場所に来ていた。ただただ目的もなく走ったり歩いたりして足を進め、誰の目にも止まらず、気がついたらこの場所にいた。食料もお金も底をついていたが、スケッチブックだけは1ページも消費せずに持っていた。

 

緋翠「(まずい…な…体力も低下してきてる・・・このままじゃ野垂れ死ぬ…だろうな…でも僕はあの時…死ぬべき…だったんだ。罪人の子供というレッテルが貼られている僕なんて…何もないところで死ぬのがお似合いだよ…)」

 

それから僕は気を失い、何処かもわからない場所に倒れこんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??「あれ?今何か音がしたような…あっ、こんなところに人が倒れてる!早く家に運ばないと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【時刻不明:???】

 

緋翠「(…あれ、どうして僕はこんなところに?僕はあの後気を失って死んだんじゃ…なかったのか?…ぐっ!)」

 

??「あ、やっと目を覚ましたね!キミ、あんなところで何をしてたの?」

 

緋翠「(・・・誰だ?少なくとも僕を助けたのは間違いないだろうけど…とりあえず手話で伝えるか)『スケッチブック、ありませんか?』」

 

??「これ?はい!」

 

緋翠『ありがとうございます…と言いたいところですがどうして助けたんですか』

 

??「どうしてって?あたし、困ってそうな人はほっとけない性格してるからかなー。でもキミ、どうして喋らないの?」

 

緋翠『言いたくありません』

 

??「どうしてスケッチブックで会話するの?」

 

緋翠『言いたくないです』

 

??「むー…それじゃあ名前なら聞いてもいいよね?」

 

緋翠『…緋翠です。あなたの名前は』

 

??「あたしは氷川日菜!普通に日菜って呼んでいいよ!緋翠くん、名字は?」

 

緋翠『そんなの、こっちに来るときに捨てました。僕の苗字なんて知ったところで日菜さんを不幸にするでしょうから』

 

日菜「ふーん…?」

 

(ガチャ)

 

??「日菜、帰ってるなら連絡を・・・」

 

日菜「あっ、おねーちゃん!おかえりー!」

 

??「…日菜、その人は誰なの?まさか空き巣に入られたりしてないわよね?」

 

日菜「ううん、この人は裏路地に倒れててあたしが家に連れてきたんだよ」

 

??「そう、あなたの名前は?」

 

緋翠『緋翠…です』

 

??「緋翠くんですね。私は氷川紗夜といいます。日菜の姉です。ところで、緋翠というのは本名ですか?」

 

緋翠『…話したくありません』

 

紗夜「そうですか。ところで、倒れてたということは住むところがない、ということですか?」

 

緋翠『…はい』

 

日菜「そっかー・・・ねえおねーちゃん、緋翠くんをこの家に泊めてもいいかな?」

 

紗夜「日菜、本気なの?何処の誰かもわからない人をこの家に泊めるなんて…」

 

日菜「だって、このまま緋翠くんを帰してもまた倒れちゃうでしょ?」

 

紗夜「それはそうですが・・・」

 

日菜「緋翠くんはどうしたい?」

 

緋翠『…僕がここにいても迷惑しかかけないかもしれないですよ?それでも僕をここに置いてくれるんですか』

 

日菜「うん!」

 

緋翠『…ありがとうございます』

 

紗夜「まったく・・・これから忙しくなりそうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして僕は日菜さんと紗夜さんの家に世話になることになった。この人たちなら信じていい…そう思えたのはあの事件以来初めてだった。あれから2年、僕は新しい日常への一歩を踏み出す。でもあの時の事件から変わらないことだってある…それは、一度壊れた人生を戻すのはそう簡単じゃないってことだ。現に僕は言葉、表情、感情…この3つを失ってしまっているのだから。それでも…生きるのを諦めていた僕を助けてくれた恩を返したい…そう思った

 

 

 

 

 

 

 

 







いかがだったでしょうか?

ぶっちゃけ初めての残酷な描写チャレンジですハイ。あ、主はホラゲとかの部類は苦手っすハイ。

やっぱり残酷な描写って疲れるんやなぁ…

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