7月31日
【午前11時:緋翠の部屋】
緋翠「(うーん…なんだか体が重い…日菜さんが僕の布団に潜り込んでるわけでもないのに…紗夜さんは朝からバンド練習だとかでいないし…日菜さんは今日仕事は休みらしいけど…僕はバイトに行こうかな・・・)」
【氷川家リビング】
日菜「あっ、おはよう緋翠くん!今日は2人でどこか行かない!?」
緋翠「すみません日菜さん、今日は山吹さんのところに…ゲホッ」
日菜「緋翠くん、大丈夫?なんだか顔色が悪そうだよ?」
緋翠「だ、大丈夫です・・・それじゃあ行ってきますね…」
僕はやまぶきベーカリーに足を進めた
【やまぶきベーカリー】
緋翠「おはようございます山吹さん・・・ゴホッ」
沙綾「ちょっと緋翠くん、大丈夫!?顔色悪いよ!」
緋翠「いえ・・・気にしないでください・・・ゴホッ」
沙綾「そう…?でもきつそうなら途中で上がっていいからね?」
緋翠「はい…ゴホッ」
それから僕は山吹さんに頼まれた仕事をこなした・・・のだが
【午後1時30分】
緋翠「ゴホッ、ゴホッ…」
沙綾「緋翠くん、本当に大丈夫?咳がここに来た時よりひどくなってるよ?」
緋翠「いえ…大丈夫…です。次の仕事は…何…です…か…(あれ…?意識が…遠く…)」
沙綾「緋翠くん!!」
緋翠「(山吹さんの声…バイト…しなきゃ…次の…仕事…)」
そこで僕の意識は途絶えた・・・
【時刻不明:???】
緋翠「(あれ…何で僕はベッドの上に・・・?そうだ、山吹さんのところでバイトをしていて途中で意識がなくなって…)うっ…」
日菜「あっ!やっと起きた!緋翠くん、きつそうなときは無茶しないで!」
沙綾「そうだよ。私だってあの後救急車を呼んで病院に運んでもらった後日菜さんと紗夜さんを読んでそのまま家の仕事を切り上げてきたんだから」
紗夜「倒れるまで無茶をするからです。少しは自分の体調に気を遣ってください」
緋翠「・・・すみません、迷惑をかけてしまって。ところで今何時ですか…?」
紗夜「もう夜の8時です。山吹さんが連絡してくれたのが2時くらいだったので6時間も寝ていたんですよ」
緋翠「…そうだったんですね。山吹さん、すみません。仕事を切り上げさせてしまって・・・」
沙綾「もういいよ、緋翠くん。でもしばらくうちのバイトは休むこと。夏休みの間はうちのバイトは禁止ね」
緋翠「…はい。」
日菜「体調が悪いって感じたらすぐに休まないと緋翠くんの体が持たないから事務所での仕事もしばらく休むこと!」
緋翠「わかりました。しばらくは家でおとなしくしています」
紗夜「それでは私たちは帰ります。担当の先生が言うには明日の朝検査を受けて結果次第ではそのまま退院できるという事なのでしばらくの間は家で安静にしていてください」
緋翠「はい、わかりました。」
日菜「お大事にねー!」
沙綾「あ、ここにパンを置いておくから小腹が空いた時にでも食べてね。それじゃあお大事に!」
山吹さんと日菜さん、紗夜さんはそう言って病室を後にした
緋翠「…なんだかみんなに迷惑をかけてばっかりだな。山吹さんのパンは…うん、いつ食べてもやっぱりおいしい。これ以上心配の種を増やしたくないし…どうしよう。…そうだ、今度の遊園地でのデートの日に日菜さんを楽しませよう。」
それから僕は病院のベッドで寝た。いつも日菜さんたちのお父さんの部屋で寝るため少しだけ新鮮な感じがした。
それから2週間が経ち、今日は日菜さんと遊園地でデートだ。あの後僕は病院で検査を受け、検査結果は体に異常はなく、ただの過労から来た風邪だった。朝起きた後は特に体に重みは感じなかったが山吹さんと紗夜さん、日菜さんの言いつけ通り僕は1週間家でじっとしていた。不幸中の幸いは夏休み中だったというところだ・・・
8月15日
【午前10時:日菜の部屋】
緋翠「日菜さん、そろそろ起きてください。」
日菜「むにゃむにゃ…あと38分…」
緋翠「すごい適当な時間ですね…ってそうじゃなくて!今日は遊園地に行く約束でしょう!」
日菜「はっ!そういえばそうだった!今から着替えるから緋翠くんはリビングで待ってて―!」
緋翠「はいはい…バスの時間まであまりないようなのでできるだけ早めにお願いしますね」
【リビング】
紗夜「おはようございます緋翠くん。今日は日菜のこと、よろしくお願いしますね。この間の3人でのお出かけではなく今日は二人なので少し心配ですが」
緋翠「はい、わかっています。あまり羽目を外しすぎないように楽しみますね」
紗夜「わかっているようで何よりです。」
日菜「ごめーん!洋服選びに時間かけちゃった!」
緋翠「大丈夫ですよ。今から行けばギリギリ間に合うと思うので。それじゃあ行きましょうか」
日菜「うん!おねーちゃん、行ってきます!」
紗夜「いってらっしゃい。日菜、緋翠くん。」
紗夜さんがそう言うと僕は家を後にした。いつもは日菜さんに手を引っ張られていたが今回は僕が日菜さんの手を引いていくことにした。今日は僕と日菜s何が付き合い始めて初めてのデートの日だから僕がエスコートしなくちゃな…
【バス内】
日菜「どういうところなんだろうねー?あたしは行ったことないからどんなところかわからないから今からるんって来ちゃうよ!」
緋翠「わからないのに今からるんって来るんですか…日菜さんのそのるんっがいまだによくわからないですね…」
日菜「るんっはるんっだよ!」
緋翠「はあ…あ、そろそろ着くみたいですね。どんな所か楽しみです」
日菜「うん!」
僕たちはバスを降りて目的地に向かった。
???side
??「まったく・・・なんで私たちはこんなことをしているのかしら。」
??「あはは・・・本当に??さんは行動力がすごいですからね…でも意外だったのは…さんもこれに乗ったことですね」
??「だって面白そうだったから♪」
??「でも本当にこんなことしていいのかな…?」
??「大丈夫です!自分を信じてください!」
??「はあ…今日は大丈夫なのかしら」
???side out
緋翠・日菜side
緋翠「…?」
日菜「緋翠くん、どうかした?」
緋翠「いえ・・・さっきから視線を感じるような…気のせいだといいんですが」
日菜「もー!そんなの気のせいだからあたしとアトラクション制覇しようよー!あ、観覧車は一番最後ね!」
緋翠「ちょっと日菜さん…!わかりましたから手を引っ張らないでください…!」
こうして僕の注意も聞かずにアトラクション制覇の道が始まった…
日菜「あはは!このジェットコースター面白ーい!」
緋翠「…!!」
日菜「わー!子のお化け屋敷の仕掛けるんって来るよー!今度の文化祭でやってみよー!」
日菜「この売店の食べ物おいしいー!はい緋翠くん、あーん!」
・・・とまあ、ずっと日菜さんのペースで終始遊園地を回った。ここに入ったときに感じた視線は何だったんだろうか…後でちょっと確かめてみよう・・・
【午後5時28分】
日菜「あはは!とっても楽しかったね!」
緋翠「そうですね…僕は日菜さんにずっとあちこち連れまわされてめちゃくちゃ疲れましたが・・・とても楽しかったです」
日菜「そっかー!よかった!ねーねー、そろそろ観覧車に乗ろうよ!」
緋翠「そうですね、残りは観覧車だけですから行きましょうか」
日菜「うん!」
僕たちは最後のアトラクションの観覧車に向かった
緋翠・日菜sideout
??side
??「あっ!二人とも観覧車に乗ったよ!」
??「では私たちも向かいましょう!」
??「あっ、でも組み合わせどうする?観覧車って確か4人までしか乗れなかったよね?」
??「それならくじで決めませんか?せーので引きましょう!」
??「はあ・・・仕方ないわね。せーの…」
??「やった!!…ちゃんと同じだね!」
??「よろしくね、…♪」
??「それでは??さんと??さんが私と同じですね!よろしくお願いします!」
??「ええ、よろしくね」
??「はい!よろしくっす!」
??「それではレッツゴーです!」
??side out
【観覧車内】
日菜「わぁー!すっごく夕日がきれいだね!」
緋翠「…そうですね。日菜さんと一緒にここに来れてよかったです。若宮さんに感謝ですね」
日菜「でしょー!イヴちゃんはやればできる子だもん!」
緋翠「どうしてそこで日菜さんがドヤ顔するのかわかりませんが・・・若宮さんが頑張り屋なのはわかります。根っからの努力家なんですね。あ…」
日菜「どうかした?」
緋翠「いえ・・・あそこの観覧車に乗ってるのって若宮さんと大和さん、白鷺さんじゃないですか?」
日菜「どれどれー?あっ!彩ちゃんとリサちーも一緒だ!どうしてここにいるんだろー?」
緋翠「若宮さんは用事があるとかで来られなかったんじゃ・・・?もしかしてあれは嘘だったとかありますか?」
日菜「でもイヴちゃんは『うそはブシのすることではありません!』とかいいそうなのにねー。」
緋翠「そうですね、若宮さんなら言いそうです。あ、もうすぐ頂上ですね。時間が過ぎるのが早いように感じます…」
日菜「…そうだね。この時間がずっと続けばいいのに」
緋翠「…そうですね。それに日菜さんと出会ってからおおよそ8ヶ月ですよ。時間が過ぎるのって早いですね」
日菜「あれ、もうそんなに経った?」
緋翠「はい。今じゃ僕たちは恋人同士ですよ。会ったころの僕たちとは大きく変わりました」
日菜「ねー!懐かしいなあ…」
緋翠「・・・日菜さん」
日菜「なーに?」
日菜さんは目を丸くして僕の方を向いた。そして…僕は日菜さんにキスをした
日菜「ん…」
緋翠「日菜さん、大好きです。世界中の誰よりも・・・僕は日菜さんのことを愛しています」
日菜「緋翠くん・・・えへへ、あたしも緋翠くんのことがだーい好き!」
緋翠「ありがとうございます日菜さん。日菜さん、ちょっといいですか?」
日菜「今度は何ー?」
緋翠「(ゴニョゴニョ…)」
日菜「(あっ、それいいかも!それじゃあこの後実行だね!驚く顔が楽しみだなー☆)」
緋翠「(決まりですね。)」
それから観覧車が下に降りるまで日菜さんは僕の肩に頭を乗せて楽しそうな表情をしていた。僕はというと、そんな日菜さんの顔を眺めていた。
日菜「あー楽しかったー!また来たいね!」
緋翠「今度は冬休みに来ましょうか。今度は何人で来ます?」
日菜「2人!」
緋翠「はいはい…わかりましたよ。それじゃあ日菜さん、さっき話してたのを実行に移しましょうか」
日菜「うん!」
??「あ、あれ?2人が分かれてどこかに行っちゃったよ!?ど、どうしよう!?」
??「落ち着きましょう…さん!きっと二人はここに戻って来ます!」
??「そうだよ、ちゃんと戻ってくるって!」
緋翠「そうですね、戻ってきますね。」
??「はい!戻って…え?」
日菜「誰が戻ってくるのかなー?」
??「それは日菜ちゃんと緋翠くんよ・・・え?」
緋翠「どうも。丸山さん、白鷺さん、今井さん、大和さん、若宮さん。みんなして何してるんですか?」
日菜「ねー?あたし達を尾行しようだなんてイヴちゃんも悪だねー☆」
イヴ「こ、これはその…!」
緋翠「若宮さん、用事があるとかで来られないんじゃなかったんですか?」
千聖「もう・・・だから私はやめた方がいいって言ったのよ・・・」
麻弥「そういう千聖さんも後半乗り気だったじゃないですか?」
リサ「あはは、バレちゃったか☆楽しかったのになぁ…」
彩「いつバレたの!?」
緋翠「観覧車の頂上に着くあたりでしょうか。ちょっと気になったので他の観覧車を見たら彩さんたちがお喋りしてるのが見えましたからもしかして…と思いまして」
日菜「あはは!彩ちゃんが一番にバレてるなんて面白かったなー!」
彩「も、もう!一番気にしてたのにー!」
麻弥「あはは・・・結局いつも通りですね…」
緋翠「ですね。いつ見ても飽きないですよ」
それから僕たちは笑ったりして今日のことを話し合ったりして遊園地前で解散し、僕と日菜さんは手を繋いで家まで一緒に帰った。家に帰った後、紗夜さんに今日のことを話したら、今井さんのノリの良さに呆れていた・・・
いかがだったでしょうか?
やっぱりトライイベはむずいなぁ…難易度25ですらフルコンできるかできないかのラインなのでトライマスターすら取れるか怪しいです(笑)
それではここまで読んでいただきありがとうございました