Fate/Grand Order 案①『間桐桜に転生したら』 作:ら・ま・ミュウ
それは、何千何万種類ものゴーレム達を思い付くがままに創造し自動製造マシーンの調整を終えた深夜の事だった。
ジャラリ
コーヒーを片手に一息をつく…丁度彼の目の前、壁に掛けられた一房の鎖が地面に落ちる。
それを直そうと立ち上がったキャスター。彼は手元に光る神秘を内包した鎖。それを見てポツリと呟く
「捕獲用の網は手に入れた……後は獲物を釣る餌があれば…」
エルキドゥ協力の下、神の鎖を手に入れた彼は考える。
どうすれば、神(素材)を手に入れられるかと。
この特異点には地上に三体、冥界に一体、女神が存在する。
過去、彼は言った『三体もいるんだし一体ぐらい減っても問題ないのではないか?』
その時は、余裕がなかった。手段も加工できる環境も揃っていなかった。
しかし、ウルク、ゴルゴーン、ケツァルコアトル、イシュタル、エレシュキガル、
現在、我ら桜陣営の保有する武力や技術力、未来すら予測する情報力は全てにおいて圧倒している。
マスターが目覚めるまで現状維持に勤めるべきだという意見もある。しかし、アヴィケブロンはマスターである間桐桜が眠りにつく前、創りたい物を造れとありがたい許可をいただいていた。
アヴィケブロンが創りたい物。
それは至高のゴーレム。存在するだけで世界を楽園へと作り替える自立歩行型の固有結界。
本来なら核として一流の魔術回路を持った人体を利用するのだが、キャスターは少し欲を出して神を使おうと考えた。
「餌……餌……かぁ」
「ご飯~ご飯!」
「あっ、セイバー。一つ頼みたいのだが……女神の捕獲、対価は霊脈を利用した
そして現在。
神の鎖に繋がれた南米風の衣装を纏う彼女=ケツァルコアトル
「飯の恨みは恐ろしいと言う格言があるらしいが……これほどとは。」
一体で充分だったが、二体目の捕獲に向かった騎士王に呆れとも畏怖ともとれるため息をつく。
「オーゥ、勘弁シテクサダサーイ」
「駄目だ。君は僕の最高傑作の触媒となってもらう」
――そして、女神に向き直った彼の背後がライトアップし、巨大なゴーレムが顕となる。
「胸の中心が空いているだろう?
…君はこれからアレの一部となるのさ。」
「コレは……貴方は神話のぶつけ合いデモするつもりデスカ?」
「ぶつけ?何のことだが……」
指を鳴らしケツァルコアトルをゴーレムに運ばせるアヴィケブロン。
ケツァルコアトルの同化が始まると詠唱を開始した。
「
「ぐぅぅぅ!!!」
霊峰の如き巨躯は、巌の如く堅牢で。万民を守護し、万民を統治し、万民を支配する貌を持つ
汝は土塊にして土塊にあらず。汝は人間にして人間にあらず。
汝は楽園に佇む者、楽園を統治する者、楽園に導く者。汝は我らが夢、我らが希望、我らが愛
ケツァルコアトルの神性が特異点から消失し、【彼女】は誕生する。
『……ここは?』
『士郎!』
『えっ……セイバー……いや、私はただの弓兵…あれ?肌が白い……まさか、これが世に云うリリィ化か!?』
『士郎ぉぉぉ!!!』
『ぐわっ止めないかセイバー!』