優希 自室
「ふぁぁぁ~」
あくびをして周りを見ると
「うわぁ・・・・これは酷い」
昨日は年越しと言うのもあってかノリで蒼川もこの部屋で過ごし、二人で結構騒いでしまった。
「蒼川、おい起きろって」
コタツで爆睡してる蒼川を起こし
「うーん・・・・・・・・・・・・・」
目をこすりながら蒼川は起きるが、周りには缶チューハイの空き缶が散らばっており
「意外だよ、あそこまでお前が酒強いなんて」
俺は言い
「言わないで・・・割と後悔してるから」
蒼川は言い、俺は昨日を振り返る。
昨日、年越し後 優希 自室
「でさぁ、普通だと此処はガキ使だろ、まぁこんな状況じゃ見れないけどもさぁ」
俺は言い
「うん、分かる分かる、おバカな所が面白くてさ毎年見るんだよねぇ」
蒼川も頷きつつ缶を手に取り
「さぁ、一ノ瀬も飲もチューハイ」
以外にまじめな蒼川が法を破るなんてのは珍しいと思ったが
「・・・そだよな・・・今更だよな・・・」
俺も思っていた、自衛隊の分屯地に侵入し武器、弾薬、糧食、燃料を強奪し独り占めした上に物資集積場代わりにしている。その上別の場所もしかりだ。このような状況になれば法等機能しない、力なきものが命を落とし力を持つものが次に命をつなげるそんな世界に変わろうとしていたのだから、そう思い
「良し、飲もう・・・飲まないとやってられん」
蒼川からメロン味の缶チューハイを受け取り
「「カンパーイ」」
互いに封を切り口に含む
「あ~美味い・・・・チューハイとかよく叔父叔母の目を盗んで飲んだっけな、懐かしいなぁ」
俺は感傷に浸りつつも言い
「え~~一ノ瀬も悪党ね・・・」
蒼川は反応し
「普通じゃないか?俺達の年頃だと大体は酒の味を覚えるだろう?」
俺は言い
「まぁ・・・そうよね、実は私もだしね」
意外な事を聞き
「本当かよ、絵画一筋でこう言っちゃぁなんだがノリが悪そうだってイメージあったからなぁ・・・・」
蒼川に言うと
「え~~何それ酷ーい」
蒼川に言われ
「だってしかたがないやん、すごい真面目なイメージだしさ」
互いにどんどん煽っていく、すると
「一ノ瀬はさぁ、こんな事になる前にさぁ気になる異性とかいなかったの?」
チュハイの缶片手に蒼川は顔を赤くしながら言う、酒で酔ってるのかはてまたシラフなのか俺には全然判別できる状況じゃぁない。
「うーん、どうだろ俺モテた試しないし・・・俺が気になる異性ねぇ・・・」
少し考えるがなぜかそこで蒼川の顔が思い浮かぶ
「・・・・・あれ?・・・・・」
呟くと
「うーん?」
首をかしげる蒼川が居た。
「まぁ、いいや」
グイっと酎ハイを飲み
「もう一つ・・・・・・・」
ナンテ調子に乗り俺も蒼川もかなりの量の酒を飲んだのだが
「案外いけるものなんだな・・・・」
俺は一人納得し
「えー、もっと飲みなよほら一気、一気、一気」
蒼川に煽られるように飲み
「おー・・・効く効く・・・・」
缶を置き
「次は私ね」
蒼川も俺同様に一気飲みを行い
「ぷはぁ~~」
缶を置き
「ここらでやめておこう、急性アル中になったらヤバイ」
俺は蒼川の缶チューハイに手を置き
「ほらほら、もういい時間ださっさとねようって・・・・・・おい?!」
蒼川は既にコタツに突っ伏して寝てしまっていた
「zzzz~~~~zz~~~~~~zzzzzz」
既に寝落ちしている蒼川にそっと布団をかぶせ
「お休み・・・」
さっさと布団に入り俺も眠りに落ちていくのだった。
回想終わり
「昨日の事覚えてるだろ?酒飲むとあんなに変わるのな、びっくりだわ」
俺は言い
「言わないで!!」
顔を赤くし蒼川は言い
「まぁまぁ、お前の新し一面が見れて俺も儲けもんだったよ」
言い
「っつ~~~~~もう一ノ瀬のばかばかばかッ!!」
部屋に置いていたクッションで殴られ
「あうち」
〆られる俺だった。
そして、なんだかんだでグダグダに過ごした夜
ダイニング
「よいしょっと」
弾薬ケースに装備品にと持ってくる俺に対し
「どうしたの?まるで戦争にでもしに行くみたいだけども」
蒼川に言われ
「・・・・市街地に行く・・・・」
一言言うと
「え・・・・・」
蒼川は言い
「まって、一ノ瀬だって此処に生活に必要なものあるじゃない、何しに行くの?!」
蒼川は焦りつつも言い
「弔い・・・・・かな」
俺は言いながら弾倉のチェックを始め
「俺の叔父も叔母も・・・「そのまんま」だからさせめてもの恩返しかな」
言い、白迷彩のポーチに弾倉を入れていく。市街地に行くと言う事もあり多めに弾をもっていく。
「・・・・・・・・・・・・」
蒼川も黙って最初は見ていたが
「私も行く・・・自分の両親・・・そのままだもの・・・」
蒼川は言い
「無理しなくとも良いんだぞ・・・見ると余計につらくなる時もあるんだ、必要なら俺が・・・・・」
言うと
「一ノ瀬一人で行って万が一があったらどうするのって」
若干怒り気味の蒼川に言われ
「まぁ・・・・そん時は・・・それが俺の死に場所だったってあきらめるしかないな」
俺は言うと
「だったら私も一緒に死んであげる。一人で生きていてもどうしようもないもの。死人に食べられるくらいならね」
蒼川は言い
「はぁ~・・・お前ホントに・・・わかった、俺の傍離れるなよ。」
言うと
「うん!」
蒼川は言い俺は更に蒼川はの装備を持ってくる
「ハイこれ、白迷彩の装備一式目立つ色は絶対に付けるな、それとM24持って来い」
俺は言い、素直に持ってきた蒼川から受け取ったM24に白色のテープを巻き
「銃のカモフラージュだ、これで周りとある程度は同化できる。」
蒼川に渡し
「さてと・・・・」
俺は本来ならば89式小銃に付けるライフルカバーを取り出しその中にHk416を入れるそして光学照準器にもそれとなくカモフラージュを施し
「拳銃は・・・まぁ大丈夫か」
白色のホルスターに入れれば大丈夫だろと思い二人で準備を重ね
背嚢を2人で持つことになった。中身は
数日分の戦闘糧食
各自携行火器の予備弾薬
メディカルキット
替えの着替えなどに纏めた。
「その・・・なんだ・・・万が一の時覚悟決めとけよ・・・」
俺は言うと
「どんな覚悟?!」
言われ
「新年早々に悪いが・・・・自分の親を・・・殺す覚悟・・・だ」
俺は言い
「・・・・・・・・・・・」
黙り込む蒼川だった。
次回~問われる覚悟~を予定しています。