カルナ(個性)のヒーローアカデミア   作:クルミ割りフレンズ

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UA5000超え、お気に入り90超えありがとうございます。短期間でここまで伸びるとは思っていませんでした。

今回は個性把握テスト編です。しっかりとカルナさんの規格外度合いを表現できればと思います。それとヒロインは決めました。


英雄の個性把握テスト

 前もって丈合わせで袖を通しているとはいえ、こうして新しい制服を着るのも感慨深さを覚えるな。合格発表から幾日か過ぎ、俺も今日から雄英生ということだ。これだけの事でも心高ぶり胸躍るとは俺も中々新しい環境を楽しみにしているようだ。

 あの日出会い連絡先を交わせた三奈も合格していたようで、クラスも同じA組らしい。会える事が楽しみだ、入学する前から知り合えた友人と同クラスに成れるとは幸先が良い。連絡し合う内に向こうから三奈と呼んでくれと言われ、それならこちらもカルナでいいと伝えると「カルカル」なる渾名を付けられた。知人友人からは終ぞ渾名は付けられなかった為初めて事でより喜びは大きくなった。俺が通学する事を楽しみにしているのもこの事が一因なのだろう。やり取りとしてはこんなものだ。

 

『おはよう、芦戸。今日は晴れていて温かく良い日和だな。先日雄英高校より合格通知が来たのだが、芦戸の方はどうだろうか?』

 

『おっはよ~!陽神!おめでとう!アタシも合格してたんだよ!入学してからも一緒に頑張ろうね♪ちなみにアタシはA組だったよ~陽神は?』

 

『そうか、お互い合格出来てなによりだ。おめでとう、俺もA組だ。同じ学び舎に通えるだけでは無く同じクラスに成れた事、心から嬉しく思う。改めてよろしく頼むぞ芦戸。』

 

『うん、よっろしく~♪それとさ、芦戸なんて堅苦しくしないで三奈って呼んでよ。』

 

『了解した、ならば俺の事もカルナと呼んでくれ。親しい者は皆下の名で呼んでくれる。』

 

『オッケー、ならカルカルだね!こっちこそ改めてよろしくねカルカル!』

 

『渾名というものか、初めて付けられたがカルカルか。悪くないな、こういうものも。改めてカルカルとしてよろしく頼む。』

 

『アハハハ!カルカルおっもしろーい!』

 

 というような具合だ。その後一言二言やり取りした。

 また俺は自宅からだと距離の問題がある為近場にアパートと借りる事にした。両親共に笑顔で送り出してくれた、叙事詩の英雄カルナは数々の不幸に見舞われたがどうやら運までは個性に影響されないようだ。ここまで俺は沢山の幸運に恵まれている。月に数度犯罪者に出会うが両親が習わせてくれた武術によって個性に頼らずとも抑え込む事が出来る、プロヒーロー達には苦笑いされるがな。実に俺は幸運だと感じる。

 さて、そうして考えていたら着いたようだ。やはり大きいな、さすが国内最大のヒーロー教育機関という事か。

 

「カルカル~おはよう!」

 

「む、三奈かおはよう。今日は良い入学日和だ。」

 

「だね~、カルカル何か楽しそうだね?表情にはあんまり出てないけど。」

 

「分かるか?実際昂っているよ。ここは唯の教育機関ではなく雄英だ、入学式も普通だとは思えなくてな。こういう時の俺の勘は良く当たる。」

 

「へ~そういう個性なの?未来予知とか?」

 

「いや、俺の個性は別にある。単なる勘だ、外れる事もあるが当たる事の方が多い。」

 

「マジで?やっぱりカルカルって只者って感じしないね。あっ着いたよ、ここがA組だね。」

 

「その様だ、では入るとしよう。」

 

 ふむ、扉も大きいのだな。個性の影響で大きな体躯をしている者を慮っているが故か。中に入ると既に着席している者もいるようだ。

 む、一人こちらに気付いたのか此方に歩み寄ってくる。見るからに真面目と言う言葉が似合いそうな男だ。取り敢えず挨拶だな。

 

「おはよう、良き日だな。俺の名は陽神カルナ、摩覇羽羅中学出身だ。これからは共に切磋琢磨するだろう、よろしく頼む。」

 

「アタシ芦戸三奈!よろしくね~メガネ君!」

 

「二人ともおはよう!俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ!これからよろしく頼むよ。」

 

「あぁ、共に競い合い高められる事を願おう。俺の席は…。」

 

「陽神君は一番左側の前から2番目、芦戸君は一番右側の一番前だ。」

 

「「ありがとう飯田(!)。」」

 

 そこで別れ、俺と三奈はそれぞれの席に着くが飯田は後から入って来たガラの悪い男が机に足を上げた為注意しに行った。因みに俺の前の席だ。言い争いをし、ガラの悪そうな男が凡そヒーロー志望とは思えない無い発言をすると飯田が絶句した。成程流石雄英といった所か、このように見えてもこの男は入学出来るだけの資質を持っているのだろう。侮れんな、一筋縄では行かない事を再確認した。

 また一人入って来たようだな。飯田がすかさず挨拶しに行った。む、奴は実力試験の時の…無事入学出来たようだ。あの時0ポイントだと言っていたから筆記とレスキューポイントのみで合格したという事か。

 

「おはよう、俺の名は陽神カルナだ。あの時以来だな、お互い名乗れなかったがこうして共に同じ学び舎に入れたことを嬉しく思う。」

 

「君は僕を助けてくれた!僕、緑谷出久って言いますよろしくお願いします。」

 

 お互い頭を下げて挨拶を交わしていると何やら飯田が合点がいったようだ。

 

「そうか俺達は同じ試験会場だったな!緑谷君、俺は君の事を見誤っていた!君はあの試験の構造に気付いていたのだろ、悔しいが君の方が上手だったようだ!」

 

「あー!?あの時ビュンビュン飛び回ってた人ともさもさ地味目の人!」

 

 急に緑谷があたふたし始めたが女子とあまり話した事が無いのだろうか?取り敢えず挨拶だ、挨拶は重要だ。

 

「おはよう、俺は陽神カルナだ。足はその後大事無いか?」

 

「おはよう!私は麗日お茶子!もう大丈夫だよあの後お婆さんに治してもらったから!」

 

「それは何よりだ、緑谷取り乱し過ぎだ。落ち着くがいい。」

 

 俺が緑谷を諫めた後緑谷と飯田が麗日に挨拶と自己紹介を行い、そのまま歓談を始めた。しかし…。

 

「悪いが歓談中失礼する、この寝袋に入った男性をお前達は知っているか?」

 

「「「え?」」」

 

 俺以外のクラス全員が俺が指さした方向を凝視した。途中から入ってきたが邪な気配がしなかったからスルーしていたのだが、皆気付いていなかったのか。そして寝袋の男性が出てくるとゼリー飲料を飲み干し、俺を面白そうな物を見つけた目で見てきた。

 

「へー、気配は完全に絶っていた筈なんだがな。何時から気付いてた?」

 

「最初からだ。気配は消して侵入していたが邪な雰囲気は感じられなかったので敢えてスルーしていた。この学校の教諭の方とお見受けする。」

 

「君中々やるね、それにしても君達が静かになるのに8秒かかったよ。時間は有限、君達は合理性に欠けるね。担任の相澤消太だ よろしくね。早速だがコレ来て運動場に出ろ。」

 

 運動着を取り出し言いたい事を言い終えるとそそくさ出て行った。差し当たって皆に相澤教諭の指示通り動くことを進言し、運動場に向かう。それにしても今回は俺の勘が当たったようだ

 

 

 

 

 相澤教諭の話を漸くするとこれから行うのは個性を使用しての体力測定のようなものだ。俺は別に構わないが入学式やガイダンスが無い事に不満を表す生徒も居た。その事への反論は雄英高校は自由な校風が売りだがそれは教師陣もまた然りというものだった。成程的を得ている、つまり俺達の在学退学も教師陣の手の上という事だ。面白い、これが雄英か…!

 

「実技入試成績のトップは陽神だったな、中学の時のソフトボール投げ何メートルだった?」

 

「239メートルだ。」

 

 俺の発言に周囲は驚愕の目を向ける、あのガラの悪そうな奴は親の仇を見るような目つきで睨んできたが。そんなに以上だろうか?俺の出身校では割と200メートル台は居たのだが。

 

「それ、個性使ってないよな?」

 

「無論だ、俺の出身校でも個性の使用は禁止されている。」

 

「お前さんの出身校は…成程な摩覇羽羅中学か、それなら納得だ。」

 

『納得しちゃうんだ!』

 

「んじゃ個性使っていいから投げてみろ。」

 

「個性を使用すると服装が変わるが構わないか?」

 

「線から出なけりゃ何しても問題ない、良いからさっさと始めな。」

 

「了解した。」

 

 許可を得たため炎で身を包み戦闘衣に変わる。また驚愕されたな、緑谷・飯田・麗日は見た事がある為周囲程驚いていない。ボールは見た所かなり頑丈に作られているようだ。これなら俺が全力で投擲しても消し炭にならずに済みそうだ。

 

「では…、ハァッ!!」

 

 肘部分から炎を放出させその勢いを利用し、今俺が出来る全力で投球した。その結果辺りに突風が巻き起こったが然して問題では無い。

 

「す…っげぇ。」

 

「何だよ…今の。あんなの出せんのかよ。」

 

「カルカルすっごーい!」

 

「先ず自分の限界を知る、それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」

 

陽神カルナ 記録3405.8メートル

 

 いくら個性を使用したとは言えカルナが叩き出した驚異の記録に芦戸以外は皆呆然としている。

 

「3000って3キロって事かよ!?」 「なにこれ面白そう!」 「個性を思いっきり使えんだ!さすがヒーロー科!」

 

 

 皆口々に感想を言っているが興奮するのも仕方が無いというものだろう。…む?

 

「ヒーローに成る為の三年間、そんな腹積もりでいる気かい? 決めたよトータル成績最下位の者は見込み無しとして除籍処分にするとしよう。」

 

『ハアァァァ!?』

 

「ようこそ!これが雄英高校ヒーロー科だ!」

 

 これが雄英のヒーロー科!面白い、此処なら己を更なる高みへと上げらせられる!

 

2種目目 握力測定

 

「540㎏ってアンタゴリラ!?いや蛸か?」

 

「蛸ってなんかエロいよね。」

 

「いや、俺よりあちらの方が…。」

 

 

「握力計が、壊れた!?」

 

「本気で握ったら破壊してしまった。」

 

陽神カルナ 握力記録 ∞

 

 

第3種目 反復横跳び

 

「早すぎて、見えなかった。」

 

 カルナは左右から炎を噴出させて動いた。しかし早すぎて記録不能 

 

 その後カルナは自身が現在出せる全力でもって驚異的な記録を叩き出していった。

 

「お疲れ、順位の発表は口頭なんて合理的じゃないから一覧で出すぞ。」

 

 カルナは自身の順位を確認する。 陽神カルナ 1位

 皆全力を出した、しかしそれをカルナは悉く上から驚異的な記録を叩きだしていった。英雄の力、カルナのこれまでの鍛錬は伊達では無かったということだろう。

 

「因みに除籍は嘘な。」

 

( ゚д゚)ポカーン

 

「君らの全力を最大限引き出すための合理的虚偽だ。」

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない、ちょっと考えれば分かりますわ。」

 

(((分からなかった。)))

 

「これにて終わりだ、教室にカリキュラムがあるから各自目を通しておくように。」

 

 そう言うと相澤は去って行った。取り残された生徒達はそれぞれの思い思いを口にする。

 

「いやーそれにしてもヒヤッとしたよな。」

 

「そうそう、一時はどうなるかとおもったぜー。」

 

「ホントホント!嘘で良かったよ~。それにしてもカルカル凄いね!殆どの種目で1位だよ!」

 

「陽神カルナだったよな?俺切島鋭児郎ってんだよろしくな!芦戸の言う通り本当にすげえよ!」

 

「陽神カルナだ、切島鋭児郎だな。俺の事はカルナでいい、こちらこそよろしく頼む。お前達の賛美はありがたく受け取ろう。しかしこの結果は俺のこれまでの鍛錬があったからであり、思った通りのパフォーマンスが出来たのが僥倖だった。」

 

「くぅ~!自分の実力を誇示せずに謙虚だなんてかっこいいなカルナ。それと俺の事も鋭児郎でいいぜ!」

 

「了解した、鋭次郎。それと三奈、相澤教諭は嘘は言っていなかったぞ。」

 

「えっ?」

 

 カルナのその一言で場の空気が凍り付いた。

 

「え?で、でもさ相澤先生自分でこれは合理的虚偽だって言ってたじゃん。」

 

「陽神さん、そのお話本当ですの?」

 

「お前はたしか…「八百万 百ですわ、よろしくお願いいたします。」よろしく頼む陽神カルナだ、カルナで良い。」

 

「それでカルナさん、先ほどのお話ですが…。」

 

「事実だ。証明は出来んが俺の個性の一端でな、俺の前では全ての虚偽・隠蔽の類は意味を為さない。」

 

「カルカルの個性って炎を出すことじゃないの?」

 

「それも俺の個性の一端でしかない。この黄金の鎧もその一つだ。」

 

「それでは相澤先生は…。」

 

「途中で見込みがあると考えたから嘘という事にしたのだろう。」

 

 カルナのその言葉に場は再び静まり返った。特に最下位に近かった峯田や最下位だった緑谷は自分はギリギリの綱を渡っていたのだと考え青ざめた。

 カルナは再び炎を纏い元の運動着に戻った。

 

「取り敢えず、皆着替えて教室に向かおう。それと緑谷、医務室まで見送ろう。」

 

「えっ、でも。」

 

「俺もお前に話したい事があるから丁度いい。行こう。」

 

 その場に残っていた者達はカルナ達を見送ると共に、先のカルナの発言による相澤の真意と自分達と1位であるカルナとの実力差を感じて反省会をしようと決めたのだった。

 

 




第3話書けました。本当はカルナさんの全種目の記録考えようとしたのですがどうあがいてもトップ取る事しか考えられなかったのでカットしました。だってインドだもん。

それとカルナさんのヒロインは芦戸三奈ちゃんに決めました!まだあんまりヒロインらしい行動させられて無いけど追々三奈ちゃんsideの話も書こうと思います。

今現在の悩みはカルナさんに、【日輪よ、死に随え】をどこで出すかです。アポクリファ見てもらったら分かるのですが発動準備段階でアレなので市街地で放とうものなら大惨事なので。

【日輪よ、死に随え】の使いどころ

  • 敵に対して
  • 宿敵に対して(カルナの宿敵と言えば?)
  • 興味ない
  • 使わない

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