漸くUSJ編です、早く体育祭まで行きたいですね。
様々な経緯のあった戦闘訓練の翌朝、カルナは学校へと登校して来たのだが校門前で立ち往生していた。その理由というのが
「そこの君!オールマイトが雄英の教師に就任したようですが、授業はどのような感じですか!?」
「やはり№1ヒーローの授業というのは他の教師と一味違うものなのですか!?」
「オールマイトが受け持つ授業の名前をお答えください!?」
「…。」
という感じの取材陣の所為だった。
まだ入学してから数日しか経っていないが故にこの様な事態は想定していなかったカルナ。それ故に上手く答えられず思わず固まってしまったがこのままでは中に入れない為早々に突破する事にした。
「俺が貴様らに答える義理は無い。この様な時間帯から俺達学生の邪魔をしようとはな、成程随分とご苦労な事だ。疾く退けるが良い、此処は我らが道だ。」
(申し訳ありませんが私は入学して数日しか経っておらず授業も一度しか受けていない為答える事が出来ません。朝から大変なお仕事だと思いますが、私達学生は未だ登校時間な為貴方達が此処に留まっていると遅刻する生徒が出るかもしれません。無理を承知でお願いしますが今はどうか私達に道を譲っていただけると幸いです。)
『ッ!?』
本人は丁寧に言ったつもりだが相手にはかなり威圧的に聞こえるように言いたい事を伝えたカルナ。取材陣はカルナのあまりの物言いに憤慨するどころか驚愕し、そのまま道を譲り渡した。
漸く校内に入れたが時間は遅刻という程では無いにしろいつもより時間が押している為急ぎ足で教室に行く。
教室に着くと未だ朝だというのに疲れ切った顔の者が何名か居た。おそらく先ほどの取材陣の所為だろう。
「おはよ~カルカル、校門前に記者の人達居たでしょ?朝から嫌になるよね~。」
「おはよう三奈、俺も先程捕まったよ。」
「でしょう?通してって言っても中々通してくれなくてさぁ。」
「?いや、俺が先ほど通してくれと言ったら快く通してくれたぞ。俺の後続の生徒達にも道を譲っていた。」
「あれ~?そんなに聞き分け良かったかなぁ。」
と何でもない会話を担任である相澤が来るまで行った。
カルナと三奈が話していると相澤教諭が教室に着いたため切り上げる。
どうやら昨日の戦闘訓練のVTRを見たらしく、最も問題が多かった爆豪と出久に注意をしていた。
そして話を切り替える様に咳払いをした。
「急で悪いが今日は君達に学級委員を決めてもらう。」
⦅学校っぽいの来た~。⦆
ここに来て久方振りの学校っぽい行事にクラス全員の心が一致した瞬間である。
初日が個性把握テスト、次の日が戦闘訓練とヒーロー科である為是非も無いと言えるが漸く普通っぽい行事が来たのだから。
ふむ、しかし学級委員か。興味はある、普通の学校なら忌避される事の多い役職であるがヒーロー科ならば皆別という事なのだろう。
切島を始めとして三奈や他のクラスメイト達も立候補している。…しかし峰田よ、女子のスカート丈が膝上30㎝とはどういうことだ?いや理解したくは無いが。
かく言う俺も立候補したのだが、飯田の言い分である多数決と相澤教諭の許可で多数決に決まった。飯田、皆が言うようにその聳え立っている腕はお前も成りたいという事なのだな。
結果で言えば出久が4票で委員長に、八百万が2票で副委員長に決まった。俺自身は0票だ、自分に投票しようとも思ったが多少人見知りである出久の為になるかと考え出久へ投票した。また、よく物事を考える出久には似合っていると感じたのもあるのだがな。他に候補としては飯田等が居たが今回は出久に入れさせてもらった。
時は少し進んで昼時、俺と三奈は食堂でランチラッシュの作る昼食を食べている。ひよこ豆カレーも中々美味だな、明日はカツカレーを注文してみるか。
「あーあ、学級委員長やりたかったなー。緑君に決まったのは意外だったけどやる時はやってくれそうってのはあるよね。」
「あぁ、出久は普段は少々頼りないがここぞという時は普段以上の力を示すだろう。後はあの人見知りな所が直って欲しいのあったが俺は出久に投票した…ッ。」
「そういえばカルカルってば0票だt『Griririririri!!!』な、何これ警報!?」
談話していると突如警報が鳴り響く。
周囲の先達方の話を聞くに校舎内に外部の何者かが侵入してきたという事らしい。そして先程感じた邪悪な気配、良くない事が起こっているようだ。
しかし今はこのパニックを起こした人の波だ、出入口に近かった事もあり既に呑まれかけていた。
「痛ッ!ちょっ、引っ張らないで!」
「三奈こっちだ。」グイッ
今カルナが行った事を説明すると人波に完全に呑み込まれそうになった芦戸の手を咄嗟に引っ張り、壁に押しやり両腕を芦戸の両側の壁に押し当て自らの体で盾を作るという俗に言う壁ドンというやつである。
その結果起こった事はある程度カルナに対して好意的な女子に対して
「へ?え、ちょ!カカカ、カルカル!?」
「少し我慢してくれ、今見ての通り飯田が沈静化を図っている。それにしても侵入して来たのはマスコミ連中だったようだぞ。」
芦戸からしたらそれどころでは無いのだがカルナは壁ドンをしながら冷静に状況を解説した。
麗日・飯田が連携してこの人波を鎮静してくれた為漸くカルナは芦戸から離れた訳なのだが
「ふむ、落ち着いたようだな。む、どうした三奈?酷く動揺し顔が赤いようだが体調が悪いのなら保健室に連れて行こうか?」
「な、何でもない!何でもないよ!カルカル!アハハハハハ!」
「そうなのか、もし体調が悪ければ遠慮無く言うがいい。」
ここまでの事を全て何気なくやっているのだから天然とは恐ろしいものである。
その後を端折って語るとマスコミ達は警察の到着と共に追い返された。
また、食堂での飯田の活躍が見込まれ出久の鶴の一声によって新たに飯田が学級委員長に任命された。八百万は終始悔しそうな立つ瀬無さそうな表情をしていたが是非も無し。
俺達は昨日のマスコミ雄英侵入事件から明けた今日、相澤教諭から本日のヒーロー基礎学について説明を受けていた。
今回はオールマイト教諭に加えて相澤教諭ともう一人の三人態勢で行うようだ。
色々と聞きたい事はあったが話されないという事は未だ言うべきでは無い又は言う程の事では無いということなのか。
「今日のヒーロー基礎学のテーマはコレ”
「これこそヒーローの本質だぁ!腕が鳴るぜ!」
「水難なら私の独壇場ケロケロ。」
「おい、まだ途中だぞ。」ジロ
この相澤教諭の眼力は得も言われぬ圧力があるがコレがプロヒーローの持つ威圧なのだろうか。
ただ一睨みするだけで教室全体を黙らせるのだから凄まじいな、俺もやろうと思えば出来るかもしれないがアレは物理的な破壊力で周囲を黙らせるものだしな。
「今回コスチュームの着用は各自の判断に任せる。場合によっては動きを阻害する場合もあるから注意するように。訓練場は少し離れた所にあるからバスで移動する。」
「それと陽神、校長がお呼びだ。遅れてもいいから終わってからこっちに来い、話は以上だ。各自行動開始。」
まさか俺が呼ばれるとは、何も問題など起こしていないはずだが。
いや、目を付けられるとするならば俺の
クラスメイト達には一言二言交わし遅れると言って校長室に向かう。
此処が校長室か、扉の向こうから人とは違う気配を感じるがこれは…?
ノックを行うと「どうぞ入って欲しいのさ。」と言われたので入った。
「初めましてなのさ、私は根津。ここ雄英高校の校長さ、よろしくしてほしいのさ。」
「お初にお目にかかる、陽神カルナと言う。こちらからもどうぞよろしく頼む。」
表情にこそ出さなかったがこうして会う事で違和感の正体が漸く理解出来た。
俺達が通う雄英の校長は二足歩行で立ち喋るネズミの様な犬の様な小動物だったのだ。
何とか今年中に投稿出来ました。はっきり言って今回も中途半端な内容になってしまいましたが次回はUSJ編です。敵をばったばったとなぎ倒すカルナさんが見れるかもしれませんね。
それと【日輪よ、死に随え】の出し処が決まった事は報告して起きます。ぶっちゃけそれなりに先になりそうです。
それでは皆様お体にお気をつけて、良いお年を。