天空(そら)の彼方に響く旋律 -穢れた七世界の中で生き抜く戦士達-   作:室谷 竜司

12 / 61
Episode11. Let's go shopping! 女性服には詳しくないけど……

 メッセージにはすぐに既読が付いた。うむ、こちらも見るのがお早いですな。俺とは大違いだな。俺は普段、あまりスマホをいじることがないので、自分にメッセージが届いているということに気が付かないこともしばしばあった。

 まぁ、そのたびに愛葉だったり他の友人連中に説教され、なるべくこまめにスマホを触る癖をつけ始めたが、やはりふとした時にスマホでない別のものを握りしめていることが多い。ペンとか……、掃除機とか……、洗濯物とか……。後半二つに関しては、もはや主婦の領域だな。はは、笑えないや。

 っとと、そんなことを考えているうちに返信が届いていたみたいだ。

ーお買い物ですか? 私がご一緒してもよろしいんですか?

ーもちろん。 まぁ、俺一人じゃなくて、小雪……、小瀬戸さんとかもいるんだけどな。

ーなるほど。 小瀬戸さんのことは下の名前でお呼びするようになったんですね。

ーえっ、そこに食いつくの?

ー私も年頃の女ですので。 こういった話には人並みくらいには興味ありますよ。 とにかく、お買い物の件、了解しました。

ーひとまず、エントランスで待ってるよ。 準備できたら来てくれ。 あ、急がなくていいからな。

ーわかりました。 それでは。

 メッセージのやり取りが終わる。相変わらず、天留さんは丁寧な人だ。

 俺はスマホを自分のズボンのポケットにしまい込み、楽しげに雑談を交わす彼方と小雪の方へと振り返る。

「あ、終わったの? 天留さん、なんて言ってた?」

「今から準備してエントランスに降りてくるってさ。」

「そうなんだ。 うぅ、初対面って緊張するなぁ。」

「あれ? 彼方ちゃんって人見知りするタイプだったの? わたしの時とか、全然緊張してるようには見えなかったけど。」

 そわそわしている彼方の様子に、小雪が小首をかしげてそんな疑問を口にする。

「小雪ちゃんの時は状況が状況だったから。 ワタシ、人見知り激しい……というか、人と話すことに慣れてないんだよね。 引きこもり期間が長すぎて。」

 あはは、と苦笑して見せる彼方。この子的にはそこまで意識していないのだろうが、こちらからすると少しいたたまれない気持ちになってしまう。けど、本人が気にしていないようなので、面には出さないようにする。

「そっか。 まぁ、これから慣れていけばいいと思うよ。」

 小雪も、あまりブラックジョークじみた彼方の言葉には触れないことにしたようである。賢明な判断だ、小雪よ。

「とりあえず、俺たちもエントランスに移動しようか。」

「うん、そうだね。」

「はーい。」

 俺たちは小雪の部屋を後にし、西7寮のエントランスへと向かうことにした。

 エントランスにもソファとかテーブルくらいなら備え付けられているしな。人を待つ時なんかは結構便利なのではなかろうか。今までそんな経験ないけど。なんせ、昨日までここに他の人が住んでいるなんて知らなかったわけだし。

 これからは、時々利用することになるのかな。そうだといいのだが。

「ところで、今日は何を買うの?」

 ふと思いついた疑問を、彼方に投げかけてみる。

「えっとね、これからここに住むことになるから、その準備として一応日用品くらいは多少買い揃えておきたいなって思ってね。 あと、ほとんど持ってこれてないから、お洋服とかもほしいかなって。」

「なるほどね。 金銭面は大丈夫?」

「その辺は平気だよ。 って、そうだった。 学費とかってどうすればいいのかな?」

 彼方が突然思い出したように、俺と小雪へと質問してきた。

「学費とかは、基本的に免除してもらえるよ。」

「親がいないっていうケースは多いからね。 わたしなんかは実費だけどね。」

「そうなんだ。 よかったぁ。 流石に、そこまでの貯蓄はなかったから。」

 俺も学費や生活費はRSOから支給されている。本当に助かっている。小河原さんや他のRSOの職員の方々には頭が上がらない。

「いやホント、いつもお世話になっております。」

 俺は今一度、感謝の念を込めて小雪に頭を下げる。

 小雪と彼方はいきなりのことであたふたしている。と言っても、この二人のあたふたの意味合いは違うだろうけどな。

「ど、どうしてレンくんが小雪ちゃんに頭下げてるの!?」

「えっとな、小雪のご両親、実はRSOで働いてるんだよ。」

「あ、うん。 それは聞いた。 って、あっ! そ、そういうこと!? えっ、えっと、お、お世話になりますっ!」

 俺の言葉を聞くや否や、彼方は勢いよく小雪に頭を下げる。

 そして、当の小雪は、さらにあたふたしてしまっていた。可愛い。

「な、なんで二人してわたしにお礼するのっ!? わたしは何もしてないよ!? それに、お父さんもお母さんも、大したことはしてないから。」

「いえいえ、それでも本当にお世話になっております。」

「これからよろしくお願いします!」

「な、何でしょうか……、この空間……。」

 不意にそんな困惑したような声が背後から聞こえてきた。俺がそちらに振り向くと、そこには天留さんの姿があった。

「おっ、天留さん。 おはよう……って時間じゃないか。」

「そうですね。 すみません、お待たせしてしまって。」

「いやいや、平気だよ。 大して時間かかってなかったじゃん。 むしろ、急がせちゃったかな?」 ごめんな。

「そんな、誤らないでくださいよ。 誘っていただけただけで嬉しいですよ。」

 そういって柔らかく微笑む天留さん。おお、これは愛葉よりよっぽど女神だ。って言うと、愛葉にいろいろ言われそうなので、ここは押し黙る。

「わあっ!! 天留さん、すっごく綺麗だね! いいなぁ、そんな大人っぽい恰好が似合うなんて。」

「そ、そうでしょうか? あんまり外出とかしないので、こういう服は着慣れていないんですよね。 変じゃありませんか?」

「すっごく似合ってる!」

「そうですか、よかったです。」

 ほっと胸をなでおろす天留さん。確かに、ファッションに無頓着な俺から見ても、すごく綺麗だと思う。というか、柔らかくも大人びた天留さんの雰囲気によく似合っている。

 今の天留さんの格好は、上が白のロングシャツにベージュのセーター、下は黒のロングタイトスカートである。一見シンプルに見えるが、天留さんは凝った服装よりもこういうシンプルなほうが似合いそうだ。

 それに、白シャツにあしらわれたレースがまた上品な雰囲気を演出しているようだった。これは、油断しているとすぐに目を奪われてしまいそうだ。それだけ、天留さんの姿は魅力的なものだった。

「天留さんの雰囲気にぴったりな服だと思う。 すごく似合ってるよ。」

 ありきたりな誉め言葉になってしまったような気がするが、何も言わないよりかはマシかと思い、とりあえず服装をほめておく。

 と思ったら、横から二つの視線が突き刺さる。彼方と小雪だ。えっ、なんでですかね?全くもって心当たりがないもので、俺は首をかしげざるを得なかった。

「レンくん、わたしには何も言ってくれなかったのに……。」

「そういえば、ワタシもそんなこと言われた記憶ないなぁ……。」

「おや? そちらの方は?」

「って、あ、ごめんなさい、自己紹介が遅れちゃって。 ワタシは黒咲彼方って言います。 今度、沖月に転入する予定です。」

 天留さんのふとした疑問にはっとした彼方が、居住まいを正して天留さんに向き直り自己紹介を始めた。これは……、ひとまず回避できたということでいいのか?

 先ほどの彼方と小雪の反応、なんかものすごく恐怖心をあおるような怖さがあった。お、女って怖いですねぇ……。

 なんて考えている間にも、彼方と天留さんの自己紹介は続いていた。

「そうだったんですね。 私は、天留未来と言います。 沖月の高等部2年で、神奈和君や小瀬戸さんとはクラスメイトです。 あとその……、一応ご友人もさせていただいています……。」

 もじもじと恥ずかしそうに言葉を紡ぐ天留さんの姿に俺はグッとくるものがあった。こ、これがギャップっていうやつなのか!!天留さんのような大人な雰囲気を持つ人だからこそ、今の恥ずかしがる姿は萌えるなぁ。

「レンくん、顔がニヤニヤしてる。」

「えっ、そんなことないだろ?」

「むぅ、やっぱり、ああいう大人っぽい人が好みなのかな……。」

 ボソボソと何やら呟いている小雪。うん、やっぱりなんか怖いです。

「こちらには今日いらしたんですか?」

「えっと、ここには昨日来たんだ。 まぁ、厳密には一昨日なんだけどね。 その、身投げしようとしてたところをレンくんに助けてもらってね。」

 あ、そこまで言うんだ。まぁ、彼方がその辺抵抗ないのなら別にいいのだけど。無理していっているなら辞めさせるべきなんだがな。

「そ、そうだったんですか……。 言いづらい話をさせてしまいましたよね……。 すみません……。」

「ううん、平気だよ。 そんなに気にしないで。 今はもうすっかり元気だから。」

「ならいいのですが。 その、私でもお力添えできることがあれば遠慮なく言ってくださいね。」

「ありがとう、天留さん。 えっと、これからよろしくお願いします。」

「ええ、よろしくお願いしますね、黒咲さん。」

 うむ、どうやら話はついたみたいだな。

「んじゃ、そろそろ行こうか。 ここで話してたら日が暮れちまうだろうし。」

「そうですね。」

「むぅ、まだわたしの話は終わってないのにぃ……。」

「あ、そ、そうだった……。 もう、レンくん。 誤魔化せたとか思わないでよね。」

 くっ、ダメだったか。これは、道中覚悟しておいた方がよさそうだな。

「中がよろしいんですね。 うらやましいです。」

「「えっ……。」」

「そ、そうか? ま、まぁとりあえず移動しようよ。」

 というわけで俺たち4人は、西7エントランスを出て徒歩で商店街まで向かうことになった。途中、彼方と小雪の様子がさらにおかしくなったような気がしたが、まぁ心配の必要はなさそうなので、俺は気にしないことにした。

 

 

「ここまで出てくるのは久々です。」

 商店街に入ると、天留さんがそう呟く。確かに、俺も商店街にはあまり立ち寄らないな。基本的に近くのコンビニとスーパーで事足りているので。

「結構広いんだね! へえ、お店もいっぱいだね。」

 彼方は、商店街の光景を目の当たりにして元気を取り戻したみたいだ。よかった。

 道中、特に言葉は発していなかったが、なんというか放つ雰囲気が異様なまでに圧力があったというか、怖かったというか……。まぁ、そんな感じだったので、元気になってくれたならそれでいい。

 つられるように、小雪の期限も元通りになっていくのが分かった。

「それじゃあ、まずは何から見る?」

「そうだなぁ、まずは日用品系を揃えちゃおうかな。」

「オッケー。 それじゃあ、ここからはわたしが案内するね。」

「うん、よろしくね。」

 小雪が先導するようだ。確かに、俺はあまり女性用の商品を扱う店には詳しくない。ここは、手慣れているであろう小雪に任せておくのが先決かもな。

 にしても、ここまで広いとはな。俺も知らなかった。基本的に、ここにきても一部の店にしか顔を覗かせないので、5年も住んでおきながら商店街はまだまだ未踏の地であふれかえっている。

 小雪の案内のもと、俺たちは雑貨を見て回ったり、シャンプーなどの生活必需品を買い揃えたりしていった。

 そして、日用品をあらかた買い終えたところで、

「よし、それじゃあお洋服を見に行こう!」

 小雪がなんかハイテンションでそう言った。女性はやっぱり服の買い物とかにテンションを挙げるものなのかな。

 彼方も見てわかるくらいうきうきしているようだったし、天留さんですらどことなく楽しげな雰囲気をまとっているようだった。

 でもまぁ、この子らの買い物なら俺も苦じゃないかな。むしろ楽しいかもしれない。

 それに、なんだかんだで彼方は可愛い子だしな。そんな子の服選びを間近で見れるのは役得だろう。もともと、ついていくと決めたのも俺自身なわけだし、ここは俺も思い切り楽しんでやろうじゃないか。

「じゃあ、おすすめのお店に案内するね。」

「うん、よろしくね!」

「小瀬戸さんのおすすめのお店ですか、私も興味あります。」

「あはは、二人の期待に応えられるといいな。」

 彼方と天留さんの期待を受けて、少し困ったように笑う小雪。でも、小雪のお墨付きなら、特に心配はいらないような気がする。

 小雪の今の格好は、桃色のワンピースで、スカートの下には黒のレギンスを合わせている。ワンピースの胸元には水色のリボンがあしらわれており、小雪の雰囲気に合った可愛らしい格好だ。

 自分の雰囲気に合った服を選べる小雪のファッションセンスと、女性としてのかわいらしさがはっきりわかるようなその服を見れば、小雪への信頼度など100%間違いなしだろう。俺も期待度マックスだ。

 ちなみに彼方の格好だが、白のTシャツにグレーのカーディガンを羽織り、下は黒のプリーツスカートである。ラフな格好ではあるが、シンプルでも似合っているように感じてしまうのだから、美少女とはすごいものである。

 とまぁ、天留さんと小雪の服装だけ触れておいて彼方だけ触れないのも不自然だったので、一応全員の格好に触れておくことにした。話をそらしてしまったな。

「っと、ここだよ。 このお店、品ぞろえがすごくいいんだよ。 いろいろ売ってるんだ。 ほらほら、みんな入ろう!」

 小雪に続いて店の中へと入る。うーむ、女性副専門の店だけあって、店員含めて男はいないみたいだな。少し居づらいかもしれない。

「あのさ、俺がいて大丈夫?」

「い、いてくれなきゃ困るよっ!!」

 食い気味な彼方に気おされてしまう。

「か、彼方ちゃん、一応お店の仲だから、落ち着いてね。」

「あ、ご、ごめんなさい。 で、でも、レンくんにもちゃんと見ててほしいかな。」

 お、おぅ……。なんだ、今のセリフは……。思わずドキッとしてしまった。

「わ、わかった。」

「フフッ、なるほど。 そういうわけですか。」

「え、どうしたんだ? 天留さん。」

「いえいえ、何でもありませんよ。」

 なんというか、天留さんはどことなく楽しそうだった。どうしたんだろうか。やはり、女性服を目の前にしてテンションが上がってるとか?まぁいいか。

「それじゃあ、まず何から見たい?」

「うーん、そうだなぁ……。 トップスから揃えようかな。」

「オッケー、そしたらこっちだよ。」

 小雪が店内をどんどん進んでいく。そして、シャツやら上着やらが並んでいるコーナーへとやってきた。

「ふわぁ、本当に品ぞろえが豊富だね!」

「でしょ? 今は秋物がメインかなぁ。 でも、冬服ももう置いてあるね。」

「どれも可愛らしいですね。 小瀬戸さんはいつもこちらで?」

「そうだね、だいたいこのお店で選ぶかな。」

「その服もとってもお似合いですしね。 小瀬戸さんにお任せして正解でしたね。」

「そ、そうかな? えへへ、ありがとう、天留さん。」

 照れくさそうにはにかむ小雪。同性同士だからなのか、それとも女性は相手の服をほめるという行為にもともと抵抗がないのかな?少なくとも、俺には無理だ。先ほど天留さんの格好にコメントしたときも、結局は小雪の言葉に便乗したようなものだったしな。

 ヘタレで悪かったな。どうせ、万年彼女無しだっつーの、畜生が。

「彼方ちゃんは……、あ、こういうのとか似合うかも!」

「わあ! 可愛いね、それ!」

 そう言って二人が手に取ったのは、結構肩口が露出しているものだった。まぁ、確かに可愛らしいけど。それに、水色というのがまたいい。彼方の銀髪によく映える。

「あとは……、これなんかもよさそうだね。」

「いいですね。 あ、こちらなんてどうですか?」

「どれもいいなぁ! いろいろ着てみたいかも! ねえねえ、レンくんはどう思う?」

 おっと、まさかの俺ですか……!?

 うーむ、あまりファッションには自信がない……。というか、女性服に詳しくなさすぎて、何が何だかよくわからないんだよな、俺。

「そうだなぁ、基本どれも似合いそうだけど……、これとかどう? 長袖だし、これから涼しくなっても着られそうじゃない?」

 と言って俺は、ゆったりとしたデザインの長袖Tシャツを指さす。露出が少なく丈もそれなりに長いので、秋から冬にかけて着る服としてはいいんじゃないだろうか。俺のわずかなファッション脳を絞りに絞った結果だ。割と自信あるぞ、これは。

「おっ、レンくんってば、普通にセンスあるじゃん!」

「そうですね、とても可愛らしいです。 ピンク色をチョイスですか、なかなかやりますね。」

「え、なんかまずかった?」

「そんなことありませんって。 とても良いチョイスだと思いますよ。 ほら。」

 そう言って天留さんが彼方を指さす。

「可愛い! ワタシ、これ買っちゃおうかな!」

「そ、そんな即決指定医の!?」

 思わずツッコむ俺。

「もちろんだよ! ワタシ、この服気に入っちゃったよ! レンくんが選んでくれたものだから、かな。」

 またもやどきりと心臓が跳ねる。さっきから何なんだ、これは……。

 うっとりと俺の選んだ服を見つめる彼方の横顔に、俺の視線が吸い込まれていくようだった。くそっ、可愛いじゃねえか……。

「と、とりあえず試着くらいはしてみたら?」

「うん、そうする!」

 それから、もう何着かみんなで選び、彼方は近くにあった試着室へと駆けこんでいった。そして、彼方のプチファッションショーが始まった。

 あれだこれだとはしゃぎながら、彼方の服装をチェックする女性陣。俺はついていけず、ただボーっと彼方の試着した姿を眺めていた。

 彼方って、パステルカラーの服とかよく似合うんだよなぁ。銀髪ってすごい。

「うん、あらかた終わったかな。」

 試着室から出て、靴を履きながらそう口にする彼方。手にした籠の中には、トップスだけなのに結構な量の服が入れられていた。

「そんなに買って大丈夫なのか?」

 俺は思わず聞いてしまう。

「うん、大丈夫。 ほら、ワタシほとんど服持ってきてなかったから。 これだけ買っておかないとむしろ足りないよ。」

「そんなものか。 んで、次はどうするの?」

「次はボトムスかな。」

「了解だよ。 それじゃあ、こっち来てね。」

 それから彼方は、小雪の案内でスカートやズボンを選んでいく。ボトムスっていうのか、初めて知った……。

 そして、ボトムスを選び終えたら、上着のコーナーへ。女性服を眺めるのも、案外楽しいものかもしれない。今度、愛葉の買い物にでもついて行ってみるか。……って、あいつの場合はダメか……。ぶっ飛ばされそうだ。

 それが終わると、次は……

「それじゃあ、最後は下着かな。」

「だね。 じゃあ、2階に行こう。」

「はい。 ほら、神奈和君もいきますよ。」

 俺は固まっていた。下着は流石にどうかと思っていたんだけど……。

「いやいやいや、下着コーナーに男が行くのはおかしいって!!」

「えー、でもついてきてくれるって言ったじゃん。」

「ま、マジで言ってんの!?」

「ほらほら、行くよ、レンくん。」

 そんなわけで、俺は3人に引きずられるまま上階へと上がっていくのであった。

 はぁ、勘弁してくれよ……。

 俺は一人、マインドライフの消耗を覚悟していたのだった。


 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。