if日本国の独り立ち   作:第2戦闘団

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以外と見てくれる人がいたので初投稿します……



2:死ぬより辛いのは事務仕事

 防衛装備庁は要塞と化していた

 

 

 そこら中から聞こえるタイプ音、クリック音、椅子を立ち上がり資料を請求しに右往左往し、出来上がったらすぐ次の業務に向き合わなければならない苦痛の時間が続いていた

 

 

 それもこれも、この世界の歪な技術体系のせいなのだ

 

 簡単に言えば出来るはずのことがなぜか出来ていない、と言えば楽である

 

 例えばムー。電話、無線、モノクロテレビなどが、一般的に普及しているが、何故かレーダーに関してはからっきしであり、地上配備型でさえ開発はされておらず、また戦車はあるのに進化の方向性が定まらない。航空隊が結成されているのに、航空機の用途が制空戦闘に限定されている。

 

 

 主に国防で最も重大な兵器分野の技術が思った以上に歪に出来上がっているのだ。おかげでムーへの売却予定であった各種兵装の見直しと選定兵器の再選定がなされ始めた

 当初は博物館に眠っている零戦などのレシプロ単発機や警察予備隊だった時期に使用されていたM1ガーランドだったが、第八帝国の領空侵犯機の写真が明らかに零戦の水偵だったり、援護に来た機体が零戦の21型や32型だったり、ムー人の体格からガーランドは少し大きすぎるなどで初期選定兵器達は撤回された

 

 新たに第二次大戦期の優良な米軍機やM14などほぼほぼ大戦期の米軍兵器を中心に輸出することになった。また、国内での生産はほぼほぼ自衛隊向けにリソースを取られている為、ムー本国かロデニウス、中間? のフェンや魔石に関してはお得意様のアルタラスなどに工場を新設し、そこから生産し輸出するというものだ

 

 因みに、小銃に関しては最初AR-18が提案されたが、現在主力の89式と構造も性能とほとんど変わらなく、万が一敵に鹵獲されると非常に困るとし、鹵獲されても多少目をつぶれるのと、今後ムーの小銃開発に大きな影響を与え……てくれればいいくらいの、希望的観測からガーランド、その次にM14と決定された

 

 また相手が零戦に近い性能だった場合。防弾性能はともかく機体性能と火力は同等な可能性がある為、数と速度差を生かした一撃離脱を主として、かつ安価で大量に生産できると条件付きで探したところ。マスタングが該当された

 

 しかし、これら兵器を当時の性能のまま甦られせるわけでは無い。現代技術を駆使し、改良できるところはとことん改良しなければならないので、外見変更もかなりのものになるだろう。下手をすれば二重反転プロペラで機首中央に30mmの機関砲を乗っけた殺意高い系マスタングとか、同じく反転プロペラで防護機銃がチェーンガンなB-24だってありえるのだ

 

 その書類戦争の中、別室では、今後の日本の国防兵器に関して談判が行われていた

 

 

 

 

 

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「現行の護衛艦の量産、新型小銃の開発、対超重装甲艦兵器の開発、新型小型短距離ミサイルの開発、etc……今年に入ってから1番提示された条件の中で1番我々が苦労してるのがね、対超重装甲艦兵器の開発だよ」

 

「《F-2とF-4EJ改の後継機にあたるF-35に4発搭載可能なサイズで敵戦艦、巡洋艦サイズの艦艇を撃破又は行動不能にさせるもの》……と」

 

「夢でも見てろ! ……て、言いたいけど、首が飛びかねないからなぁ……」

 

 最初から被弾することが前提なんだから硬いのは当たり前だろ

 実際、現代の対艦ミサイルでは第八帝国が保有している戦艦、グレードアドラスターには致命傷を与えられない。単純にバイタルパートの装甲に対してミサイルの貫徹力が足りないのだ

 

 旧式(非ジェット)の航空機に対しては過剰、(大戦期の)艦船に対しては少し物足りないという、現代でしか通用しない戦術と使い方がある、ミサイルの弱点が徐になってしまった

 考えて欲しい。1発一億行くか行かないかくらいの値段が高々一億の駆逐艦や巡洋艦に何発も突っ込んでいくのだ

 防衛省が出してきたのは1発でそれ相応の被害を出せてかつそれほどお値段がかからない、予算的にも優しい兵器である。しかし、完全に無いわけではない

 

 

「燃やすか沈めるか……どっちがいいと思う?」

 

「ジェット機に雷撃をやらせるなんて贅沢だと思いますが、燃やすよりはまぁ、人道的じゃないでしょうか」

 

 

 日露戦争の際、連合艦隊がロシアバルチック艦隊に放った砲弾には下関火薬が使われ、ロシア戦艦を火炙りにした

 

 坊ノ岬では片舷集中雷撃で、決戦兵器であった戦艦大和は傾斜を復元できず、転覆し爆沈した

 

 

 魚雷はミサイル並みに高い。例えに使う潜水艦と配備する数によってはイージス艦建造費の半分近くになったりする

 ナパームも使用素材に燃料の時点でアウトだった。石油金庫があるからとは言え、備蓄も十分とは言えない。ましてやこれから製造する兵器にも石油を使うのだ。無駄にしてはいられない

 

 そうすると、自然に各々の考えは魚雷へ傾斜していく

 

 

「でも、効果が出るのと出ないのとでは違いがありますから、魚雷ですかね」

 

「もうそれしかないだろ? 現代戦は環境にも配慮しないと訳の分からない人間が騒ぎ出すから怖いねぇ……そうだな。魚雷も開発しつつ、その傍らで、ついでに対空艦ミサイルでも開発してもらおう。我々の敵は第八帝国だけではないのだから」

 

「じゃあ、その件は魚雷で倒すとして歩兵銃と対戦車兵器なんですけども……」

 

 

 委員達は天を仰ぎ見る

 そして、彼らは部屋のデスクワークから離れられず、腰痛と両手指の腱鞘炎という重傷を負うことになる

 

 

 

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 時を同じく、国防省防衛局情報管理部

 

 情報管理部を統括しているパーシャは、真剣に悩んでいた

 それは日本と第八帝国に存在する「戦車」という兵器である

 

 ミリシアルはこの世界では総合的に見ても(※1)列強である。しかし、自らが世界の最先端を走っているという錯覚があった。自国開発したものはなく。掘り出したものを分析し、(※2)改良を加え、生産したものがほとんどで自国での、特に兵器開発に関してはほぼノウハウも技術者もいない状態になっていた

 

 技術は真似る場合から入り、やがては別々の方向に進化するが、真似てばかりでは先に進めないという事を理解できなかったのだ

 

 

 話を戻すが、ミリシアルの装甲戦力はパーパルディアの地竜に毛が生えた程度の地竜が派生型を含めて数種類あるだけである

 そして火炎放射は出来るが射程が短い。一般的な火炎放射器の射程は30m、地竜はその半分にも満たない。そして銃弾は弾くが砲弾になると途端に柔らかくなる。因みに、魔王ノグラースがこれより強い地竜を率いていたが、クワ・トイネに残っていた現物と資料の結果、短砲身の57ミリに射殺されるくらい柔らかいことが判明している

 

 そして、そのチハと同レベルの戦車が第八帝国に存在する。しかし、情報士官が持ち帰った日本の戦車は、第八帝国の戦車がおもちゃに見えるくらい大きく、艦砲の様な長さと口径、誘導魔光弾以外の自身と同格かそれ以下の攻撃を弾くとされている装甲(複合装甲)、馬や自動車の様な機敏な起動ができ、その場で旋回(超信地旋回)できるなどなど、そんな夢のような車輌(10式戦車)との記載されていた。頭が痛くなる文面だった

 

 おまけに魔写まで送られてきたんだから、信じないわけには行かない

 しかし、これまで開発したことなどない自分たちが開発できる物ではないことは、パーシャにはすぐ分かった

 なんせこれに使われているほとんどは民間技術が主流である。純粋な軍事技術ではないのだ

 

 余計パーシャは胃腸炎になりかけた

 

 

 しかし、そんな時。救いの手が差し伸べられる

 

 

 

「やぁパーシャ局長」

 

「ア、アマネウス局長。こんな時期にどうして情報管理局なんかに?」

 

「いや、大したことじゃないんだがね。最近、日本のサブカルチャーという物を部下から渡されたら、ハマってしまってね」

 

「はぁ……」

 

 

 パーシャはアマネウスに殺意を抱いたが、当人のアマネウスが勘付き話題を変える

 

 

「……というのは冗談でね。これを見てもらいたい」

 

 

 彼がパーシャの机に出した物は、雑誌である。しかも題名であろうか、大きな文字が数文字と、キャラクターと戦車が写っている

 

 

「これは……」

 

「少し前に人気だったらしいゲーム? の設定資料集だ。(※3)戦場の戦乙女って言うんだがね、ストーリーと設定が細かく、異界の人種問題や政治的亀裂とかも……

 

 

 アマネウスが勝手に熱弁し始めるが、パーシャはそれよりも雑誌に掲載されていた兵器に目がいっていた。日本のものでも第八帝国のものにも似つかない兵器が多数載っていた。しかし、パーシャの目を引いたのはその動力源である。とある燃料石とされる物を加工し、放熱版と燃料タンクを兼ね合い、車体後部に外付けされている

 そして前面には装甲と相手を撃破できる火力を向けられ、しかも回転砲塔である。回転砲塔の技術はミスリル級の副砲塔や主砲等で製造もできる。無限軌道も情報士官が紙媒体として持ち帰ってきている

 

 燃料石というものを魔石に置き換え、エンジンもエルペシオから流用して改造すれば、即席ではあるがムーより格段にマシな物が出来上がる

 

 

 パーシャは感謝した。サブカルチャーに浸っていたアマネウスに対して、今日初めて感謝したのだ

 

 

 

 

 ただ、彼の熱弁は彼の気が済むまで続いた為、そんな気持ちも消え去った

 

 

 

 




※1 国家戦略も国防もその他もガバガバ

※2 ※改悪の間違い

※3 みんな知ってるよね?主はアニメもゲームも両方見ててやってた派

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