TSロリエルフの稲作事情   作:福岡の深い闇

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こ、米ディ!?(困惑)

な、何があったかは分からねえ、ただ、気がついたら7000字をオーバーしていた……
そしてこのままだと10000字を超える事になるのは分かったから、急遽こういった前後篇にする事にしたんだ許して米(誤字)……

感想とか誤字報告とかじゃんじゃんください(DOGEZA)。
あと、ティオナとティオネを間違えてすいません。でもややこしいあの子達にも責任があると思うの。え?無い?……あ、そう。

ロキ・ファミリアが優秀すぎて辛い……
コイツら優秀すぎるが故に空回ってんじゃんかよいいぞもっと空回れ(ゲス顔)

それでは色々と高ガバリティーな第7話、どうぞ。


わりと暇な第一王女の一日(前編)

【黄昏の館】、主神ロキの神室にて。

ロキとフィン・ディムナ、そしてロキ・ファミリア副団長のリヴェリア・リヨス・アールヴ の3人は話し合いを行っていた。議題はもちろん我らが米キチ(リリア)である。

 

「駄目だ、エルフのコミュニティを当たってみたが全くと言っていいほどに情報が無い。オラリオの門を通行した者の情報を調べてみても他のエルフの出入りに紛れ込んでいるようで絞り込めなかった」

「話に聞くと幼い子供じゃないか。ちゃんとそれを考慮に入れたかい、リヴェリア」

「当たり前だ。しかし、不思議なことに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。乗合馬車や商人の連隊(キャラバン)の情報も調べたが、同様だ」

「精霊の力でも使ったんか?どうやったんかは知らんけど、透明になったりとか幻覚を見せたりだとか」

 

ロキの言葉に、リヴェリアは「あり得る」とだけ返すと疲れた様子で1つため息を吐いた。当初はやって来たリフィーリアのみに調査をさせておけば良いというスタンスだったロキ・ファミリアだったが、リフィーリアから「リリアが精霊の愛し子である」という情報が入った今、そのリリアという名の王族(ハイエルフ)を放って置くわけにはいかない。なにせこのダンジョンの地下には怪物からの捕食によって存在の反転した精霊—————穢れた精霊がまだ潜んでいるのだから。交戦時のアイズへの態度からして、穢れた精霊は他の精霊を取り込もうとしている可能性が高い。そこに複数の精霊を引き連れたリリアという存在が現れた。

精霊がもしあの穢れた精霊に取り込まれた場合、どうなるのかの詳細を予想する事は難しいが、ろくな結果にならないのは目に見えている。都市の破壊者(エニュオ)側の勢力と通じている、しぶとく生存していることが分かった闇派閥(イヴィルス)の残党などに彼女が捕まっていれば目も当てられない。オラリオの存亡という面で見ても、1人の少女の尊厳という面で見てもだ。

すると、ロキは「うちは1個情報仕入れて来たで」と言った。その言葉に、フィンは思考を働かせた状態のまま、片目をロキに向けることで促した。勇者(ブレイバー)のその様子にニヤリと笑みを浮かべたロキは、そのまま言葉を続ける。

 

「とりあえず手当たり次第に他の神にそれとなーく探りを入れてみたんよ、うち。ああ、精霊の愛し子やとか王族やとかそんな余計な情報は漏らしてへんで?まあそれは当たり前か。んで、しばらく聞いてたらな、今から1ヶ月前くらいに『ロリエルフの姿を見た』っちゅう神が何柱(なんにん)かおってな?それを追って行ったらあのどチビんトコにたどり着いてなー」

「過程はいい。結論だけ話してくれ、ロキ」

「なんや、つれないなー、フィン」

 

フィンの言葉に不満げな声を上げながらも、表情は面白がっているロキ。そして、続けられた言葉にフィンとリヴェリアは目を見開いた。

 

「……そのロリエルフ、神の塔(バベル)に向かったらしいで?」

「な……!?」

「馬鹿な、あり得ない。それなら……!」

 

もう既に見つかっているはず。

そう言おうとしたフィン達のその言葉は正しい。なにせ、彼らが話を聞いた時に真っ先に網を張ったのがそこなのだ。しかし、王族(ハイエルフ)はもちろんのこと、精霊や子供のエルフといった些細な情報すら手に入らなかったのだ。

つまり、その事実が指し示している事は。

 

「もう捕まっているかもしれない、と?」

「あり得んこっちゃないやろ。大通りと直結しとるバベルを目的地にして迷うことなんてあり得へん。それこそ上を向きすぎてダイダロス通りに行ったとかやったら別やけどな?」

「そんな、手が早すぎる!それなら、まるで……」

 

リリアがオラリオに来ることが分かっていたようではないか。

そう言いかけたリヴェリアは、ある一つの想像にたどり着いた。たどり着いてしまった。

 

「まさか……馬鹿な」

「……ウィーシェの森に、内通者がいる、と?」

「……うちは、そんな事起こって欲しゅう無いと思うとる。それやったら、リフィーたんやレフィーヤたんが可哀そすぎるやろ」

「しかし、この状況は……」

 

誤解のないように言っておくが、真の状況は『リリアが勝手に里を抜け出し』『ヘスティアの忠告をパエリアによって忘れてバベルの事が頭から吹き飛び』『デメテル・ファミリアの直営店に向かう途中で道に迷い』『適当に道を進んだ結果オラリオ郊外のニニギ・ファミリアの拠点へとたどり着いた』である。

……流石に切れ者のフィンと言えど、これを推理しようとするのは不可能である。まずロキ・ファミリアやウィーシェの森の住人達の想像と事実の間では前提条件からして違うのだ。ノーヒントのウミガメのスープ問題よりも悪辣である。

そして、この状況をロキ・ファミリア側から見てみればどうだ。

『突然、滅多に里を離れない王族、それも幼子で精霊の愛し子という貴重な存在が里を出奔し』『精霊を取り込もうとしている穢れた精霊の活動するオラリオにやってきて』『バベルに向かう途中で足取りが途絶えている』のだ。

控えめに言って詰みである。何かしらのヤバい事態に巻き込まれていると考えるのが普通だろう。リリアの存在が激レア中の激レアであるのも、また不運な事に勘違いに拍車をかけている。

 

「取り敢えず、大通り沿いの店に片っ端から聴き込むしか無さそうやなぁ……」

「早く見つけ出さなければ、大変な事態に陥るかもしれん」

「けれど、他の団員達に知らせるかい?どこから情報が漏れるか分かったものじゃないが」

「そこはまあ、心苦しいけど情報統制するしかないやろなぁ……。前回の情報共有で集まったメンバー以外にこの事は内緒やで?リヴェリアママもそうリフィーたん達に伝えといてやー」

「その呼び名は止めろと……ハァ、分かった」

 

こうして、勘違いしか起こってない話し合いは斜め上に進んでいくのである。

 

 

 

 

 

そして、我らが米キチ(リリア)はと言うと。

 

「……変な夢みた」

 

寝坊していた。

時刻は午前6時頃。空は青く染まり、薄くかかった雲が淡いコントラストを描いている。自分が寝坊していることに気がついた瞬間、リリアは「うわっ」と声を上げてどたどたと土間へと向かった。すると、そこには既に食卓を囲みリリアを待っていたファミリアの皆が。

 

「あら、おはようリリアちゃん。そろそろ起こしに行こうかと思ってたところなの」

「ご、ごめんなさい」

「大丈夫だって。誰も気にしちゃいねーよ」

「昨日まで具合悪そうだったからな」

 

千穂の言葉に急いで謝ると、伊奈帆や穂高から気にするなと声がかかる。そう、先日の田植えで、昼食に豚汁を食べたリリアはあの後見事に胸焼けを起こしていた。長年植物性のものしか食べてこなかったリリアの胃にとって、魚のあっさりした脂はギリギリ許容範囲内だったようだが、肉は流石にアウトだったらしい。ムカムカとする胃の感触にやられ、リリアは昨日一日中ダウンしきっていたのだ。

それでもしょんぼりとしたリリアに「今日も朝はお粥にしましょうか」と千穂が別に作ってくれていた粥をよそってくれる。その優しさが沁みたリリアは、ぐすんと鼻を鳴らしつつもいただきますと手を合わせ、匙で黙々と粥を食べ始めた。その様子を見て苦笑を交わし合うニニギ・ファミリアのメンバー達。なんだかんだ言って、元気の良くて器量好しのリリアはニニギ・ファミリアのマスコット的存在となっていた。

薄く塩味の効いたお粥に、すり潰されて混ぜ込まれた梅干しが良い酸味を出し、食欲を増進してくれる。ぱくぱくと食べ進めるうちに、だんだんとリリアの元気は戻っていった。

 

「今日は俺たち迷宮(ダンジョン)に潜ってくるから」

「田植えも終わったし、暫くは仕事も少ないからな」

「いっぱい稼いでくるから楽しみにしててね!」

「はい、お気をつけて」

「私も行く」

「「駄目だ」」

「うぅ……」

 

伊奈帆とニニギ、2人から却下されてリリアはバツの悪い顔を見せる。「危ないからついて来ちゃ駄目だぞ」と伊奈帆が言い、「まあ、そもそも冒険者登録してないからバベルで弾かれるのだがな」とニニギが頷く。はぁい、と返事を返したリリアをあやす様に、ぽんぽんと千恵が彼女の頭を撫でた。

そして、暫くして。皿洗いを済ませたリリアと千穂は、ニニギと共に物々しい格好で拠点を出て行く伊奈帆達を見送った。この時ばかりはどれだけ仕事があったとしても一旦放置だ。……今日この瞬間が、永遠の別れの時になるかもしれないのだから。

そして、ニニギも田んぼの管理やバイトの為に家を出て、リリアは千穂と2人っきりになる。主な仕事は洗濯や拠点の掃除なのだが、リリアと千穂の2人で分担してしまえば、昼前には終わってしまう。そうなると、その後は割と暇なのだ。

昼ごはんに米と味噌汁、そしてほうれん草やもやしのおひたしといった簡単な料理を食べた2人は、これから何をしようかと話し合う。

 

「私は前に買いためていた本があるからそれを読もうと思うんだけど、リリアちゃんは?」

「うーん、オラリオ探検?」

「……危ないとこ行っちゃ駄目だよ?ダイダロス通りとか」

「分かってる」

「ちゃんと帰ってこないと、ニニギ様も私たちも、皆怒るからね?」

「う……ちゃんと帰ってきます」

「はい、分かりました」

 

千穂はもはやリリアの母親である。したり顔で頷いた千穂は、少し待ってて、というと曲げ物で作られた小さめの箱をひとつ持ってきた。

中を見ると、手頃なサイズのおにぎりが2つ詰め込まれている。

 

「はいこれ、歩いてたらお腹空くと思うから、おやつ代わりのお弁当」

「……お母さん」

「ふえっ!?」

 

思わずそう呟いたリリアは、驚く千穂を他所に懐から取り出した布でその弁当箱を丁寧に包み始めた。鮮やかな新緑に染め抜かれた生地に、金糸で刺繍が施された豪奢な絹の織物。……言うまでもなく、ウィーシェの森の王族のみが着用を許される最高級のローブである。哀れなローブは、リリアによって多少の改造を施され、今では彼女専用の風呂敷として活躍していた。ウィーシェの森の機織りは泣いていい。

 

「それじゃあ、行ってきます」

「夕食前には帰ってきてくださいね」

「がってんしょうち」

 

ばいばーい、と元気に手を振るリリアに千穂は苦笑いを浮かべつつ、手を振り返した。

そして、ふむん、と気合を入れると、この間古書店で見つけた分厚いハードカバーである『自伝・鏡よ鏡、世界で一番美しい魔法少女は私ッ 〜第1章 マジックマスターの目覚め〜』を読み進めるのであった。

 

 

 

 

 

そして、まあ、いつもの如くと言うべきか。

 

「ここ……どこ……?」

 

リリアは道に迷っていた。左右をみても壁、壁。前を見ても壁。後ろを見れば、少しの道はあるものの、すぐそこに壁。

どこをどうやったらこんな摩訶不思議な地形にたどり着くのやら、リリアは現在、迷宮街と名高いダイダロス通りにて絶賛迷子となっていた。初見の者はまず間違い無く遭難し、慣れた者も気を抜けば遭難すると言われるオラリオの「第2の迷宮」ダイダロス通り。ふらふらとオラリオの街を出歩いていたリリアは、気がつけばこの通りに迷い込んでいた。馬鹿である。

 

「……困った」

 

リリアが首を傾げると、さらりと肩口に切り揃えられた()()()()()が揺れる。その髪から覗く耳は、ヒューマンよりは長いものの、エルフと比べると半分程に()()()()()()()。彼女が動くと、まるで蜃気楼のように彼女の周りの空間が揺らめく。

まるでハーフエルフのような外見となったリリア、その周囲をふわふわと漂うのは、光の塊のような不思議な物体。……微精霊だ。

火と水、そして風の微精霊は、現在自分達が振るえる権能を最大限に行使して、リリアの外見を周囲の人間に誤認させる現象を引き起こしていた。そこにリリアの指示はなく、精霊達が自分からやり始めたことである。理由?……その方が精霊達が()()()と感じたからだ。神といい精霊といい、基本愉快人だらけなのは超越存在(デウスデア)の性質なのだろうか。しかし何事にも例外はあるもので、土の微精霊のみはふよふよと漂いながらも他の微精霊達を非難するような光を出していた。

そして、しばらくうんうんと唸ったリリアは、なにかを思いついた様子でポン、と手を叩いた。それと同時に、カサリと肩に掛けるように結ばれた弁当が音を立てる。

 

「道がないなら作ればいい!!」

 

馬鹿だった。

単純明快かつ強引の極みである解決策を思いついたリリアは、懐から《霊樹の枝》を取り出すと、自らが立つ地面に向けて口を開く。

 

「土の精霊様、土の精霊様。ここを貫く感じで道を作ってください!」

 

そして、躊躇なくそう言った。えぇ……流石にそれはまずいでしょ、だって()()()()だよ?とでも言うようにちかちかと点滅しあう火、水、風の微精霊。そして土の微精霊はというと。

 

《〜〜〜〜〜〜ッ!!》

 

やる気に満ち溢れていた。

うわぁ……と若干引き気味にゆっくりと明滅する微精霊達。実際のところ、愛し子のおねだりに一番甘いのは土の微精霊だったりする。

やる気満々でリリアの構える枝に入った土の微精霊は、自らの権能を振るいに振るって彼女が指し示した方向に一直線のトンネルを作り上げた。……より具体的に言えば、奇人ダイダロスの執念の塊である人造迷宮(クノッソス)の上層から最下層を貫き、ダンジョン20階層へとつながるトンネルを。しかもご丁寧にも内部に人造迷宮(クノッソス)を構成する最硬精製金属(アダマンタイト)を使用した超強靭な最高品質のトンネルを。

 

《〜〜〜!》

 

枝から出て、やりきった!とでも言わんばかりにひときわ大きく点滅する土の微精霊。その微精霊のやらかした事態をなんとなく察知した他の微精霊達は、あいつやばくね?うん、わりとやばい、などと話しているかのようにこそこそと集まってうっすらと点滅する。

 

「ありがとうございます、それでは、とう!」

 

そしてそれに躊躇なく身を投げ出すリリア。彼女も彼女で精霊への信頼度が高かったため、まさか土の微精霊が神ですらも顔を引きつらせそうなやらかしをしているとは思わない。ぴゅーんと迷宮に向かってゴーイングマイウェイな愛し子(リリア)がトンネルとの摩擦で火傷を負わないように急いで風で補助しながら、風の微精霊は「どうしてこうなったーーー!?」とでも叫んでいるかの様な激しい明滅を繰り返した。

 

 

 

 

 

()()は、生まれながらにして餓えていた。

無数の同族を殺し、無数の闘争に身を委ねてもなお収まることのない強烈な餓え。

素手で撲殺し、足で圧殺し、肉体で粉砕する。そのような激しい闘争に皮が裂かれ、骨が砕けた。無限に現れる外敵に肉を溶かされ、腐り落ち、それでもなお彼は同族を殺し、闘争を続けた。しかし何事にも限界はある。もはや数えることすら出来ないほどに繰り返した闘争の末に、彼はようやく膝を折った。力尽き、いつしか芽生えていた自我で届くことのなかった憧憬(ゆめ)の事を思った。

その時だった。同族ではなく、『同胞』が現れたのは。

彼らは同族から彼を守りきり、死地から救い出した。更に自分達の家に運び、彼の体を癒してくれた。同胞とは、彼らとの暖かいやり取りは、生まれ落ちたその時から無限に続く闘争に身を置いていた彼にとって、餓え以外の何かを芽生えさせる程度には、良いもので、よい存在であった。

そして、彼らは彼に、自分の持つ餓えの正体を教えてくれた。

 

『強烈な()()』。

 

同胞の戦士は言った。それはお前の『願い』なのだと。彼は願いとはどう言うものなのかはいまいち理解しきれなかった。しかし、それが己の『願望』であることは理解した。……片時も見ないことのない『夢』の中では、音は無く、臭いも無く、ただ光があった。身を震わせるほどの意志が、空っぽの体に満たされていく歓喜が、己の存在を肯定する『何か』が。

彼は同胞から他にも様々なものを教わった。知恵を、強さを、そして武器を。

そして今、彼は自ら同胞達の家を出て、自らが生まれた場所へ、深い深い黒鉛の迷宮へと戻ろうとしていた。同胞の家はその場所から遥か遠く、そして暖かい場所であった。しかし、駄目だ。このままではいけない。このままでは、あの憧憬に手を伸ばすことはままならない。

もう行くのか、と同胞の戦士は言った。まあお前なら大丈夫だろうとは思うが、と戦士は彼への信頼を見せた。自らの肉体を使った戦い方しか知らなかった彼に、武器の使い方を教えてくれた戦士は良き練習相手であった。……だが、それでは満足することはできなかった。

もう少しゆっくりしていっても良いのだぞ、と黒き同胞は言った。彼に数々の知恵を、そして強さというものの本質を教えてくれた智慧者の同胞は、まあ言っても止まらないのだろうな、と若干の諦観を滲ませながら彼にそう言った。そうだ。自分はこんな所では止まらない。止まれない。

森の様になっている迷宮を歩く。狩人に見つからぬ様に、大きすぎる己の気配を殺して。

時折壁が割れ、同族達が生まれてくるが、それは武器を用いた戦いの丁度良い練習台となった。彼らから貰った両刃斧(ラビュリス)を振るい、切断し、鏖殺する。すぐさま灰になっていく同族達を見ながら、彼は不満げな鼻息を漏らした。……これではない。これでは手応えが余りにも無さすぎる。しかし、黒鉛の迷宮に潜っても、同じことではないか……?

彼の思考がそう弾き出し、動きを止めていたその時。

 

「ぺぐぅ!?」

 

ドサリ、と彼の目の前に1人の狩人が姿を現した。……いや、狩人と言うには、目の前の生き物は幼すぎた。

彼の腕よりも細い枝の様な体、手のひらで包めばすぐに砕け散ってしまいそうな程の小さな顔。そして、さらりと流れる蒼銀の髪。その色合いを見た瞬間、彼の脳裏にいつも見ていた『夢』の景色が広がった。あの夢で見た、真っ白な光が。

 

「いったたた……おー?トンネルを抜けたら、森でした?……って」

「……」

 

小さな狩人が、彼に気付く。彼は目の前の小さな雌が取る行動によって、どう動くか決めようかと思った。様子見に徹するのには、別にどうと言う理由はない。強いて言うならば、目の前の雌が纏うその『色』だった。

そして、小さな狩人が動き出す。

 

「……ええっと……」

「……」

 

 

 

 

 

「牛の獣人さん、おにぎり食べますか?」

「……何?」

 

それが、彼—————雷光(アステリオス)と、愛し子(リリア)の出会いであった。




次回予告が……次回予告が役に立っていない……だと……!?

フィン「精霊の愛し子で街がやべえ」(シリアル)
リュー「まずいまずいまずいはぐれた……!?」(胃がピンチ)
千穂「私にとっての魔法とは……」(寝落ち)
伊奈帆「リリア、大人しくしてるといいけど」(フラグ)
雷光「なんだコイツ」(困惑)
リリア「牛の獣人って初めて見た」(全ての元凶)



あと、次の話は筆者が戦闘描写の練習に使いますのでご留意くだせえ。
戦闘描写苦手なんじゃあ……

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