デュエリスト・マンション   作:紺屋 黒猫

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前回のあらすじ

白石 蒼、就活を始める。
      ↓
弟子が襲来する。
      ↓
カミュ、福引きが当たる。


第4話 白石 蒼の長い1日 (前編)

 デュエリスト・マンション、デュエリストが集まり住む事で知られるとあるマンションの俗称。 いつからそう呼ばれるようになったかは定かではないが、皆腕に覚えのあるデュエリストであると、まことしやかに囁かれていると、白石がカミュに聞いたらそう答えが返ってきた。

 

「白石君、一体どうしたんだい? 今日は変わった質問をするじゃないか」

 

「いや、この前来たあの2人が言ってたから気になってね」

 

「なんだ、そんなことか。 君も今やここの住人、徐々に慣れていけばいいさ」

 

 腕時計がピピピッと鳴る。

 

「もうこんな時間か。カミュ、仕事行ってくるよ」

 

「そうか、いってらっしゃい。 頑張っておいでよ」

 

「ありがとう、行ってきます」

 

 白石は就活の末、近くのコンビニで朝から昼まで働く事になった。 賃金は安かったが、デュエリスト・マンションの住人だと判ると日曜日は必ず休みが貰えるようになった。 日曜日には公式大会がひよこのカードショップで開かれるらしく、マンションのルールに可能であれば仕事や予定の無い日曜日に公式大会に参加する事とあり、とても都合が良かった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 仕事から帰って来ると白石は着替えを手早く済ませて、デッキの調整をし始めた。 明日は日曜日、初めて参加する公式大会なのだ。 まだ初めてから日の浅さはあるが気合いは十分である。

 

「……このカードはまだ使いこなせないから、しばらくはこっちに入れておこう」

 

 数枚のカードを入れ替え用のカードをなおしている箱に入れる。 デッキに入れれば確実に強くなるカードだが、いかんせん白石自身が使いこなせずにいる。 今はまだ使う時では無いのだろうと思った。

 

「一応、出来たな。 明日は大会だし、カミュに調整相手を頼むのもなんか悪い気がするから1人で回しておくか……」

 

 ピンポーン

 

「誰だろう? カミュかな?」

 

 玄関に行きドアを開けると、3人の小さな子供達がいた。 白石は瞬時に記憶を辿る。 少なくとも、小学生くらいの子供に知り合いはいない。 しかも、3人とも金髪碧眼なのである、余計に記憶に無かった。 事案は緊急回避するに限る!

 

「こんにちは!」

 

 3人が揃って挨拶する。

 

「はい、こんにちは。 お嬢ちゃん達、どこかの部屋と間違えたりしてないかな?」

 

「ここであってるよね?」

 

「あってるよねー」

 

「あなたが、白石 蒼お兄さんだよね?」

 

「あ、ああ。 そうだけど、何かご用かな?」

 

 3人の子供達が揃って後ろからデュエルディスクを取り出し、装着する。

 

「わたし達、あなたとデュエルしに来ました!」

 

 ヘビ柄のポーチを付けた子供が言う。

 

「この前、ここのマンションの前でたくさんデュエルしてたよね? アリス達みてたの」

 

 片目が髪に隠れた子供が言う。

 

「それでねー、お兄ちゃんとデュエルしたくて仕方なくなっちゃったのー」

 

 片手にぬいぐるみを抱いた子供が言う。

 

「ダメかな?」

 

 3人が上目遣いで聞いてくる。 あ、駄目だ。 これは逃げられないやつだ。

 

「……仕方ないな、でもデュエルは外でやろうか」

 

 白石は何かに負けた。 回避手段はあったかも知れないが、回避出来なかった。 だが、最後の抵抗はなんとかなっただけマシだと思う。 こんな時にカミュが居てくれたら何か知恵を貸してくれそうな気がした。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 マンションの前まで来た4人はとりあえず、じゃんけんをする事になった。 白石と同じのを出した子が最初にデュエルでき、その後残った2人がじゃんけんで2番目と3番目を決めると言う変わったルールだった。

 

「じゃーんけーん、ぽん!」

 

 じゃんけんの結果、白石と最初に試合するのがヘビ柄のポーチの子、2番目が片目の隠れた子、そして最後がぬいぐるみを抱いた子と言う順番となった。 順番待ちの子はすでにベンチに座って観戦モードである。

 

「あ、自己紹介がまだでしたね。 わたしの名前はナージャです。 それで、あっちの片目が隠れてるのがアリスで、ぬいぐるみを抱いてるのがフィーネです」

 

「僕は白石 蒼、よろしくね」

 

 2人は距離を十分に離すと、デュエルディスクを構えた。

 

 

「「デュエル!」」

 

 

白石 LP 8000

 

 

ナージャ LP 8000

 

 

 デュエルディスクにランプが灯ったのはナージャの方だった。

 

「わたしが選べるのね、それなら先行をやります」

 

「どうぞ」

 

「まずはモンスターを伏せて、これでターンエンドです」

 

 カードが1枚伏せられた状態でフィールドに出てきた。

 

「僕のターン、ドロー。 魔法カード〈増援〉を発動。 デッキからレベル4以下の戦士族モンスターを手札に加える。 デッキから〈ライトロード・アサシン ライデン〉を加え、そのまま通常召喚」

 

 浅黒い肌の男がフィールドに現れる。

 

「〈ライトロード・アサシン ライデン〉の効果発動。 デッキを上から2枚墓地へ送る。 バトルフェイズに入り、伏せてあるモンスターを攻撃!」

 

 ライデンが双剣でカードを切り裂く。 だが、切り裂く瞬間カードの下から何かが飛び出てライデンに噛みついた。

 

「伏せてあったモンスターは〈レプティレス・ナージャ〉でした。 このカードは戦闘では破壊されません」

 

 蛇が頭から生えてる女の子はライデンから離れるとクスクスと笑っている。

 

 

〈レプティレス・ナージャ〉 守備表示

 

星1/闇属性/爬虫類族/効果モンスター

 

ATK/0 DEF/0

 

 

「バトルフェイズを終了して……」

 

「まって、バトルフェイズ終了時に〈レプティレス・ナージャ〉のモンスター効果発動。 このカードと戦闘を行った相手モンスターの攻撃力を『0』にします」

 

 噛まれたところから毒が回ったのか、ライデンが膝を屈する。

 

「……くっ、バトルフェイズを終了してメインフェイズ2に移行。 カードを2枚伏せて、エンドフェイズに〈ライトロード・アサシン ライデン〉の効果でデッキを上から2枚墓地へ送る。 これでターンを終了」

 

 デッキのカードが光り、墓地へ送られる。

 

「わたしのターン、ドロー。 〈レプティレス・スキュラ〉を通常召喚」

 

 下半身が沢山の口が付いた獣の姿の女性がフィールドに飛び込んで来た。

 

 

〈レプティレス・スキュラ〉 攻撃表示

 

星4/闇属性/爬虫類族/効果モンスター

 

ATK/1800 DEF/1200

 

 

「バトルフェイズ、〈レプティレス・スキュラ〉で〈ライトロード・アサシン ライデン〉を攻撃!」

 

 スキュラが獲物であるライデンにトドメを刺さんと詰め寄る。

 

「攻撃宣言時、墓地の〈ネクロ・ガードナー〉を除外し効果発動。 その攻撃を無効にする」

 

 鉤爪を振り下ろした瞬間、黒い影が割り込み攻撃をはじき飛ばした。 黒い影は役目を果たすとどこかへと消え去った。

 

「それならメインフェイズ2に入って、フィールドの〈レプティレス・ナージャ〉と〈ライトロード・アサシン ライデン〉の攻撃力『0』のモンスター2体をリリースして、手札から〈レプティレス・ヴァースキ〉を特殊召喚します」

 

 フィールドから2体のモンスターが消え、手に蓮の花を持った下半身が蛇の女性が現れる。

 

 

〈レプティレス・ヴァースキ〉 攻撃表示

 

星8/闇属性/爬虫類族/効果モンスター

 

ATK/2600 DEF/0

 

 

「これでターンエンドです」

 

「僕のターン、ドロー。 〈ライトロード・サモナー ルミナス〉を通常召喚」

 

 白い服の女性がフィールドに着地する。

 

「1ターンに1度、手札を1枚捨て、墓地のレベル4以下の『ライトロード』モンスター1体、〈ライトロード・アサシン ライデン〉を対象に〈ライトロード・サモナー ルミナス〉の効果発動。 そのモンスターを特殊召喚する。 攻撃表示で特殊召喚!」

 

 ルミナスが両手を輝かせると、その隣にライデンが立っていた。

 

「続けて、〈ライトロード・アサシン ライデン〉の効果発動。 デッキを上から2枚墓地へ。 墓地へ送られた中に〈ライトロード・メイデン ミネルバ〉があったので攻撃力を200アップ。 さらに、デッキから墓地へ送られた〈ライトロード・メイデン ミネルバ〉の効果発動。 デッキを上から1枚墓地へ送る」

 

 片手に白いフクロウを止まらせた女の子がデッキの上からカードを預かるとどこかへと去っていった。

 

「これで準備は整った。 レベル3の〈ライトロード・サモナー ルミナス〉にレベル4の〈ライトロード・アサシン ライデン〉をチューニング! シンクロ召喚! レベル7、〈ライトロード・アーク ミカエル〉を攻撃表示で特殊召喚!」

 

 ライデンの体が透け4つの緑色の輪になると、その中をルミナスが通過する。 金色の鎧を纏い、白い竜の上に立った大男が剣を輝かせながらフィールドに舞い降りる。

 

 

〈ライトロード・アーク ミカエル〉 攻撃表示

 

星7/光属性/ドラゴン族/シンクロ/効果モンスター

 

ATK/2600 DEF/2000

 

 

 シンクロ召喚、チューナーと書かれたモンスターとそれ以外のモンスターを使い、お互いのレベルを合計したモンスターを呼び出す召喚方法。 召喚条件には他に制限のあるものも存在するが、召喚さえ出来ればその強力な力を遺憾なく発揮する可能性は大いにある。 カードが白いのも特徴の1つだったりする。

 

「〈ライトロード・アーク ミカエル〉の効果。 1ターンに1度、1000のライフポイントを支払い、フィールドのカードを1枚、〈レプティレス・ヴァースキ〉を対象にして発動。 そのカードをゲームから除外する 」

 

 

白石 LP8000→7000

 

 

 ミカエルがヴァースキに向けて剣を振ると、光の刃が飛んでいく。 それに当たったヴァースキは次元の彼方へと消え去った。

 

「バトルフェイズに突入、〈ライトロード・アーク ミカエル〉で〈レプティレス・スキュラ〉に攻撃」

 

 竜が口から光線を放ち、それに合わせるかのようにミカエルが再び光の刃を飛ばす。 スキュラは光線と光の刃を浴びると爆散した。

 

 

ナージャ LP 8000→7200

 

 

「バトルフェイズを終了してエンドフェイズ、〈ライトロード・アーク ミカエル〉の効果でデッキの上からカードを3枚墓地へ送り、ターンエンド」

 

「わたしのターン、ドロー。 墓地の〈レプティレス・スキュラ〉をゲームから除外して〈レプティレス・スポーン〉を発動します。 わたしのフィールドに〈レプティレストークン〉を2体特殊召喚します。 どちらも守備表示です」

 

角の生えたヤモリのようなトークンが2体フィールドに這い出てくる。

 

 

〈レプティレストークン〉 守備表示

 

星1/地属性/爬虫類族/トークン/通常モンスター

 

ATK/0 DEF/0

 

 

「手札の〈レプティレス・ヒュドラ〉の効果。 このカードが手札に存在し、自分フィールドのモンスターが『爬虫類族』のみの場合、相手フィールドのモンスター、〈ライトロード・アーク ミカエル〉を対象に発動します。 そのモンスターの攻撃力を0にし、このカードを特殊召喚します。 その後、対象に取ったモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受けます。 守備表示で特殊召喚します」

 

 下半身が赤い鱗が特徴の蛇だったりする女の子がフィールドに登場する。 その赤い瞳が妖しく輝き、ミカエルから急速に力を奪い取る。

 

 

〈レプティレス・ヒュドラ〉 守備表示

 

星2/闇属性/爬虫類族/チューナー/効果モンスター

 

ATK/0 DEF/0

 

 

ナージャ LP 7200→4600

 

 

「レベル1の〈レプティレストークン〉2体に、レベル2の〈レプティレス・ヒュドラ〉をチューニング! シンクロ召喚! レベル4、〈古神ハストール〉を攻撃表示で特殊召喚します!」

 

 ヒュドラが2つの光の輪になり、その中をトークンが通過する。 黄色衣を纏い、仮面で素顔を隠したモンスターがフィールドに呼び出される。

 

 

〈古神(こしん)ハストール〉 攻撃表示

 

星4/風属性/爬虫類族/シンクロ/効果モンスター

 

ATK/2300 DEF/1000

 

 

「バトルフェイズ、〈古神ハストール〉で〈ライトロード・アーク ミカエル〉を攻撃します」

 

 ハストールがミカエルに向けて手をかざすと、衝撃波が放たれる。

 

「墓地の〈ネクロ・ガードナー〉(2枚目)の効果発動。 その攻撃を無効にする」

 

 衝撃波が着弾する直前、黒い影が再び現れ攻撃の軌道を逸らすとどこかへと消え去る。

 

「バトルフェイズを終了してメインフェイズ2で、カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

「待った! エンドフェイズにリバースカードオープン! 罠カード〈砂塵の大嵐〉、今伏せたそのカードを対象に発動。 そのカードを破壊する」

 

「あなたは鬼なの……?」

 

「い、いやそんな事は無いかな」

 

「冗談です。 あなたのターンです」

 

「僕のターン、ドロー。 〈ライトロード・ウォリアー ガロス〉を通常召喚」

 

 白い鎧を纏った大男が登場し、武器を構える。

 

「〈ライトロード・アーク ミカエル〉の効果。1000のライフポイントを支払い〈古神ハストール〉をゲームから除外する。 さらに、守備表示に変更」

 

 

白石 LP 7000→6000

 

 

「バトルフェイズ、〈ライトロード・ウォリアー ガロス〉でダイレクトアタック!」

 

 ガロスが接近し手にした武器を振り下ろす。

 

「その攻撃、ライフで受けます」

 

 

ナージャ LP 4600→2750

 

 

「バトルフェイズを終了してエンドフェイズ、〈ライトロード・アーク ミカエル〉の効果発動。デッキを上から3枚墓地へ。 さらに、〈ライトロード・ウォリアー ガロス〉の効果発動。自分フィールドに表側表示で存在する〈ライトロード・ウォリアー ガロス〉以外の『ライトロード』モンスターの効果でデッキの上からカードが墓地へ送られる度に、デッキを上から2枚墓地へ送る。 この効果で墓地へ送られた『ライトロード』モンスター1体につき1枚デッキからカードをドローするけど、1体も送られなかったのでドローは発生しない。 これでターンを終了」

 

「わたしのターン、ドロー。 魔法カード〈サンダー・ボルト〉を発動します。 この効果であなたのフィールドのモンスターを全て破壊します」

 

 空から無数の雷撃が降り注ぎ、白石のフィールドのモンスターを一掃する。

 

「続けて、魔法カード〈悪夢再び〉を発動します。 墓地の守備力が『0』の闇属性モンスターを2体、〈レプティレス・ヒュドラ〉と〈レプティレス・ナージャ〉を対象に選択して手札に加えます。 モンスターを伏せてターンエンドです」

 

「僕のターン、ドロー。 〈ライトロード・サモナー ルミナス〉(2枚目)を通常召喚し、手札を1枚捨てて墓地から〈ライトロード・サモナー ルミナス〉(1枚目)を特殊召喚。 今、特殊召喚した方の〈ライトロード・サモナー ルミナス〉の効果も発動。 最後の手札を捨てて墓地から〈ライトロード・メイデン ミネルバ〉を特殊召喚」

 

 2体のルミナスの間に、先ほどカードをどこかへ持って行った女の子が呼び出される。

 

 

〈ライトロード・メイデン ミネルバ〉 攻撃表示

 

星3/光属性/魔法使い族/チューナー/効果モンスター

 

ATK/800 DEF/200

 

 

「2体のレベル3の〈ライトロード・サモナー ルミナス〉にレベル3の〈ライトロード・メイデン ミネルバ〉をチューニング! シンクロ召喚! レベル9、〈氷結界の龍トリシューラ〉を攻撃表示で特殊召喚」

 

 ミネルバから光の輪が飛び出し、2体のルミナスを包み込む。 氷河期を連想させそうな3首の龍が吹雪を纏ってフィールドに現れた。

 

「〈氷結界の龍トリシューラ〉がシンクロ召喚に成功した時に発動できる。 相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ1まで選んでゲームから除外する! 僕は君の手札とフィールドに伏せられたモンスター、墓地からは〈サンダー・ボルト〉を選んで除外する」

 

「わたしのカードが……!」

 

「バトルフェイズ、〈氷結界の龍トリシューラ〉でダイレクトアタック!」

 

 

ナージャ LP 2750→50

 

 

「バトルフェイズを終了して、ターンエンド」

 

「わたしはライフがある限りあきらめない! わたしのターン、ドロー。 モンスターを伏せてターンエンドです」

 

「僕のターン、ドロー。 バトルフェイズに入って、〈氷結界の龍トリシューラ〉でモンスターを攻撃」

 

「伏せていたのは〈レプティレス・ガードナー〉、破壊はされるけど効果発動。 このカードが破壊され墓地へ送られた時、デッキから『レプティレス』モンスターを1枚、〈レプティレス・ナージャ〉を手札に加えます」

 

 3首の龍が伏せてあるカードに襲いかかる。 カードの裏から巨大な亀が這い出て来たが龍はかまわず踏み潰す。亀は自身の姿が消える前に1枚のカードをナージャに投げつけ消滅する。

 

「僕はバトルフェイズを終了して、ターンエンド」

 

「わたしのターン、ドロー。 モンスターを伏せて、永続魔法カード〈ゼロゼロック〉を発動してターンエンドです」

 

「僕のターン、ドロー。 そのモンスターは〈レプティレス・ナージャ〉だしどうしようかな? とりあえず、ターンエンド」

 

「わたしのターン、ドロー。 カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

「僕のターン、ドロー。 墓地の『ライトロード』モンスターが4種類以上あるので〈裁きの龍〉を特殊召喚」

 

 白く巨大な龍が翼をはためかせ地上に降り立つ。 その姿からは神々しさが感じられる。

 

「〈裁きの龍〉のモンスター効果。 ライフポイントを1000支払い、このカード以外の全てのカードを破壊する」

 

 白き龍が力を解放せんと咆哮する。

 

「その効果に『チェーン』します。 リバースカードオープン! 罠カード〈おじゃまデュオ〉。 あなたのフィールドに「おじゃまトークン」を2体守備表示で特殊召喚します。 「おじゃまトークン」が破壊されるとそのコントローラーに1体につき、300ポイントのダメージを与えます」

 

「他に『チェーン』するカードは無いから処理に入るよ」

 

「では、『チェーン2』の〈おじゃまデュオ〉の効果で〈おじゃまトークン〉を特殊召喚します」

 

 赤と青の半裸の小人がポーズを取りながら登場する。

 

 

〈おじゃまトークン〉 守備表示

 

星2/光属性/獣族/トークン/通常モンスター

 

ATK/0 DEF/1000

 

 

「『チェーン1』の〈裁きの龍〉の効果で自身以外の全てのカードが破壊され、僕は〈おじゃまデュオ〉の効果で合計600ポイントのダメージを受ける」

 

 

白石 LP 6000→5400

 

 

「バトルフェイズ、〈裁きの龍〉でダイレクトアタック!」

 

「ライフで受けます!」

 

 

ナージャ LP 50→0

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「……負けちゃったけど、デュエルありがとうございました!」

 

「こちらこそ、ありがとうございました」

 

 白石は今回のデュエルでは墓地に送られたカードが良かったから勝てたようなものだと思った。 実際、序盤早々危うかったと感じていた。 明日の大会は勝ち上がる事ができるのだろうかと少し不安に思うが、今は目の前の子供達に集中しよう。

 

「ナージャやられちゃったのね、アリスが仇をとるから安心してね」

 

「うん、まかせるね」

 

 ベンチ座っていたアリスが白石の前に立ちはだかる。

 

「デュエル、よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

 

「「デュエル!」」

 




今回も読んで頂き、ありがとうございます!

今回は初めての3部構成のお話になります。
上手く仕上がればいいなと思っていますが、どうなることやら……

対戦カードですが、主人公は置いとくとして……
何故レプティレスを選んだのかと思う方がおられると思いますが
完全に私の趣味です。 もちろん、他の2つのデッキも趣味で登場させてます。

使用しているキャラクターがやたらと若いのは、そのくらいの年齢のキャラクターを
書いてみたかったのでそうなりました。 他意はありません。

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