ゼルダの伝説〜異世界の兵士共 NS(イセカイのツワモノドモ ニュー・ストーリー)〜   作:油揚げパン

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魔法のマメ

 荒野を駆け抜けると帝都まで残り3リーグ(約7㌔)まで近付いた時だった。

 

 「…急に天気が悪くなったな」

 

 リンクは雨が降り始めて来たので、大きめの革製フードを被りエポナを減速させて帝都に向かっていた。

 

 しかし、帝都に近付けば近付づく程風と雨が強くなり、最後にはエポナに乗って居られない程の暴風雨になって来た。

 

 仕方なくリンクはエポナを降りて前で手綱を引きながら進む事になった。

 

 

 予定より遅れてしまった、帝都に到着する事が出来たが何故かピニャ殿下の通行許可証が通用しない

 

 「あのー!どうして入れないのー!」

 

 暴風雨が激しい為、自然と声も大きくなる

 

 「オプリーチニナ特別法が施行されている!!新国王の許可がない寄留者は入る事を禁ず!!って言うかこんな時に来るんじゃねぇ!!」

 

 閉ざされた門の前にいる兵は疲弊してるがそれ以外の理由を離してくれない上に許可証の取得方法も教えてくれない…

 

 「…いくら何でも可笑しく無いか?」

 

 リンクは悪所方面に進み、門と門の間の壁沿いに進んで行くと柔らかそうな土があった。

 

 「…ここなら大丈夫かな?」

 

 リンクはポーチから【魔法のマメ】を取り出し植えた。

 

 するとすぐに芽をだし、リンクはオカリナで【目覚めのソナタ】を奏でて人が乗れる大きさになった花が開いた。

 

 「…これでよし」

 

 リンクは魔法の花に乗ると、葉が回転し城壁を飛び越え城壁内に入る事が出来た。

 

 

 雨と風のせいか悪所の人道りは殆ど無かったので、割とスムーズにリンクは悪所を抜けてジエイタイの人達がいる建物まで来た。

 

 「おーい!クリバヤシはいるー!?」

 

 扉をノックすると出てきたのは倉田だった。

 

 「リンク!?お前どうやって…とにかく中へ!」

 

 倉田に押し込まれる様に中に入った。

 

 連絡所の中に入ると顔馴染みのジエイタイが驚いた顔でリンクを見ている。

 

 「リン坊!デカくなったな!どうやって中に?」

 

 奥にある休憩所で長机にいた桑原曹長が話しかけて来た。

 

…建物は雨漏りをしている…大丈夫か?

 

 「魔法のマメで城壁を飛び越えて来たんだよ…痩せた?」

 

 よく見ると他の隊員も少し痩せてる

 

 「あぁ、ちょっとな…所で聞きたい事があるんだが…リンクって嵐の歌って使えるのか?」

 

 「使えるよ?太陽の歌も…どうしたの?」

 

 「う〜む…だとしたら、あの話は本当か…」

 

 「あの話?」

 

 「…実話はな、古田や悪所の人達から聞いた話何だが…」

 

 ここ最近、帝都で起こった話をしてくれた

 

 ◆

 

 今から2週間ほど前…ゾルザル皇帝が正式に決まり、帝都の城では新しい法整備を新たに審議している時だった。

 

 「皇帝陛下!」

 

 「なんだ!?この忙しい時に…そんなに慌てるな。我らが動揺してる様に見えるではないか」

 

 ゾルザル陛下は古田のウナギの蒲焼きドックを片手に仕事をしている時、マルクス伯爵が血相を青くし走って手紙をゾルザル陛下に見せた。

 

 「なんだ?その手紙は…」

 

 「ハイラル王国…ハイラル王の契約違反に伴う抗議文書です…王印も押されているので間違いないかと…」

 

 「ふん…この忙しい時に、後にしろ後に」

 

 「ですがゾルザル皇帝様…現国王の公式の謝罪と交渉の準備に取り掛からければ、一週間以内にない場合抗議活動を決行すると…」

 

 「クドい、後にしろ…そこに置いとけ、この検分が終わった後で見てやる」

 

 「…かしこまりました。早目にお願いいたします。」

 

 そう言ってマルクス伯爵は退室した。

 

 「…何が一週間以内だ、そんなのわかる訳無いだろ…」

 

 

 悪態をつくゾルザルは窓の外で見ていたフクロウにまだ気付いていない

 

 ホゥ〜…

 

 


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