ゼルダの伝説〜異世界の兵士共 NS(イセカイのツワモノドモ ニュー・ストーリー)〜   作:油揚げパン

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雲の先 8/15再開予定

 あの後、獣人の赤ちゃんは無事に出産する事が出来た。

 

オギャー!!!オギャー!!!

 

 物凄く大声…じゃない。元気な声で無く赤ちゃんだった。

 

 「元気な子が産まれたんだな」

 

 「げ…元気」

 

 確かに…凄く元気だ。

 

 「お名前はどうするんですか?」

 

 黒川が獣人の旦那ダクラウと母乳を与えるカルチャに聴いてみる

 

 「もう名前は決まってるんだな…男だから『ドサンコフ』って嫁ともう決めてるんだな」

 

 「…ふふふ。ドサンコフ…私の愛する子」

 

 …駄目だ。この2人を見てると胸がいっぱいになる。まるで雪山の雪溶けて夏になりそうだ。

 

 「ぶ…ブラックコーヒーが欲しいッスね」

 

 「…魔法陣グ○グルのギッ○ルがいたら『クッサ〜!』ってか?」

 

 「2人共変な事言わないで下さい!」

 

 伊丹と倉田の話に黒川が突っ込みを入れている。

 

 栗林の脹脛を見ると手の跡がクッキリと残っている。カルチャが出産時に踏ん張る為に握った手の跡だ。

 

 「………」

 

 「どうしたの?」

 

 「…お母さんになるって大変なんだなって思ってね。」

 

 栗林は実際に子供が産まれる瞬間に頑張る獣人のカルチャを見て何かを考えている。何か生命の神秘を肌で感じとったのだった。

 

 「…未成年と子供作ったら日本じゃ逮捕よ」

 

 「ブッ!////クロちゃん!?」

 

 ま、無事に乗り越えられたって事で…獣人の家ではハートで溢れている。…

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 伊丹と倉田、富田、笹木はとりあえず、横転した高機動車を何とか起こして元に戻した。桑原曹長も雪に埋まったソリをスコップで堀だそうとしている

 

 「こりゃ、部品交換しないと駄目だな…」

 

 「軸からイッてますね」

 

  「オイルも漏れてる…このままエンジン掛けたら火災になるかも」

 

 「…てこと、ここからは歩きか…」

 

 「……イタミ」

 

 「ん?どうした」

 

 「元に戻ればいいんだよね?」

 

 「どうする気だ?」

 

 「これからする事を誰にも言わないならいいよ」

 

 「………わかった」

 

 リンクは伊丹の返事を聴いて、時のオカリナを構え[♪ゼルダの子守歌]を奏でる。

 すると高機動車とソリがゆっくりと中に浮き始めた

 

 「へ!?」

 

 「な…何だ!?」

 

 空中に浮いた高機動車とソリがゆったりと逆再生されてる様に壊れた部分が直っていき、雪崩に会う前の状態まで戻るとゆっくり着地し、元の状態まで戻った。

 

 「………凄い、エンジンまで治ってるッス!」

 

 倉田がボンネットを開いてエンジンを掛けると普通に掛かったのを確認する。

 

 「ミンナニハ ナイショダヨ? 前にコレやって貴族に軟禁された事があったから…」

 

 伊丹達と出会う前に道がわからなくなって、近くにあった壊れた看板を[♪ゼルダの子守歌]で治してるのを見られて、ホイホイ食い物に釣れられて行ったら軟禁された事があったリンクだった。伊丹達なら大丈夫だろうと思って治してあげた。

 

 「…ボロボロの戦利品(薄い本)を新品に出来る「ハイ!変な事に利用しない!」」

 

 栗林の突っ込みが伊丹に入った。

 

 「でももう少しだけどね。ほら、晴れて来たから…」

 

 リンクが指差す先には雲の切れ間に深い谷に大きな吊り橋が掛かっており、その先には広大なハイリア平原が見える。

 

 「…や…やっと見えて来たハイリア王国!!」

 

 「いや、ハイリア王国までは更にエポナで3日位の所だよ。フィローネの森なら1週間位かな…」

 

 リンクはやっとハイリア王国の領土に入ったと言うだけ。

 

 「でもあそこの橋を越えれば広域無線が使えるはず、結局スノーピークでは電波が使え無かったからな」

 

 「やったッスね!」

 

 「エルフの国ハイラル王国…楽しみだな。」

 

 笹川がカメラを構えてハイリア平原の写真を撮っている。色んな事があったが、伊丹達第三偵察隊はハイラル王国領土内に誰も死ぬ事なく無事に入る事が出来そうだ。

 

 


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