ゼルダの伝説〜異世界の兵士共 NS(イセカイのツワモノドモ ニュー・ストーリー)〜   作:油揚げパン

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久しぶりに再開します。


夜のハイラル平原〜2021.08/15〜

 雪山を無事に乗り越えた伊丹達は、レレイの魔法のお陰で吊り橋を越えてハイリア大平原に入る事が出来た。意気揚々とハイラル大平原で一夜を過ごすことになった。

 

 

 そこまでは良かった。

 

 ハイラル平原の夜を知らなければ…

 

 ○

 

 次々とスタルベビーに襲われる第三特地調査隊は、ミュイお嬢様の乗る馬車を護る様に陣を取り、あまりの数の暴力に悲鳴を上げていた。

 

 「何体出てくるんだよ!?」ダン!ダダン!

 

 「1体1体は弱いけどキリがねぇ!」ダダン!!

 

 なお、リンクは手伝って居ない。流石にここまで手伝えば伊丹達はハイラル王国で生きて行けないと思ったからだ。

 

 「頑張れ〜、太陽が出るまでコイツ止まらないから、ポウが出たら流石に手伝うから教えてね〜」

 

 「完全に○イオじゃねぇか!…あぁ!!?残弾がこれだけしかねぇ!」

 

 「ハイラルってこんな修羅の国なんスか!?」

 

 「次元が違うとはいえ、一応故郷だから修羅扱いはちょっと‥」

 

 遠くで湧くスタルベビーは自衛隊組が狙撃し、中距離はレレイの爆豪魔法や、ヤオとテュカのコンバットボウ、それでも近距離まで来た奴はロゥリィがダイゴロン刀で始末してる。

 

 「よくも黙ってたわね!リンク!」

 

 「いやいやシノ姉…だってニホンではロクヨンって玩具でハイラルの事知ってると思ってたし、それにこれは村や街に着くまで続くからココでへばったら『ハイラル越えを成し遂げた。』とはとても言えないよ?」

 

 そう言い合ってるとランプが空中に浮かんだ状態で近づいてくる。

 

 「…おい、あのランプ…撃ったのに壊れ無いぞ。」

 

 「あ、それが[ポウ]だよ。ニホンでは『怨霊』って言う奴、水じゃ消えない炎をぶつけて来るし、攻撃が当たると肉体は傷付かないけど魂に傷を負うから気を付けて

 

 ケケケ…ケケケケ…

 

 「お…怨霊!!?

 

 「「ヒィィィ!!?」」

 

 「自衛隊に御札は装備して無いッスよ!?」

 

 ポウは半透明の悪魔の様な姿を表すと、この世とあの世の狭間で笑う不気味な笑い声が響き、黒川とテュカが恐怖で抱き合い、伊丹達は顔を青くしている

 

 「セイ…ヤァァ!」タン!…ザン!!

 

 『キエェェエエェエ!!!』

 

 リンクは慣れた様に弓を構え、[光の矢]でポウを浄化、実体化させジャンプ斬りで一刀両断する。

 斬られたポウは黒板を爪で引っ掻く様な聞きざわりの凄く悪い悲鳴をあげてランプを落とし、割れると青い炎に泣き顔の姿が現れる。

 

 「…闇に囚われた哀れな魂は行きなさい。女神ハイリアの元で安らぎがある様に…」

 

 青いポウへ北条の篭手を向けると、篭手の甲にあるトライフォースが青いポウの黒い靄を吸収し、吸収し尽くすと笑顔になって空へとキラキラと消えて行った。

 

 「…もう大丈夫なのか?」

 

 「イタミ達はこう言うのは対処出来ないし、ロゥリィは宗派が違うから逆に刺激しちゃうから」

 

 「そ…そうか」

 

 「だから、安心して彼奴等の相手出来るよ?」

 

 ポウに気を取られて、スタルベビーが増えて接近している事に気付くのが遅かった。羽の生えた骸骨のバブルまでいる

 

 伊丹達は完全に周囲を囲まれている。

 

 「もう…魔力が…」

 

 「レレイ!?」

 

 レレイが変な汗をかいて片膝を着くのを見て、伊丹が慌てて近付く

 

 「魔力切れか、使い過ぎなんだよレレイは」

 

 「…無念」

 

 「おいー!リンクはどうやって凌いでたんだよ!!?」

 

 「斬る、かち割る、穿く…街に入る時に物凄く嫌われるが最悪走る」

 

 「ゴリ押しかよ!全部力技じゃねぇかぁ!」

 

 「因みに沢山のスタルベビーに追われながら逃げる事を『スタルパレード』と言うぞ」( ・´ー・`)どや

 

 ドヤ顔で答えたリンクに無駄にキレたツッコミを入れる伊丹

 

 「それに…本当に良いの?ココでオレがヤッた場合、伊丹達はハイラル越えを辞める事になる。

 レレイの魔道士としての実力がハイラル王国には子供程度の魔法しか使えない人扱いになるから、ハイラル王国にあるどの魔導書にも閲覧制限が掛かる。…それで本当に良いの?」

 

 「…それは駄目」

 

 「な…」

 

 「ハイラルには…ニホンと繋ぐ為の『門』の知識が確実にある。その知識を得るには…」

 

 「とぉぜん。最低でもぉハイラル越えをぉ…しなければならないわねぇ!」

 

 ロゥリィは、スタルベビーの大軍に突っ込み薙ぎ払う

 

 「…リンクの助けを借りなければいいんだな?」

 

 「何か作戦でも?」

 

 「ここからなら届くかも知れない…黒川!もう一度広域無線でハイラル駐屯地に連絡取ってくれ。長谷川は高機動車のアンテナを引っ張って出来るだけ高く」

 

 「了解!」

 

 「古川はフォルマルお嬢事情を話して高機動車に避難誘導!」

 

 「了解…」

 

 「ロゥリィー!クリボー!お前等は出来るだけ骨共を1箇所引き付けてくれぇ!」

 

 「りょ…カイ!!」

 

 「任せてぇ♪」

 

 テキパキと指示を出す伊丹は、普段と違って真剣な顔をしている。

 

 「よっと…送電線よし!」

 

 「了解、123.1Mhz良し…モウシ!こちら特地第3偵察隊」

 

 黒川が通信器の電源をいれ、緊急広域無線を飛ばす。

 

 『…こ…ハイラ……下町連…所…大田3佐、応答願う、今メ…ット2』

 

 「通信来ました!こちら第3偵察隊、黒川二等陸曹です。伊丹二尉より救難要請!要救護者2、体調不良1、要人3名!骨の人形モンスターの集団に囲まれて行動不能!兵装も残りが少ない。」

 

 『…わ…った。お使…行くか…救…信を続…』

 

 「了解、終わり」

 

 ノイズが多いが通信はする事は出来た。

 

 「隊長!ハイラル城下町連絡所から返答あり!『お使い』を送るそうです。」

 

 「よし!応援が来るまで何とか持たすぞ!」

 

 黒川の話を聞いて希望を見いだした伊丹達だったが…

 

 「ウヲオオ!!オレは死なねッス!帰ったらペルシアちゃんの膝枕が待ってるんだァァァ!」

 

 「死亡フラグ建てるな倉田ァァ!」

 

 盛大にフラグを立ててしまった倉田に伊丹がツッコミをいれ、大量のスタルベビーとバブルに最後の大奮闘する第3偵察隊だった。


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