この聖女な転生者と竜と化せる神様に祝福を!   作:餓鬼振り大佐

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ドMの扱いってドS以上に大変そうじゃね?って感じを表現した回となります。物語の展開がいろんな意味でアレなのですが、大目に見てほしいです。


この新米パーティーにドM剣士を!

 高いステータスが出て嬉しく思いながら、アークプリーストとして冒険者デビューしたものの異世界の現実を思い知った私、ジャンヌ・ルーラー。昨日はジーク君がジャイアントトードを3匹(3匹目は私と協力して)倒し、シャワー浴びたりジャイアントトードの照り焼きのジューシーな味を堪能したり……う、馬小屋で、ジーク君と添い寝してしまったりして1日を終わらせました///

 翌日は資金を稼ぐために、午前でジーク君は土木系の仕事、私はギルドの酒場での給仕をしました。そして昼食を摂った後、私はジーク君にとある提案を出しました。

 

「パーティーメンバーの募集をしましょう!」

「仲間集めか、いいなそれ」

 

 当然ジーク君は私の言葉に興味を示してくれました。昨日は冒険者ギルドのある街──アクセルの街に帰った時はみんな私達を気の毒そうに見つめたり、何やらひそひそ噂話をしていたので結構恥ずかしかったです。受付嬢のルナさんは、今までに見たことのない程の苦笑を浮かべて大浴槽に行くよう促してくれましたが、やっぱり恥ずかしかった……

 そんな思いをもうするわけにはいかない、というわけで仲間を増やすことにしたのです。

 

「私達は新人でよくわからないことも多いですが、経験豊富な冒険者に力を貸してもらえれば、クエストもスムーズになると思います。それにその冒険者と会話すれば、私達の知らない情報を得られたりコミュニケーション力を伸ばしたりできて一石三鳥です!」

「そこまで考えていたのか。しかし、募集をしたとしてそう簡単に希望者が来るのか?」

 

 正論ですねジーク君。ですが心配いりません、この募集は成功します!その理由は私達にあるのですから!

 

「こっちは新人とはいえ2人とも上位職。昨日あれだけギルドを騒がせた期待の駆け出しと呼ばれたのですから、きっと仲間にしたいという人もいるはずです!」

「そうか、それなら納得がいくな。なら早速貼ってくる」

 

 どうやら賛同してくれたみたいですね……ってえ?もう求人募集の紙を作ったのですか⁉︎早ッ!まぁとにかく、私達は求人募集の張り紙を出すことにしました。ジーク君がもっとみんなとフレンドリーになりたいということで、条件は特になしにしました。

 

「あ、先輩!ジャンヌさん!昨日ぶりだね!」

 

 ふと張り紙を貼り終えて席に戻った私達の前に現れたのは、昨日出会った冒険者──女神エリス様という身分を隠している盗賊のクリスさん。

 

「どぉ?無事冒険者登録出来た?」

「はい。私はアークプリースト、ジーク君はルーンナイトとして」

「へー、2人揃って上位職なんてすごいね!クエストは受けたの?」

「一応……でも、これが意外と大変なんですよ」

「わかるよ、だから仲間を募集してるんだもんね」

 

 クリスさん、もう既に求人募集の紙を拝見していたのですね。ですがクリスさんは既に他のパーティーメンバーがいるはずでは……?あ、ジーク君の前の席に座った。ふと、私はちらりとエリス紙幣を確認し、そしてクリスさんの顔を見ました。えっ?何故こんなことをしているのかですって?決まってます、エリス様の時の姿とクリスさんの時の姿とで比較するためです。紙幣に描かれた女神エリス様は儚げな美少女のようですね。姿は獣耳のような物がついているベールで頭を隠し、長袖に膝下まで隠されたスカートという露出度の低い服装をしていました。髪も腰より下まで伸びているようです。しかし、クリスさんは明朗快活で男前な女の子って感じがします。というか男の娘ゲフンゲフンッ……似ているのは銀髪くらいですかね。結構変装とか上手いですね。だから職業を盗賊にしたのでしょうか?……ところで胸部の大きさの違いが分かりやすい気がするのですが何故でしょうか……?

 

「ならいいのがいるよ。少なくとも2人の役に立てるだろうから」

「それって、仲間を貸してくれるってことですか?」

「まぁそんな感じ……あ、来た!こっちこっち」

 

 クリスさんが顔を右に向けて手招きすると、私達の席に歩み寄ってくる冒険者らしき人が1人。歩み寄ってきた人は、金髪のポニーテールに碧眼。黒いインナーの上に白と黄色を主としたデザインの鎧を身に纏い、腰元に剣と思わしき物を付けた……まさに正統派騎士のような女性の方でした。あ、金髪に鎧って、髪型とデザインは全くもって異なっていますが私と似てますね。

 

「……貴殿らが、パーティーメンバーを募集しているという冒険者なのか?」

 

 凛然とした佇まい、よく通る綺麗な声。本物の正統派女騎士って感じの、真面目でお堅そうな美女でした。あ、なんかそれだけで負けた感がするような……あ、いや、彼女の方が冒険者歴が長そうなので当然でしょうか。というか声が……Fat○のアル○リアっぽいですね。それかスカ○ハ師匠?

 

「はい。私はアークプリーストのジャンヌと言います。こちらにいるのがルーンナイトのジーク君。あ、もしかして貴方も私達が貼っている紙を?」

「あぁ。私はクルセイダーのダクネスだ。クリスに勧められて、ここに入ろうと思ったのだが……」

 

 もしかして、この人がクリスさんの言ってた、祈りに応えた冒険者なのでしょうか?そういえば昨日、『その子を受け入れてくれるパーティーを探していた』って言ってましたね。もしやクリスさん、ダクネスさんのために良かれと思って身分を隠してこの地に降り立ったのでしょうか?すごいです、さらにファンタジー感を感じます!

 

「クルセイダーは前衛職で、最強の防御力を誇るパーティーの盾。ダクネスはその中でも群を抜いた防御力なんだよ」

「あまり褒めないでくれクリス。たしかに私は耐性系スキルばかりを向上させている。だが、その反対に不器用すぎて攻撃が全く当たらなくてな……」

 

 そう言って自分の職業のデメリットに対して苦笑するダクネスさん。なんて謙虚な人でしょうか、私も見習いたいです。それにしても攻撃が苦手な代わりに防御を中心とする職業ですか……中々サポートにいい職業だと思いますね。

 

「ジーク君、これは……!」

「あぁ……ダクネス、俺達はまだ駆け出しだからモンスターを狩るのにも手間を取ってしまう。だから貴方にはモンスターを引きつけたり、後方支援役のジャンヌを守ったりしてもらいたいんだが、やってくれるか?」

「もちろんだ。それに私もそうレベルが高いわけではない。同じ駆け出し同士、これからよろしく頼む」

 

 ダクネスさんに握手を求められ、私とジーク君はそれに当然と言うように応じました。よく見るとダクネスさんの腕は細いように見えて、結構がっしりしていますね。流石はクルセイダーです。

 

「あっ、あたしもついてっていいかな?ダクネスのことが心配だし」

「……別に構わないが……」

 

 するとジーク君はクリスさんのところに寄り、顔を寄せて耳打ちし始めましたね。ダクネスさんに聞かれないためでしょうか?私は3人に気づかれないようにそっと耳を澄ませてみました。

 

「君は天界の仕事とか、そういうのは大丈夫なのか?」

「それならご心配なく、いつも頼まれた仕事は全部終わらせてから下界に来てますから。あ、ジーク様の仕事は今のところ私が引き継いでますので」

「それは、すまない……」

「いえいえ」

 

 あ、時に天界に戻って仕事を済ませてからまた下界に降りるというのを繰り返していたのですね。というか引き継ぐとか、なんか天界って普通の会社みたいですね。天界にそんなシステムがあったなんて、ちょっと意外です。

 

「とにかく、今日もジャイアントトードの討伐です。最低目標とか関係なく、たくさん倒しておきましょう!」

 

 とりあえずみなさんの士気を高めるために、私は立ち上がって旗を掲げながらそう叫びました。我に返ると羞恥さを感じますね……クリスさんは『おー!』と言ってノッてくれましたが。ちなみにジーク君は小さく拳を上げてくれて、ダクネスさんは小さく微笑んだだけでした。やっぱり私の今のノリは悪かったのでしょうか……

 

 

 

 

 

 

 街から少し離れた草原地帯に再び訪れた私達は、岩陰に隠れながらジャイアントトードの群れを警戒していました。相変わらず普通の蛙と変わらない鳴き声を上げていますね。すぐそばでジャイアントトードは跳ね回っていていましたが、みんな私達に気づいていないみたいです。これはクリスさんの盗賊スキル『潜伏』によるものだそうです。

 

「盗賊じゃない俺達にまで影響させるとは……すごいな盗賊は」

「フッフーン!盗賊は成り手が少ないけど、ダンジョン探索には必須なんだよ。ダンジョンは見通しが悪い上にモンスターの巣窟だからね。どこに敵がいるか、どこにお宝があるか、察知して効率的に探索する必要があるんだ」

「えっ、敵やお宝の場所まで分かるのですか⁉︎」

 

 すごいというか、便利ですねそのスキル。私達もほしいくらい。

 

「それじゃあ、まずは私がジャイアントトードに突っ込んで囮になろう。その隙にジーク達は岩陰から攻撃を仕掛けてくれ」

「わかった。ジャンヌ、君はダクネスに支援魔法と回復魔法かけてくれ。後はあまり動かないでほしい。なるべく戦闘はしないで観戦していってくれ」

「はい、わかりました」

 

 遠くから援護しながら戦い方を見て学べ、ということですね。わかりました。そう応答した私はダクネスさんに支援魔法をいくつかかけました。

 それから機を窺って、ダクネスさんは威勢良く岩陰から飛び出しました。ダクネスさん、お願いしますね……

 

 

 

「さぁこい蛙ども!その膨れた肉を思う存分私に叩きつけるがいい!なんなら私を舌で捕らえて口の中に含んでぐちょぐちょの粘液まみれにし、私を哀れもない姿にしてから思いっきりのしかかっても構わない!」

 

 ダクネスさんはそう言いながら啖呵を切っていってますね。なんだか勇ましくて頼もしい……ん?アレ?何かおかしいような……

 

「いいか!私はどんな責め、いやどんな攻めにも屈しない!何故なら私は皆を守る高潔な聖騎士だからだ!そんな私をパーティーのメンバーの眼前で、好きなだけいたぶって辱めればいいのだ!来い、ジャイアントトード!」

 

 ……なんでしょう、なんか威勢良く言ってる言葉に、そこはかとない違和感を感じるのは……まるで自分がいたぶられ、いや辱められるのを望んでいるかのような発言ばっかりしていますが……

 何やら危なっかしいなと感じていると、ジャイアントトードの1匹がダクネスさんに向かってドタドタ地面を揺らしながら迫ってきました。そして巨体にも関わらず素早く飛び跳ねて、あっという間にダクネスさんを押しつぶそうと……

 

「『ウインドソード』!」

 

 する前にジーク君が、『幻想大剣(バルムンク)』と呼ばれる剣に渦巻く風の宿して、ジャイアントトードの懐へと搔い潜って腹部を勢いよく切り裂きました。そのまま生力が尽き地に伏せたジャイアントトードを、ダクネスさんはそれに押し潰されずに済んだはずなのに何故かポカンとした表情で突っ立っていました。いや貴方は今助けられたのですよ?

 

「いい引きつけだったぞダクネス、この調子で次も頼む」

「あ、あぁ……で、でも、もう少し引きつけてから攻撃してくれてもいいんだぞ。私は耐久力には自信がある。ヤツらが私に群がってる隙に薙ぎ払えばいい」

「ダメだ、そういうわけにはいかない。メンバーたった1人のダメージがクエストに影響を及ぼすことも少なくはないんだ、だから貴方にも損害を与えるわけにはいかない」

「むぅ……」

 

 な、何故でしょう。ダクネスさんの表情が結構残念がっているように見えるのですが……ジーク君はかなりきちんとしたまともなことを言ったのに、『どうしてそんなつまらないことを言うんだ』みたいな表情を浮かべているのですが……

 

「そ、それではまた行ってく──」

ズシンッ 「キャアッ⁉︎」

 

 その時でした。突然ジャイアントトードの群れが一斉にこちらを向いて、猛烈なスピードで跳ねてきました。激しい地響きで立っていられなかったので、私達は必死に岩に掴まりました。気づかれた?しかし、クリスさんの潜伏スキルは今も効いているはずなのですが……

 

「い、一体何が……?」

「……!大きな敵が来てる!敵感知にビンビン来てるよ!」

「ということは、ジャイアントトードはその敵から逃げているということなのか……?」

 

 クリスさんの言葉に様々な意味を考察しながら岩陰に隠れていると、ジャイアントトード達は皆揃いも揃って私達を無視して向こうへ逃げていきました。私達のことを気づいてはいるのかもしれませんが、それでも襲う余裕はないってことでしょうか?

 

「ジーク君、どうしましょう?」

「俺達のレベルでそのモンスターを倒せるのかどうかは分からない。ここは『テレポート』を使って逃げるべきだろう……ッ⁉︎」

 

 何かに気づいたのか、話していた途中で目を限界にまで見開いて驚愕した表情を浮かべたジーク君が、言葉を詰まらせました。一体どうしたと……

 その直後、頭上に巨大な影が現れ地面に着地しました。轟音と共に逃走中のジャイアントトードの群れを、それは一瞬にして踏み潰してしまいました。

 

「なんてことだ、こんなのが出るとは予想外だ……ッ!」

 

 それは、全長20もある異常なほどに巨大な蛙──ジャイアントトードでした。今まで見てきたどのジャイアントトードよりも大きく、その図体に私達は言葉を詰まらせてしまいました。

 

「な、なんですかアレ⁉︎どう見てもジャイアントトード界の王様じゃないですか⁉︎」

「こんなのが街のすぐ近くにいたなんてね……」

 

 巨大なそのジャイアントトードは、何を考えているかわからないつぶらな瞳でジッと私達を見つめてきました。まずい、『潜伏』のスキルが切れた……⁉︎

 

「走って逃げてもさっきみたいにすぐジャンプして追いつかれそうだな。テレポートの詠唱してる暇はなさそうだ……いや、仮に逃げることができたとしても、今度はアクセルに現れて街の人達を混乱に陥れるだろうな。ここは──ジャンヌ!束縛魔法を!」

「は、はい!『チェーンバインド』!」

 

 私が両手を巨大ジャイアントトードに翳した瞬間、地面からボコッと巨大な鎖が飛び出し、ジャイアントトードの体に巻きついて硬直させました。ッ、重い……ッ!しっかり足を踏み入れないと逆に振り払われそうです……ッ!

 

「長くは効かない……今のうちに仕留めて──」

「後は任せろッ!」

「えっ、ダクネスさん⁉︎」

 

 また特攻⁉︎いやアレをおびき寄せて何の意味が……と思いきや、力強く地面を蹴って飛び上がり、巨大ジャイアントトードの頭に降り立ちました。す、すごい……クルセイダーは筋力が強いのですね。

 

「今なら攻撃が当たる!これでも喰らえ、ジャイアントトードッ!」

 

 そして剣を思い切り振り翳し、巨大ジャイアントトードの頭の脳天部分を貫いた──

 たちまち巨大ジャイアントトードの瞳孔が開き、大口をだらしなく開けてきました。流石の巨体でも剣で脳を一突きされたら堪ったものじゃない。防御力はそこまで高くなかったのでしょうか?……とにかく、勝った、勝ちました。最後の1匹がこんなにも巨大だったとは予想外でしたが。一時はどうなるかと思いましたが、ダクネスがパーティーの盾として、ジャイアントトードの上位互換的なボスモンスターを倒してくれた。これはさらなる報酬が得られるのではないのでしょうか?後できちんとダクネスさんに報酬の一部を分け与えないと。いくらなら受け取ってくれるのでしょう?

 

「案外早くクエストが終わりましたね」

「あの特攻グセは直してほしいが……騎士らしいから仕方ないとしよう」

「ダクネスー、帰るよー」

「わかっている!少し待っていろ……」

 

 と、次の瞬間。

 

「あっ」

 

 蛙の表皮は、当然だけどヌメヌメで。ダクネスさんはそのヌメヌメに足をとられて、滑らせて──そして、見事に開きっぱなしの巨大ジャイアントトードの口の中へ。

 

「「「………………エェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエェエ⁉︎」」」

 

 ちょ、えぇえぇえぇ⁉︎こんなに上手い具合に口の中に落ちるものなのですかッ⁉︎

 

「ダクネスさん、大丈夫ですか⁉︎」

 

 とにかく、急いでダクネスさんを助けないと!私が『チェーンバインド』を解いたことで重力に従い地面にズシィィィンと崩れ落ちた巨大ジャイアントトードの口から、唾液と共にデロリとダクネスさんが出てきました。あぁ、正統派女騎士が哀れもない姿に……早く回復魔法を……ん?

 

「……ハァ、ハァ、こっ、これが、ジャイアントトードに食べられかける感覚……ッ!あぁ、ぐちょぐちょに濡れた私を皆が見ている……!んっ、くぅっ!た、たまらない……!しゅごい、こんなのはじめて……!」

 

 ……何故でしょう。何故恍惚とした表情をしているのでしょう……しかし、そんなダクネスさんを見て、私は察しました。きっとジーク君も同じことを考えているのでしょう。どうしましょう……この人多分、変態だ。被虐趣味……いわゆるドMですね。

 

「ハイハイ、ゴチャゴチャ言ってないで早く立ってダクネス!もう帰るよー」

「す、すまないクリス」

 

 ダクネスさんはこのままクリスさんに肩を担がれましたね、もうそのまま連れて帰ってください本当に……とにかく、これで初クエストクリアですね。しかし、巨大ジャイアントトードの討伐金はいくらでしょうか?普通のは1体5000エリスですが……

 

『ゲ〜コゲコ』

「「「「えっ」」」」

 

 あ、デジャヴ。恐る恐る振り向くと、すぐ後ろに色彩豊かなジャイアントトードの群れが、じっとこちらを注視していました。いや帰って来るの早くないですか⁉︎ってちょ、逃g

 

パクンッ

 

 

 

 

 

 

 それから私達は一心不乱にジャイアントトード達を討伐することになりました。包囲してから魔法を放ったり、物理を吸収しなさそうなところに近距離攻撃したり、こまめな『チェーンバインド』を私がしたりと……結果、ジャイアントトードは大きいのを除くと合計10体以上、ですかね?異常な程の数を撃破した代わりに私達の体はベトベトになりました……今日も今日とて粘液でヌルヌル、服や鎧にへばりついてしまいました。まさか昨日と全く同じような目に遭うとは……

 

「なんで今日に限って最悪な気分になるのでしょう……たくさん倒して討伐金を多く儲けたはずなのに、冒険者になって2日目なのに……」

「気を落とすなジャンヌ、冒険者になりたての時は精神的に気分が悪くなることはおかしくない」

「すみません、意外と私以上にベトベトになっている状態で説得されましても……」

 

 よく見たらジーク君も粘液で……あぁ、『幻想大剣(バルムンク)』も……

 

「ハァ……ハァ……しゅごかったぁ……」

「いやすごいのは貴方ですよ⁉︎いろいろとツッコむべきトコがわんさかあるじゃないですかッ⁉︎」

 

 あの後も、ダクネスさんはガンガン特攻し、案の定ひどくやられて満面の笑みで帰ってくる、をずっと繰り返してきていました。本人の申告通り、剣戟はほとんど当たっていませんでした。ぬるぬる具合も、パーティーメンバーの中で一番ひどい。異常なほどに嬉しそうな顔をしていますが……

 

「なんていうか……ダクネスは、ちょっと変わってるけどすごく良い子だから」

「ちょっと……?」

 

 頬を掻いて苦笑するクリスさんは、なんとまさかのほぼ無傷。どうやら潜伏スキルを駆使して流れるようにジャイアントトードを狩っていたそうです。流石は幸運の女神ですね……アレ?ちょっと待って?でしたら何で私たちはこんな酷い目に遭っているのでしょう?なんで幸運の女神の隣にいるのに限って……

 

「それにしても今日はたくさん狩ったな……今日はジャイアントトードで肉の盛り合わせでも作ってみようか」

 

 えっ⁉︎肉の、盛り合わせ⁉︎そうですね、これほどの数のジャイアントトードを倒したのですもの!料理に使わない手はありません!

 

「そうですね!お肉食べたいです!そうと決まれば、みなさん帰って体の疲れを癒しましょう!」

「肉と聞いて元気になるなんて、単純すぎるんじゃないのか……?」

「ははは、まぁ早くごはん食べたいしね」

「そうだな。私もパーティーの一員として、明日のクエストに備えて腹拵えをしなくては」

 

 あ、そうだった。この人、正式に私達のパーティーに入るのでした……

 ちなみにクリスさんとダクネスさんの寝床はきちんとした部屋だそうです。私達はお二人同様にたくさん報酬を得ましたが、やはり誤って持ち金を使い果たしそうで怖かったので結局今日も馬小屋で寝ることにしました。やっぱり恥ずかしい……

 

 防御力が高くも代わりにドMな部分が露わになってしまうクルセイダーの方を仲間にした私達。明日も異世界ライフは続く───




なんでダクネスはドMになったのだろう……
誠にご勝手ながら、次回きらは投稿スピードが遅くなる予定です。他の小説投稿にもそろそろ気合いを入れておかないと……

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