『第七駆逐隊、COC海域に抜描する!』   作:流神

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 ここには、各種艦娘たちのキャラシの内容を書こうと思うのですが、それは次回以降とします。
 既に、各キャラシは出来上がってるんですが、今回のSSはうぷ主が一人でどとんとふに入って、潮たちの代わりにダイスロールやってリアルな数値でプレイしようと思うからです。
 ちなみにやる人が居ないわけではなく、すでに3度回してるシナリオで物語創ろうというのと、SS書くためにセッションやろうと声かけるのも悪いので。
 導入部分なので、なにも詳しいことはやってないしサイクルも始まってません。
 それでもよければ、どうぞ。

 潮、参ります!


一話 COC、キタコレ!

 それは木の葉燃ゆる、秋時雨の日。

 ジメリとした風が漂い、どんよりとした雲が朝日を覆い尽くしていた。

 

漣「――――そんなことより、ゲームしましょうや!」

 

 空気を読まない声が、ある艦娘寮で響き渡った。

 その部屋にいる残りの3人のうち、3人ともが怪訝そうな顔をして漣を見る。

 

曙「あんたねぇ……こんな蒸し暑い日に、そんな暑苦しいテンションとか止めてくんない?」

 

朧「確かに」

 

潮「あ、あはは」

 

 かろうじで悪態を吐いていないのは潮くらいである。

 そんな皆に対し、漣は口調を荒げる。

 

漣「どうしたんよ、若人! そんなんじゃ、曇天に加えて余計に滅入るじゃんかぁ」

 

曙「だから、そのテンションだと余計に暑いのよ!」

 

 焼け石に水――否、水と油のような口論が火蓋を切ろうとしたとき、ふと足音が近付いてくることに気付く4人。

 いや、正確には3人だろう。

 どうやら漣は心当たりがあるようで、ニヤニヤとしていた。

 

 コンコン、と控えめなノック音。

 ほぉい、と返事をしながら鍵を開けて招き入れる漣。

 

提督「おっす、漣! ありがとうな」

 

漣「遅いですよ、ご主人様!」

 

提督「悪い悪い、執務が終わんなくてさ……やっと片付いたのさ」

 

 そんな漣と提督とのやり取りにポカンとしている3人。

 それもそのはず。

 提督はそもそも艦娘寮にそんなに訪れないし、更に漣以外は何も聞かされていないのだから驚くのは無理もない。

 

提督「遅いって、云ってたくらいだし、話は通してるのk――」

 

曙「ちょ、ちょっと、なに勝手に入って来てんのよ、クソ提督!」

 

提督「ヱッ?」

 

朧「流石に、いきなり女子寮に入ってくるのはどうかと思うな」

 

提督「い、いきなり?」

 

潮「……」

 

提督「せめて、何か云ってくれよ!?」

 

 そう。

 本来は、提督から漣に話を通しておくように頼んでおいたのだが、誰しもが茹だるような暑さにやられ――――潮でさえ――――聞く耳を持っていなかったので今に至る。

 

漣「いやぁ、漣も何度か説明しようとしたんですよ? でも、皆この天気と湿度にやられちゃってるみたいで」

 

提督「まさか、じゃあ説明はなんもしていない感じ?」

 

漣「イエス・サー」

 

提督「そりゃ歓迎されないわけだよ……」

 

曙・朧・潮「「「…………?」」」

 

 話が噛み合う以前に不審がられたことにショックを受けていた提督は、ようやく合点がいったと首肯する。

 漣と云えば、すまなさそうに後頭部を掻いている。

 

曙「とにかく、なにか知ってるなら漣……説明しなさいよ」

 

漣「さっきからしようとしてたんですがね……というのは野暮なんでしょうね」

 

朧「提督も取り敢えず来なよ? 立ちっぱなしも何だし」

 

潮「そうですね、こちらにいらっしゃってください」

 

提督「す、すまない」

 

 潮に勧められた椅子に腰を下ろし、ようやく落ち着く提督。

 朧は茶菓子を机の引き出しから取り出し、皆で食べれるようにテーブルの中央に広げた。

 曙は歯の奥に物が詰まったような顔で、提督を眺めていた。

 

漣「では、説明いたしましょう!」

 

提督「いや、そのテンションは辛い」

 

漣「ご主人様まで!?」

 

提督「普通でいいから……蒸し暑いし」

 

 曙が「ほらね」とばかりに漣を見やる。

 実際に提督までに云われて考えを改めたのか、コホンと咳払いして語り始める。

 

漣「ま、まぁ、提督がここにいらした理由ですが」

 

朧「うん、珍しいよね?」

 

漣「用事……と云ったら大事過ぎるけど、お互いの息抜きと交流を兼ねてとある遊戯をしないかと提案されたんですよ」

 

潮「とある遊戯、ですか?」

 

提督「ああ」

 

曙「息抜きと交流を兼ねて……ねぇ? それにしても、どうして第七駆逐隊が選抜されたわけ?」

 

漣「ああ、それにはきちんとした理由があります」

 

曙「変な遊戯で、潮のあられもない姿で目の保養を目的としたものじゃないでしょうね?」

 

潮「え、えぇぇえ!?」

 

 少し椅子を後ろに退け、身体を掻き抱くように縮こまる潮。

 驚愕で口をあんぐりと開け、目はグルグル渦巻いている。

 

提督「まてまて、“今回は”違う」

 

曙「はぁ? ……【今回は】?」

 

提督「コホン、とにかくそういう邪なものではない」

 

曙「ちょ、誰が会話逸らしていいって云ったのよ!」

 

朧「露骨に避けたもんね……まぁ、でも取り敢えず話を聞こう曙。話が進まないよ」

 

 ぐむむと無理に納得して押し黙る曙と、あわあわしている潮。

 そんな二人を他所に、提督はようやく本題に入る。

 

提督「第七駆逐隊が今回の遊戯に選抜されたのは漣と曙に理由がある」

 

曙「漣は……まぁ、判るけど。あたしも?」

 

提督「そうだ」

 

朧「特に何か共通点あるかなぁ? あんまり遊戯なんかで二人が一緒に何かやってるような気がしないんだけど」

 

潮「――――――――――――――はっ!」

 

 少しトリップしていた潮が帰ってくる。

 それを確認してから漣が口を開く。

 

漣「漣とボノやんが遊んだことある、あれですよ」

 

曙「アンタと?」

 

漣「そそ」

 

 少し考えこむ曙。

 朧と潮は見当もつかないのか、首を傾げていた。

 ………………。

 

曙「――――あ」

 

漣「思い付きました?」

 

曙「あぁ、そういうことね…………それなら朧も潮も知らないはずだわ」

 

漣「ま、そういうことです」

 

 盛大な溜息と共に納得した曙。

 それを確認して、安堵したかのような提督は漣に視線を送る。

 

漣「知らないオボろんとウッシーに説明すると、漣とボノやんが第一遠征組でオボろんとウッシーが第二遠征組でしょ?」

 

潮「そうだね」

 

朧「うん」

 

漣「それでさ、遠征から帰ってきてもウッシーたちがまだ遠征中のときとかもあるじゃん?」

 

曙「逆も然り、だけどね」

 

漣「それで、ウッシーたち待ってる間に暇だからボノやんと偶にTRPGで遊んでるのさ!」

 

曙「まぁ、暇潰しにはちょうどいいかもね……あぁ、交流や休憩っていう話がここで繋がってくるわけね」

 

提督「そういうわけだ」

 

 ようやく汚物を見るような眼を止めた曙が、提督を見やる。

 相変わらず朧と潮は疑問符を頭に浮かべている。

 どうでもいいことだが、潮のくせ毛がクエスチョンマークみたいに思えるのは気のせいではないはず。

 

朧「てぃーあーるぴーじぃ?」

 

潮「なんですか、それは?」

 

 もぐもぐとお菓子を食べながら尋ねる潮。

 持ってきた朧よりも先に手を出すのが早いのは、さすがは潮というべきか。

 

漣「RPGは二人ともわかりますか?」

 

朧「まぁ、あんまりやったことないけど」

 

潮「少し程度なら」

 

漣「だったら話は早い、TRPGっていうのは――――」

 

曙「自分の分身となるキャラを作って、作られたシナリオに沿って自分らしくプレイしていくゲーム……それを紙と鉛筆、あとはダイスだけを使って遊ぶのよ」

 

漣「ご主人様ぁ! ボノやんが漣の台詞取ったぁああああああ!」

 

提督「そ、そうだな……(すまない、曙の説明の方がスムーズで分かりやすいような気がする)」

 

 疑問符が完全に解けていない二人は、もう少し詳しく説明を求める。

 が、しかし、ここからはキャラシ――キャラクターシート――と呼ばれる、自分の分身たるキャラクター制作を交えながらの説明の方がいいと、曙も漣に同意を求める。

 漣は漣で、ボノやんの時もそうでしたもんねと深く頷いている。

 

漣「実際、習うより慣れろを地でいくのがTRPGなところもあります」

 

曙「って云っても、初心者しかいないTRPGは間違いをそのまま覚えちゃうかもだから止めた方がいいけどね」

 

漣「そこですよ、ボノやん」

 

曙「――――だから、経験者が2人もいる第七が選ばれたってわけね」

 

漣「オータムクラウド先生も詳しいんですけどね、今回は見送るそうです」

 

 提督はそこまで聞いてから、キャラシと呼ばれる紙を自分以外の人数分配る。

 

潮「あれ、提督はやらないんですか?」

 

提督「いや、俺もやるが。俺はPL(プレイヤー)じゃなくてGM(ゲームマスター)なんだ」

 

朧「PL? GM?」

 

漣「簡単に説明すれば、PLはゲームを遊ぶ人。GMは文字通りゲームを進行する人ってこと」

 

曙「秋雲なんかはGMもするし、ゲームの為のシナリオも書いてるわね」

 

潮「GMがシナリオを作るんですか?」

 

提督「慣れてくれば平然と作れるようになる。無論、シナリオ制作に向いてない人もいるがな」

 

漣「他の人が作ったシナリオをGMとして回すことも普通にあります。許可なくはダメですが、シナリオ本としてむしろ使ってくれという人も多くいます」

 

曙「ネットに公開されていたりね」

 

漣「今は覚えなくても良いですが、PLは遊ぶ人の事ですがPC(プレイヤーキャラクター)という言葉もあります」

 

朧「もしかして、キャラシで作ったキャラクター本人を指す言葉?」

 

提督「察しが良いな」

 

曙「取り敢えず、大まかな説明含めてルルブ軽く読むくらいの時間は設けたら?」

 

提督「そうだな……漣、あるんだろう?」

 

漣「ほいさ」

 

 そういって漣は大きなルルブ――――ルールブック――――と呼ばれる本を自分のベットから取り出し、机に広がるお菓子を避けながら置いた。

 それは厚く、大きく、重い。

『Call of Cthulhu』と書かれた本だった。

 

漣「最初はこれでいいんじゃないでしょうか?」

 

曙「いいもなにも、用意してるキャラシがCOCじゃない」

 

漣「まぁ、そうなんですけどね」

 

潮「な、なんなんですか?」

 

朧「大きいなぁ……この本」

 

提督「これがルルブ。ルールブックと呼ばれる、TRPGを遊ぶための説明が載ってる本だな」

 

潮「これ全部、覚えるんですか?」

 

提督「最初からそんなこと無理だし、俺も全部なんてとてもじゃないが覚えていない」

 

漣「というか、全部暗記しているとかムリゲー」

 

曙「今回ばかりは同意するわ。それに、ある程度覚えたらできるからね」

 

提督「なんなら、ルルブが手元にないといつものように遊べない……なんていうのは熟練者でもあることだ」

 

漣「まぁ、熟練者がどこからという話になると、揉めるかもなので……遊ぶときはルルブは忘れないようにってことだけ覚えてりゃいいです」

 

 ふぅん、ほぇ~と声を漏らす朧と潮。

 ぺらぺらと興味本位でページを捲りながら感心している。

 

漣「これは通称『クトゥルフ神話TRPG』と云って、アメリカのある人が子供の頃の空想を現実にあるかのように書き始め、気付いたら多くの人が共同著書として生まれたクトゥルフ神話をベースにしたTRPGです」

 

潮「クトゥルフって、あの神話ですか? 狂気・発狂が蔓延するおぞましく残酷な物語が多い、あの?」

 

朧「あ、なんか聞いたことあるね」

 

漣「2人とも知っているとは好都合♪ ウッシーはやっぱり怖い?」

 

 ニシシと厭らしい顔で潮を覗き込む。

 すると、

 

潮「いえ、空想の神話よりも現実の深海棲鑑の方が怖いです」

 

漣「あ、ハイ」

 

 ケロっとしていた。

 確かにその通りなので、変な空気が流れた。

 

朧「そういやベースなんて云ってたけどさ? クトゥルフ以外のTRPGとかもあるの?」

 

曙「これが山ほどあるのよ……物好きが多いのか」

 

漣「でも、自分の好みのTRPGを探すのも面白いでしょ?」

 

曙「ま、浜風はシノビガミの沼にドップリ嵌っちゃってるものね」

 

提督「卓修羅になってるとは噂に聞いたが、それほどか」

 

漣「まぁ、今度覗いて観てください」

 

提督「うむ――――――まぁ、今回は数ある中でも有名どころのCOC――――クトゥルフ神話TRPGをやってみないか? という話だ」

 

漣「もっとも、強制はしませんよ。見学してもらって、知ってもらってから次回以降でも構いません」

 

曙「ま、個人的には1度やってみることをお勧めするけどね」

 

 朧と潮は顔を暫く見合わせ、頷いた。

 心なしか目は凛としているような気がする。

 

朧「ま、曙がやってるくらいだし気になるからやってみようかな」

 

潮「潮も、やってみたいです!」モグモグ

 

曙「そう? いいじゃない――――でも潮、アンタ食べながら話すの行儀悪いから止めなさい」

 

潮「……はぁい」

 

 そういって、二人はしばらく適当に読んでみたいからと本に没頭していた。

 曙と漣はキャラシを手に取ってから、提督に質問していた。

 

曙「そういや、今回のシナリオって秋雲作?」

 

提督「いんや、俺が作った」

 

漣「だからちょっと、楽しみでもあるんですよね」

 

曙「地雷シナリオじゃなければ何でもいいわ」

 

提督「う、ぐ……だ、大丈夫なはずだ」

 

漣「コラコラ、ボノやん。遊ぶ前からGMに心労掛かるようなこと云うのはNGですぞ?」

 

曙「ま、そうね。悪かったわクソ提督」

 

漣「それよりご主人様? 推奨技能はなんです今回」

 

曙「そうね。後で潮たちのキャラシ手伝うにしても先にアタシたちが作っといた方がいいわよね」

 

 キャラシに於いて、ある程度は自由に職業や年齢、性別など決めていい。

 物語中の行為でその行為が成功できるかできないかをジャッジする判定というものがあるだが、この判定は技能というもので行う。

 技能は初期値がそれぞれ割り振られており、ステータスのINTやEDUの値で変動するポイントを消費して加算することができるのだ。

 ステータスの項目は、ダイスでそれぞれ決める。

 判定も同じくダイス決めるのだ。

 しかし――――技能の種類は多く、幅広くとるのは不可能である。

 なので、GMは最初に【推奨技能】というものを宣告しておいて、シナリオを進行出来ないようなことに陥らないように最低限必須の技能を伝えておいた方が良いのだ。

 場合によりけりだが、クレーム案件も在り得る。

 

提督「推奨技能か……今回は目星・聞き耳・鍵開け・図書館・信用・説得・戦闘技能だな」

 

漣「あとはフレーバーですね♪」

 

曙「これは分担必須ね――って、云ってる傍からフレーバーって!」

 

漣「ある程度、自由でないとねん。あと、シノビガミに忍魚(にんぎょ)とか持ってきたボノやんには云われたくない」

 

曙「っく!」

 

提督「え、なにそれ、面白そう」

 

漣「感情結ぶために、ダム破壊してましたね」

 

提督「なにそれ、面白い!」

 

曙「わかった、わかったわよ! フレーバーは自由よね、だからこれ以上は黙りなさい!」

 

漣「はぁい」

 

 そんなわけで、漣と曙は先にキャラシを作り、その後、朧と潮も経験者たちと協力思案して作り上げたのだった。

 

 

【二話】に続く。




 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
 まぁ、今回は導入なのでグダグダやってましたね。
 これからが本番ですので、TRPGに興味が少しでもある人が実際にやってみたいと思える作品を作ってみるか……そんな気持ちから書き始めたものです。

 ちなみ、これが完結したら『第十七駆逐隊は忍ばない!』というシノビガミSSもやる予定です。こっちはこの作品が人気出たり、ネットとかで予定あえばリプレイ動画ならぬリプレイSSでもいいかもしれません。

 では、二話でまた逢いましょう。

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