東方/聖杯戦争   作:オルノ

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マスターになるのも面白そうですけどサーヴァントにもなってみたいんですよね。


召喚ダイジェストその1

 「えーと、、、カモン!サーヴァント!」

 

霧雨魔理沙は大事なことを忘れていた。聖杯がどうのとか願望がどうのとか興奮する言葉ばかり聞いて肝心の英霊召喚の方法を聞きそびれていた。しかし、たかがそんな事であきらめる魔理沙ではなかった。分からなければ自身の手で試行錯誤するのみ。手始めに自分の根城、魔法の森で妖精の輪を探した。魔法の森の魔力で育ったキノコでできた妖精の輪を魔方陣の代わりにすれば強力な使い魔を召喚できる。ましてや魔理沙はキノコを使った魔術に関しては一流だった。実際、この方法で何体かの使い魔を召喚したこともある。しかし英霊の召喚はそこいらの使い魔とはくらべものにはならないほどの存在、召喚は難航していた。

 

 「ん~おかしいなぁ~。いつも成功するんだけどなぁ~。まだ未熟なのを選んだせいなのか?」

 

右手の甲に赤々と輝く令呪を眺めるが別段変化はない。触媒に使用した実家から出た時に強奪してきた古いガラクタは全てボロボロに崩れ去った。触媒がこんなになるのに召喚は成功しない。一体何が悪いんだ?確かに魔理沙の行った10回の召喚術の内3回は成功しかけた。が、相手は誇り高い英霊。「カモン!」とか「来い!」とか「うぇるかむかもーん!」なんて呼びかけでは来るはずがなかった。最後に残った触媒はもはや触媒とも言えない代物だった。外から流れ着いた海賊の缶バッチである。こんなガラクタ中のガラクタで来る英霊はまともではないだろうし、使える触媒がこれしかない自分自身に呆れしかなかった。

 

 「まあいいや!これが最後の召喚だぜ!!」

 

その時が来たら英霊は召喚されるだろう。今はやれるだけの事をしよう。魔理沙は妖精の輪の中にバッチをほおり投げた。カラン、と音を立てて落ちた缶バッチは少し土が付いていて、改めてみると凄くみすぼらしかった。今日で11回目になる英霊召喚を行うため、妖精の輪に魔力を通す。魔法の森に満ちる濃い魔力を感じる。以前よりも薄くなったと感じるが、それでも濃く深い魔力だ。そんな濃密な魔力の中でも一際目立つ魔力の本流、幻想郷に張り巡らされた霊脈の支流を遡っていくと、かの魔術炉心は鎮座している。幻想郷と座を繋ぐ力の塊に自分の魔力回路を接続する。電撃が走るような感覚と共に魔理沙は確信する。

 

 「これは成功するぜ!缶バッチで成功するなんて認めたくないけど、成功は成功だ!」

 

 「さあ、英霊よ!ここに来たれ!いっしょに楽しもうぜ!」

 

勿論召喚は成功しないはずだった。触媒が缶バッチ、挙句に「楽しもうぜ!」だ。こんなマスターに自分の聖杯への願いはかけられない、そう大勢の英霊が判断した。が、ただ一人「楽しもうぜ!」という言葉に呼ばれた反英霊が居た。妖精の輪は爆発し、黒い煙が辺りを覆う。魔理沙は咳き込みながら人影を探す。成功したのか!?それなら一体どんな英雄が、、、!?

 

 

 「デュフフフwwwサーヴァントライダー、黒髭。ただいま参上したでござるよ!およよよ!こんな魔女っ娘美少女がマスターでござるか!?此度の聖杯戦争幸先が良いでござるな!デュフフフwww」

 

妖精の輪があった場所に立つ下品で汚らわしい髭男が、気持ち悪い喋り方で話しかけてきた。魔理沙は決意した。次の機会があれば今度こそはしっかりとした召喚をしよう、と。

 

 

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鬼人正邪は疲労していた。度重なる修羅場、迫りくる追跡者、連日連夜降ってくる弾幕。流石のゲスロリ天邪鬼でも堪えていた。異変での活躍は忘却の海に消え、残っているのは、大雨の中民家の軒下で段ボールに潜り込む哀れな自分だった。

 

一体どうしてこうなった、、、今頃はこの幻想郷の頂点に立ち、今までデカい顔をしていた支配者どもを見下していたはずなのに、、、寒さに震えながら盗んだ果実を食べる。少しの物音でびくびくする自分が情けない。クソっクソックソッ!絶対にやり返してやる、、、!我が物顔でふんぞり返る強者が弱者に支配される世界をもう一度、、、!

 

 

 「くそう、、、弱者を踏みつける圧政者どもめ。」

 

 

 「私に力さえあれば、、、あのクソアマ共に吠えかかせてやるのに、、、」

 

 

 「ああ、、、ああ、、、畜生!力が欲しい!すべてをひっくり返すことのできる力が!」

 

ガサガサ、、、

 

林の中から獣が二頭現れた。頭に札を張り付け、真っ直ぐ正邪を狙っている。きっと彼女を追う式神だろう。あの隙間BBAめ、と心の中で呟き段ボールの中でうずくまった。最早戦う気力も失った。煮るなり焼くなりされよう。だが、ただではやられない。死ぬまで強者に抗ってやろう。覚悟を決め、最後の弾幕の準備を始めると、バチン、と手に痛みが走った。攻撃を受けたかと身を隠すが、どうも違うらしい。恐る恐る痛みの走った手の甲を見ると赤い模様が浮き上がっていた。笑う顔と泣き顔の模様が痛みと共に輝いている。これはいったいなんだ?式神の呪いか?

 

まあある意味呪いと同意義なほど業の深い儀式の参加権なのだが、彼女は今まで自分の事を下に見る強者たちを打ち滅ぼす力を得る可能性、希望、チャンスを手に入れたのだった。

 

 

 「ふぅはははははははははははははははは!!!!!!!」

 

もう一つ、彼女と同じく圧政者を打倒する狂乱の反乱者を手に入れた。民家の軒先に雨音と、筋肉達磨の高らかな笑い声が響き渡った。段ボールでうずくまった天邪鬼は声も出せぬほど驚いた。なんだこいつは?

 

 「君が私のマスターか?君の叛逆の叫びに呼ばれて参上した!」

 

二頭の式神は躊躇なく、大男に食らいつく。大男は微笑みながら式神を掴む。

 

 「ふはははははは!!圧政者に枷をかけられた哀れな獣よ!我が圧政者(マスター)を圧制する強者に反逆するため、お前達を圧制する強者に反逆するため、まずはお前たちに反逆する!!」

 

 

自身に噛みつく式神を自身の肉ごと引きはがし、そのまま地面にたたきつけた。地面を揺らす轟音と共に血しぶきが辺りに舞った。

 

 

 「ふぅはははははははははははははははは!!!圧政者には死を!!我が名はスパルタクス!圧政者(マスター)と共に圧政者に反逆する戦士なり!!!」

 

 

ここにまた一人、マスターとサーヴァントが参戦した。

 

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 魔法の森近辺、香霖堂の店主霖之助は古紙とにらめっこしていた。勿論紙が面白い顔をしているからではない。五年前、紅魔館の魔女に売り渡した古文書の模写を読み解くためだ。五年前に無縁塚で拾ってきた古文書は余りにも内容が荒唐無稽過ぎてまともに読み解かず、模写だけして売ってしまった。18世紀の古書という貴重品ではあったが、中身は意味のないオカルト話だったからだ。買い手がいて助かった。そう思っていた。しかし、白蓮とその一派が幻想郷にやって来て数か月後、考えが変わった。明らかに幻想郷に満ちた魔力、神力が減ってきたのだ。

 

誰かが異変を起こしているのか?もしくは幻想郷に何か問題がおきているのか?長い間原因を探したが一向に見つからなかった。しかし、白蓮達の本拠地『命蓮寺』の下から莫大なエネルギー反応がある事と白蓮、アリス、パチュリーの魔術師トリオが頻繁に合っていることを突き止めた。そういえば紅魔館の魔女が18世紀のオカルト本を買っていったな。思い出してすぐに模写を読みとくと、聖杯やら魔術炉心やら英霊やら願望機やら如何にもな事が書いてある。あの病弱な少女がこんな大それた魔術儀式を実行しようとしているとは感服した。しかし、この儀式は問題が多すぎる。まず第一にこの古文書に書いてあるだけの情報では儀式の成立には不十分である。もし足りない部分を補填できても『すべてを叶える願望機』なんて碌な結果になるわけがない。幻想郷で燻っている魔術師が三人集まったところでどうにかなる儀式ではないのだ。

 

執り行う前に失敗するか八雲紫に止められるのがオチだ。彼女たちも身の丈というものを知り、おとなしくなるだろう。そう思って放置していたが、どうにも放置できなくなった。時々買い物に来るメイドに探りを入れると、驚くことに儀式の準備が順調に進んでいるらしい。燻っている魔術師と評したが、彼女たちは数百年間を生き、魔界で修業し、強大な師匠を持つ実力者であることを忘れていた。そして幻想郷の管理者たる八雲紫が動こうとしない。いや、これはいつもの事か。最後に特大の問題が。魔理沙がこの聖杯戦争に参加するらしい。先日、何食わぬ顔でやってきて、

 

 「近々特殊な召喚魔法を試そうと思っているんだけど、何か偉人所縁の品とかないか?」

 

などと言ってきた。間違いなく英霊召喚をするつもりだろう。詳しく聞こうと問いただすとすぐに逃げ出したため確証は得られなかったが右手の甲に見えた赤い彫が『令呪』とかいう代物ならば確実に聖杯戦争に参加するだろう。彼女がまだ小さいころから見守ってきた自分としては、彼女が血生臭い殺し合いに参加することは避けたい。そもそもお世話になった霧雨店の娘を見殺しには断じてできない。だが目標に走り始めた彼女を止めることができないのは自分が一番知っている。それなら自分も参加して彼女をサポートしよう。腐っても自分は半妖、サーヴァントに供給できる妖力はあるし運のいいことに令呪も宿った。真っ二つに分かれた眼鏡のようなデザインは気に入らないが仕方ない。後はサーヴァントを召喚するだけだ。

 

そんなわけで古紙とにらめっこしながら魔法陣を書いていた。鶏の血で描かれた魔法陣は生臭い臭いと神秘的な雰囲気を放っていた。後は触媒と呪文だけか。なにか適当なものはあったかな、、、、、これなんてどうだ?銃とかいうあちら側の武器。名称は『コルトM1877ダブルアクションリボルバー』鉛の弾を火薬の勢いで発射し、相手を倒す武器、、、一体どれ程の威力があるのかは知らないが武器には必ずそれを極めた英雄がいるものだ。

 

 「よーし。始めようか。」

 

 「えーと、、、閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)、、、繰り返すことつどに五度、、、ただ、満たされrドゴン!

 

 

突如魔法陣が爆発した。普段店で座っているだけの生活を送っているので久しぶりに爆音と衝撃を喰らった。おかげで尻もちをついてしまった。

 

 「あいたたたた、、、」

 

 

 「やあ!大丈夫かい?君が僕のマスター?」

 

魔法陣を中心に立ち込める粉塵の中から声がする。粉塵が晴れると、魔法陣の中に金髪の少年が立っていた。紅いスカーフを巻き、カウボーイハットを被った少年は微笑みながら手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 「ガンナー、ビリー・ザ・キッド。とりあえず立ち上がって?」

 

 「あ、ああ。ありがとう。森近霖之助だ。」

 

 

どうやら成功?したらしい。がんなーというのは分からないが、聖杯戦争に参加する最後の条件である英霊の召喚を成し遂げた。

 

 「正直、聖杯戦争が何かもがんなーがなにかも、ましてや君が誰かも分からない素人だが、、、どうしても戦う理由がある。手伝ってくれるかい?」

 

 「何とまあとんでもないマスターによばれたな、、、まあいいさ。僕でよければいくらでも手伝うよ。」

 

 

また一人マスターが誕生した。猪突猛進な魔女っ娘を止め、説教を加えるため。

 

 

 

 「早速なんだが、その腰に掛けている『銃』ってのを使って見せてくれないか?名前と用途は分かっても使い方と効果が分からなくてね。」

 

 

 「ハハハハハ!君は銃の扱いも知らないのかい?」

 

 

 




ガンナーじっそうあくしろよ

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