とあるバンドリーマーの転生記 ~side story~正義の味方 作:@Eiji
リハビリも兼ねてます。
~衛宮士郎side~
俺は夢を見ていた...正義の味方になるという夢を。
~幼少期~
俺は物心が付いた時から暴力、罵声、汚れた物を見るような目そんなことが当たり前の様に続く毎日。
父『このクソガキが!お前が居るせいで俺の人生はメチャクチャだ!』
母『何で...何で!あんた見たいな子供が産まれて来たのッ!』
士郎『ごめん...なさい...』
俺は今にも泣きそうだった。
父は酒にギャンブルにタバコ三昧と如何にもDVを象徴する様な人だった。
母は男を顔や金で選ぶ人で父との結婚も財産目的で選んだらしい。
幼少期のころの両親の生活は平均的だったが。
ある日のことだ。いつも通り両親から暴力を受けた夜の出来事である。両親の話声が聞こえた。
父『___あんなやつ捨てた方が良いな』
母『いいえ!貴方___あんな醜い子は殺すべきよ!』
父『そうだなあいつは産まれるべきでは無かった』
小学校にも入学していなかった俺は捨てるや殺すなどの言葉の意味は分からなかったが本能的にマズイ状況だと分かった。
俺は急いで逃げた。ぼろぼろの身体にムチを打つとはまさにこの事だろう。
両親にロクに食事を与えられなかった俺は当然ガリガリに痩せ細っており、体力も無かった。
歩く度に聞こえる町の人達の幸せそうな声、笑顔を見て思った___何で俺はこんなにも幸せじゃないのだろう。
だがそんなことはどうでも良かった。今は助かるために必死だった。
何処まで走ったのだろう...10分?一時間?それとももっと長い時間を歩いていたのか、短い時間歩いていたのか?は分からなかった。
疲れた、水が欲しい、足がふらついてきた。
疲れきって弱音を吐きそうになる。
気が付いたらさっきまでの人々の声とは比べ物にならないほどの喋り声が鼓膜を揺らした。
重い瞼をゆっくりと開けるとそこは何処か分からない駅の前だった。
何の根拠も無かったが助かると思った。
俺は目の前の駅に一目散に走った。しかし周りは俺が走っていったことに驚いた様子だった。
すると突然自動車が走って来る音が聞こえてた。
横を向くと軽自動車がこちらに向かって来ていることが分かった。
運転手『うわぁぁぁぁぁ!!』
大声を出した運転手の顔をチラッと見る。表情を確認すると運転手の顔は血の気が引けた真っ青な表情をしていた。
???『危ないッ!!』
その中で青年のひときわ大きな声が聞こえた。
その瞬間俺は誰かに包み込まれた見たいな感触に襲われた。
初めての感触だった...それはとても暖かくて、大きくて、それでいて優しくて思わず涙が出そうになった。
俺は自分の身体を包み込んで居る人の正体を知るために顔を上げた。
青年は安心したのか俺を見るなり俺の身体を少し強く抱き締めた。
???『大丈夫か?』
青年はそっと優しく俺に声をかけた。
これが俺にとっての正義の味方の誕生だった。
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