神崎士郎(@仮面ライダー龍騎)に月の聖杯の一部が乗っ取られて始まった聖杯戦争   作:伊勢村誠三

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大分前のオーディン軍対聖杯のサーヴァントの続きになります。


第二十一話

さながらルーマニアの聖杯大戦。

その言葉に偽りはなく、敵味方双方尋常な聖杯戦争では出会わない者同士が戦っている。

 

「ははははははは!」

 

「■■■■■■■■■■■―――!」

 

まずバーサーカークラス同士。

スパルタクスとヘラクレス。

そしてそれを援護する者同士、スパルタクスにはロビンフット。

ヘラクレスにはイアソンとメディア。

 

「いいぞ!もっともっと楽しませろぉお!」

 

「やぁあああああ!」

 

人間でありながらサーヴァントと対等に渡り合う王蛇と、そんな怪物に一歩も引かない翠鳴騎士ゼクス。

 

そして中でもすさまじいのが

 

「ふん!はぁあああ!」

 

「嘘でしょ…」

 

「人間風情が!」

 

クロエ、魔進チェイサーを相手にしてなお有利に立ち回る冴島大河だろう。

牙狼剣で連射される矢を弾き、いなし、距離を詰めてくる。

 

「この程度では牙狼はおろか並の魔戒騎士すら倒せんぞ?」

 

「ほざけ!」

 

近接戦に切り替えた魔進チェイサーが飛び出す。

クロエは残り援護に徹しよと思ったが

 

「ふん!」

 

地面に刺さっていた矢を大河に投げ返される。

左頬をかすめて矢ははるか向こうに飛んでいった。

ツーッと赤い一筋の血が流れる。

 

「なーんだ。ばれてるのか。」

 

そう呟くとクロエは両手に双剣を投影し、大河に斬りかかる。

それに合わせて魔進チェイサーもブレイクモードに切り替えたブレイクガンナーを繰り出す。

 

大河は剣を高く掲げ

 

「ふっ!」

 

大きく円を描く。

その円は空に残り、剣で突くと景色を割った。

その中から

 

「GAOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!」

 

黄金が降臨した。

燃えるような灼眼に炎の様な造形。

眩く輝く金狼。

 

黄金騎士牙狼!

 

「はぁあああああああ!」

 

まず剣ごとクロエを両断。

着地して振り返る。

魔進チェイサーはこちらをじっと睨んでいた。

牙狼は地面に倒れ伏したクロエを飛び越え回転しながら斬りかかる!

 

「がぁああああ!」

 

派手な火花を上げて魔進チェイサーの装甲がバックリと深く切られる。

シュン!と魔進チェイサーは令呪を使ったのか瞬間的にその場から消えた。

鎧を解除して大河はクロエの元に行く。

 

「あー……いいの貰っちゃった。」

 

「すまないな。君も好き好んで奴に味方してるわけではないだろうに。」

 

「いいの。あのお人よしのお兄さんに弓を引くぐらいなら、この方が…。

いい剣ね。私にはとても真似できないわ。」

 

キラキラと金色の粒子を上げてクロエは風景に溶けるように消えた。

 

「終わりましたか?」

 

その背後から新たな敵が現れる。

長い黒髪の平安時代風の鎧を纏った女性だ。

右手に剣を、左手にはボロボロになった消えかけの茨木童子を持っている。

それを切り捨てると女は大河に剣を向け

 

「……」

 

「……」

 

大河も抜刀する。

二人は同時に走り出し激突した。




次回 頼光vs牙狼

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