魔法科高校の劣等生の世界に、ドラ○エの呪文と特技を扱える三兄妹が転生しました。   作:ひろちん丸

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 プロローグということで短いですが、よろしくお願いします。
 


プロローグ

「神代紅羽さん、神代刹那さん、神代凛乃さん、ようこそ死後の世界へ。あなた方はつい先程、不幸にも亡くなってしまいました」

 

 真っ暗な部屋の中、俺たちは突然そう告げられた。

 突然の事で何がなんだか分からない。

 部屋の中には何も無く、部屋にいるのは俺と、双子の妹の刹那、義理の妹の凛乃、そして、俺たちの人生の終わりを告げてきた女性の四人のみ。

 

「死因は覚えていますか?」

 

 彼女にそう言われた俺は、先ほどまでの記憶を遡る。

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 俺たち三兄妹は、東京都八王子市にある実家の神代神社という神社の経営を手伝っていた。

 実家は結構有名な神社で、年間の初詣の参拝者数は三百万人を超えるほどだ。

 そのため休みがほとんど無く、学校終わりも直ぐに自宅に帰り経営を手伝っていた。当然、休日である土日も休みとはいえなかった。

 そんなある日、自分と刹那の誕生日プレゼントにと、都内の人気テーマパークの入場券を親からもらい、久々に兄妹水入らずで外に出かけた。

 

 ――そうだ……思い出した……

 

 俺たち三人は、遊園地で起こった爆破テロに巻き込まれたんだ……

 爆発が起きて建物が崩壊したところまでは覚えている。だが、それ以上の記憶はない。つまり、そこで俺の、いや、俺たちの人生は終わりを告げたのだろう。

 

「――思い出されたようですね」

 

 彼女がそう言うと、刹那と凛乃はコクっと頷いた。どうやら、二人も何があったのか思い出したようだ。

 

「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。私は生と死を司る女神セーラ。あなた方三人のこれからを決めるために来ました」

 

 薄い桃色の髪をなびかせながら、セーラはそう言った。

 よく見てみれば、人間離れした美貌だ。透き通った綺麗な白い肌に、柔らかな印象を受けるパチっと見開いた目、そして、極め付けは世の中の女子が憧れそうな完璧な体のライン。非の打ち所がまるで無い。

 

「さて、時間がないので手短に行きますね。貴方たちには二つの選択肢があります。一つ、新たに命を授かり一から人生を歩み始めること。二つ、肉体と記憶をそのままに、別の世界に転生すること」 

 

 二つ目の選択肢は、いわゆる異世界転生というやつだろう。その手のライトノベルやアニメ、漫画を見て、してみたいなとは思ったことはあるが、まさか自分にその選択を迫られる時が来るとは夢にも思わなかった。

 自分の答えは決まっている。勿論、二つ目の「別の世界に転生する」だ。そうすれば刹那と凛乃とまた一緒に過ごせる。

 

 ――しかし、危険な世界だったらどうしようか……?

 

「ふふっ、大丈夫ですよ。貴方が思っているような危険な世界ではありませんので」

 

 突然笑みを浮かべ始めたので驚いたが、セーラはどうやら心が読めるらしい。

 流石は女神様と言いたいところだが、正直プライバシーもあるのでやめてもらいたいところだ。

 

「あなた方が転生する世界は、あなた方が住んでいた地球とあまり違いはありませんよ」

「あまり違いはないという事は、多少の違いはあるんですね?」

「えぇ、貴方たちが転生する地球には『魔法』という文明が存在します」

 

 ――魔法。

 それは、俺たちが生きていた世界では空想上のものでしかないもの。

 漫画やアニメなどでしか描かれない、架空の力。

 そんなものが、転生先の世界には存在するようだ。

 

「多少の危険はあるかもしれませんが……魔法を使える世界に転生できるなんて、少し心が躍りませんか?」

 

 確かに、アニメや漫画などが好きな人にとっては、魔法を使える世界に転生できるなんて願ったり叶ったりだろう。

 実際、俺もその世界に転生してみたいと思っているし、刹那と凛乃も目を輝かせていた。

 普段外に遊びに行けなかった俺たちにとって、娯楽と呼べるものは家でアニメを見たり、漫画やライトノベルを読んだり、ゲームをすることだけだった。

 

「お兄ちゃん、わたし、その世界に転生してみたい」

 

 この空間に来てから一度も口を開かなかった刹那が、ようやく口を開いた。

 

「紅羽様、私も刹那と同じです」

 

 刹那に続いて、凛乃も閉じていた口を開いた。

 どうやら、二人とも意見は同じらしい。

 

「どうやら、妹さん方は答えがでたようですね。貴方はどうしますか?」

 

 刹那と凛乃が転生するという選択肢を選ぶと、セーラは少し微笑みながらそう言った。

 

「勿論、自分も二つ目の選択肢で」

「その選択に後悔はありませんね?」

「ないよな、二人とも?」

 

 俺がそう二人に尋ねると、二人は顔を見合わせてからにっこりと笑い、刹那は「うん」と、凛乃は「はい」と頷いた。

 

「承諾しました。では、これから転生するにあたって、ある一つのことについて説明させて貰いますね」

 

 すると、突然何もない場所から分厚い本がぽとりと俺たちの膝に落ちた。

 少し痛かったというのは置いといて、その本の表紙には「転生ガイドブック」と記されていた。

 

「それはまだ見なくても大丈夫です。転生してからゆっくり見てください」

 

 どうやら、この本は今からの説明に関係ないらしい。

 

「さて、貴方たちが転生するにあたって、いくつかの能力を与えさせてもらいます」

 

 なるほど、異世界転生ものではよくあるパターンだ。

 主人公がチート能力を授かり、転生先の世界で無双する。一見つまらなそうな内容だが、これが見てみると結構面白いのだ。

 

「ドラゴンクエストというゲームを知っていますか?」

 

 数多くのゲームをやってきた俺たちだが、そんなゲームは聞いたことがない。

 刹那と凛乃も隣で首を傾げている。

 

「あ、すいません。あなた方の世界には存在しないゲームでした」

 

 どうやら、俺たちが住んでいた世界とは別の世界のゲームらしい。

 ドラゴンクエスト……なんというか、ゲーマーの血が騒ぐというか、物凄くプレイしてみたくなるタイトル名だ。

 

「で、そのドラゴンクエストというゲームがどうかしたんですか?」

「えぇ、そのゲームには呪文と特技と呼ばれるコマンドが存在するのですが、あなた方三人には特典として、ドラゴンクエストの呪文と特技の全てを使えるようにさせてもらいます」

 

 つまり、セーラが言うには、そのドラゴンクエストというゲームの呪文と特技の全てが転生先の世界で使えるようになるというわけらしい。

 俺たちが知っているゲームのものならまだしも、知らないゲームとなるとリアクションが取れなかった。

 

「詳しくはガイドブックに記されているので、後ほどご確認を」

「分かりました」

 

 転生後に使える能力について話が終わると、急に足元が光り出した。

 どうやら、もう転生の時間らしい。まだまだ訊きたいことはたくさんあるのだが、まぁ、国語辞典ほどの分厚さを誇るこのガイドブックを見れば、大半のことは分かるだろう。

 

「すいません。本当はもう少し説明したいことがあったのですが……」 

「いえ、ここまでしてくれてありがとうございました」

 

 俺がそう礼を述べると、刹那と凛乃も深く腰を折った。

 

「では、あなた方三人に祝福があらんことを」

 

 セーラのその言葉を最後に、俺の視界は眩い光に包まれた。

 

 ――こうして、俺たちは別の世界へと旅立った。

 

 

 

 




 初めて小説というものを書かせてもらったので、文法も滅茶苦茶かもしれませんし、ストーリーも面白くないかもしれません。
 ですが、一人でも多くの人に面白いと思っていただけるよう今後も頑張っていきますので、よろしくお願いします。

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