シズさんを魔法の学校に通わせたい。   作:ちゅんちゅん丸

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こんにちは、はじまして。お久ぶりの方はお久しぶりです。

久しぶりに書きます。最初の数話は自分でもキャラ掴み切れてないのでご容赦くださればと思います。もしかしたら最後までご容赦くださればとなるかもしれません。

シズさんとオリ?主メインで進めて行きます。

つっこみどころあると思いますが、おいおい説明していく予定なので、前作同様、軽いノリでお付き合いください。


入学編・・・みたいな何か
シズ、入学する。


魔法・・・それが現実の技術となったのは1999年のころらしい。

 

思い返してみるとそのころの自分は向こうの世界でバンバン魔物と戦っていたかなぁ・・・?それとも学校の先生を始めたころだろうか・・・。

まぁ今は1999年どころか2095年らしいけど。おかしいな・・・あの子達の話からすると2010年位って言ってた気がするんだけどなぁ・・・?80年くらい時差がある気がするけど気のせいかな?

そんなことを考えながらボーっと桜が咲き誇っている講堂前の庭を眺める。

 

たしかに自分がこっちにいた頃は化学もそんなでもなかった。ピコピコもないしね。

陰陽師とか風水とかはあったけど、魔法、それも炎を出したり風をおこしたりは出来なかった。私が居た頃はそうだし、あの子達がいた頃もそうだったはず。

 

あれ?でもユウキがめら?とかひゃど?とかなんとか言う魔法があるって言ってたような・・・?ぶりざどだっけ?あれ?

 

そもそもが、聞いていた話と現代の様子が随分違う気がするのは気のせいかな?そうは思うものの、まぁいいかと思う。

それでも、せっかく大変な思いをして入学したんだ、今更学生として過ごせるなんて夢にも、いや、夢にしか思ってなかったからこれからの学生生活を思うと少し胸が高鳴ってしまう。

 

そんな少し浮ついた気分でいられたのもつかの間だった。

 

「納得できません!」

「納得できるかわけないだろぉ!?」

「まだ言ってるのか・・・?」

 

第一高校の入学式、そう、この後入学式だ。

その入学式の随分前から私の、今の私の大切な家族たちが言い争っていた。争っていたというか、わがまま言ってる感じかな。

 

「なぜお兄様が補欠なのですか!?」

「なんで俺が一科生なんだよ!?」

 

それぞれがそれぞれわがままを言うのは、私の愛すべき義妹と義弟だ。

 

「入試の成績ではお兄様がトップだったではありませんか!」

「俺はあんなに手を抜いたのに!!」

「俺としては良く受かったと思っているんだが・・・それとハチ、お前はまじめにやれ」

 

そんな言い合いというかわがままを言う2人をなだめるもう一人の家族、一応分類としては義弟になるのかな?を私は微笑みながら眺めている。決して巻き込まれたくないわけでは無いの。

そんな今の私の愛すべき家族達を眺めながらこれからの生活に胸が高鳴るのは仕方ないと思う。

 

長く戦いばかリの生活をしてきた私には向こうの世界で聞いたあの子達の話が輝いて聞こえていた。うぇーいしてじゅーしーぽーりーいぇいとか。おっきな桜の木に願い事をかなえてもらったりとか。世界を大いに盛り上げる部活とか。わくわくが止まらないよ。

 

そんな話に聞いた生活がこれから待ってるのだ。

若干聞いてた話と年代も違えば文明やらなんやらに違和感があるが、きっと気のせいだと思う。とにかく気分が高揚しているのだ。

 

そんな事をぼんやり考えているとなにやら視線を感じた。うん?

 

「お姉さま!?聞いていますか!?」

「シズ姉!聞いてるのかよ?」

「シズ、俺には無理だ、何とかしてくれ」

 

振り向いてみると三者三葉の視線が私を貫いていた。ついにこっちにまで矛先が来てしまった・・・。

 

まずは私の可愛らしい、とても可愛らしい義妹に視線を向ける。

向こうの世界でも見ないくらいに可憐な容姿に、透き通るような肌、黒く艶やかな腰まで伸びるまっすぐな髪を持つ絶世の美少女の深雪。そんな深雪が頬を膨らませている姿は本当に可愛い。

 

次にその隣で同じくこちらに視線を向けるのは、私と同じくこちらの世界に迷いついたと思われる義弟。見方によっては整っているようにも見える容姿に可愛らしいアホ毛が生えた少年。記憶を失ってしまっているせいか目が濁ってしまっているが、とても心優しいハチ。こちらもジトっとした視線を向けていて可愛い。

 

そして、その二人をさっきまでなだめてたのが便宜上義弟としている達也だ。流れ着いた私とハチとは違い深雪とは正真正銘の兄妹で、入試の時にはとてもお世話になった私の自慢の義弟である。やれやれとしているが、とても頼りになる義弟だ。

そんな三人の視線にしっかりと頷いてから、私は深雪とハチの頭をそっと撫でる。

嬉しそうに眼を細める2人ににっこりと微笑みながら語り掛ける。

 

「2人ともすごいね、私の自慢の2人だよ。私なんか達也に教えてもらって必死になってなんとか合格できたくらいなのに。私のせいで全力が出せないのに一科生に入るハチもすごいし、総代になる深雪もすごいよ。それに比べてダメダメなお姉ちゃんでごめんね?」

「「そんな!!」」

 

私の言葉に慌て始める2人。そこを好機と見たのかさらに達也が深雪の頬に手を添えながら語り掛ける。

 

「俺の代わりに怒ってくれるから、俺はいつも救われている。お前が俺の事を考えてくれるように、俺もお前の事を思っているんだ」

「そんな、お兄様・・・想っているだなんて・・・」

 

頬を染めながらクネクネしている深雪と、そんな深雪を見てあれ?という顔をする達也。あっちはもう大丈夫かな?

そして私はもう一人の義弟であるハチにもう一度微笑みかける。

しゅんとした気持ちを代弁するかのようにアホ毛もうなだれている。もう、可愛いなぁ・・・。

 

「私のせいでごめんね?」

「俺こそすまん」

 

しっかりと反省しているハチにいいこいいこしてあげる。

シズ先生時代に磨かれた私のいいこいいこは評判よかったんだから。

そんな先生時代の事を考えながら、少し頬を染めながら大人しく撫でられているハチを見ているとおかしなことに気づいた。

 

「あれ?ハチ、制服どうしたの?」

「ん?」

「そういえば‥‥」

 

私が聞くと、達也と深雪もハチの制服を見ると、その肩にあるはずのものが無くなっていたのだ。

 

「ん?ああ、エンブレムか・・・はがした。姉さんと一緒が良いからな、おそろだぞ?」

 

なぜか自慢げに肩の校章があるべき部分を私に見せてくる。これがドヤ顔ってやつだね・・・ケンヤが良くやってたなぁ・・・。

そんなハチにズルいです・・・とうらやましげな視線を向ける深雪とため息をつく達也。ううーん、これは・・・。

 

「あぁ、大丈夫だ、ちゃんとクラスに入る時はつける、でも姉さんと居るのには邪魔だろ?まぁ、優等生の妹様には無理だろうがな」

 

私達の視線に気づいたのか、そう続けるハチ。すごく自慢げなドヤ顔だ。そして深雪はすごい悔しそうな顔をしてるので私は今度は深雪の頭を撫でてあげる。お姉さまっと可愛らしく抱き付いてくる深雪をよしよししてあげる。私の胸に顔を埋めながら甘えてくる深雪は本当に可愛い。可愛いは正義だってユウキも言ってたっけ。その通りだと今ならわかるよ。

 

「もう・・・でも、私のせいだもんね、ありがとね?ハチ」

 

そんなやり取りをしていると深雪はリハーサルの為に講堂に入っていった。気のせいか顔がツヤツヤしていた気がする。まぁでも気合が入ったみたいだから良かった。頑張ってね、深雪。

そう愛しの可愛い可愛い義妹を応援しながら見送る私達。でも、入学式はまだまだ先なんだよね・・・。

 

「さて、これからどうしようか?」

「そうだな・・・」

 

どうしよう?と愛する義弟達に苦笑しながら問いかけると、やはり同じような苦笑で返された。さて、本当にどうしようかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく、達也、私、ハチの順に長椅子に座りながら時間を過ごしていた。

達也はピコピコ(ハイテクすごい)をもって何か調べものをして、ハチは達也とは反対隣で紙媒体の本を読んでいた。

そんな2人の間で私はひたすらニコニコしている。たまに2人に話しかけたりしながら過ごすことしばらく。

 

――――ねぇ、あれ、ウィードじゃない?

――――所詮スペアなのに・・・

 

そんな声が聞こえて来た。

うぃーど・・・たしか二科生の事をさすハイカラな呼び方だ。一科生はぶるーむ?と言うらしい、ハイカラだ・・・。

 

そんな感動している私とは違って隣の達也とハチはちょっとムッとしていた。

しょうがないなぁ・・・と思いながら2人をヨシヨシしてあげる。

そういえば、あまりいい意味ではないんだっけ?かっこいい言い方なんだけど、別に二科生になった事なんて気にしてないのになぁ・・・。と苦笑してしまうのは仕方が無いと思わないかな?

 

 

 

 

 

 

それからしばらく時間を過ごし、ようやく入学式の時間になった。

 

私とハチ、達也は三人そろって講堂に入る。ハチはまだ一科生に納得してないようで校章を外したままだ。

 

講堂に入る前にこの学校の生徒会長七草さんと話したが、そこらへんは割愛しておく。

私と達也とハチの名前を聞いてそれぞれ「あぁ、あの・・・」という反応をしてきたが、気にしない。入試の時に機械を壊してしまった事とか全く気にしてない。簡単に壊れたり爆発しちゃうピコピコがいけないの。

達也は褒められて、私はちょっとあれな感じで見られて、なぜかハチも謎の生命体を見るような目で見られたが、気にしない。

 

・・・・・・ダメなおねえちゃんでごめんね?シズ先生時代が懐かしいやら何を教えていたんだと恥ずかしいやらだよ・・・グスン。

言い訳じゃないけど、はいてくとか、しーえーでぃーとか、触ったら壊れちゃうようなピコピコは私がいた時代には無かったし、向こうの世界にもなかったもの。魔法もピコピコ使って行使するようなものでもなかったし。

燃やすか爆発させるか、剣にまとわせるだけだったし。だからピコピコがいけないの。

 

そんな感じで心の中で言い訳をしている間もハチと達也は座席を探していたようだ、うぅ・・・本当にダメなお姉ちゃんでごめん・・・。

 

「はっ、わっかりやす」

「最も差別意識が強いのは、受けている者か・・・」

 

はんっと鼻を鳴らすハチとかっこいい事を言う達也。

言われて座席を見るとなるほど、と思う。前が一科生、後ろが二科生かぁ・・・。いや、ここは私もおしゃれにぶるーむとういーどって言うべきかな?

 

「まぁまぁ。あ、あそこ空いてるね、座ろうか」

 

一番後ろの席はまだだいぶ開いていたので私達は並んで座った。

ちょっと舞台から遠いけど、私達なら問題なく深雪が見れるし、深雪も問題なく見つけてくれるだろう。私達の兄妹愛の前ではこの程度の距離なんてあってないようなもの。

そんな事をふふーん!と考えているとすぐ近くに人の気配がした。あれ?とそちらを見るのと、声が掛けられたのは同時だった。

 

「あの、隣は空いてますか?」

「ふひゃっ!?」

「あ、はい、大丈夫ですよ、どうぞ」

 

とても可愛らしく、礼儀正しい眼鏡の少女が声を掛けてきたことで一番近くのハチが慌ててしまったので私が代わりに応えてあげる。よしよし。びっくりしたね?

でも、あんまり胸ばかり見るのはよくないぞ?とよしよしした後ちょっとだけツネっておく。

 

その後、とても可愛らしく礼儀正しい少女、柴田美月さんとこちらもとても可愛らしいどこか猫を思わせるような、活発な印象を受ける少女、千葉エリカさんと自己紹介をした。

昔の日本にはこんな明るい赤の髪をした人はいなかったと思うんだけど?可愛いけど・・・。

 

「ふ~ん、達也君にハチ君、シズさんね、よろしく~」

 

こちらこそよろしくね?と恥ずかしがりやのハチと、静かにたたずむ達也の代わりに微笑みながら応える。

ダメお姉ちゃんの頑張りどころだね。頼りになるところをアピールだ!フンス!と気合を入れる。

その後美月ちゃんとエリカちゃんとの会話は入学式が始まるまでそれはもう盛り上がったのだった。

 

 




という訳で、まずはキャラを掴むためにシズ視点で。
その後はハチ視点だったりシズだったり、だいたいハチで行きます。

伏線的なのはそのうち回収します。たぶん。軽いノリで見て下さい。

一応捕捉的な
シズ→転スラ設定使ってます。世界を再度渡った事により魔素がさらに増大しています。原作よりも強い。ここでは魔素=サイオン的扱いします。
ハチ→俺ガイルから世界を渡った的な感じ。その際に記憶を失った。世界を渡った設定は今後も増えるかも。ワールドトリガーネタも出るかも。

簡単に言うと、四葉に拾われて深雪のガーディアン兼単純に戦力として達也と深雪の義弟姉に。その辺の話はそのうち追憶編やったら書きます。やったらね。

そんな感じで次回もよろしくです。

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