すいません、結構間が空いてしまいました。
ちなみにあれからリリィをもう一人呼べて、今では宝具2です。一度出ると出やすくなるあの感覚は気のせいかな……
『お前はよくやってるよ、アルトリア』
「……急にどうしたのですか?」
『別に。ただ、ちゃんと言葉にして褒めないと、実感してくれないと思って』
陽が沈み、夕焼けを映し出す。
白亜の城の城壁の上で、王とその剣が言葉を交わす。
『アルトリア、お前は本当に立派な王様になったよ』
「——そう、でしょうか? あなたには、私が立派な王に見えているのですか?」
『あぁ、初めて出逢ったあの日に比べたら、随分立派になったさ』
「……えぇ、貴方がそう言うのならきっと間違いない——でも……」
王は城壁の上から
美しい光景だ。
自分はこの景色を守れているだろうか?
否、守らなくてはいけない。
『アルトリア』
今日はやけに名前を呼んでくれる己が剣の声。
王は静かに彼の声に耳を傾ける。
『——変わったな、本当に変わったよお前は。だから次に『変わる』のはきっと』
「…………」
『———複雑か? アルトリア』
「それは……カリバーンの方こそでは?」
『あー……まぁ、そうだな。あんな反応されると、ちょっとな———』
聖剣エクスカリバーを手にしたアーサー王。
即ちカリバーンを手にしたアルトリアの可能性、完成された騎士王。
そんな彼女がカルデアに召喚された。
そう聞かされた時、アルトリアとカリバーンは迷った。
邂逅すべきか否かを。
しかし獅子王の件もある。
全てから逃げるのは楽だが、それでは『何も始まらない』事を彼女と、彼女に最後まで寄り添う事を選んだ彼のおかげで知ることができた。
カリバーンを手にしたアルトリアは未熟者だ。
進み続けなくてはならない。
成長しなければならない。
ブリテンの王に相応しい騎士の中の王に成らねばならない。
故に『止まる』事はできない。
花と黄金に満ちた旅路を進み、二人は旅をする存在だ。
例えそれがどんなに救いようがなくとも、どんな未来が待っていようとも———
二人は進むのだ。
『…………』
「その……気に病むことはありません。きっと彼女も悪気があったわけじゃ」
『そんな事は分かってるさ! でも、それ以上に……あぁクソ。お前にはこのカルデアで真実を告げれた。俺も満足だ……けど、あの
カリバーンの記憶領域に浮かぶのは、カルデアで出逢ったアーサー王となったアルトリアとの最初の記録。
——あの、時彼女は目を丸くして、カリバーンしか視界に入れていなかった。
そしてお気に入りの玩具を見つけた子どものように、本能で欲する無垢な赤子のように。
きっと無意識だったに違いない。
小手を外した彼女のか細くも力強い手が、カリバーンに伸びていき——
——その手を、別の手が掴んだ。
それは、彼女の反対側の手。
小手を付けたままの手。
銀色の装飾がされた、彼女のか細い手を隠す為の小手。
その手で、彼女は戒めるように、力強く自分の手を、カリバーンに伸びた手を掴んだのだ。
「——あ」
その呟きが誰のものかは、その場にいた全員が分からなかった。
——カリバーンを除いて。
『——アル、トリア』
カリバーンは見た。
見てしまった。
さっきまで無垢な子どものように輝かせていた彼女の瞳に、曇りが掛かってしまっていることに……
『……うん、やっぱり決めたわ』
「カリバーン?」
カリバーンには、彼女——アーサー王として完成された己の主人の抱えているものが何であるか、既に検討は付いていた。
——カルデアと、魔術王の決戦は近い。
今更こんな所で、蟠り——心残りなんて作りたくもないし、作らせたくもない。
ましてやそれが、自身の主人だというのなら尚更のことだ。
『悪いマスター、お前も色々と言いたい事とかあると思うが……今回は俺に譲ってくれ』
「……えぇ、分かっていますとも。ケジメを付けたいのでしょう?」
『あぁ、きっとこれも、俺の使命なんだ——』
新章でだいぶ心を抉られたけど、私は元気です。
それにしても沖田オルタ水着と煉獄……成る程、ああいうのもアリなのか(閃き